環境省総合環境政策超長期ビジョン検討について

第6回超長期ビジョン検討会議事録


平成18年12月12日(火)10:00〜12:30
虎ノ門パストラルホテル新館5階「オーク」

○議事次第
1.開会

2.議事
  (一)海洋生態系の持続可能性について
     (ゲストスピーカー・松田裕之教授からの発表)
  (二)合宿の進め方について
  (三)持続可能性に関わる諸要素の関係整理について
  (四)その他

3.閉会

○配付資料一覧
【資料】  
資料1 2005年の海洋生態系(ゲストスピーカー・松田裕之 横浜国立大学大学院教授)
資料2 超長期ビジョン合宿の進め方等について(案)
資料3 持続可能性に関わる諸要素の関係整理について
資料4 バックキャスティングの重要性
資料5 持続可能性の目標水準を達成するための複数の道筋
【参考資料】  
○第5回超長期ビジョン検討会(平成18年10月27日開催)議事録
○本検討会における超長期ビジョンの検討の進め方(第1回検討会 資料4 抜粋)
○超長期ビジョン検討会の今後のスケジュール(第3回検討会 資料1 抜粋)
○超長期ビジョン検r討会名簿

○出席委員
安井至座長、明日香壽川委員、川島博之委員、柴田康行委員、原沢英夫委員、広井良典委員、森口祐一委員、山本博一委員、湯原哲夫委員、湯本貴和委員、若林敬子委員

午前10時02分 開会

○増田課長補佐 それでは、定刻がまいりましたので、早速初めさせていただきたいと思います。
 議事に入ります前にお手元の配布資料のご確認をお願いします。まず議事次第がございまして、資料1といたしまして「2050年の海洋生態系」、それから資料2といたしまして「超長期ビジョン合宿の進め方等について(案)」、それから資料3といたしまして「持続可能性に関わる諸要素の関係整理について」、資料4といたしまして「バックキャスティングの重要性」、資料5といたしまして、「持続可能性の目標水準を達成するための複数の道筋」。その他参考資料といたしまして、前回の検討会の議事録、それから毎回お出ししております1枚の「ビジョン」という語の意味等の参考資料。それから、「超長期ビジョン検討会の今後のスケジュール」、それから「検討会検討員名簿」、以上でございます。
 もし足りない資料などがございましたら事務局までお申しつけくださいますようお願いいたします。
 それから、別途最後にご説明いたしますが、合宿の集合場所等についての紙を連絡事項が別途つけております。
 それから、クリアファイルに入っている資料でございますが、次回1月19日、20日と合宿がございますけれども、この合宿につきましては事務局が環境省に加えましてみずほ総研さんの方にお願いしておりまして、その関係上委嘱の手続の紙が入ってございますので、もし本日お書きいただけるようであればお席に置いていただくか、あるいは年内に郵送で送付していただければというふうに存じ上げます。
 それでは、座長にお願いしたいと思いますが、本日は横浜国立大学の松田裕之教授にゲストスピーカーとしてご参画いただくことになっておりますが、ちょっと先生が遅れておりますものですから、どうしましょうかね。
 そうしましたらとりあえず座長に始めていただきまして、もしまだ見えないようであれば少し予定を変更したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○安井座長 どうも皆様おはようございます。あっと言う間に年末となってしまいましたけれども。一応今日が今年最後で、次回は合宿ということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 松田先生が今の予定ですと大体10分、5分ぐらいから発表していただけることになっていたんですが、ちょっとお見えでないものですから、違ったところといいますか済ませるところを済ませてしまいたいと思います。
 まず、事務局側からホームページ掲載の話がございましたけれども、皆様からいただいた資料につきまして、その件からご連絡をいただいて議論していただきたいと思います。よろしくお願いします。

○苦瀬総務課企画官 先般の検討会でご了解いただきました方針に基づきまして、先日環境省のホームページにこれまでの検討会の資料を掲載させていただきました。先生方個別にご相談したとおり、掲載しない部分とか修正する部分とかそれはそのようにさせていただいております。ただし、過去の議事録につきましては了解が得られれば掲載をということだったのですけれども、ご返答がいただけなかった先生も多かったものですから、今のところは掲載をしておりません。
 それにつきましては差し支えないということでのご返答がないという意味であれば載せさせていただくのですが、とりあえず保留しておりますので、今日その点よろしいかどうかご確認などいだたければということでございます。

○安井座長 いかがでございましょうか。一応ホームページの方には資料は掲載をさせていだたきましたが、議事録は多分余り大部なので皆さんギョッとされて確認されてないのじゃないかという気がするのですけれども。いかがいたしましょうか。もう少し待った方がよろしければ待たせていただいて、ここまで遅れてしまえば多少遅れても余り問題ございませんから。例えばこのまま今年中待って文句がなければ来年開示とか、その辺じゃいかがですか。いいですか、そんなことで。
 事務局、そんなのでよろしいですか。一応今年いっぱい待って、返事がなければ一応認められたことにすると、ちょっとのんびりしてますけれども。

○苦瀬総務課企画官 はい。では、そのようにさせていただきます。
 なお、今後につきましては基本的には載せるということになりますので、よろしくお願いいたします。
 もし、松田先生がお出ででないので、もしよろしければ合宿の進め方の説明とかそちらをやらせていただくなり。

○安井座長 そうですね、ではそういたしましょう。早晩お見えになると思いますので。それでは、議題を少し順番を変えまして、合宿のご説明をいただきたいと思いますが。まずとりあえずは事務局側からのご説明をいただきたいと思います。議題2というのと3というのがあるのですが、とりあえずこれは一緒のものとお考えいただいて、とりあえず合宿から始めさせていただきたいと思います。
 それでは、苦瀬さんのところからよろしくお願いいたします。

