環境省総合環境政策超長期ビジョン検討について

第7回超長期ビジョン検討会議事録


平成19年3月6日(火)9:30〜12:30
虎ノ門パストラル
新館4階「アイリスガーデン」

○議事次第

1.開会

2.議事
  (一)脱温暖化2050プロジェクトの成果について(報告)
  (二)モデル分析について
  (三)これまでの検討の成果及び今後の検討項目と手順案について
  (四)その他

3.閉会

配付資料一覧

【資料】

資料1−1
2050日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討
資料1−2
「2050日本低炭素社会シナリオ:温室効果ガス70%削減可能性検討」の背景解説
資料2
定量化のためのモデルについて
資料3−1
超長期ビジョン検討の状況について
資料3−2
合宿の成果(観点別対比表)
資料3−3
コアエレメント関係図
資料3−4
超長期ビジョンの今後の検討項目と手順(案)
資料4
超長期ビジョン検討今後の流れについて

【参考資料】

参考資料1
「社会・経済の趨勢」及び「持続可能性へのリスク」で取り扱う問題の整理方針
参考資料2−1
要素関係図(分野別)
参考資料2−2
要素関係図(領域別)
参考資料3−1
コアエレメント一覧
参考資料3−2
集約されたコアエレメンツ
参考資料3−3
ビジョンの要素一覧
参考資料4
21世紀環境立国戦略関係資料(報道発表資料、第1回特別部会資料抜粋等)
参考資料5
第6回超長期ビジョン検討会(平成18年12月12日開催)議事録
参考資料6
超長期ビジョン検討会名簿

○出席委員

安井至座長、明日香壽川委員、川島博之委員、柴田康行委員、原沢英夫委員、広井良典委員、森口祐一委員、山本博一委員、湯原哲夫委員、湯本貴和委員、若林敬子委員

午前9時32分 開会

○増田課長補佐 そろそろ時間が参りますので始めさせていただきます。
 まず、お手元の配付資料のご確認をお願いしたいと存じます。
 一番頭に本日の座席表がございますが、その下、議事次第に資料一覧がございます。
 資料1−1といたしまして2050日本低炭素社会シナリオ、資料1−2といたしまして同シナリオの背景解説、資料2といたしまして「定量化のためのモデルについて」、資料3−1といたしまして「超長期ビジョン検討の状況について」、資料3−2といたしまして「合宿の成果(観点別対比表)」、資料3−3といたしまして「コアエレメント関係図」、資料3−4といたしまして「超長期ビジョンの今後の検討項目と手順(案)」がございます。それから、資料4といたしまして「超長期ビジョン検討今後の流れについて」でございます。
 その他、参考資料1といたしまして「「社会・経済の趨勢」及び「持続可能性へのリスク」で取り扱う問題の整理方針」、参考資料2−1「要素関係図(分野別)」、参考資料2−2「要素関係図(領域別)」、参考資料3−1「コアエレメント一覧」、参考資料3−2「集約されたコアエレメンツ」、参考資料3−3「ビジョンの要素一覧」、参考資料4「21世紀環境立国戦略関係資料」、参考資料5「第6回超長期ビジョン検討会議事録」、最後に、参考資料6といたしまして本検討会の名簿がついてございます。
 もし不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださいますようお願いいたします。
 本日、会場の都合上、ワイヤレスのマイクが1本のみとなっております。できる限りお近くのマイクを融通し合ってお使いいただければと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、本検討と多少なりとも関係がございます21世紀環境立国戦略につきまして、審議官の石野からご報告させていただきたいと存じます。

○石野審議官 参考資料4をご覧いただきたいと思います。
 前回の検討会では詳しくご説明申し上げませんでしたけれども、この議論は今年1月の総理の所信表明、3ページをめくっていただきますと施政方針演説が出てまいりますけれども、その中で、今後の環境政策全体の方向を明示し、今後の世界の枠組みづくりに貢献するという指針として「21世紀環境立国戦略を6月までに策定します」という表明がございまして、それを受けて進められているものでございます。
 4ページにその背景が書いてございますが、総理が新年早々ヨーロッパ等にお出でになってブレア首相あるいはメルケル首相と相談した際に、環境問題は重大性を増している、特に温暖化の問題で非常に切迫しているということで、日本が来年のG8のホスト国になるということもありまして、日本としては、ぜひ環境の問題で積極的な発言をし、あるいは世界の議論をリードしたいという趣旨で、この戦略をぜひ作ってくれということで指示をいただいたものでございます。
 1ページに戻っていただきまして、その進め方でございますが、中央環境審議会に特別部会をつくりまして、2月26日から議論を始めたところでございますが、(2)に書いてございますように、[1]いろいろな政策について、全体としての中期的かつ戦略的な環境政策の実施上の羅針盤あるいは海図といったものを示したい。[2]としてG8の場などにインプットをしたいということと、[3]新規産業の創出といった形で経済成長、環境の分野から引っ張っていくのだということ、2ページに参りまして、地域の環境資源を生かした地域活性化に寄与するとともに、国際経済の安定に貢献したいといったことを言っております。
 この超長期ビジョンと方向としては非常に似たことをやろうとしているわけでございますけれども、政治的な場に出されて国際的に大きなメッセージを出そうというものでありまして、今、審議会での議論が始まっているところでございます。
 この超長期ビジョンの中で出されたもので、もし積極的に貢献すべきものがあれば、当然我々として盛り込みたいと思っております。今の作業段階からいきますと、ストレートに入れ込むのはなかなか難しいものがあるかと思いますけれども、考え方はぜひ反映させたいということでありまして、今日はこの場で先生方にご議論いただくというよりは、むしろいろいろお知恵を賜りたいということでございます。今日の場でも結構でございますし、あるいは今日の会議が終わった後でも、「こういうことをぜひ入れてはどうか」といったご提言がございましたら、事務局の方までお寄せいただければ審議会での議論に反映させていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 この中環審の特別部会は今週、8日に第2回目が開かれる予定になっておりまして、3月中には某かまとめをしたいという目論見でございますので、できますれば今週、来週の間に先生方からアドバイスをいただけるとありがたいなということでございます。
 よろしくお願いいたします。

○増田課長補佐 ただいまの件につきまして、何かご質問等ございますでしょうか。
 もしこの場でよろしければ、また後ほどでもということで、早速ですが、安井座長、本日の議事進行をよろしくお願いいたします。

○安井座長 おはようございます。
 本日でございますけれども、お手元の議事のとおり3つ、それからその他といった議事を用意してございます。当初、12時半までの予定でございましたが、ちょっと私、スケジュールを間違えまして、1時から次の予定があるのを1時半だとばかり思っておりました。ですから、どこかで30分ほど時間を短縮させていただきまして、途中の休憩なし、あと議事を20分ほど短目にといったことで対応させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 早速でございますけれども、先日、新聞にも出たと思いますけれども、脱温暖化2050プロジェクトというのが、これはまとまったと言えるのでしょうか、どういう段階なのか私もよく存じ上げませんが、非常に密接に関係する研究報告だと思いますので、まず西岡先生の方からご報告いただきたいと思っております。
 予定を見ますと、時間は15分+10分と比較的短いのですが、後の議論の時間を短縮してもなおかつ10分ほどとってありますので、多少質問が伸びても大丈夫かという気がいたします。
 その後、モデル分析について増井さんからご発表いただきたいと思います。これの質疑応答も、かなり時間はあると思います。
 あとは、これまでの成果のまとめと今後の進め方について、それから議論といった手筈にしたいと思っております。
 それでは西岡先生、55分までを目処にお願いします。

○西岡主査 スライドを用意いたしましたが、スライドに沿って話をしますと1時間半かかりますので、それはやめにしまして、資料でいきます。
 背景とか問題点については後ほど申し上げることにして、中身からいきたいと思っております。
 1ページを開いていただきますと「主要な結論」とございまして、上の3行「2050年に─日本が対象でございますけれども─想定されるサービス需要を満足しながら、主要な温室効果ガスであるCOを1990年に比べて70%削減する技術的なポテンシャルが存在する」ということが主要な結論であります。
 研究体制等々は抜かしますが、削減の前提といたしまして、非常に無理のない前提を置いていると思われます。勝手にそう言っておりますけれども。一定の経済成長、エネルギーサービスはもちろん維持します。革新的な技術はもちろん要るのですけれども、核融合など夢の技術は入れておりません。それから、原子力等々についても適宜考えておるということでございまして、ただ、ここでの段階では、今、座長からもお話がありましたけれども、あるスナップショット、2050年においてそういうことが技術的に可能かどうかを検討したものでございまして、それまでどういう道筋でいくかについては、まだ途中であります。それが次の研究課題であります。
 そこで、「70%の可能性・コスト・分野」でございますけれども、まず全体に、1990年あるいは2000年レベルの需要から、エネルギーの需要自身を40ないし45%減らす可能性があると。需要といいますのは、需要サイド。民生、業務、いろいろございますけれども、そういうところでまず需要全体を減らす可能性がある。そこにはさまざまな需要側の技術の導入があるし、需要の削減、もちろん人口が減りますから、1人当たりのさまざまなサービスが減っていくわけでございますけれども、そういうものも含めて、その2つで需要側で40ないし45%減らすことができる。
 それに加えてエネルギー供給側、それに見合う供給の方でのミックスを適宜することによって、70%が可能であろうということでございます。
 この技術の直接費用とありますが、これはまた後で経済の面から議論していただきたいのですけれども、我々は「追加費用」と言っておりまして、追加費用自身は1兆円ぐらいで済む計算だったのですが、1兆円ではちょっとパンチが無いなということもあって、ちょっとコストを─コストというのはいろいろありますよね。もともと2050年に向けて大きなインフラ投資をしますから、これが国家、あるいは民間の資本形成という形からとりますと何兆掛ける50年ぐらいになるわけですけれども、そういう大きなコストから本当の追加の技術的なコストまで、いろいろな定義がございます。後ほどまた専門の増井さんの方から追加の説明をいただきたいと思いますけれども、この場合は「直接費用」ということで計上してある。
 6.でございますけれども、需要側のエネルギーは、人口減や合理的なエネルギー利用により需要の削減ができるだろう。
 7.では、一体どこで減らせるのかという話になりますけれども、我々は、2050年の社会をシナリオA、シナリオBという2つの形で想定しておりまして、幅があります。例えば産業部門では、構造転換と省エネルギー技術導入で今から20ないし40%エネルギー需要が減らせるのではないだろうか。運輸旅客部門、パッセンジャーカーの方ですけれども、適切な国土利用、つまりコンパクトシティのような概念を入れるとか、エネルギー効率等々の改善で80%減らせるのではないか。運輸貨物部門、これもITを利用した物流の高度管理等々で減らせるかもしれない。家庭部門では、結構早い建て替えがございますので、それに合わせて高断熱住宅を普及していけば、適切に導入していけばこれぐらい減らせますと。業務部門についても同様でございますが、業務は建てかえがちょっと遅いこともあって、作り替えも非常に重要だろう。
 それから、エネルギー供給側でのエネルギー源の組み合わせ─といいますのは、炭素貯留等々含めたものでございますけれども─あるだろう。
 しかしながら、一番最後にございますのは、こういうことを実現するためには早期に政府の方で明解な目標を作っていただいて、一丸となって産業あるいは投資といったものをそちらに振り向けていくことが大前提でございまして、その中でさらに無理をして技術を押し込むという形で実現ができるので、その辺をよろしくねというのが一番最後に書いてあります。
 結果から先にお話ししたいと思いますので、6ページの図4をご覧ください。
 同じようなことを何度も繰り返し申しておりますけれども、上のグラフに二次エネルギー需要量とございますけれども、2000年の実績、産業、家庭業務……、このようになっております。それを2050年にはこのように抑え込む。これをパッと見ていただきますと、実はまだ中でもいろいろ検討しているのですが、産業が意外と減っていないなということで、もっと産業を減らすようなシナリオでもいいのではないかという話がございますけれども、家庭とか業務、特に運輸旅客の関係が相当の削減になっていることにお気づきかと思います。こういう形で需要側の方が減らせる。
 供給側はどうかといいますと、その下に書いてございまして、2000年の実績に対して、これは正直言って私ども、エネルギーの最適化計算をしているわけではなくて、少なくともこの図4に書かれたものは、例えば原子力も目いっぱい入れてみて、あとの組み合わせがどういう具合になるだろうかとか、バイオマスは、これ半分ぐらい輸入なのですけれども、輸入を半分入れて、それから国内でせいぜい頑張って、そういうことをベースにしたらどうなるかという例を挙げてあるだけであります。ですから、ここでの供給側のシナリオA、Bにつきましては、12ページの方でいろいろなオプションを考えております。
 これが全体の大きな枠組みであります。
 それでは、具体的にそれをどんな形で、どこがどう減らしていくのだろうかということを見ていただきます。
 それでは、産業部門でどうやったら減らせるのだろうかといったことを書いたのが13ページの図9です。
 2000年の実績に対してシナリオA、これは非常に活発な社会を想定しておりますけれども、やはり全体としての活動量が増えるということで、「57」というのが上に向いておりますね。生産量全体としては、いろいろな意味で増えていきます。エネルギーの需要量が増えていくのですけれども、しかし、そいつを抑え込む手段といたしまして、ちょっとブルーがかった産業構造の変化。重化学工業からサービス産業の方に移転していく。それから「33」とありますけれども、産業で使われるエネルギー機器の高効率化によって抑え込む。そうしますと、シナリオAでは20%ぐらい削減までいきます。
 では、その抑え込む計算はどうしたのだという話がございますが、産業構造等々につきましては、一般均衡モデルでやったと思いますけれども、機器の効率化の面につきましては、言ってみればリーストコストの技術をどんどん入れていく。しかし、それで足りない分については補助金でも入れながら強目に入れていく、その分が追加費用として考える分でありますけれども、そういうことをきちんとやっていけばここまでいくというのが、この図であります。
 シナリオBにつきましては、1人当たりの成長率1%。シナリオAの方は1人当たり成長率2%とっておりますので、シナリオBの方は、増える方よりもむしろ減る方に生産量の変化が効いてくる─生産量の変化は下向いていますからね─ということでありまして、同様にしていく。
 あと、どういう形でエネルギーを供給していくかにつきましては、一例として、こうやって挙げてあるということであります。
 もう一つ、14ページの図10は、運輸旅客部門におけるエネルギー需要の削減でございます。
 これも2000年の実績で見ますと、これは供給側ですけれども、ほとんど石油、要するにガソリンでやっておって、これだけあります。さて、それではシナリオAでそいつを「えいやっ」と、相当のところまで抑え込む図になっておりますが、ここの内容といいますのは「28」というエネルギー効率の改善。やはり自動車単体の効率がかなり上がるだろうし、ここにはハイブリッドカーのようなエネルギー転換も一部含まれている。日比野さんがいらっしゃいますから、間違っていたら後で教えてください。
 それから、やや緑がかったところに「6」とありますのは、都市のつくり方。幸いこちらには花木先生がいらっしゃいますので、また後で助けてもらいますけれども、都市のつくり方等々を変えることによって、移動の量自体をかなり減らせるのではないかということがあります。
 それから、旅客需要の交通手段構成の変化。これはモーダルシフトになります。それから、旅客輸送量自身がマイナス6となっておりますけれども、これは私も年をとってだんだん動くのが面倒くさくなるというようなことも含めまして、人口が減るということもあって、減っていくだろう。こういった見通しを集約していきますと、大体こんな形になります。
 そのとき、どういう形でエネルギーを供給するかということで、これもいろいろなシナリオがございますが、シナリオBだとグリーンが非常に、バイオマスをベースにしたものだということになっておりますが、このあたりはまだ議論のあるところであります。
 このような形で、技術的なイノベーションだけではなく都市のつくり方であるとか住まいの仕方、あるいは無駄な需要を発生させないといったいろいろなことを組み合わせますと、それぞれの部門で大体うまくという話がございます。
 16ページには、家庭部門におけるエネルギー需要削減の図がございます。これだと家庭部門は全体として活動量がもう少し増えてもいいところがあるということで、上向きで「3」とか「4」とか出ておりますけれども、それをどういう形で上から抑え込むかに関しましては、世帯当たりのサービス需要を減らすとか、家庭で賢い機器の選択をするといったことで減らしていけるということが書いてあります。
 各部門についてそういう作業をいたしまして、最後に集約いたしましたのが7ページでございます。
 7ページは、そのままでいったら非常に大きな需要になる、あるいはCOが発生するものに対して、右の方からどんどん楔を打っていくような形で、どこでどう減らせるか考える、そういうつもりの図でございまして、今のものをここに集約しました。
 例えば、シナリオAのエネルギー供給を見てみますと、原子力はちゃんと維持していくとか、夜間電力の有効利用等々ございまして、炭素強度の改善ということが考えられた。それは紫の線で書いてありますね。紫の線はここしかないのですけれども、ずっと右の方に行ってみますと、一番最後の欄に、エネルギー効率炭素強度改善で「73」となっております。
 緑のところは何かといいますと、上から3つ目、産業の部門で石油・石炭から天然ガスへ燃料転換。これは炭素強度の改善ということで、右の方に再集計してあります。
 そういう形で見てみますと、シナリオAにおきましては、主にエネルギーの最終部門での削減がエネルギー効率の改善あるいは需要の削減、あるいは炭素強度、需要側における炭素強度、これはちょっと入り込んでいますけれども、そのようなものでできるだろうし、シナリオBにおいてもこういう形になって、需要の削減は非常に大きな一つの要素にはなっているけれども、やはりエネルギー改善あるいは炭素改善といったものが重要な削減の項目になっているととれると思います。
 最後でございますけれども、1ページに戻っていただきまして、どういう手法でそういうことをやったか簡単にお話し申し上げます。
 図1が手順でございますけれども、まず2050年社会増の描写、ここでもやっていることですけれども。それから、エネルギーサービス需要の推計とあります。これはエネルギーではなくて、エネルギーを要するサービスの需要がどうだと。すなわち移動の距離がどうなるだろうかといったことですね。そういうサービスはちゃんと確保しよう。そのサービスを確保するためのエネルギー量はどうなるだろうかということを、2と3の間で推定する。ここでリーストコストの技術をどんどん入れていくことになるかと思います。右の方に移りまして、エネルギー供給可能量についても検討いたしまして、バイオマスがこれぐらい、原子力がこれぐらい必要だといったオプションの幅をまず持ってきまして、それを妥当な線で組み合わせますと、需要と供給がマッチングしたということで、今の仕事をやっています。
 2ページに移りまして、それでは、シナリオAとBにはどういう違いがあるのか。ここには絵が書いてありませんが、ご承知のとおり、「ドラえもん」と「サツキとメイ」という2つのもので、「ドラえもん」の方は技術志向、それから非常にビビットな社会が念頭にあります。シナリオBは、一言で言うともう少し緩やかな、ゆとりのある社会かなと。そういうことを念頭に、技術あるいは需要の方の技術システムを想定しながらやっていった。
 そのときの産業・経済に関する叙述シナリオは、3ページにございます。
 例えば、素材生産量推定のベース。私どもがこのレポートを出しましたら直ちに飛んできたのは鉄鋼でございまして、「我々は1億を死守するのだから、そんな減らすのは困るよ」とおっしゃいましたけれども、この1人当たり粗鋼生産量を見ていただきますと、日本はまさに頑張っておりまして、いろいろお金を稼いでいただいておりますが、韓国に抜かれつつあり、先進国はもう鉄はいっぱいであって、とてもじゃないけれどもこれ以上つくっても、少なくとも国内需要は賄えない。そうすると、我々としては対外需要をどう考えるかなどといったことを考えなければいけないのですが、いずれにしても、国中セメントと鉄鋼だらけになっているという状況でございまして、そんな要らないのではないかと言っておりまして、そんなことをいろいろと論議しております。
 4ページの図3は、シナリオA、Bを想定して2050年の産業構造がこうなるだろうということを、応用一般均衡モデルでやったものです。
 これを見ていただきますと、先ほど問題になりました鉄鋼というのはどれぐらいの大きさかといいますと、こんなわずかな割には非常にエネルギーを食う産業なのでございますが、経済構造全体が第3次産業に向いている。しかし、その中については今、どういうものなのかちょっとよくわからないのですが、もちろん想定はできておりますけれども、検討しているところであります。
 それから、シナリオAとBでは、やはりAの方がいろいろな面での回転が非常に早い。商業が盛んであったりサービス業、それから食料品も結構伸びている。みんなグルメになるのではないかという話でございますけれども、そういうことが前提であります。
 9ページでございます。ここに費用の話が書いてあります。
 これは非常に論議が要るもので、スタンレポート等々での定義とちょっと違うところがあったりしますけれども、ここに年間追加費用が約1兆円ぐらいと書いてあります。これは本当に、そのときのコストでは入り切らないものを無理して押し込むためのコストということで、上げている分はこれだけなのですけれども、そのために全体の技術を導入する。全体コストを直接費用という形で計上してやる。
 最後に10ページですけれども、我々がやったこのシナリオは技術進歩率、これは炭素集約度といいますから、これは産業構造の転換も全部入れていることになります。この白といいますか、黄色といいますか、そこを見ていただきますと、横軸には技術の改善、技術といいましょうか、炭素集約度、エネルギー集約度ですね、黄色い方は。GNP当たりのエネルギーですけれども、それの幅がとってあります。過去、その幅は、これはよくわからないけれども、1ぐらいですね。IPCにもそういうことが書いてあります。シナリオAでは1.5ぐらい行っておりますし、シナリオBでも1.……、もうちょっと行っている。イギリスなどはさらに大きな目標を掲げてやろうということでございまして、今後の技術の進展に期待することが多いけれども、なかなか苦しい道であるなということが、これから言えると思います。
 大体以上のような検討をいたしました。
 あと1分だけいただきまして、問題点でございます。
 簡単な話ですけれども、表紙に「日本低炭素社会シナリオ」とありますけれども、今のスナップショットの段階では、私はむしろ「ビジョン」と言うべきではないかと思っておりますが、「シナリオ」の方が強力だろうということで使っております。
 それから、バックキャストの指標を使っていると申し上げておりますけれども、まだ本当の意味でのバックキャストになっておらず、目標を設定して、そこでのスナップショットの形だけであります。しかしながら、そこに到達するまでにどういう道筋をやらなければいけないといった技術の面では、そういう作業をやっております。
 しかしながら、今後やらなければいけないのは、どういう投資がどういうインフラをしていかなければいけないか、幾ら金がかかるかという計算をする必要があるだろうと思われます。
 コストの計算につきましては、皆さんのご意見を伺わなければいけないことがある。
 あと、70%という目標がいいのか悪いのか。これは非常に大きな問題でありまして、私ども、今のところは70%となっておりますけれども、最近は、世界中で先進国80%説というのがだんだんできて、だんだんみんな過激になってくるので困っておりますけれども、私どもがこの目標を設定するときは、2度が危ないのかどうかという議論を十分やりました。現在、中環審でこの件はペンディングになっておりますけれども、世間の方はどんどん進んでいる。
 それから、バーデンシェアリングをどうするか。これは太田先生にやっていただいておりますけれども、このレポートの一番最後に1枚だけ、私どもの研究室がインドや中国にも我々のモデルを供給いたしまして、低炭素中国─ローカーボン・チャイナ、ローカーボン・インディアをやってみてくれということで、やってもらったものであります。
 これで見ますと、どう頑張ってローカーボンになっても、結局そのときの1人当たりの炭素量から言いますと、途上国ですら─と言っては怒られるか─もうそのレベルに達しておって、とても融通してくれる余裕はないのではないかというのが私の考え方ですが、その間にはいろいろなバーデンシェアリングの考え方があるかと思います。私どもが70%を設定したときは、C&Cといいまして、1人当たり等量ということを前提にしております。
 それから、使いましたモデル等々の関係で、私どもが直接モデルをつくっているわけではなくて、いろいろなモデル、気候モデルの誤差といいましょうか、正確さがありまして、これがどっちに触れるかが問題ですが、最近AR4のレポートでもご承知のとおり、従来の推定よりもモデルはもう少し高目の推定であるはずだ─という言い方はおかしいかな。要するに、気候感度がちょっと高目になったということであります。
 私どものモデルは2.9度というのを使っていて、今までそれが高過ぎると非難を受けていたんですが、IPCCのレポートでは3度ぐらいいくだろうということで、これよりもシビアな方向にいく必要があるだろう。
 そういうことをずっと計算していきますと、本当は、日本は90%削減が要るのではないかと言っておりますが、2年前、私どもがこれを設定したとき最初は80%削減と申しましたら非常に非難されまして、「何を言っとるのだ」という話で、それで70%としました。今になって裏目に出たなと思っています。(笑)

○安井座長 それでは、ご質問をお願いしたいと思います。

○沖検討員 例えば粗鋼生産を下げるということは、1つは産業転換を促すことになって、日本としては、他の産業によってGDPを維持することができればいいと思うのですが、その分、2050年にまだ車が必要とされる国があったときに、その車の生産分のCO排出を他国に押しつけているだけにならないか。それを考えると、CO排出削減の技術を持っている日本でつくった方が、グローバルに考えた場合にはまだ排出量が少なくて済むということにならないかといった質問です。
 もう一つは、こういうことを考えるときに、エネルギーの価格はどのぐらい考慮されていて、もし考えられているのであれば、それは2050年で大体幾らぐらいに設定されているのか教えてください。

○西岡主査 車でございますけれども、どこが一番車の社会になっているかというと、やはり中国だと思うのですね。僕は機械工学の出身なのですけれども、卒業したとき誰も自動車メーカーに行かなかった。だけれども、50年たったら中国が物すごく車を作っているのではないか、その心配は多分ないのではないかと思いますね。多分そういう方向に行っているだろう。

○安井座長 鉄屋さんの言っている「どうせ鉄をつくるなら日本で作った方が良いのでは」という話については、どうお考えですか。

○西岡主査 今は中国の施設の方がずっと効率がいいですよね、個別のやつは。

○安井座長 全部がそうですか。

○西岡主査 50年でそこまでいくかということですね。だけれども、何度も申しますけれども、50年というと投資の回転率が2ぐらいあるのではないでしょうか。そういうことを想定してやった方がこの話としては良いし、また、2050年をなぜ選んだかという話なのですけれども、2050年においては相当いろいろなことが変わっているなという前提で、これをやっております。それが非常に大切ではないかと思うのですね。今、フォーキャストをやりますと、どうしても今みたいな話で、日本は何で食っている─そうではなくて、バックキャストというのは「こうなければいけないのだから、そうしようよ」という話なのですね。
 だからこれ、日本ももう少し第3次産業みたいな、どういうもので稼ぐか知らないけれども、どんどんやった方がいいよと。すなわちこの産業構造の変化を見てみますと、やはり伸びるのは電気機器などですよね。「こういうものはもっと増やしていこうよ」と言うことが大切ではないかと思っております。