○苦瀬総務課企画官 それでは、資料2の「超長期ビジョン合宿の進め方等について(案)」によりましてご説明申し上げます。
 先般来、日程のご相談なども申し上げましたように、1月19日、20日と1泊2日で合宿によりましてご議論いただきたいということでございます。後ほどロジ的なことについては別途説明もございますけれども、東京ベイ有明ワシントンホテルで行います。
 そこではどんな議論をするかという概要は一番後ろの6ページに日程が書いてあるのですけれども。戻りまして1ページなのですが。まず、事前にちょっとお願いなのでございますけれども、そこでの議論を充実させるために、これまでの議論のとりまとめみたいなものも当然踏まえるということはこの後の資料3にもあるのですが。それに加えまして、標語のようなものというかコアエレメントと称するものを事前にご用意いただけるといいのかなということでございます。
 それが1ページ目に書いてあるものでございまして。超長期ビジョンにおいて重要と思われる要素を50字以内程度の言葉で表したもの、これを5つご用意くださいと。そういうのを事前にご提出いただいて、またご提出いただいたものを検討員の先生方で共有していただいて、ある程度イメージをつくってから合宿でご議論いただくとより合宿の検討の成果が上がるのではないかということでございます。
 コアエレメント、特にどういう種類のものというのは限定しないのですけれども、超長期ビジョンがどういうものになるのかということを全般的でも個別の問題についてでも何か書いていただく。基本的には着地点のビジョンについての記述ということかとは思いますが、それに至る経路の詳細とかはそれだけでは当然書ききれないのですけれども、ある程度経路も念頭に置いていただくというようなことでいいのかなということでございます。一応5項目をお願いしたいと。
 それで、合宿は1月19日ですが、そのちょっと前の1月8日あるいは8日は祭日でしたので9日まででも結構なのですが、それまでにお出しいただいて、それを事務局の方で整理して、事前に送付させていただくというようなことを考えております。
 それが1ページ目でございまして。
 あと2ページ目からが当日の進め方の話なのですけれども。1日目のまず朝10時から全体会議ということで合宿全体の目的の確認など、それから手順の確認といったことをさせていただきます。合宿の検討、ちょうど全体の各領域のお話を今日のゲストスピーカーの松田先生まで含めましてお伺いしまして、それをある程度整理をした段階で、ある程度全体像を見た上でいよいよビジョンそのものの検討ということに入るわけですけれども、合宿の検討においては各領域における持続可能性に関わる問題の認識を踏まえつつ、2050年の持続可能な社会像とそれに向けて何をすべきかという超長期ビジョンがどうあるべきかということについて検討して。大体そこで1つの、その後本格的に議論するための素案というかたたき台というか、そこをまとめるというのを目的にしたいということでございます。
 そこで、グループ分けなどをいたしまして議論したいと。グループ分けについてはちょっと案が後のページに載っておりますので、そちらに飛ばせていただきます。4ページの方でございます。グループディスカッションが2つあるのですけれども、2回やるのですが、1回目の方はある程度専門分野が比較的近い先生方でその近い領域についての議論をしていただいて進めていただくという観点から、そのグループディスカッション1は横に見ていただくグループ、A、B、C、Dと横に見ていただくグループで議論をしていただく。
 それから、その後、その成果をまた全体会議で共有した後に、グループディスカッション2になりますときには、今度は全体の超長期ビジョン案の検討をしていただくということなのですが、これも全員で一遍にやるというよりは少人数でそれぞれ議論して、後でまた集めて議論という方が良いかなということで。今度はその分野をバラバラに分ける、グループディスカッション1のメンバーをバラバラにするような感じで縦の列で1、2、3、4と見ていただくグループという形でお願いできればと思っております。
 それで、ちょっと今4ページの表を見ていただいているかと思いますので合わせて申しますと。座長、安井先生ともご相談いたしまして、この○印、□印の先生方にそれぞれ、○の方はグループディスカッション1の結果についてのご報告をお願いできないかと。それから、□のついている先生方にはグループディスカッション2についての結果のご報告をお願いできないかということを考えているという意味でございます。
 2ページの方に戻りまして、今申しましたグループディスカッション1は10時半から13時までということで、比較的関係が近い分野の先生での検討をしていただく。その領域についてのトレンド抽出、避けるべき課題、望ましい社会・環境像といったものを主に検討していただくということでございます。
 その後、2ページの下ですが、13時から昼食をとりまして、3ページ、午後に入りまして全体会議2。ここで午前中のグループディスカッション1の成果をご報告いただきまして議論をするということでございます。その後休憩をはさみまして、グループディスカッション2の方では、今度は先ほどの1、2、3、4の方のグループ、別のグループに組み直しまして全体のビジョンについてご検討いただく。
 ここでは全体の2050年に目指すべき社会像あるいはそれに至る経路はどうかということも含めてになりますけれども、そういうビジョン全体についての議論をしていただくということでございます。
 一応16時から18時半までをその時間に予定しておりまして、18時には会議室にお弁当を持って来るという形で夕食をご用意させていただきます。ただ、これは非常に場合によっては議論白熱して長くなるということも考えられますので、延長戦も可能ということで、午後8時目途までは延長戦可能と。さらに会議室そのものはもう少し可能ではあるのですが、おおむねそのくらいを目途に延長していただくことが可能ということでございます。
 今回検討会そのものも国立環境研究所のご協力、ご指導いただいているのですが、あるいは今日の資料なども当然ご協力いただいているのですが。あと、みずほ情報総研さんですね、こちらにも日ごろの検討会の準備からご協力いただいているのですけれども、特にこの合宿については直接の事務局はみずほ情報総研さんということになりますので、この議論や資料作成の支援等にずっと当たっていただくという形になります。
 ちょっと前後しましたが、4ページに移りまして、すみません、2日目の説明を残しました。4ページ、2日は朝9時から全体会議を開きましてグループディスカッション2の結果の報告と議論をすると。正午まででその合宿が終わるということでございます。
 冒頭に申しました合宿の目的に対応するものですけれども、合宿で期待される成果としては、持続可能な社会のビジョンの叩き台を作るということと、それに必要な全体についての要素の関係でもそこで作るということにしたいということでございます。
 2のグループ分けにつきましては先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから、3の国立環境研究所参加者の対応ということですが、日ごろからご協力ご指導いただいているのですが、今回4グループに分かれての検討ということで、それについてそれぞれしっかりサポートという意味で各グループ当たり2人ずつのご関係の先生方にご協力をいただくということになっております。
 それから、5ページの合宿後の予定ですが、2月5日にはアドバイザリーの会合がございまして、そこで合宿での概要もご説明をして、その後のことについてそちらからもご意見を伺うことになっております。
 検討会の方は3月6日に第7回を予定しておりまして、これらを踏まえましてビジョンづくりの議論を本格化させていくということでございます。
 5はいつも参考資料につけているものの抜粋ですので、省略いたします。
 すみません、ちょっと長くなりましたが、私からは以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 ちょっとご議論は後でご議論いただくことにいたしまして、松田先生がお見えになりました。どうもご苦労さまでございます。ここで戻りまして、松田先生からのプレゼンテーションをいただこうかと思っておりますが、よろしゅうございますか。
 それでは、お手元にございます資料に基づきまして、ここに出ておりますが、海洋系の話を、大体20分程度を想定しておりますが、よろしくお願いいたします。