○日比野氏 原油価格は2050年に70ドルです。

○川島検討員 これは日本が1国で立っているようなイメージを受けるのですけれども、50年前の日本は1国で完結した社会を持っていたと思いますが、今はかなりオープンになって、私、前にも申し上げましたように、自分の問題意識の中で、アジアの農民20億人くらいが次の50年で農民ではなくなると思うのですね。そこで現れてくる人たちは私たちと極めて似ていて、比較的勤勉な人たちが都市住民になっていくという、こことのリンクは次の50年、日本はすごく大きいと思うのですね。これはお聞きしていると、何か1国でイメージされているのですが、その辺はどうお考えになられたのでしょうか。アジアとのリンケージのようなところ。

○西岡主査 正直言いまして、この論議は非常にありました。何で食っているだろうかということをもう少し考えろと。ですけれども、今、やらなければいけないことは、要するにまだ途中の段階であると申し上げておりまして、次の段階でそこに進みたいと思っているのですけれども、今の段階でやらなければいけないことは、独立して自分たちでどこまでできるかを見てみることだというのが基本的な考え方です。
 資料の背景のところで言っておりますけれども、日本で独立して最終的にどれだけできるかをまず見極めようよ、それから始まっております。ですから、これを中核に置いて、もう少しバリエーションとして「この産業がこうなったら……」というのを次の段階で考えております。今、増井さんがモデルを作ってやってくださっていると思いますけれども。
 それから、先ほど申しましたように、いろいろな意味で、途上国とか先進国という区別なしで、むしろ日本は中心国のちょっと上ぐらいになっている感じではないでしょうかね、いわゆる大国であるとか何とかいう話になったら。そういうときに、多分いつまでたっても同じような構造ではないだろう。諸々あるだろうけれども、少なくとも炭素がどれだけ削減できるかというのは、まず自分たちだけでやらなければいけないし、そのときに、中国、インドだってもう、そんな枠がはまっていれば削減で精一杯で、「CDMなんて冗談じゃない、日本にCDM仕掛けたいよ」という話に多分なっているのではないかというつもりで、日本は一体どこまでできるかが大切だと思って、これをやっています。

○湯原検討員 非常に刺激的で面白かったのですけれども、やはりアジアの国々が目指すべき産業社会といいますか、それに対して、新しい日本型モデルを示すのが良いのではないかと思うのですね。日本だけがサービス産業に移ってもしようがなくて、今、アジアの国々はみんな日本型モデルを目指してやっているわけですけれども、そうではなくて、やはり製造業や農林水産業も、あるべき姿を維持しながら、あり得べきエネルギー構成と炭酸ガスの削減、そういうものを中核に据えるべきではないかと思います。
 ですから、世界全体を考えて450ppmなら450ppmにしていくときに、先進工業国が「高度に発達した産業社会とはこういう形なんだ」と示すことが重要なのではないかと思います。

○西岡主査 全くおっしゃるとおりですね。この一番最後に、こんな絵がありますね。これを眺めていただくと、これは成り行きだったらどんどん右の方へ行ってしまうのですよね。もし2050年に緑のところに本当にみんな行くとしたら、この流れの中で我々は一体何ができるだろうか。
 インド、チャイナというのは右の方へ上がっていきますよね。それに対して先進国は下りていく。それは単に数字の話ではなくて、社会、文明自身がどこかで融合する、あるいは交流するような形になっていく。そのときに、では先進国からインド、チャイナへ向けてどういう援助をしなければいけないか。僕はこうなったら援助ぐらいではないのかなという感じはするのですけれども。要するに、取引とか何とかでやっていくよりも、それぐらいの強制力といいましょうか、あってもいいのではないかと思うのですけれども、例えばそんなことがあります。
 それから、この前、ここでの議論で非常に印象的だったのは、日本は一番先端をいく高齢社会であって、そういう見本をまず自分たちでつくることで、今、おっしゃったように、いろいろな意味で、日本型モデルで世界をリードできるのではないかと考えるところであります。

○安井座長 細かいところを議論し始めると幾ら時間があっても足りないので、その辺は個別に、どういった対応をとって今の先生方の質問に回答するか事務局としても考えていただいて。多分、もう少しゆっくり議論ができる時間があった方がいいと思いますが、関連しますので、このあたりで増井さんからのご発表をいただいて、それからまた議論を深めたいと思います。

○増井氏 資料2に基づきまして、この検討会での定量化のモデルについてご説明いたします。
 この定量化のためのモデルも、先ほど西岡理事から紹介がありました脱温暖化でのスナップショットという2050年の時点を概観するために使ったモデルをベースにいたしております。
 1ページに基本コンセプトのようなものが書いてあります。通常、この検討会にご出席されている先生方は、もっと精緻なモデルあるいは詳細なモデルをそれぞれ構築されていらっしゃるかと思いますけれども、ここでは、どちらかといいますと、精緻というよりは社会と環境との間をどう繋げばいいのかといったことに焦点を絞り、マクロ的に整合性のある社会・環境像を描くことを中心に据えております。そのために、余り細かい作業は脇に置いておいて、社会全体のバランス、例えば生産あるいは供給と需要、それぞれの財だけではなくて、労働力などの生産要素についてもちゃんと均衡しているかとか、設備の状況はどうかといったことに重点を置いたモデルを目指しております。
 先ほどの西岡理事の説明は、1ページの図の上の方が該当するのですけれども、基準年─ここでは2000年です─がありまして、右側に2050年という目標年がございます。基準年に対しまして2050年の社会はどういうものなのか、それが果たしてどういった技術で構成されているのか、どういった技術の組み合わせで目標水準を達成した社会が実現されるのかを見るのが、まずは第1番目の目標になっていきます。
 それが完了いたしますと、下の図になるのですけれども、そういったものに向けてどういう対策をどの時点で打っていけばいいのか、脱温暖化の方ではもう少しシステマティックに、バックキャストモデルを使って、どの時点でどういう技術を投入するのが最もコストが安いかを示していくわけです。けれども、今回の検討は、それと比べるとかなり難しいといいましょうか、入力できる情報もかなり制約があるのではないかと思っておりますので、もう少し成り行き的に、こういった技術をこの時点で組み込んでいくとどうなるのか、それがたまたま成功すればそれで良いですけれども、失敗するようであれば別の対策を考えるというように、試行錯誤的に対策を検討していって、2050年の持続可能な社会というのはどういうものになるのかを見ていくという形でモデル化を進めていきたいと考えております。
 2ページ目をご覧下さい。
 ここでも日本1国だけを対象地域としています。対象期間は2050年、対象とする環境問題は、この検討会で取り上げられているようなものを取り上げる予定です。詳細は、また後ほど議事(三)あたりで議論になるかと思いますので、ここでは余り詳しく触れないでおきます。
 3.中心となる経済モデルは、先ほども紹介いたしましたように、バランスをとることを前提に考えておりますので、応用一般均衡モデルと呼ばれるモデルを考えております。
 その関係は下の図にあるとおりでございまして、経済活動を行う上で、さまざまな形で環境に負荷を与えている。あるいは、その環境を維持・保全するために何らかのコストを支払っている。そのあたりのコストが果たして経済活動の中でどのようにバランスしているのかといったことを見ています。時には外国との貿易といったものも検討していく、そういったモデルを考えております。
 経済活動は脱温暖化の方でもう少し細かく、40部門以上を想定しているのですけれども、今回は、3ページの上の表にございますように、32の部門を検討しております。ただ、エネルギーにつきましては、例えば水素エネルギーとかバイオマスといったことを検討していきますと、もう少し部門数は増えていくかもしれません。
 このモデル、今回の定量化の中で非常に重要になってきますのは、どういう前提を置いたからどういう結果になったのか、そこの透明性がやはり重要になってくると考えております。場合によりましては、こういうツールをオープンにいたしまして、この検討会での結果が気に入らないというような方が出てきましたら「では、この検討会で使ったツールを使って、どうぞご自分の理想の社会を描いてみてください」と言えるのが一番理想と考えております。
 そこで、3ページの入力条件のところですけれども、どういう技術を使って、将来の新しい技術をどういうふうに組み合わせ、その結果、例えば将来の技術の投入係数ですとか、あるいは消費の形態といったものがどう変わっていくのか、─消費の形態というのは、例えば5ページの図をご覧いただきたいのですけれども、現在、例えば2000年で観測される消費の形態というのは1つですが、それが例えば環境配慮型の消費行動、世の中の家計の何%が環境配慮型になれば世の中どう変わっていくのか─といったことを明示できるようにしておきたいと考えております。
 以上のようなことを行うために、今、情報収集等を行っております。
 計算の概要は先ほど大体紹介いたしましたけれども、6ページの下に書いてございますように、今、言いましたいろいろな前提条件、技術がどう変わっていくのか、新しい技術を何%ぐらい取り込んでいくのか、人々の行動パターンをどう変えていくのか、といったことを準備いたしまして、それで2050年を計算してみて、持続可能性をチェックします。目標が達成されていないようであればもう一度前提条件を見直して、目標が達成されるまで何回も繰り返して行う、そしてビジョンあるいは将来のシナリオを形成していくといった方法を考えております。
 結果のイメージにつきましては、とりあえずやってみたという段階で、目標達成といったところを意識せずにやっておりますので、まだまだ結果としては不十分なものではございますけれども、7ページに書いてございます。
 例えば、下の左側のグラフですけれども、GDPが2050年時点でどうなるのか、COの排出量がどうなるのか、廃棄物の再利用量がどうなるのか─指標としてその再利用量が望ましいのかどうかという議論はありますけれども─、こういった指標が出てきます。あるいは森林面積─ここで言う森林は管理されている森林ということで、林業に関連するものだけを想定しているのですけれども、それがどう変わっていくのかということを示しています。
 ここではそれぞれのシナリオ、「2050年のある社会」とか「別な社会」、「さらに別の社会」とかなり曖昧な言い方をしておりますけれども、エネルギー効率が年間1%ずつ変化した場合を「2050年のある社会」と想定しています。それに加えまして、例えば食料ですとか木材の輸入比率が非常に少なくなる、つまり日本が自立していくといった想定を仮に置いた場合、─これは川島先生のこれまでの意見とは逆ですけれども、逆に自立していくと想定した場合にどうなっていくのか─あるいは、輸入等ではなくて素材の投入量が変化、特に改善していくとどうなるのかというのを「2050年のさらに別な社会」と想定しています。それぞれの想定で結果がどのように変わっていくのかといったことを確認しています。
 この検討会の中では、後ほど議論されますどういった環境問題を取り扱うのか、どういった指標を取り扱うのか、また、その指標が持続可能という意味においてどういう意味を持ってくるのか、そういったことを睨みながら繰り返し繰り返し計算をしてみて、2050年のあるべき社会を描く、あるいはそれに至る道筋を描いていくといったことを考えております。

○安井座長 かなり短めのご説明でございましたので、ご質問等もあろうかと思いますが、いかがでございましょうか。

○花木検討員 まさに今、最後の方でおっしゃった輸出入をどう考えるかというのが、最初に沖先生から問題提起があったように、例えば日本の国内での需要分も鉄を国外に出すのはよくないだろう、あるいは湯原先生からも同じようなことがあったのですが、一つの考え方は、国内需要分は国内で生産するというのがある種の公平性、あるいは倫理の面からそういう姿があると思うのですけれども、今、最後におっしゃった2050年のある社会、別な社会、さらに別の社会という中で、とりわけCOの面から環境負荷の大きい鉄などは、とりあえずのこの計算ではどんなふうに設定されているのか、あるいはそれが大きく結果に効いてくるのか、その辺どういう感じでしょう。

○増井氏 鉄については、特に変更しておりません。現状と同じ程度輸入します。

○花木検討員 ということは、国内需要を上回って、輸出しているということですね。

○増井氏 そうです。

○花木検討員 もしそれを国内需要相当分の生産に抑えることになると、さっきの2050年のCOのシナリオでは、将来の産業構造が変わる中で、それでも国内需要以上につくる姿になっていたのでしたっけ。

○日比野氏 少なくとも国内需要分を輸入するような想定はしていません。

○花木検討員 少なくとも自立はしているということですね。

○湯原検討員 各循環型産業の、素材のリサイクル率とかそういうものはどんなふうに考えているのですか。今の問題にも関係あるのですが、化学とかアルミとか、他のいろいろな分野での循環性を考えると、COは非常に減るわけですけれども。

○増井氏 今回示しました例では、素材のリサイクル率について、廃棄物の受け入れ側は現状程度、つまり、ある財を作るのに当たって廃棄物を受け入れますが、同じ比率で今後も進んでいくという想定をしております。
 例えば鉄の場合ですと、現状のマクロ的なデータから、鉄1トンつくるのに鉄くずをある程度受け入れていますが、その比率が将来も変わらないという想定をしております。ですから、例えばリサイクルの比率といいましょうか、廃棄物の受け入れを増やすといったことをしますと、ここの廃棄物の再利用量がもっと増えてくるかと思います。
 今はまだ、それほど過激なことはやっておりません。単にちゃんと計算結果が動くかどうか、そういうイメージで計算しておりますので。ですから、そこのところもかなり変更することは可能だと思います。

○湯原検討員 何かフォーキャスト的で、だからさっき花木先生が言われたように、鉄だと蓄積量の3%が毎年リサイクルで出てきて、2050年には国内需要と同じぐらいになるわけだから、そうすると、もうそこだけで石炭の今の1億5,000万トンの40%ですか、その石炭は亡くなってしまう、そんなシナリオを入れた方が説得力があって……

○増井氏 まさにおっしゃるとおりでして、ちょっと4ページの図をご覧いただきたいのですが、これは、各産業部門において財を生産するのに今、どういった財を投入しているのか─いわゆる産業連関表の投入係数を示しております。それを、例えばいきなり2050年の投入係数をポンポンと変えたところで、いつも「どうやって変えたんだ」と疑いの眼差しといいましょうか、「本当にちゃんと計算したの?」と言われるところがあります。そこで、この図の真ん中よりやや左の上に「既存」「新規1」「新規j」と書いてございます。ここには「既存」の産業連関表で確認できるようなデータが入ってくる、あるいはまさに「新規」といたしまして、すべて鉄くずから鉄をつくる場合の技術の構成、投入係数はどういうものになるのか、そして2050年、例えばあるべき社会として、既存の技術を一切捨てて、新しい技術を100%導入したらどうなるのかが、ここでは2005年しか書かれていませんけれども、2050年までの想定をこうした技術の構成で定義した係数で表現します。
 ですから、この辺は本当に、どういう社会を描くのかという想定次第だと思うのですけれども、そこの想定のプロセスもある程度明確に説明できるように、このモデルといいましょうか、一連の作業は工夫したいと考えております。
 ですから、そういう意味でいろいろご意見いただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。

○太田検討員 川島先生にお聞きした方がいいのかもしれませんが、農産物の輸出入も、窒素循環ですか、そういったところに影響すると思うのですが、その点はどう見ているのか。
 それから、産業連関表ではどうしても生態系の方、動植物というか、そちらの持続可能性の問題が捉えきれないのではないか。産業社会と人間の経済活動と自然環境の維持という持続可能な発展に関して、自然の方はなかなか難しいと思うのですが、それは産業連関表を使う以上なかなか生態系に関する問題を捉えきらないと思うのですが、そうした問題はどう考えていけばいいのか。

○増井氏 窒素循環等は、やはりなかなか難しいのかなというのが正直なところです。一応、例えば先ほどご覧いただきました4ページの表でも、水のところに窒素とか燐とか、これはいわゆる農業に関連する窒素、燐はまたちょっと違ってきますけれども、そういったものも必要であれば取り込んでいきたいと考えております。
 自然生態系の方は、一応ここでは土地というもので考えております。これはアドバイザリー会合の方でも結構議論されたところなのですけれども、まずは土地というもので代用して良いのではないかというご意見がありましたので、ここでは土地ということで評価したいと考えております。
 もし何かいい指標がありましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。

○森口検討員 質問する側というよりは、どちらかというと答える側に近いところにおりますので、両方織りまぜて。
 特に増井さんの今のプレゼンというよりは、さっきの脱温暖化2050の紹介に対してご議論あったことも含めて、2点だけ申し上げたいと思います。
 1つは貿易の話、あるいは中国、アジアとの関係が出ていたと思うのですけれども、基本的に、例えば今のCOの排出量みたいな目標は、一国の領土から出たCOを数えているわけですけれども、基本的には、やはり1国の消費なり投資なりの需要を満たすために、その国であれ海外であれ、出たCOがどうだということの方が実は本質的だと私は思っておりまして、現在のところは、実は日本は若干輸入超過というか、リンケージが起きているはずです。日本の鉄を生産して中国とかアメリカに輸出することによって肩代わりしている部分もあるのですけれども、逆に、かなりエネルギー強度の高い財を輸入している部分もあります。
 だからこういう考え方をして、やはり日本だけではなくてすべての国のバランスがとれないと、結局、日本1国だけ良くてもだめよ、こういう議論だと思いますので、これは基本的には計算をきちんとやればできる世界だと思いますので、そういう点で、やはり日本だけではなくて他の国も、貿易なども含めてちゃんとバランスがとれているのだという議論を次のステップではしなければいけないのではないかと思っています。
 2点目は、湯原先生がさっきご議論になった循環といいますか、リサイクルみたいな話、これも私、非常に近いものですから非常に関心を持っているのですが、2050年であれば大丈夫だと思います。日本だけ考えれば、例えば鉄などであればそうだと思いますけれども、もう少し近いところですと、例えば中国などですと、まだリサイクルするまで鉄が貯まっていない。そいうことで、鉄くずがかなり足りなくて、リサイクル材でつくった方がエネルギー消費なりCO排出が少ないというのはあるのですけれども、その原料が足りないということは、十分認識しなければいけないかなと思っています。
 ですから、世界全体での素材のバランスというか、長期の見通しを解いていかないと、例えば日本だけがリサイクル産業で食っていくとか思っていても、実はその素材というか、原料が集まらないということになりかねないので、その辺のバランスが、まだ十分には解き切れていない部分があったかなと私は思っています。
 まだ内部で十分にすり合わせできていないのですけれども、そういった部分は最近、非常に強く感じております。

○沖検討員 増井さんのご発表で、「それなら自分の理想の未来をつくってください」というのは非常に感銘を受けまして、そういうものができると非常に良いなと思うのですが、ただ、ここで書いてあるような配分係数とかそういうものをいじるのには、もう一つ何かトランスレーションが必要で、例えば「サツキとメイ」でもいいですが、そういうもうちょっとブレークダウンした、しかし数字ではないところはいじれるような操作パラメーターみたいなものができていると扱いやすいのかなと思います。
 それと絡めてなんですが、西岡先生からご発表のあった脱温暖化で、バックキャストということはわかるのですが、やはり運輸部門がぐっと下がるということは、必要であるならしようがない─非常にミックスフィーリングなのですけれども、例えば、どこかに移動したいと人々が思っているのを、極端な言い方をすると、家でテレビゲームしている方がカーボンは少なくて済む、テレビの非常にハイ画面の画像を見れば、もう旅行にも行った気になってそれでいいというのは、確かにCOの排出量は少ないかもしれないけれども、それがみんなに受け入れられて幸せなのかなとか、あるいは地産地消でそこにあるものをほとんど動かさずに食べる。ところが今は、やはり物はすごく動くのですね。小口のいろいろなものが日本中から、あるいは世界から各家庭に行って、いろいろなものが食べられる、もしくは通信販売が広がるといったときに、本当にこのぐらい落とすというオプションで70%達成できると言うのがいいのか。もうちょっと何か別のあり方も示せるようなオプションがあると良いのかなと思います。
 別に、だからどうだということではないのですけれども、その辺の気持ちとか、どういう社会だったらみんな幸せに感じるかという視点で、そのためには「こっちかこっちか、両方はできないけれどもこっちを目指すなら」というような、ある程度の指標化なりができるといいかなと思います。

○西岡主査 今の件ですけれども、「主要な結論」の一番最初の「想定されるサービス需要を満足しながら」というのは非常に重要なところでありまして、これは国民に物すごい耐乏生活をしてくれというのとは全く違うのですね。我々、一応みんなが満足するような、だから私が、特にこのモデルの中でいつも言っていますのは、エネルギーの需要がサービスではないのだよ、サービスが大切なのだよと。それこそ今、サービスサイジングという言葉がありますけれども、自動車屋さんは何も自動車を売るのが目的ではなくて、快適な移動を売れば良いのだから、そういう形にどんどん変わっていくだろうと思うのですけれども、そういうことで、耐乏生活をというようなことは、もう忘れていただきたいというのが1つです。
 しかしながら、一人一人がラグジュアリーな車に乗ることが物すごく楽しみというようなことは、ここでは想定しておりません。例えば、今のエネルギー需要は、ご存じのとおり、OECDの国ではほとんど今の30%、40%で十分満足な生活ができるという結論が出ているのですよね。あとの60%は、要するに、要らない所に電気をつけているような話ばかりなのですよね。そういうことも十分考えていったら、決してそんなに、何といいましょうか、惨めな生活ではない。そこが人間の知恵の働かせどころかなと考えております。情緒的な言い方で申し訳ないけれども。

○増井氏 先ほどの沖先生のコメントに対してですけれども、最初のシンボリックな話なのですけれども、そういう意味で、例えば4ページの表でも、一応デフォルトのようなものは準備しておき、そしてそれぞれのシェアを一般の人が変えてくださいというようにできればいいと考えています。中には「私はこんな技術を作ったのだ」という人がいらっしゃるかもしれないので、そういう人は、ぜひそれを加えてくださいというようなものができればと考えております。
 それと家計の方で、どういった楽しみ方があるのかということですけれども、5ページをご覧ください。
 先ほど説明を省略したのですけれども、家計の最終消費ということで、どのような財を消費するのかを最終的にはデータとして入力するわけですけれども、上の方の表にございますように、家計の生活のパターンを一応分けておりまして、そういう生活行動を行うためにどういう財が必要なのか、それを家計調査等で調べております。
 ですから、いきなり財の構成を変えなさいよというよりは、もう少し、一般の人々の暮らしぶりの中でここをこういうふうに変えれば、それが行く行くは環境にどういう影響を及ぼすのか、そのあたりの関係といいましょうか、それがなるべく明示できるような形で説明できたらと思っております。

○安井座長 他にいかがでしょうか。
 実を言うと、いささか事務的な話になりますので、この辺でちょっと伺っておいた方が良いかと思うのですが、結局、この検討会の成果を一体どういうところに見出すかということにも絡んで、この間の合宿で私が申し上げたのは、例えば「2050年にここにゴールだよ」ということがわかったとしても、そこに行く道があるのかが非常に重要で、道がないとなると、やはり道を切り開かなければいけないのですよね。そういうことになってくると、何が一番重要かわかりませんけれども、端的な話、再生可能エネルギーは余り入っていませんけれども、例えばそういうものを非常に大量に入れなければいけない状況がこの国にあったとしても、今のパワーグリッドではどうしようもなくて、「50ヘルツと60ヘルツが共存しているような国に入るのかよ」といった問題、いろいろなリスクファクター、要するに、現状の社会が妨害要因になってくるような問題として何があるかは、やはり詰めていかなければいけないかなと思うのですよね。
 だから、どのあたりを議論するのか。例えば「2050年はこういう生活になりますよ」と言って終わるのではだめかなと思っていて、先ほど沖先生でしたか、オイルの価格が2050年に70ドルというお話でしたけれども、貿易収支の話もありましたが、その辺も何かこう、振ったときどうなるかみたいな話もやらなければいけないのかという気がしているのですが、そのあたり、後の検討の話とも直接絡むものですから、皆様どんな感触をお持ちなのか。

○沖検討員 さっきから余計なことばかり言っているようで気が引けるのですが、オイルの価格は、300ドルとか非常に極端に、使える量がゼロになるわけではないけれども、非常に貴重になった状況を考えて、そのときに、ここで書いているようなことがどうなるかといったバックキャストをやることが、エンドメンバーをつくる上では役に立つのではないかと思います。300が良いのか200が良いのかはわかりませんが、極論を出してみるのはいかがでしょうか。

○安井座長 それと、これまた後の議題とも絡むので、後の資料にそういうことも書いてあるのですけれども、少なくとも今のまま割とフォアキャスト的にやっていくと、どこで決定的にだめになるか。
 例えば、温暖化だめだよという話は簡単なのだけれども、いろいろ懐疑な部分が無いわけではないので、それだけでこの世の中が説得できるかどうか、いささか微妙ですから、それ以外の部分でも、例えばどういう状況になるかといったことを書いていくのも必要かなとは思っているのですけれども。
 その辺、結果としてこの検討会が一体何を出すかというのは、まだ確実に決まっているわけではないので、今の話をお考えいただきながら次の話に繋げていきたいと思っておりますが、そのあたり、何かございますか。
 例えば、太田先生とか細田先生あたりに、どういうお考えかわかりませんが、増井さんが「こういう技術をここで入れなければいけない」と言ったときに社会科学者は何と答えるのかとか。(笑)

○細田検討員 これは前のプレゼンテーションから申し上げてきましたが、市場というのは、すごくしなやかな面とえげつない面と両方あるわけですよね。これはすごく裏腹になっております。
 えげつない面というのは、素材価格が変わって今トン70万円の銅がトン90万円になると、そこら中から銅を引っ剥がす者が出てきてしまう。これはもう経済原理なのですよね。これが30万円になるとみんな捨ててしまうわけで、そこら中に溢れてしまう。その中で技術をどうやって導入しようかという非常に難しいコントロール、制御問題を解かなければいけないと思うのですね。
 バックキャスティングは大事なのですけれども、そのときの市場の我々にとっての境界条件がどう変わるかで制御が物すごく、複数回のパスが出てきてしまって非常に難しいことをやっているという気がいたします。そうすると、やはりシナリオなのかなと。バーレル幾らとか幾つかの主要銘柄を設定しておいて、こういうシナリオの場合には、ここのパスをとれば最適─いいかどうかはわかりませんけれども、ある一つの解には誘導できますねと。そのときの技術の導入条件はこうですと。あるいは数量制約にするのか、あるいは課税政策みたいなことをするか、幾つかのシナリオで、それぞれに合わせて制御することは、私は考えられると思います。ただ、その場合、市場がどういうふうにあるのかということは、かなり微妙な問題になると思います。
 急に振られたので、ちょっと答えになっているかどうか。