○松田教授 どうも遅くなりまして申し訳ございません。
 では、この2050年のということですが、いろいろな資料をそこにもつけさせていただきましたけれども、50年後ということを真っ向から見据えているのはこのミレニアムエコシステムアセスメントぐらいですね、あとはせいぜい30年後というようなところだと思います。
 まず最初に申し上げますが、私はちょっと世界のいわゆる海洋生態学者の中では極端な意見を持っておりますものですから、その点も踏まえながら皆さんにご理解いただきたいと思います。
 まず最初に、今盛んに最近マグロの取材ばっかりきているのですが、魚食の世界的な増大と需給の逼迫ということは当然今起きていることで、私はこれ長期トレンドとして世界中の人々の魚食、魚への依存度は高まっていくだろうと思います。これは50年後も多分変わらないと思います。
 次に、これはそれこそレスターブラウンなんかもずっと言っていたことですが、海の漁業生産はもうこれ以上増えないだろうという予測をしているのが、多分私以外のすべての人ですが、私はそうは思っておりません。
 それから、ただ養殖漁業に関しては増大するだろうと、これは多分確かだろうと思います。
 漁業の利用ばかりを考えていたけれども、環境保全になるというキャンペーンが今世界中で行われています。50年後にこれがどうなるかは私にはよくわかりません。
 生物多様性の急激な現象が海洋生態系でも懸念されると。これも後で申し上げますが、どこまで極端かということに関しては私は未知数です。といいますか、これは陸上でも同じだと思いますが、いわゆるIUCN(国際自然保護連合)の生物多様性の減少であるとか、レッドデータブックをもとにした減少率の推定などミレニアムアセスメントでもやられていますが、これははっきり言って過大評価です。
 あと、高級魚、マグロとかそういうものが枯渇していく。枯渇とまでいくかどうかわかりませんが、今ほど食べられないことは明らかです。これはもう数年で起こるというふうに思います。
 主要な漁獲対象が低栄養段階、つまり魚を食べるマグロからプランクトンなどを食べるイワシ、そういうものに移行していく、これは起こると思います。
 今回実は率直に申しまして、陸上の生態系の改変ですね、これによって沿岸の生産力や多様性がどれだけ損失し、疲弊していくかというところを私は正直申し上げて余りレビューできておりません。これ実はもっとちゃんと研究しなきゃといけない分野だと思いますが、まだ遅れております。
 世界の魚食の増大ですね。これが、例えばこれはSOFIAといいますかFAOも出しているレポートですが。その中でもこれはとにかく増えていくだろうということが書いてあるわけです。
 そのときに、よく例えばハマチの餌にするイワシがどんどん、つまり人間が直接食べるものじゃなくてそこのほかのものが食べているのだというようなことがありましたけれども、この一番上のところが、ここの部分がいわゆる餌というか直接食料にならない部分で食用の部分です。明らかに食用の部分が増えています。多分今後もその傾向は続くだろうと思います。
 一人当たりの魚の供給量、これ現在ですが、日本とアイスランド、これが真っ黒というのは60キログラム/年以上と。そのほかのところも見てみますと、ヨーロッパ諸国もかなり魚を食べ始めているということがわかります。もちろんもちろん中国は食べております。これが世界中に広がるだろう。
 日本の自給率は言うまでもないことですが、どんどん低下していく。
 これがそのSOFIA、FAOのレポートですが、アクアカルチャーは増えるだろうということですね。ただ、獲る漁業の海水面に関しては現状維持、内水面に関してはむしろ減るかもしれない、というような予測を出しているわけです。
 世界の漁獲量を見るときに注意しなければいけないのは、中国の漁獲量が大幅に水増しされているということは周知の事実でありまして、FAOの統計などでも中国だけ分けて議論してあります。この中国の、大体3分の1ぐらいだろうと中国人の関係者は言ってますが、そのくらいが本当にであとは水増しであろうと。というところを見ながら漁獲統計を読み取っていただきたいです。
 環境保全に関しては、このランソム・マイヤーズとか、特に彼が火付け人なのですが、世界の海が死につつあると。スクリップス海洋研究所のジェレミージャクソンなどは「海洋生態系の絶滅」と、生態系が絶滅するわけないと思うのですが、そういうような表現でセンセーショナルに煽っていて、ニューズウィークなどでもこうやって取り上げられている。
 実は日本でも水産庁は捕鯨関係者が、クジラだけ獲らないと海が壊れるというようなことを言っていますが、あれは日本の生態学者や水産学者もそんなに言っておりません。ただ問題は、海洋の上位捕食者の激減や生態系の絶滅のほうは海洋生態学者が言っているというのが今の現状であると。
 これらのことは確かにある程度は進んでおります。特に問題なのは、公海や深海ですね、ここを今漁っている、漁業がやっていて生態系を壊しているという部分がありまして、これは全く禁漁にしろとは僕は全然思いませんけれども、対策を立てていないといずれクジラと同じ目に遭うだろうということです。
 これが公海上の漁獲量ですね。深海生産物も増えているということです。
 つまり、日本人だけがあらゆる種類の魚を食べていて、ほかの国はマグロだけだなんていうのは50年後には絶対通用しないだろと思います。
 1つ見ておきたい指標の1つは、平均水深ですね、漁獲率の平均水深というのが確実に下がっている。つまり、浅いところで表面に浮いている巻き網だけで獲ればよかった時代じゃなくて、どんどん底の方を獲っているというようなことがあります。
 これは漁業とは関係ありませんが、あともう1つの問題はバラスト水というのがありまして、こちらの大陸にある沿岸のプランクトンをこっちに持って来るということで外来種になるという問題が起きているということです。このバラスト水に関して来年ですか、国際条約で非常に厳しいものが発効しようとしております。
 投棄魚の批判ですが、昔はアジアが一番だと言われていましたけれども、今はセントラルアトランティックが一番投棄率が高いというような統計に変わってきていますね。ただこれはやはり非常に大きな問題です。
 先ほど言いましたように、生物多様性の減少ですが、例えばこれはミレニアムアセスメントにこういう表がありまして、現状は歴史年代、地球史に比べて2オーダー、3オーダー高い絶滅速度であるというふうに言っていますが、これからもっと増えるだろうと言っていますが。これは例えばIUCNで最高ランクのレッドリストのものがIUCNの基準では10年間で5割絶滅するというのを真に受けてそのまま試算してあるわけでして。例えば私が介入している植物のレッドリストですと500種ぐらいそのCRというのがありますが、この10年間に絶滅しているのは多分数種ぐらい、数種は絶滅しているというような報告がなされようとしております。明らかにそれを全部加算してしまうのは過大評価だと思います。
 あと、珊瑚礁ですが、この保全状態をまとめたようなレビューがサイエンスに今年例えば載ったりしておりますが。こういうのを見るときに注意するのは、例えば日本は海洋保護区、ごくポツポツとありまして、しかもそれは赤いの。赤いのというのは非常に保護施策がリミティッドであるというものですね。
 これは確かにそういう側面はありますが、もう1つ見なきゃいけないことは、実はこれ漁業全体に関わるのですが、アングロサクソン系の人々は、漁業は誰でもできると。例えばフォレストガンプの主人公がエビ漁業できるとか平気でできる。日本はそうなってないです。だれでも自由参入できるから国がしっかり管理しなきゃいかんということで、国の管理の上位下達型の法律が極めて厳しくできています。
 ところが日本というのはそうではなくて、いわゆる漁業権というのがありまして、それに引き継いでいった人だけが漁業ができる形になっていて、これ自主管理しているわけです。この自主管理という枠組みを欧米の方はまだ理解できていない。これは英語ではコマネジメントというふうにようやく言われ始めました。それが50年後の主流になるかどうかは多分あと5年か10年で決まります。
 多分、その上位下達型の管理よりもそういう自主管理を入れた、いわゆる英語で言えばガバナンスというものですが、そういう発想を多分ある程度再評価されることは間違いないと思いますが、それによってこういう書き方に大分変わるだろうというふうに思います。
 ただ、それを見ても特にやはり問題なのはむしろ大西洋でありまして、太平洋よりも大西洋の方がちょっと深刻であると。あと当然東南アジア系は深刻であると。
 世界の種多様性ということですが。こういうふうに見ますと東南アジアが非常に多様であるということがわかると思います。ここはちょっと飛ばしまして。
 今はこういう50年前からの多様性のこういう変動をビジュアルに見せることができるというふうになっています。こういうデータのうちの一部は実は日本の延縄漁業の漁船がとったデータを彼らがデータベースに入れているということがありまして、実は日本の漁業があるから世界のデータが揃っているということです。
 これがマグロ9割減少説の論文の図なのですが。これは100針当たりのマグロのかかりぐあいというのが、捕獲効率ですね、これが大体資源量に比例するとみなすと9割減少するというふうに書いてありますが。その間に漁獲量がこう増えていると、この辺の漁獲量で乱獲されていたのに何でこんなに獲れるのだといって日本の漁業者は反論していますが。ごく単純に言って、こういう指数は海の中の魚の数と比例関係にない。単調増加ではあるけれども、比例関係にないということです。半分減ったと言われると私は信じます。それぐらい減っている。
 ちょっとDaniel Paulyのフィッシングダウンという議論があるのですが、これはちょっとやめておきます。
 これが先ほど言いましたマグロの漁船が世界中に広がったというわけですね。最初はこの辺で獲っていたものがこの辺で急に獲れなくなった。獲れなくなると南アフリカまで行って獲り出すと。そこも獲れなくなる。そうすると、世界中でどこかないかといってすごく薄いところを探しているというのが、例えばマグロなどの漁業に関する現状です。これだけやればそれは漁獲量の大幅削減になるのは当たり前でありました。
 そうしますと、世界の漁獲量、例えば今1億トンありますが、そのうちの大半は、その1割は例えば南米のカタクチイワシという1国1魚種で占めているというのも現状であります。では日本の近海にカタクチイワシいないのかといえばこれ実は大量にいます。大量にいますけれども獲っていないのです、需要がないですから。というのが今の現状なわけですね。
 ですから、決して世界の漁獲量を増やすことができないわけではありません。例えば、ちょっとすみません飛ばしますが。これがピーター・ヨッジスという群集生態学の大家がまとめたものですけれども。漁業で獲る魚の量よりマグロなどの常用捕食者が食べている魚の方が圧倒的に多いということが言えます。そうしますと逆に言えば、その分を人間がイワシを獲ることは決して不可能ではないわけです。そのときの常用捕食者に与えるインパクトを制御しながら例えばその2割を獲るとか、そういうことは決して不可能だとは私は思いません。ただ、そう言っているのは私だけです。
 海洋の一次生産力とか見ますと、日本近海は、これは北半球の春のデータですが、非常に高いということがわかると思います。これをすべてまで利用しているかというと必ずしもそうは思いません。世界50年後の現状ですが、今はそういう意味では先ほどのランソム・マイヤーズとかそういう人の意見で海は死につつあるという巨大なセンセーショナルが起こっています。
 ただ、先ほども申しましたように、実はこれは25年前のクジラの話とは違う。クジラの話は欧米の人はクジラを食べるのをやめて日本もやめさせようという運動だった。今マグロはそうではなくて、彼らもマグロを食べようとして起こっている軋轢であるということをこの50年間の先を見るときに考えなきゃいけないと思います。
 例えばこれはワシントン条約の付属書に関して、予防原則をどう取り扱うかという文章なのですけれども、その専門家、事務局の方は予防原則は限定的に使うべきだというような改定案をどんどん出すのです。これを大もめにもめましてようやく去年ですか、ほとんど日本のというか事務局案どおりにやっと決めることができました。こういうのを見ますと、事務局案の改定案に対して日本は歓迎すると書いて、豪州や急進的な環境団体が怒っているというのが現状です。これが、こういう専門家だけではなくて世界のマジョリティになるかというのはこの10年ぐらいで大体決まってきて、50年後にどうなるかというのはその先の話です。
 国際、IWCの加盟国などではよくわかりますように、昔は反捕鯨国は圧倒的多数、4分の3でいろいろなものが決められましたけれども、今はむしろ半分半分であると。ただ、4分の3のマジョリティとれないともう一度商業捕鯨は復活できません。それが10年後、50年後にどうなっているかはちょっとわかりません。
 先ほど申しました、日本とアメリカは管理制度そのものが違う。この辺も見越しながら今後は考えていく必要があるだろうということです。
 最後にしますけれども、必要な対応としては、プランクトン食魚、つまり先ほどカタクチイワシは日本の近海に大量にいるけれども利用していないと申しました。そういうものを利用すれば私は持続可能に漁業をやって、それのタンパク源を人間に供給することは十分可能であると思っております。ただ、今はそうなっていない。ようやくマグロが世界中に広まりだした。50年後にはカタクチイワシを獲ることを日本も含めてちゃんと大量に普及させるという必要があります。
 ただ、そのときに大事なのは、ああいうカタクチイワシとかマイワシというのは自然変動します。あるときは年間1,000万トン獲れるけれども、あるときは1万トン以下であるというふうに、これ自然変化なのですね。獲れないと。そういうのに対応したマーケットをつくるという大変な問題が待っているということです。
 他のところは多様なものを獲っていくというところでは正しいと思いますし。あとは、実は第三国化といいますが、日本とか欧米諸国が国際条約を結ぶとパナマ船籍にして漁業を続けるとか、台湾船を続けていたとかそういうような問題が生じます。こういうズルズルとした網は50年後にはなくなっていると思いますけれども。そのときにだれがリーダーシップをとってそういう持続可能な漁業と環境保全を両立させたような国際海洋生態系管理の枠組みを打ち出すか。これはむしろ上位下達型の欧米の発想よりも日本的な発想でないとうまくいかない側面があると私は思っていますが、それはわかりません。今後次第ですね。ということですね。
 蛇足ですけれども、世界の漁業資源の大半は枯渇しているか、もう既にこれ以上獲れないかというもので、これからまだまだ獲れるなんていうものは半分以下だというふうに書いてありますが、これは魚種別の話でありまして。先ほど申しましたように、プランクトン食、浮魚類は大量にいるということを覚えておいていただきたいと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。