○安井座長 何かご質問等ございますか。
 やはりコンピュータの中身で何が行われるかというのは、なかなかイメージングが難しいものですから、完全ブラックボックスとして見てしまって、インプット、アウトプットだけで考えるのも一つの整理かなという気もいたしますし、それをどういう視点で動かすのかなと。どういう視点というのは、例えばリスクファクターを探すために動かすのか、そうではなくて「まあいけるよ」という大前提でやるのか、そんないろいろなやり方があるとは思うのですが、その辺、実を言うとこれからの議題と絡んでおりますので、よろしければ、そろそろ次の議題に移りたいと思います。

○苦瀬企画官 それでは、3つ目の議題ということで、これからの検討の進め方。
 資料としては、本来は3−1から3−4を使いますが、最初に資料4を出していただけますでしょうか。
 全体の流れとして従来から言っているのが、この[1]から[5]だと。基本的にそれは維持しているのですけれども、今、大雑把にどういう段階にあるかといえば、いろいろな問題が、社会・経済のトレンドとか、それを踏まえてどんな問題があるかというようなことを先生方にもいろいろご発表いただき、それをまとめてもきた。そして合宿において、そういったことを踏まえて望ましい社会像、環境像について議論いただいたということですね。
 それで、先ほど増井先生の方からモデルの話をされたわけですけれども、これは今日までの段階である程度、環境上、こういう像が必要である、それが成り立つ社会というのはどういう形か、2050年の社会像についてそのスナップショットというか、姿を計算する。それからもう一つ、では、それに至る道はどうということで道筋を考えていく、これが全体の流れかと思います。
 そういう前提の中で、まず資料3−1で、1月に先生方にお集まりいただいて合宿をしたわけでございますが、これは先生方ご自身、ご参加されていますので、ここで紹介というのもおかしいのですけれども、一応「こんなことをやりました」とざっと復習させていただいて、その後、それに関して取りまとめたものをご説明して、その後、これからこういう進め方で、こういう環境像、社会像を仮に設定してモデル分析等を始めていくということでよろしいでしょうかというお話にしていきたいと思っております。
 資料3−1については、ごく簡単に申し上げますけれども、これは、実は先月行われたアドバイザリーボードのときにも同じ資料を使ってご説明したものでございます。やったことは、もう皆さんご承知のとおりなので飛ばしますけれども、やりました結果としてどんなことだったかというと、29ページあたりから合宿の成果が並んでおります。それまでのいろいろなご発表等を踏まえて、領域なり分野ごとにどんな問題があるかということで要素関係図を作って、その問題をレビューしました。これは参考資料の方にさらにその資料がついております。
 合宿の議論の成果としては、30ページに「集約されたコアエレメンツ」と書いてありますけれども、いろいろ「こういうことが大事だ」というかなり集約されたものが書いてあります。
 32ページ以降には、それでは持続可能性上の問題がない社会として、どういう社会を描いたらいいかを主に議論していただきましたので、[4]から[8]のビジョンを合宿の日の成果としてご議論いただいたということかと思います。
 資料3−2は、それを整理しまして、最後の方のビジョンを要素で分けてみたらどんなことかというと、主にご議論があったのは、1ページの左に縦に書いてあるような9つぐらいの要素になるかなということで、1ページには「西岡G」「安井G−1」と並べてありますが、それぞれ何で食うかというのが皆さんの最大のご議論になったところだし、あと国際社会との関係についての議論も多かったとかそういったことがあって、それぞれの要素で並べてみると、こういうことがあったかなということですね。
 2ページです。安井先生のグループからは、ちょっと極端なものも含めて4つ、「玉鋼の日本・しなやかで強靱な社会」というのと、非常に国際的なものと、「義経の鎧・スイスを見習う防衛社会」、それから「経済利潤を自由に追うフットワーク社会」といったことで、いろいろなご議論をいただきました。
 そういった議論があったということでございますが、これを合宿が終わった直後にいろいろ議論して整理していただきましたので、合宿での議論を振り返るために、ここで森口先生からご説明いただいて、その後また資料3−4で、これからどういう手順で、どういう社会なりを想定して、定性的な検討と定量的な検討を進めていくのかをご説明したいと思います。

○森口検討員 資料3−3と、必要に応じて資料3−1の30枚目のスライド、各コアエレメンツをご覧いただいて、合宿のことを思い出していただければと思います。
 合宿の成果、どの段階の成果を主に取り上げるかというのはあろうかと思いますが、ここでは今、苦瀬さんからもご説明ありましたけれども、30ページに挙げられている各グループが集約されたコアエレメンツ、3つから5つぐらい挙がった段階のものがあったかと思います。そのコアエレメンツというのは、それぞれ少し違う断面といいますか、違う切り口で設定されていたような気もしますし、一方で、違うグループから比較的似た切り口のコアエレメンツが出てきたこともあったかと思います。また、コアエレメンツ相互間の関係といいますか、位置関係のようなものも、おぼろげながら何となく見えていたような気がしまして、なるべく頭のフレッシュなうちにということで、合宿2日目の午後、集まりましたときにささっと書きとめて、その後、思い出しながら整理して作図をしたのが資料3−3でございます。
 これは十分に練れていないところがあるのですが、ざっと見ますと、右端の方ですね、「GD3─グループディスカッション3─で描いた将来像」ですが、最終的にどういう社会が望ましいのか。先ほどのビジョン検討の5ステップで言えば3つ目の、将来像のようなところに議論としては集約されるわけですけれども、そこに至る過程は、左の方にどちらかというとドライビングフォース的なものを書いておりますし、あと、それを取り巻く環境─というより社会・経済情勢に関しては、この図で言うと上の方に国際情勢を主に書いて、下の方に国内情勢、特に地域、地方というような観点を主に配したつもりであります。
 特に、例えばBグループから、これは社会科学の先生方中心のグループであったかと思いますが、「環境、経済、福祉の統合」といった概念が非常に強く出てまいりましたので、これは統合であるから当然のことながら真ん中に書かれるわけですけれども、そういう中で時間軸、空間軸といったお話も出てまいりましたので、例えば空間軸という視点で言えば、上の方に書いたところの、では地球レベルでのといいますか、アジア諸国との関係で見た日本ということと、地域社会、日本の地方をどうしていくのか。格差社会といったことであるとか過疎化、少子・高齢化、そんなトレンドがある中で地方をどうしていくのかという議論も随分あったかと思いますけれども、実は全く異なるのだけれども、地域的には入れ子になっている、そういうところをどう考えていくのかということが、ある意味では、例えばこのB1のお考えなのかなということを考えながら、位置づけを書いてみたものでございます。
 もともと、このCナントカ」とかDナントカとか、それぞれ記号がついておりますのは、もともとのコアエレメンツの記号なのですけれども、それが書かれていない、ちょっと書き足した楕円形のものとか大きな字を書いてあるところがありまして、例えば避けたい問題とか、あるいは環境問題としてどういう問題が出てくるのかという話は、このコアエレメンツの議論ではなかったかと思うのですけれども、やはりそれをどこかに書いておかないことには全体のつながりが見えにくいだろうということで、若干書き足したりもしております。
 やはりドライビングフォースといいますか、将来を展望するに当たって非常に重要なこととして上の方に書いていますのは、[1]日本を取り巻く世界情勢がどうなっているのかということと、国内情勢の両方を見ていかなければいけないなということ、それから、[3]の将来の姿としては、やはり日本、アジアの中での日本はどうなっているのかという将来像、それから、それはあるのだけれども、日本人はそもそもどういう幸せを望んでいるのかという議論があったかなと思います。ただ、そうはいっても何かで食っていかなければいけないから、どうやって食っているのかという議論も再三あったかと思いますので、そういう意味で、将来像というところは私の独断で3つほどの字句を書かせていただいている。
 それプラス当然、下の方の少し離れたところに「地域社会の将来像」と書いておるところであります。
 今日、冒頭にご紹介のあった脱温暖化2050は、私も関わっておりますけれども、どちらかというと、地域社会がどうなっているのかを中心に書くシナリオと、どちらかというと世界の中で戦っている日本を書いているようなところも、実はAシナリオ、Bシナリオ、若干そういうところがあるかなと思っております。ただ、最終的には、何らかの形でそれをミックスしたところにベストの解は出てくるのだろうなと思いますし、あと、若干この説明の時間をお借りして言えば、恐らく日本だけが良ければいいということではない。だけれども、例えば脱温暖化2050は、まず日本がやってみせて、「日本だけで考えればこうなる」ということをかなり詳しくやってみたわけですけれども、恐らくそういう日本の姿が世界、アジアの中の、他の国のある種のモデルというか、見本として成り立つのかどうかという議論が非常に重要ではないかということが合宿の中で出ていたと思いますので、そのあたりは右上4分の1ぐらいのところに、かなり中心的に書かせていただいているところでございます。

○苦瀬企画官 それでは、引き続いて資料3−4のご説明をさせていただきます。
 資料のタイトルは「超長期ビジョンの今後の検討項目と手順(案)」となっておりますけれども、特に今日は、これまでの検討を踏まえてどういう問題があって、どういう環境像が必要で、どういう社会像を目指すのかをある程度議論していただいて、それを踏まえて増井先生のモデルでの検討等ができるように進む、そういうところが特に大事かなと思っております。
 その辺は、番号で言うと2ページ、3ページの5、6、7あたりになるのですが、一応最初から説明させていただきます。
 資料3−4は、ある意味、こういうことの全体ができれば最終の報告書に必要な要素がかなりでき上がってくるかなといったものですが、ただ、骨子だとか中間取りまとめというレベルでもないということで、「検討項目と手順」というタイトルにしております。
 1、ビジョン策定の趣旨は、従来まで議論してきたところで、これは特段ご説明の必要もないかと思いますが、このままでは持続可能性の危機なので、バックキャストで考えていきますよというようなことでスタートした。
 2、検討の手順は、これまで[1]から[5]ということでやってきまして、これは基本的に生きているのですけれども、さらにまとめというならば、(1)で趨勢の整理と環境資源上の持続可能性の危機の問題の検討をして、(2)で環境像の整理をして、(3)目指すべき環境像実現のための社会の姿とシナリオ、施策の方向性の検討をすることになっているのかなと思います。
 3、社会・経済の趨勢として社会・経済の基本的なトレンドと、4、持続可能性へのリスクということで各種の環境に関わるような問題と、これまで先生方のご発表で、3と4の両方だったり3が中心だったり、4が中心だったり、先生によっても異なりますけれども、各分野で見てきていただいておりますが、その項目を立てるとすれば、ここにあるようなことかなということで、3の(1)から(5)は、まとめておくとすればこのぐらいでどうかということです。
 4、持続可能性へのリスクですが、16名の先生方あるいはさらにゲストの方とお話いただいて、いろいろな観点からリスクを出していただいたのですが、大体これまでの議論で言うと、3つぐらいのグループに分けたらどうかという議論が何回か出ておりましたので、一応それでまとめてありますが、地球温暖化等の問題は2つあって、温暖化そのもの、気候変動の問題と、それに関連もするエネルギー資源の枯渇みたいな問題。(2)では物質循環に関する問題ということですが、これはアの資源の減少、枯渇の問題と、イの廃棄物、リサイクル、それに伴う問題みたいなこと、それからウの汚染の問題。これは化学物質の問題とか公害系の問題とか、大きく三つ四つに括る場合には、ここにくっつけて整理をするのかなということです。
 それから、生態系に関連する問題の括りでは、生物多様性そのものの劣化、自然破壊とか自然の劣化みたいな話と、多分それに密接に関連するだろうということで、大きくはここに括っていますけれども、水資源の問題とか森林資源の問題とか、食料の不足とかいう問題。ただ、こういった問題は、あるいはもっと独立したり、別のところに入れたりする方が良いのかもしれませんが、そういうところも含めてご議論いただきたいと思います。
 あと、一応この3つで括ればいいのかなという話もあったのですが、その他にも問題があるのではないか、この3つで括りにくいものもあるのかなということで、一応4つ目を書いております。
 5、目指すべき2050年の日本と世界の環境像は、4番の持続可能性に関する問題の整理に対応するわけですけれども、そういう問題のない、望ましい、持続可能性がある環境像というのはどんなものかというところをここで整理する。それがある程度想定されると、そこでそれに対応する社会像が書けることになります。
 ここは難しいところですけれども、一応それぞれの問題ごとに、できることなら定量的な目標を設定し、できないところは言葉で書くしかないが、実際の計算のときにはやはり某かを設定することになろうかと思います。
 ア、地球温暖化については、1つは、温度2度上昇を超えたら大変だという話は、既にいろいろ研究されておりますので、それはまあ使うのだろうという話と、ちょっと私、ここに書き損なったかもしれないのですけれども、すごく破局的な事態は困るというのが、IPCCの最近の検討の成果で、普通のBAUでいくと平均4度以上、すなわちそれは破局的な事態が起き得る状況だということで、そういうものは当然にだめだと言った上で、目標としては2度なら2度で、また、それに応じた量の設定ということと、それから、長期的には吸収能力以下に排出を抑えることを想定したような、そういう目標をここで立てていくのかなということだと思います。
 イ、エネルギー資源の問題は、枯渇による問題を避けるということ、定性的にはそうなのですけれども、事前に座長とご相談をして、1人あたりエネルギー消費量をオイル換算2トンということで設定して、考えていったらどうかと考えております。
 (2)物質循環の問題ですが、物質資源の枯渇と廃棄物に関わるものとしては、ここに書いてあるように、資源枯渇が長期に渡って生じないということと、廃棄物による問題が生じないということと両方で、指標的には、これは森口先生ともご相談したのですが、資源投入に占める循環的資源の比率を80%と置いてみてはどうかと。これは循環的資源を「循環資源+再生可能資源」と決めまして、それの80%ということです。
 次は定性的ですけれども、廃棄物が適正処理された状態ということですね。
 それから汚染に関しては、これもちょっと定性的な言い方ですけれども、現在の程度以下で問題ない程度というようなことです。
 (3)生態系に係る問題ですが、これは何か指標を使えればいいのですけれども、とりあえずは余り数値的な指標のように書いていないのですが、アは、現在程度の生態系の水準の確保、維持。
 イは、水資源とか森林資源とか食料とか、そういう生態系サービスの、より具体的な資源としてのとらえ方ということで、これは世界全体の中で我が国における需要が持続的に満たされるという状況です。ですので、森林とか食料の自給が拡大方向といったことはあろうかと思いますけれども、そこの数値といったことは書いてありません。
 6番ですが、それらの環境上の問題をある程度「こんなものか」という設定をしていただければ、それを踏まえて、2050年時点における社会像として、どういう社会像だったら成り立つのかを描く必要がある。これはまさに合宿の議論の成果になろうかと思いますけれども、合宿でいろいろ議論して、国際社会の中でちゃんと食っていくのだけれどもという中で、大体議論が共通しているところが多かったとは思うのですけれども、視点が違うところとしては、グローバル化重視なのか、それとも国家自立重視なのか、さらにそれをうまく組み合わせたというか、よりよい形ということなのか、それは国際的な連携と自立とを柔軟に組み合わせたよりよい国家なのかみたいな、そういった議論があったかと思いますけれども、そういう3つの視点を持って社会像を描いた上で、分析していったらどうかということでございます。
 それが2050年の社会像としてどうかというのは、先ほどの増井先生の資料の上のモデルが、その2050年時点の話ということでしょうけれども、今度は7番、2050年に向かう道筋の検討では、それぞれ特性のある社会についての道筋としてはどうかという経路についても、検討していくということです。
 もちろん、今日のご議論で全部結論が出るということではないと思いますが、ある程度こんなことを想定して6番、7番の検討を裏で増井先生の方でもしていただいて、今度はまたその議論をこちらの場にフィードバックして、定性的、定量的な検討をしながら社会像とか道筋を議論して固めていくことになるのかなと思っております。
 8、不確定な要因、今後の変動等についてですけれども、さっき極端な、例えばオイルが300ドルといったことを想定してというお話がございましたけれども、その辺はまた必要に応じて増井先生からも補足をしていただきたいのですけれども、一応ここは、そういう3つなら3つの像を描いたら、それについていろいろ検討していくということで、その条件を変えればいいということでしょうけれども、そこでさらにいろいろな条件をというのがたくさんできないとすれば、ちょっと限られた条件の中でやるけれども、非常に大きな変動要因については、さらに引き続き検討ということなのかもしれない。ただ、この場での検討でどこまでやるかということがあれば、それに応じた検討になるのかもしれないと思います。
 9、結びは、もし報告をまとめるとしたら、こんなことになるのかなという話なので、まだ今は途中の段階なので、特にご議論いただかなくてもいいかと思うのですけれども、最後、全体としてはそういうことになるかなというあたりです。

○安井座長 どうするのかな、本当は増井さんあたりからどうやって具体的にやるのかという話を、次回の4月17日までに何ができるかみたいな話があった方がいいかもしれないのだけれども。今は黙っていますか。(笑)
 では、そういうことで、この間の合宿の成果が今のところこんな形でまとまっておりますが、例えば数値的なところでは、とりあえず2度上昇、この2度というのは、恐らく475ppmシナリオの2度なのでしょうね。要するに、産業革命以降2度なのだろうと思います。
 それから、エネルギー資源。それでは、エネルギーを無茶苦茶に使っていいのか。再生可能エネルギーも、要するにバイオ系のものは余り使ってはいけないのではないかという気がするので、それで一応、多分ここに書いてある2トンというのは、太陽とか風力を除いた、バイオも含めた枯渇というか─多分バイオ資源も枯渇するのですよね。だから、枯渇する可能性のあるもので2トンぐらいかなと。だから、もしもっとエネルギーが欲しければ、それこそ本当の意味でのリニューアブルを入れろという話にするのかなという気はするのですけれども、そんなことで2トン。
 物質循環では、これまた森口先生の今の検討の方でやっているところで、80%と。この80というのも、ただ本当にコンクリートのリサイクルだけの80なのかよという話は今、いろいろ議論されていて、例えば希土類どうするのだとか、希土類のリサイクルなんて日本でできないじゃないかみたいな話も─できないのですよ、実際。リサイクル施設を持っていないのですよ。中国から鉱石が買えなくなってしまったから、精錬業がないのです。そんなことも含めて、だからこの80というのは、何だかよくわからないのだけれども、まあ80と。
 それから生態系にかかわる問題としては、先ほどお話がありましたように、とりあえずは土地みたいなことでやるのだけれども、森林面積みたいなものでとりあえずはやるのだけれども、それでいいのかなみたいな話はありますよと。
 それが物理的な限界で、あと目指すべき環境像。これが、恐らくこういうことを前提としてやりながら3つぐらい、これが果たして違うかどうかもよくわからないのだけれども、それはその後の議論かなという気もするのですが、シナリオ、どうやって達成するかに依存するのかな。その辺も今のところまだ確実にわかっているわけではないのですが、この間の話だと、グローバル重視と国家重視と、その中間みたいな、そんなものかなと。そのほかに、恐らくビジネス・アズ・ユージュアルチックなものはやるのかなという気がします。
 あと、先ほど沖先生がおっしゃった300ドルみたいな話は、それぞれについてやるのか、そうではないのか、その辺もちょっとまだ決まっているわけではないということですね。
 あと外的要因どうするかとか、この辺もまた難しい問題ではありますが、こんなことで一応大方針が決まると、今日終了後、ロードのかかる増井さんが一体何をやるかという話を、余り大っぴらでなく検討するのかなというような気がしておりますが、特に今日、皆様からご議論いただきたいのは、このような理解でよろしいのか。全くこんなのじゃなかったというご意見、また、これではちょっと小ぢんまりまとまり過ぎているといったご意見があれば、この辺で伺っておきたいというのが大体趣旨かなと思います。
 そんなことでよろしいですかね。できましたら皆様から少しずつでもインプットをいただきたいのですが。

○広井検討員 やはり非常にポイントになってくるのが社会像の設定の部分で、ある意味では、ここが決まればあとはもう事実関係といいますか、テクニカルなという部分もあると思いますので、この設定がやはりポイントになってくるかと思います。
 事実認識と価値判断ということで言えば、ここで幾つかの価値の選択といいますか、そういうものを示して、どれを選ぶかは最終的には人々の価値判断という部分で、選択肢を示すことが1つ重要ではないかと思うのですが、座標軸という意味で、ここで今、出されているのはグローバル化国家というのが1つ非常に重要で、特に食料・エネルギー自給の度合いみたいなものをどの程度にするかということだと思うのですが、これと並んで、以前からあります「ドラえもん」と「サツキとメイ」の話に似ているかと思うのですけれども、やはり限りない拡大、スピード志向のようなものか、ゆとり・地域コミュニティ志向みたいなものかという、その座標軸はもう一つ、これとは独立した軸として残るのではないかという気もしますので、そこら辺、ちょっとまたいろいろ議論があり得るところかと思うのですが、どちらかというとマトリックスといいますか、2軸か、もしかしたら3軸か、余り多くし過ぎるとまたあれですけれども、ちょっとここらあたり、どう設定するかが1つ重要かなと思います。

○安井座長 そのあたりがちょっとここには書いていないのですけれども、要するに、限りない拡大志向だと、恐らく5に書かれておりますある種のフィジカルなバウンダリー・コンディションが満たせるのかどうか。このバウンダリー・コンディションの中では、可能な限りの拡大志向でいくか、そうではなくてちょっとというのが、要するに「ドラえもん」と「サツキとメイ」的なのですが、その辺がまだ合意がないところかもしれませんね。
 多分、限りない拡大志向というのは、5を条件として外してしまうというのは、ビジネス・アズ・ユージュアルで多分計算するのかな、やはり。それはそうかなという気はしているのですけれども、その辺まだ、必ずしも事務局的にも合意がないのですけどね。そんな理解なのですけれども。
 ですから、この6というのは比較的、5の物理条件を前提としてしまうと、シナリオはそんなにフリーでもないのではないか。その中で、国際対応をするような形で「シナリオは書けるかな」みたいな判断に基づいているのですけれども、そうではないのかもしれないのだけれども、もしご意見があれば。

○川島検討員 今のとはちょっと違うのですが、この論点の中で、環境と経済といった観点で今まで論議が進んできたと思うのですが、少し深めていただきたのは環境と環境の関係なのですね。これは最近起こってきたことで、実は明日も科技庁のあれでインドネシアに行くのですけれども、こういう話なのですね。
 COのことはすごく気になっていたけれども、化石燃料の値段が安かったから大して問題にならなかった。それが高くなったので、アジアの国でもバイオマスエネルギーにかなり本気で取り組むようになってきた。バーレル60ドルくらいだと、かなりトリガーが動いたのですね。そうすると何が起きるかというと、これは湯本先生のところの話なのですけれども、要するに、今までは放っておいたようなところもバイオマスエネルギーを作ろうよという感じに、今、動き出しているのですね。
 沖先生がおっしゃるように、これがもし300ドルになったら、先ほど細田先生がおっしゃったように人間というのはえげつないので、その辺のものをみんな切ってしまう。そうすると、COを守ろうと思ってやったことが、今度は生物多様性を破壊するというか、下げていく。環境の中のトレードオフ、環境と環境のトレードオフみたいなことが現に起こり始めているのですね、エネルギー価格が動いて。これに対して、今のところポジションがないと私は思うのですね。「生物多様性を守れ」と言えば、要するに、埋めるところがないのですね。
 あと、食料の関係で言えば、ちょっとこれは無視されているのですが、食料価格が今、かなり上がっているのですね。1.5倍くらいになったので、最貧国の一番貧しい人たちはアクセスしにくくなっているのですね。ですから環境問題を言えば、貧しい国の貧しい人たちの食料を少しずつ圧迫しながら、生物多様性はしていって、そして何か2度守れてよかったという話になる。この辺のバランスは今まで余り議論されていないのですね。
 私ども、まさかバイオマスがこんなにブームになると思わなかったので、ちょっと軽視していたのですが、現在、そういうことが起こり始めています。ぜひどこかで議論した方がいいと思います。環境と環境の問題です。

○安井座長 おっしゃるとおりだと思いますね。今の話だと、その辺、さっき西岡先生がちらっとおっしゃったのだけれども、ODAみたいな、援助みたいな話をどうするかということは、余り考えられていない。その辺はある意味、グローバル化重視の世界なのか、それとも国家自立重視の世界なのか、多分、上なのではないかという気がするのだけれども、上をとると、やはりそういうことを考えなければしようがないのかなという気がするのですけどね。それもいろいろな意味合いがあるから、その辺をどうするかですね。
 だけれども、実を言うとODAというのは、ご存じかもしれませんけれども、1980年代ぐらいから国際社会ではODAをGDPの0.7%出す、出すとみんな約束しているのに、日本は0.19とか0.18ぐらい、要するに0.2%弱だし、アメリカも0.15%だし、全く守らないのです。出している国はいっぱいあるのですけどね。だから、GDP0.7%ぐらいの話だから、経済発展にとってみれば、どうでも良いといえばどうでも良いのだけれども。
 そんなことをどうするかだと思いますが。

○明日香検討員 今のお話とも関係するのですが、私も日本と世界のバランスがちょっと見えていなくて、どちらかというと日本に重点があるような印象を持ってはいるのですが、例えば2度の話で、実際に2度でどういうシナリオ、どういう分担のというシミュレーションはいろいろあるのですが、その場合、やはり先進国から途上国に排出量取引という形でかなり資金移転が起きるのではないか。先ほど中国はCDMもやりたいくらいだという話だったのですが、多分そこまではいかなくて、2050年ぐらいでも、排出量取引で先進国から途上国にかなり資金移転するという計算が、どちらかというとメインストリームの議論なのかなと思っています。
 そのときに、ODAの話ではいろいろ計算はあるのですけれども、今、ODAは5兆円ぐらいだと思いますけれども、50兆円、10倍ぐらいのお金が排出量取引で先進国から途上国へいくのではないかという話だと思うのですね。その50兆円をだれがどういうふうに使ってとか、それが環境途上国の環境に行くのか経済に行くのかよくわかりませんけれども、そのような影響がどう入れられるのか、ちょっとわからないのですけれども、結構効いてくる話なのかなという気はしています。