○安井座長 ありがとうございました。コンパクトにまとめていただきましてありがとうございました。
 何かご質問等ございますでしょうか。どなたでも結構でございますが。川島先生、どうぞ。

○川島検討員 私は食料を担当している東京大学の川島と申します。今日は非常に興味深く思っているのですが、中国の養殖の件について、先生おっしゃるとおり、非常に淡水の、特に淡水漁業のところが急速に増えているのですね。私も何回かそれで興味があるので淡水養殖池に連れて行ってもらったりしました。話半分くらいには思っているのですが、3分の1というのは何か根拠があるのですか。

○松田教授 いや、私が言ったのは中国のある専門家が言ったという以上の根拠ではありません。ただ、その海水面に関する水増しはかなりあると思うのですが、内水面はそれほどではないと私は思っています。ただ、その内水面漁業の拡大が果たして持続可能に行われているかというと、むしろそういう単に単一個体群への影響などよりもその生態系の疲弊ですね、これをちゃんと評価しないといけないのですが。必ずしも持続可能には私には見えないということです。

○安井座長 ほか何かございますか。
 どうぞ、山本先生。

○山本検討員 この1つ前のスピーシーズベーススタティスティクス、この縦軸の単位は種の数というふうに理解した方がよろしいですか。こういう議論をしたときに量というのは何トンといいますか、そういう魚の資源量というものの推定というのはできないものなのでしょうか。

○松田教授 漁獲量は当然できておりますが、資源量ですね。それはいろいろな見解が少しずつ違いますし、そういう統計を真っ向からまとめたものは実は無いのですね。ですけれども、当然ある程度できますので、こういう浮魚に関しては大量に獲られている時代、これカタクチイワシですが、資源量評価がありますが、そのときにははっきり言ってなぜこれ以上獲れなかったかは採算割れで、資源量の過小評価の可能性があります。例えば日本のマイワシ、ここで450万トン獲ってますが、このときはキロ10円でした。それ以上上がると採算割れ、当然原油が高騰しても採算割れ。という事態で、実はもっと大量に獲れます。
 ただ、減ってきたときには明らかに乱獲だというような事態が続いているわけですね。そうしますと、浮魚全体としてはまだまだ獲れます。あと中層性にいるハダカイワシとかそういうものもまだまだ獲れるはずです。
 問題は、それを本格的に獲り始めたときに海洋生態系がどうなるかという話は実はちゃんとアセスメントしなければ、また競争で乱獲されて始めて気がついて自粛するということの繰り返しになってしまうということです。
 まだまだそういう意味では私は大量にあると主張していますが、何度も申しますように、そう主張しているのは世界中でもほとんど私だけです。

○安井座長 ほかに何かございますか。
 どちらでもどうぞ、では原沢先生、どうぞ。

○原沢検討員 どうもありがとうございます。3点、ちょっと細かい点なのですけれども。先ほど自然の中の変動ということでレジュームシフトみたいなものというのはかなり気候的なものが解明されているのかどうかという話が1つですね。
 2つ目が、中国の食料としての魚で結構前に聞いたときにはインドからかなりの量が中国の方に輸出されているという話があって、そういう意味ではその辺の魚のキャッチの部分と輸出入の部分で中国というのはやはり非常に大きな影響力を今後持つのじゃないかと思うのですが、その辺のご意見をひとつお聞きしたい。
 もう1つは、温暖化が進むと海洋が酸性化したりとか、つい最近も海水温が上がってプランクトンがだんだん減少しているというような話があって、結構漁獲関連、生態系という意味ではかなり影響を及ぼすのではないかと思うのですけれども。ちょっと今の段階で2050年ぐらいの温暖化の状況をどう考えたらいいのかなと、ご意見があればお聞きしたいと思います。

○松田教授 これは大変難しい問題だと思います。まず1つは、自然変動にそういう海洋生態系の影響があるかということなのですが、大体見ていますといわゆる十年変動(decadal change)といいまして、毎年ものすごく多い少ないというよりは、10年毎の平均すると多い時代、少ない時代という感じであるという意味で、当然海洋生態系の気候変動と関連づけて議論している人はたくさんいます。
 ただ、例えば10年前には世界中のマイワシは増えたり減ったりしているのだと言ってましたけれども、今は違うと。そうすると、最新の状況を見て見解はまだまだ変わっている状況ですから、私が言うのも何ですが、そこまで信じられるかといいますとまだわかりません。
 もう1つは、中国の影響ですね。当然これから漁獲量もそういうふうに増やしていますし、輸入も増やしています。ですから、昔レスター・ブラウンが、だれが中国を養うのかと言いまして。農業生産に関してはそれほど、むしろ彼の予測以上に生産力を伸ばして中国はやっていると思いますが、漁業に関しては確かにおっしゃるような輸入というようなことが行われていると思います。
 それが今後もある意味では日本が批判されているような側面を彼らが後追いしている側面があるというところですから、はっきり言えば日本がどういうリーダーシップを示していくかということが本当は重要ではないかというふうに思います。
 3番目が温暖化ですね。ただ、率直に申しまして、温暖化したぐらいでそんなに、例えば人間が食べるマイワシの量が本当に減るかというと私は余りそうは思ってないですね。獲れる地域は変わるかもしれませんが、世界中の供給量としてはそんなに変わるとは思っていません。
 ただ、じゃあ日本近海でどうかとかいう話になりますといろいろな問題起こりますけれども。それもまだまだ利用してないのも実はあると。例えば中国人はクラゲ食べるわけですよね。大量にクラゲがいて困っていると我々は言ってるだけなんで。50年後とかそういうことを考えるならば、もう少しいろいろなことを考えた方がいいのではないかと思います。

○安井座長 湯原さん、どうぞ。

○湯原検討員 養殖の話を聞きたいのですが、沿岸養殖がかなり壊滅的な状況に一時あって、回復できる見通しがあるのかどうなのか。それと、特に沖合養殖がどのくらいの量まで可能なのか。FAOが出しているような足りなくなる、何千万トンという量を沖合養殖で生産していくということは本当に可能なのかどうか。
 特に私思うのは、FAOのデータというのは、先生も言われてるのじゃないかと思うけれども、いいかげんだと。マイワシとかサンマとかサバを入れればいくらでも漁獲量はあるんのだということと、じゃあ沖合養殖なんかそんなに大がかりなことをする必要ないのかどうなのか、その辺のところをちょっと。養殖の見通しをお聞きしたいのですが。

○松田教授 世界の漁獲量を見るときにまず1つ注意しなきゃいけないのは、これは経済学者に言ったら笑われるといいますか、「えっ」と言われたのですけれども。いわゆるダブルカウンティング。つまり、獲ったマイワシ、これを漁獲量に数えます。それを餌にして養殖にしています。それでハマチを作る。ハマチも漁獲量に数える。だから、世界の漁獲量という意味ではダブルカウンティングなのですね。7キロのイワシから1キロのハマチというような言い方を俗にされますけれども、それを両方数えてしまっている。
 ですから、まず養殖の未来ということでは、そういうやり方よりも多分一次生産量そのものを上げるようなやり方ですね。私も科学者は甘いと言われるかもしれませんが、自分の知らないことだと何か夢があってできるのじゃないかと安易に言ってしまうところがあるのですけれども、それに私は筋から言うとかなり期待しています。ここにはそういう意味では深層水利用とか、あと海底の地形を変えて生産力を高めようとかいろいろな試みを今されております。こういうのはどこまでできるかわかりませんが、長い目で見ればかなり有望になる可能性があると私は思います。
 沖合の方の養殖ですけれども、理屈から言えばそこに漁礁みたいなのを人工の中間的に浮魚礁とか造れば当然そこで表層の生産性が増えるわけですから、これは十分に有望だと私は思います。あと問題は、そうするとコストとの関係とか安定性といいますか、どのくらい安定供給できるかという関係であると。その辺のお金の話はちょっとわかりませんけれども、素人考えですけれども、宇宙の何だとかいうよりはずっと有望ではないかというふうに私は思います。

○湯原検討員 ちょっと補足で。さっき人類が1億トン弱でクジラが3億トン食べているという話がありましたね。その3億トンもクジラが食べているのだったらクジラを少し減らした方がいいというそんな意見なのでしょうか。

○松田教授 私自身は必ずしもそうは思っておりません。ただ、多分それを今欧米の人と言っても、クジラと漁業が競合しているなら漁業が遠慮せえと言われると思うのですね。ただ、もうちょっとふやしてクジラが減ったとしても、あれクジラだけじゃないですよ、クジラはごく一部であって、海洋生態系全体から見ればほかの海獣類やマグロなどの上位捕食者がもっとたくさん食べているのです。そういうものにもうちょっと注意深くインパクトを与えながら海洋生態系をモニターしながら人類がより多くの海洋生物資源を利用することは決して不可能ではないと思います。
 そのためにやることは、単純に言えば、上位捕食者を中心に食べるよりは当然プランクトン食魚などを中心に食べるようなことを我々は考えた方が良いのではないかと思います。

○湯原検討員 ありがとうございました。

○明日香検討員 2つありまして、1つ、中国の漁獲量が水増しというお話、3分の1ぐらいですか。どうして水増ししているのかというのと。それは各漁業者が水増ししているのか、それとも国レベルで何かそういう数字を変えることのメリットを考えているのかというのがまず1つと。
 あと2つ目は温暖化なのですが、珊瑚礁に関しまして、1度、2度で白化が始まるということでいろいろリスクを議論されていると思うのですが。聞くところによると実際はそういうちゃんとデータは余りないというか、かなり実際珊瑚礁がどうだとかというのを調べるのは大変だと。ですが、セーシェル諸島での調査、最近の調査だと8割ぐらい白化していたと。なので、そこら辺実際にどうなっているのかというのと。実際それが漁業量にどう影響する可能性があるのか、何かコメントあればお願いしたいと思います。