○沖検討員 シナリオを設定する理由は多分2つあると思うのですね。1つは、国民なり政治家の選択があったときに、「こっちを選んだらこうなりますよ」「こっちを選んだらこうなりますよ」と示して、「だからこっちの方がいいでしょう」とみんなにわかってもらうという意味ですね。もう一つは、非常に不確実な要素がある場合に、こうなるかもしれないし、こうなるかもしれないと考えておいて、それぞれについて準備をしておく。その2つの役割があると思うのですが、ここにある今の3つは、どちらかというと選択肢を示すという方で、川島先生がおっしゃったエネルギーの不確実性については、やはりちょっと、直交する軸でやると非常に大変になるので、どのぐらい見込むかだと思うのですけれども、例えば、もう明らかにエネルギー価格が上昇した場合には、どうでしょう、Bでせざるを得ないとかAでせざるを得ないとか、そういうのがアプリオリにあれば、そこについてはそういう設定を考えたシナリオを別途、B'とかA'というふうに考えておくということでいかがでしょうか。

○安井座長 今、直交した座標でやると大変とおっしゃったけれども、本当に大変なのかは我々わかっていないのですよ。パラメーターをちょっと振ればいいんだったら、やればいいだけの話でね。その辺、実際の作業量まで読めていないというのが実際の問題点なのですけどね。ですから、もし可能であれば直交軸として選ぶことも不可能ではないですね。
 あと、何かございますか。
 まず5番で、比較的外的要因と言ってはあれですけれども、外的か内的かは微妙ですけれども、要するに物理的制限事項みたいなものは、こんなものでとりあえずよろしいですかね。
 でも、これだとさっき西岡先生が言っていた八十何%カットまで行くのか。行かないのじゃないかな。80ぐらいかな。どうなのですかね。

○森口検討員 この辺の書き方は、非常に微妙かなと思うのですよね。5、目指すべき2050年の日本と世界の環境像の(1)地球温暖化エネルギー資源問題では、排出量幾らと書いていなくて、温度2度上昇まででとめると書いてあるのですね。だから、例えば気候感度みたいなやつの、今、不確実性が随分あるので、昨日もそういう議論を所内でしていたのですが、要するに、今まで想定されていたよりも気候感度が高ければ、80%では済まないという議論があるのですよね。だからこれは、そういうことを込みでこういうふうに設定するということでいいのかどうかですよね。
 だけれども、何かエネルギー資源の、例えば1人当たりエネルギー消費量2トンというのは、そんなにひどくない世界ですね。多分さっきおっしゃったような、本当に耐乏生活ではないよということを示すために、これは2トンと書いてある。2トンは維持しながら、8割カットであろうと9割カットであろうとエネルギー消費は大体1人2トンぐらいを想定する。では、何が違うかというと、例えば太陽光発電とか風力の入り方が違うだとか、バイオマスはさっきお話があったように、やはり世界全体の地表の供給能力が限られてくるので、多分もうそれは使えるところまでしか使えないという話になるのではないかと私は思っていまして、そういう意味では、そのような世界がイメージされているのかなと思います。
 でも、逆に言えば、温暖化が今、例えば気候感度などが過大予測で、日本が8割減らさなくても2度以内に抑えられるよということであれば、半減でいいよという話が多分出てくる。それでも、半減だったら別にリニューアブルとか余り入れずに、化石燃料の消費量をただ半分にすればいいよということかもしれない。だけれども、化石燃料をそんなに使ってしまうと、今度はさっき出てきたように石油価格がもっと上がってしまうかもしれないとか、いろいろな話が多分出てくると思うんのですよね。
 ですから不確実性の中には、実は地球温暖化の科学の不確実性みたいなところが随分効いてくるかもしれないので、今、そういうことを想定しているわけではないですけれども、実は気候感度が今、考えているものより非常に大きかった場合と小さかった場合で、実は目指すべき社会像みたいなものがすごく変わってくるかもしれない、そんな話もどこかの場面では議論していたような気がします。
 それをどのぐらいこの中に取り込むのか、ちょっとスタンスを決めておかないと、今、温暖化がこれだけ関心を集めている状況では、どういうスタンスでそこをやったのか決めておく必要があるような気がします。

○安井座長 それは資料4とも絡むのですが、裏を見ていただきますと、報告書取りまとめが平成19年夏から秋になっていますから、そんなに議論が詰まっていない段階。(笑)だから、いつかの段階、例えば5月とか6月あたりでのベスト・アベイラブル・インフォメーションを使ってやるしかない。その辺で、もしやるとしたら、安全係数を掛けるか掛けないかぐらいしか言えないのではないですかね。
 そうなると、この間から国環研がやっている475ppmシナリオ+αぐらいですか、あれから何か進歩しているのですかね、温暖化。

○増井氏 いえ、特に。

○安井座長 そうすると、世界全体で6割カット、7割カットぐらい。

○増井氏 それを変えると、技術の組み合わせ等も全部変えないといけないので、それを一からやると膨大な作業になるので、とりあえず前提は変えていません。

○安井座長 そういうことだそうでございます。
 本当にそのあたり、結局、何が膨大な作業で何が膨大な作業でないか、みんなで共有されていないので、ちょっと難しいところがありますね。
 あと何かご注意いただくところはございますでしょうか。
 最後の報告書として、これまた本当に、この検討会の最後の成果なのですが、何をどう出すのかというあたりをそろそろ考えないと間に合わないのですね。夏ですと、あと半年しかありませんし。そのときに一体何をどう出すのか、その辺もそろそろイメージが必要ですね。そのあたりについても、ちょっとご説明いただいた方がいいかもしれない。

○苦瀬企画官 今のことも含めてですけれども、今日は全部まとめてうわっとやってしまったのであれですけれども、今、幾つか具体的なお話がありましたように、環境像の話がいいかという話と、あと社会像の話は合宿ではかなりしたのですが、それをまとめてこうしてしまった、そういうことでの、こんな感じでいいのかということがありまして、よければもうちょっとこの要素を具体化するのを、それをモデルの計算に入れるところでやるということもあるのですけれども、それを次に議論していくということで、そこを具体化させるということはできていくのかなと思います。
 それで、あと2回ぐらいの中でそういうことを進めて、資料3−4で言う7のところまでいけば、「では、こうしなければいけない」ということまでいく。それでもともとの、[1]から[5]の手順、あるいは今日、整理した(1)から(3)でも良いのですけれども、その全体像になってくるかなというイメージではいます。
 ちょっと今のお話からずれていたかもしれませんが。

○安井座長 とりあえず4月17日が次回で、その次が5月18日だったか何かですが、その頃までに一体何が準備できて、何が議論できるかというあたりについては、実を言うとまだご相談していないのですけれども、そのあたりのイメージがもしわかれば、これは徹夜を何日するかを決める増井さんあたりに聞かなければいけないのですけれども(笑)、だから、何を我々は期待して4月17日まで心構えを持っていればいいのかというあたり、もし何かわかれば。

○太田検討員 シナリオの話をしていいですか。
 6番と7番の関係ですけれども、社会像のBとCの区別がよくわからなくて、シナリオBもCもよくわからなくて、社会科学的な私たちの専門の視点からみると、社会像Bは、今ある主権国家からなる国際社会体制という感じですかね。現存する国家間で同盟関係を結んだりとか、自国で勝手にやっていくという感じのイメージだとすると、Cも同じようなイメージなので、よくわからないのですね。もっと意図的に違いを出すとすれば、例えば、EUのような地域連合がどんどん発展していくような国際社会が社会像Cで、アジアの方も、ASEANとか北東アジアもある程度、地域内で効率的にエネルギーを使うような、地域規模での持続可能性を目指せるような感じで、国家間が対立するような社会よりは、さらに一歩国際的な協調が進んで、開かれた地域社会ができていく社会像になるかどうか、その辺のところをもう少しはっきりしてもらうと、違いが出るのかなという気がします。このままだとちょっと、確かにBの方が、より国家間の対立あるいは独立を志向するような国際社会かなという気がするのですけれども、それでも両者の違いは、自給率の度合い、率の違いで分けるのかなとか、そんなことしかわからないので、もう少し鮮明なイメージがあるといいかなという気がします。

○安井座長 多分この辺に影響を与えているのは、実を言うとアドバイザリーボードの議論なのですけれども、メンバーがメンバーだけに、例えば農林水産業の自給率、要するに、森林と食料は自給率100%でやれという話があるのですよ。だから、社会像Bというのはそれがある。そんなイメージなのです。
 だから、そこをどっちか崩せば、そんなことをやらなくて自給率40でも良いとやるのがある意味、シナリオAで、Cあたり、あるいはBだともっとあって、例えばさっき申しましたように、資源のリサイクルは全部自国でやるというようなこともあって、だから今の状況だと、元素支配がいろいろな国から来るわけですけれども、そういうものをある意味、全部却下している。今、希土類などは世界の生産量の50%を日本で使っているわけで、ただ、製品は世界中にばらまいてしまっているのであれなのですけれども、それがうまく戻ってくるような仕組みを作った上でまた、要するに、日本はリサイクルも国内でやるみたいなものが多分Bで、Cは、その一部分を緩めるみたいな感じだと思うのですね。どこを緩めるかはわからないけれども。そんな影響を受けているのですね。
 最初にちゃんとご説明するべきだったかもしれませんけれども。

○沖検討員 私の理解では、今のシナリオは日本の将来像を作りたいのだけれども、世界の境界条件が必要なので、IPCCのスレースで言うような、AがA1でBがB2でCがB1なのかなという感じの、世界像の中に日本を当てはめているのではないかと理解したのですが、それでよろしいでしょうか。

○安井座長 そこまで詰めた議論をしていないですね。IPCCのモデルとの対応はどうしようという話は、まだしていないよね。

○増井氏 していないですね。
 今回、合宿の中でも、あるいはアドバイザリーの会合の中でも、まず国際的な視点に関する意見が結構バラけていたというのがありまして、それで、とりあえず対立の社会を描くよりは少し多様な社会を描いた方が良いだろうということで作業してきました。先ほど広井先生の方から、国際だけではなくもう少し別のという話もありましたけれども、余り最初にうわっと対象を広げてしまうとよくわからないので、まずは結構合意のあった─合意とまでは言いませんけれども、意見が多かった「国際」という軸で2つ分けてみればどうなるか、そういう整理で今回、お示しさせていただいたという程度です。

○沖検討員 実際、将来像を日本について定めるためには、国際的に他国がどうアクトするかを与えなければいけないわけですね。そのためのシナリオが、私は既にここに書かれているように読んだのですね。そういう意味で言うと、そこについてもう少し、世界はこう動く、それに応じて日本はこう動く、それがIPCCとは、スレースでもいいですし、その次でもいいですけれども、それと「大体こういう対応です」というのがあると、わかりやすいのではないかと思います。

○安井座長 IPCCのやつを、何というのかな、その辺どうしようかというのは、まさに環境省側のあれなのかもしれないけれども、むしろ余りフォローしないという感じで来ていたのですよね、今までは。

○苦瀬企画官 世界の条件がどう変わって、それに対してのシナリオというふうに書くのか、それとも、どういうふうにしていくかということで書くのかという議論があって、途中まで、周りの条件が違うのだから、それに合わせたシナリオにしようかと言っていたのをもとに、やはり「こういう道を選ぶのだ」という方で書き換えたつもりなのが、実は今の7番ではあるのですが、きっとそうなっていないということですね。これを読むと、外部の条件がそうなので、それに合わせた書き方になっているように見えるということですね。

○沖検討員 例えばAですと「世界全体の効率的で活発な経済活動の中で」と、あるいは「国境の壁の低いグローバル化した世界市場」、これはやはりA1の世界かなと思いましたので、いや、私はそれが悪いと言っているわけではなくて、もし独自色を出されるのでしたら、今度は直交どころか立方体になって、エネルギーと世界の状況と日本の志向というふうになっていくのだと思いますけれども。(笑)
 そういう意味では、世界と全然違うことを日本がやるというよりは、協調していて良いのではないかというのが私の感想です。

○安井座長 この辺の議論をどうするのかな、次の4月17日あたりまでにはもう少し詰めて出さなければいけませんよね。
 今のお話で、今、1軸しか出ていないのは事実です。ただ、先ほど来、申しておりますように、5というところでかなりフィジカルな制限を加えてしまっているので、そんなに自由度があるわけではないというのは事実ではあるのですけれども、その中で何を追求していくのか、どれぐらい振れが許されるのか。
 書いてみたら意外と自由度がなかったりしてね。そういうこともあり得るのかもしれませんけれども、そんなことがわかればいいかとは思っています。
 あと何かございますか。
 例えば、林業が資源を全部自給しろという武内先生からのご用命もあるのですけれども、山本先生、いかがですか。

○山本検討員 日本の社会で数合わせだけやれば、かつかつ成長量と消費量が何とか釣り合うかなとは思いますけれども、今の議論で一つ引っかかっているのは、再生可能エネルギーの需要がどの程度ここに関わってくるのか。それによって、先ほどの西岡先生のお話だと、半分ぐらい輸入ということも考えられるとおっしゃっていましたが、再生可能エネルギーをどの程度、森林に希望されるのか、そこが今の議論の答えになってくるかと思います。