○松田教授 まず中国ですね。これはもうはっきりしました。要するにノルマを課していて、向こうはノルマ通りに獲ったと報告していて、政府は真に受けているというだけですね。
 そんなことは実は日本政府にもありまして、例えばトド、駆除頭数の上限百数十頭に制限して、獲ったものは全部水揚げしなさいと。でも、当然普通に考えれば撃ったけれども海没したなんていうことはいっぱいあるわけです、本来は。前は海没したと正直に報告できたのです。今は海没というのは保全上よくないからやめるようにと。やめるようにと言ったら統計がゼロになったのですね。でも、これは実態に則していないと私は思います。ですから、そういう意味では中国だけを責めるわけにはなかなかいかないという面はありますが。もちろん中国ほど水増しはしているわけではありません。というのがまず中国の漁獲量水増し問題です。
 サンゴ礁の話ですが、私ちょっとセーシェル諸島の例はよく存じ上げないのですが、例えば石垣とか見ていますと、決して漁業が悪くて珊瑚礁が劣化しているなんていうことはないですね。先ほど最初に私申し上げましたように、やはり陸域の改変が当然沿岸域に影響を及ぼしているというのをちゃんと見なきゃいけない。それがどの程度のものであるかというレビューがまだまだ不足しているなというふうに思います。
 それで珊瑚礁が劣化している、だから漁業を止めろとか言うのは、これは環境団体なら言うかもしれませんけれども、サイエンティフィックに見ればそれが最大の原因ではないわけで、その辺はちょっと考えなきゃいけない。ただ、そのときに当然のことながら、いわゆる深海のボトムトロールといいますが、着低トロールのようにしてさんご礁をガリガリ削って自分が全然目に見えないところでさんご礁を削っているというのは論外だろうというふうには思います。

○森口検討員 先ほど来出ておりますサイエンティフィックなアセスメントとかあるいは先ほど山本先生からもご質問ありました資源のストックに関する情報とか、こういったものを国際的に改善していくという動きがどうなっているかというのをちょっと教えていただきたいのです。ちょうど私、先週、欧州委員会の方で自然資源の持続可能な利用に関する国際パネルの設立を進めていまして、どっちかというと地下資源、金属とかこういうものが中心なのですが、漁業資源も実はその候補の1つには入っていて。ただ、どうも金属みたいなものと漁業資源を一遍に議論するのはどう考えても分野が違うと。漁業資源なんかは恐らくほかのところで十分やられているのではないかというようなことでやはりちょっと違和感を感じたんですが。
 一方で、情報が十分にない、サイエンティフィックなアセスメントも十分にないし、客観的な統計も十分にないという意味では非常に重要な分野かなと思うのですけれども。
 NEがやられたばかりで、だけれども、それも恐らく十分な合意が得られているわけではないと思うので、今後そのあたりがどうなっていきそうかとか、あるいは日本が主導してそういったところをもっと引っ張っていくようなそんな動きがあるのかどうか、そのあたりの状況を教えていただきたいと思います。

○松田教授 今そういうのを一番精力的にDIEWPA(生物多様性条約の調査プロジェクト)でもやっているのですかね。1つ精力的にやっているのはこのセンザスオブマリンライフ(CoML)という集団で、これはスローン財団とかが主に出資して、そういう意味では民間主導だと思いますね。ここに先ほどのランソム・マイヤーズの9割減少説とかもありますけれども。そこでOBISというデータベースを今持っていまして、そこに今集約すると。これは陸上も同じだと思いますけれども、とにかく先進国はそういうデータを今まで研究者が閉じて抱えていたのを全部出せと、生データとして出すようにと。自分たちも出すからみんなも出せという感じでやっていて。それを利用できるのは大体先進国の人でありますから。ある意味では昔植民地でごっそり遺跡を持っていったというのじゃなくて、それぞれのデータベースを全部集約していくというシステムがかなり整いつつあると。
 そこに、でも例えばそこで一番漁業に関してはまだ一番主要な情報は実は日本の漁業者が持っていたと。日本の漁業者ほどあんなに律儀にちゃんとデータを持って保管しておくところはなかなかないという側面もありますし。もう1つは、日本の漁業は、これはそこまでいくと沿岸漁業に限られますけれども、非常に多種多様なものを利用していると。そういうものがやはりヨーロッパへ行くと利用している魚種の数が少ないのですね。そういう意味では日本のやり方というのが今後ちゃんと我々がやる気になればこういうやり方をやろうというふうになると思うのです。
 1つCoMLに入っている人の中で京都大学の白山義久さんという教授がいるのですが。彼は途上国でもできる、ローテクのようなもので、データベースをきちんと整備するために、沿岸域の言ってみればプレパラートといいますけれども、それをとってきてその中の生物多様性を全部数え上げるというNaGISAというプロジェクトがこのCoMLの中で走っているのですけれども。それはもう今本当は西太平洋の海岸のセンサスだけのつもりだったけれども、それは良いというので今CoMLでは世界中でやっております。そういうリーダーシップが今後発揮できるだろうと思いますが。それが日本の例えば外交、つまり日本政府の外交としてそういう日本人のリーダーシップが組み入れられてやるかというと、そうは思いませんね。全然そうなっていないというところだと思います。

○安井座長 私も聞きたいことが1つだけあるのだけれども。陸上の話ですと要するに一次生産というのは面積と光合成と、それからそこへの水のアベイラビリティみたいなものでやるのですけれども。恐らく魚だとさっきからおっしゃっている、いきなりプランクトンを食う、何段階も餌がいってるからその辺難しいのだと思うんですが。今大体どんな考え方で、川島さんがやるような陸上の話を海洋にやるとしたらどんな感じなのですかね。

○松田教授 そうですね、その辺はもうちょっと真剣に考えなきゃいけないと思いますが。今やられているのは単純に言えばプランクトン、一次生産ですね、これですとそういう衛星情報からでもかなりわかりますし。それで膨大なデータが今そこにもう揃っているというところで。一次生産量に関するそういう蓄積はあります。
 それで、じゃあ何が足りないかというと、確かに食物連鎖を通じてマグロの供給量はどうだとかいうような話になると急に怪しくなる。でも、私に言わせればむしろプランクトン食の魚を主な利用源とするのであればむしろ計算は簡単になるはずです。
 もう1つの問題は、そういう表層しか追ってないということですね。そこから栄養塩とかどんどん下に落ちてまして、今度中層でそれを零れたやつをどう利用しているかということはまた莫大な生物資源があるわけです。その利用に関してはもうちょっと別のやり方で考えないと、推定方法を考えないといけないと思いますが。それもまだ研究してないだけで、確かにそんなに難しいことかというと必ずしもそうではないのではないかと思います。

○安井座長 若林先生、どうぞ。

○若林検討員 私は基礎的で初歩的な質問ですが。漁業権の問題は日本だけでしょうか。その辺を巡って今議論されて、私も最近、農村出身なものですから島の調査に行ったりして30年間の変化を見てますと、魚の価格が下がったのと、アワビなど密漁で自主管理やってても侵されることもあるのでしょうか、非常に量が減少している。日本独特の漁業権とか漁協管理があるのでしょうけれども。
 ほかの国、途上国が資源の自主管理的に、どうコントロールしているのか基礎的なところを教えていただけたらと思いました。