○安井座長 西岡先生が半分ぐらい輸入と言っていたのは、何を輸入……。バイオフィルを輸入かな。

○川島検討員 バイオマスとおっしゃっていたと……

○安井座長 バイオマスかな、フィルかな。

○川島検討員 バイオフィルでしょうね。

○安井座長 さて、今日はご議論が余り活発ではないのでありますが、先日の合宿を受けてここまで整理してきたのですけれども、今日のご議論の中で、また少し整理を変えなければいけないという道筋も見えております。その辺は、特に6、7あたりをどういう軸を増やして書けるのか。この辺は、本当にどのぐらいの作業量かわかっているのは増井さん及びごく少数でありまして、そのあたりがどのぐらいまで可能なのか。やはりこの中で格差社会を作ってもよくないので(笑)、その辺は何とか平和裏に行いたいと思っておりますので、そのあたりを見極めた上で、より有効な方法を探すというのがしばらくかなという気がいたします。
 ……といっても、4月17日ですからそんなに時間があるわけではなくて、すぐ時間が来てしまいますが、そのときの、何か「こういった方向」とか、先ほど沖先生から3軸という話があったのですが、その辺「ほかにもこんな軸があるだろう」みたいなことがもしあれば。

○明日香検討員 ちょっと前の論点で、シナリオA、B、Cに関して実際どう計算するのかという質問なのですけれども、その中で、自給率というのは今、おっしゃった中でかなり大きなファクターになっていたと思うのですけれども、その自給率と、かつ一方COの条件がかなりきつくなってくると思うのですが、自給率とCOとの関係はどう考えられる─何となく、自給率が低ければたくさん空輸してくるのでCOを出すというのも考えられますし、本当はもっと複雑になるのかもしれませんけれども、そこら辺の関係はどう考えればよろしいのでしょうか。

○増井氏 そうですね、基本的には、要は生産量をどの程度にするのか、その水準を自給率で見極めるというイメージです。実際に計算してみないとわからないところはあるのですけれども、必ずしも自給率を高めれば環境負荷が高まるものでもないのではないと思っています。
 というのは、リサイクルといったことを考えると、どこでどう物の流れが分断されるのか、あるいはパイプが太くなるのか、いろいろ試行錯誤的に描いてみないとわからないところがあります。すみません、明確なお答えではないですけれども、そこはやってみないとわからないということをご了解いただければと思います。

○川島検討員 自給率のシナリオについてですが、根底にあるのが、地球にやさしいというのが環境の立場だとすると、適材適所で、例えば農林水産物でも作ればいいという物の考え方がありますよね。先ほどからちょっと議論になっているのですが、その問題と、結構ナショナリズムみたいな問題が入ってきてしまっていて、よくわからないのですね。先ほど太田先生もおっしゃっていましたが、その整理がBとCがわからないといったところで出てきていて、この辺ももう少し整理して、やはり世界のためにやっているのか、日本が良かれということなのかを明確にしないと、すごくわかりにくいと思うのですね。環境のためなのか日本のためなのか。
 特に自給率の話というのは、いつもそれが出てきて、地産地消の話もそうなのですね。「地産地消」という言葉をかりながら、ナショナリズムの違う発言である場合が多いのですね。その辺をよく見極めないと、環境のことを話しているのかナショナリズムのことを話しているのかということになると思います。

○湯原検討員 エネルギーの観点から考えると、自給率を高めるということは、中国とインドに対する非常に強い環境対策といいますか、要するに、インドも中国も石炭しかないわけで、自給率がどんどん低くなっていくということは石油と天然ガスを買いまくることになりますから、自給率を高めることの本当の問題は中国とインドをどう抑え込むかだから、高度成長を認めながらクリーンなエネルギー転換等を進めていくといいましょうか、そういうことに果たす日本の役割が大きいということを言いたいのですね。
 もう一つ、自給率を高めるということは、地域経済の自立を促すことだと思うのですね。それは農林水産業も鉱工業も含めて、地域経済が自立していくということだと思うのです。
 そこで、今日ご説明いただいたシナリオの5ページに、主な対策技術のリスト(環境オプションデータベース」というのがありますが、これはこのとおりで、2050年にはこの表3は全部達成されていると思うのですけれども、私が1つだけコメントしたいのは、一番重要な蓄電・蓄熱技術が全然入っていないのですね。それこそが地域分散エネルギーであり、再生可能エネルギーの大規模な導入を可能にするものだと思うのですね。だから、そういう観点で自給率を考えていくし、技術の場合には蓄電・蓄熱が2050年にはもう定着していると思うので、そういうことによって、再生可能エネルギー主体の経済・社会というものが地域で達成されていくのではないかと思うのですね。
 ちょっとわかりにくかったかもしれませんけれども、それが私の主張です。

○安井座長 今、湯原先生がおっしゃったようなことをモデルに入れるとなると、アベイラブルテクノロジーから見直さなければいけませんよね。

○日比野氏 ここに明示はしていないのですけれども、Aシナリオでは電気自動車、燃料電池自動車が入るという想定になっていますし、太陽光発電、風力発電が入っていく想定になっています。その中で、蓄電池は直接そのもの自体がCOを減らす技術ではないので、ここには明示していないのですけれども、バックの考え方としては、小型サイズの蓄電池が安く普及するという想定はしておりますので、そういったことを考慮しても、アベイラブルテクノロジーを抜本的に取り換える必要はなく、この成果を生かしていけるとは思っております。

○安井座長 蓄熱は考えていないのですか。

○日比野氏 そうですね。

○安井座長 その辺、どうするのかな。その辺はここの話ではないと言ってしまっていいのかな。いや、要するに今の脱温暖化2050というのは、国環研を初めとするある共同研究として、こことは別に動いている。やっている人間が同じだから根っこではつながっているのですけれども、だから、その辺でのインプットをここからというわけにもいかない部分もあるのだけれども、その辺はどうなのだろう。その辺はまた後で、別のところでしっかり聞いた方がいいのかな。

○増井氏 連携しないと、すべての要求に対して答えを提示することができません。

○安井座長 やっていられないよね。そうなのだけれども、例えばいろいろな注文がこういうところからバラバラ出たとしても、それはある一定程度から先は迷惑ですよね。その辺、森口先生はどう思っておられますか。バランス屋として。

○森口委員 脱温暖化2050も、いろいろリクエストされても対応しにくいことと、割に柔軟に対応できることと多分両方あって、全く想定していなかった技術を足すような話は相当大変だと思いますけれども、社会の姿を振ることは、基本的にはできるようになっていると私は理解していますので、そういう意味では、あれは「ドラえもん」と「サツキとメイ」だったのですけれども、そうではない社会はいろいろ描けると思うので、それを描いたときにどういうバランスの解が出るかという話は、基本的には私は、比較的やりやすいのではないかと感じています。
 それで、さっき湯原先生がおっしゃったことの後半部分、私も同じ思いでありまして、社会像のBは国家自立重視型と書いてありますけれども、かなり地方重視、地域経済重視なのですよね。いかに地方、国土を荒廃させないかという強い思いがある程度入ったものではないかなと私は思っていまして、その結果、自給率が高まる。まあ、自給率が高まるとか自立性が高まるというキャッチフレーズの方がやりやすいねということなのかもしれないなと私は思っているのですけれども、それは必ずしも環境の目的というよりは、地域経済をどう維持しているかというもとに出ている社会像なのかなと私自身は考えています。
 その中で、さっきおっしゃった蓄電・蓄熱技術というのは、個々の技術というよりはかなり大規模な、系統でどうやってそういうところを調整するかという技術のことを湯原先生はおっしゃったのではないかと思っています。それは私も同感で、必ずしもそういうものが今、余り入っていないこともあるかなとは思います。
 それから、バイオマスの話が再三出てきました。
 実は脱温暖化2050でも、私、交通の方のチームリーダーもしておりまして、本当にバイオマス重視で車が走るのかどうかというと、非常にしんどいところがなくはないですけれども、基本的には、炭素を出さずにどうやって車を走らせるかということなので、それは他にも幾つかのオプションといいますか、経路があり得る。ただ、2050のBシナリオであえてバイオマスと書いてあるのは、やはりローカルな資源なりを強く使っていこうという、さっきの地域経済重視的なイメージをより色濃く出すために、バイオマス重視で書いている。ただ、それを輸入と書いてしまうと、何となくそこで一貫しないのではないかなということは、私自身は中では言っていまして、輸入と書くよりは、このバイオマスエネルギーは自給ですよと書いた方が格好いいかなと。実際できるかどうかはわかりませんし、非常にコストもかかるかもしれませんが、そういうシナリオの細かいところの整合性というか、イメージの統一性は、多分まだまだ修正する余地があると思います。
 だから、脱温暖化のこの2つのシナリオは、あくまで今の一つの姿であって、もっとバランスのいいというか、余り両極端に振らないように、バランスのいいものをここのビジョンとして、いろいろ新しいものが、ほぼ同時並行ですけれども、出ていくというのはあっていいのではないか。そして、ここの議論がまた脱温暖化2050の議論にフィードバックされていく、そんな関係なのかなと思っております。

○安井座長 ありがとうございました。
 大体この辺で締めに入ると極めていいタイミングなのですけれども、どなたか最後の一言で次までの宿題を言っていただければ、それはそれで考えたいと思いますけれども、何かございませんでしょうか。
 いや、今、花木先生の顔をたまたま見てしまったのですけれども、例えば人口配置なんてコントロールできないのだけれども、余り視点がないのですよね。多分、結果としてBシナリオというのは、どちらかというと人口均等に近く配分され、Aシナリオだと都市型かなという気はするのだけれども。

○花木検討員 AとBは相当に、将来予測の人口配置は違いますね。Aの場合には中核都市以上しか生き残らない、Bは地方の活性化、さっき湯原先生がおっしゃった地域経済、あるいは地域の生活をいかに上げていくかということになっていますので、かなり違ってくるのですけれども、人口としても若干違う。それから、移民の数も違いましたよね。
 ある程度は違う。特に配置は相当に違ってきます。ただ、実際にどう誘導するかというと、これはまた別の問題です。

○安井座長 そういうようなことで、もしよろしければ今日のご発言を整理させていただきまして、4月17日までに一体どういう宿題が出されたのか、それに対してどの時点でどうやって答えられるのか少し検討させていただいて、次回の進め方を考えさせていただきたいと思います。
 そのようなことでよろしければ、事務局にマイクをお返しして、次回以降のお話をお願いします。

○苦瀬企画官 今、いろいろご議論いただきましたことにこの場では答えられていなくて、4月17日に向けていろいろ答えなければいけないのですけれども、増井先生ともご相談の上、また座長やら先生方にご相談しますけれども、今、社会像等の話、多分もうちょっと中身を具体的に提示して、こういうものだということも言ってご議論いただいた方が良かったのかなとも思いましたが、軸がまだ足りないとか、どういう軸ができるのかという話もありましたし、これから具体的に検討するのに、こういう中身でしますというようなことを整理した上で、そのある程度の結果を4月にご報告することになるでしょうから、そういった今日の議論を含めた検討をした上で、4月17日にお示しすることを考えていくようにしたいかなと思っております。
 あと、参考資料1について一言言及しておきたいのですが、これは手順から言うと、もうこれまでの話という感じではあるのですけれども、参考資料1は「「社会・経済の趨勢」及び「持続可能性へのリスク」で取り扱う問題の整理方針」ということで、今まで十幾つかの分野についてご検討をいただいて、趨勢の問題とリスクの問題は大体ご議論いただいて、要素関係図等もつくったし、それをもとに議論してきているのですが、ご発表自体が20分とか非常に限られた時間だったということもありますので、全体の整理は引き続き、コンサルタントのみずほ情報総研さんのお力も借りて、それらを取りまとめて、報告検討の前提にするものとしての作業は続けております。
 その点に関しても、場合によってはご指導を伺うことがあるかもしれませんし、またご意見とか情報等があれば、引き続き事務局にお寄せいただければと思っております。
 それから、今日の議論そのものについては、5番の環境像の条件、大体こういう話でいいか、その裏にはどういう考え方がというようなところは、こちらも余り詳しくご説明できていないところがありますけれども、そういう環境像についてのご意見とか社会像、今日、軸が足りないとかBとCの違いはどこかとか、いろいろご議論いただいたのですが、これも今日、言い尽くせなかったところがございましたら、1週間ぐらいの間に事務局にお寄せいただければ、それも踏まえて検討させていただきたいと思っております。
 今後の日程は、資料4の裏に書いてございます。資料4は今後の検討ということですが、これまでお話ししてきたように、今日のご議論や、もし追加があればいただいたものを踏まえて、どういった社会像かということ自体も検討しますけれども、それをモデルの計算と行ったり来たりしながら形を考えていきます。
 裏側をご覧いただきますと、今日が第7回、3月6日ですけれども、第8回の4月17日、第9回の5月18日まで日程が決まっております。この後、6月にアドバイザリーボードを1回開きます。その時点である程度その形が見えてきているということもあるでしょうから。その後ぐらいに第10回を開いて、あと2回ぐらいで報告書の取りまとめと考えているところです。
 日程的にはそうなのですが、その間の内容的には、今のようなシナリオと、その裏の検討をする。そして、その数量的なものと、像そのものがどうかということも相互に関係するものですので、次から8、9、10回とご議論いただく、そんな感じで考えております。

○安井座長 そういうことでございますので、次回、次々回、さらにそれから先、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日はこれで閉会させていただきます。

午後0時00分 閉会