○松田教授 ありがとうございます。ご指摘どおりでありまして、すぐヨーロッパと比べるのですが、途上国全体から見ればむしろ日本のやり方の方が普通だと思います。ただ、その日本と途上国との微妙な制度の違いですね、それをちゃんと見なければいけなくて。いわゆる漁業協同組合という組織ですね、あれの性格からいうと必ずしも同じでないというふうに、専門外ですけれども、私はそう聞いております。ただ、当然のことながら、欧米のように上位下達型で管理しているなんていうところは途上国にいっぱいあるかといえばそんなことはないでしょう。
 そういう途上国の人にもできるような漁業の自主管理のやり方を本当は日本が研究して発信するということが非常に重要ではないかというふうに思っております。
 あともう1つは、おっしゃられたとおり、そこで例えば沿岸捕鯨とかやりだすと、先住民の捕鯨は認めるけれども、それを売っちゃいけないとかいうのがIWCの共通理解なのですね。これは全くその途上国(というかその場合は先住民ですけれども)の経済構造をわかってないのじゃないかと。当然彼らにも現金収入が今日では必要なわけです。それを確保する道を与えるのが当然だと私は思うのですけれども、そういうふうに今環境団体の思想はなっていない。
 では、その現金収入はおっしゃるように、世界市場のマーケットで、世界の経済で価格が変わっちゃうわけですね。そこをちゃんと考えないと全く機能しないような話になってしまう。何か単純に、私なんか生態学者で経済のことはわからないですけれども、自給自足だとかすぐにそういうふうにいっちゃうともう多分だめなのですね。そこの間の共同研究をしないと本当にそういう漁業を守るための研究とかはできないのではないかというふうに思います。

○安井座長 川島先生、どうぞ。

○川島検討員 ちょっと本質的な話になるかもしれないのですが。私は先ほど申し上げたように、2050年の食料というので研究をしている者なのですが。このアセスメントに入れていただいて自分でももう一回いろいろ計算し直そうと思ってこの夏からかなり真面目にやっているのですね。そうすると、先ほどお示しになった頭打ちになっているような現象が見えるというグラフがあったのですが。似たようなことが穀物の生産、これは私発表するチャンスがあってご説明したと思うのですが。かなり明確に出てくるのですね。穀物も1990年代になって生産量が横ばいで、レスターブラウンはこれを見て世界が天井にいったのだというようなことを言っているのですが。
 どうもこれ子細に見ていくと、私は20世紀の後半から食料を食べるという構図がかなり変わってきたと思っているのですね。それは第一は、先進国の人口が10億人でほぼ横ばいになっていると。先進国はどこももう高齢化が進んでいるのですね。丼飯を食べるような人たちはいなくなっているのですね。増えているのは途上国で、今65億ですから55億が途上国にいるのですね。レスターブラウンが考えた世界というのは、みんなこの人たちもいつかはアメリカ人になるのだというようなことを考えたんですが。恐らく2200年とかいうと私はわからないと思うのですが、2050年を考えて、過去の50年のトレンドとさほど次の50年も変わらないと考えるとすると、途上国でタンパク質の需要って余り増えてないのですね。所得が上がると必ず動物性タンパク質を食べるようになるのだというのは私もずっとそう思っていたのですが。例えばインドとかヒンズーとかイスラムの人たちの人口が増えていて、彼らはやはりそんなに増えないのですね。あと一番穀物なんかの需要で効いているのはヨーロッパの人たちは1年間に300キロも牛乳を摂るのですね。日本は農水省が随分牛乳飲めとか学校給食とか骨粗鬆症を防げと言っても、生産量ベースで60キロで止まっちゃって、今若干の減少気味なのですね。中国は今非常な勢いで牛乳が伸びてると注目されているのですが、その量は極めて低いですね、まだ全国平均では3キロとかそんなところで。東南アジアでも非常に似た傾向が出まして、食って結構コンサバティブなのですね。
 そうすると、この現象を見ていてもすごくよくわかるのは、恐らく1980年ごろまでで大体食のフォーメーションみたいなのが決まっていったような私は気がしているのですね。途上国の人たちはカタクチイワシを食べれば栄養改善するよと言われてもそんなに食べないと。今、マグロの問題がすごくクローズアップされているのですが、あれはロシアとか、中国もそうですね、金持ちになった人たちが食を楽しもうと。世界が1億トン生産してますから200万トンって2%ぐらいなのですよね、先生おっしゃるように。高級魚の部分は世界の金持ちになった人、または中国とかロシア、ブリックスで金持ちになった人たちが争っている。じゃあ、それはナイジェリアの人とかイランの人たちが魚を食べるのかといえばそんなものは、恐らく少しは食べるでしょうけれども食べないのだと。
 それがどうも肉でも非常にそういうことが起こってまして、牛肉の需要なんてそんなにもう伸びてないと。それから、イスラムとヒンズーの人たちも食べられる鶏肉ですね、その需要は非常に伸びているというので。どうもリアルな2050年を、私これちょっと結論に近いのですが、バックキャスティングじゃなくてフォアキャスティングすると、そんなにもう食料需要とか増えていかないような気がしているのですね。もちろん人口は今65億で、安井先生は70億、78億で止まると言ってるんですが、私はそこまで悲観的でないにしても85億ぐらいで止まるとしたら、あと20億しか増えないわけですね。それは恐らく増えるのはアフリカと中近東の人たちですね、あの辺が増えてますよね、非常に。
 でも、アフリカの人も、食い物の話で非常におもしろいのですけれども、需要がすごく伸びたのは実際にはイモなのですね、過去。貧しいからイモを食ってるという言い方もできるのですが。例えば日本の農業者なんかが非常に協力してネリカという米があるのですね、ニューライフフォーアメリカというの、だけれどもあれも生産量はそんなに伸びてないのですね。結局今まで米を食べていなかった人たちに米はいいよと、アメリカでお米ができるように品種改良したから食えと言ってもそんなに増えないという現象が私は起きていると思うのですね。
 だから、なかなかカタクチイワシを食べろと、お前ら貧しいのだから食べろと言っても恐らくその現象は余り起こっていかないで、この横ばいの状態、恐らく少しは増えていくと思うのですが、大体7,000万トンぐらいで海洋からの生産横ばいになってますよね。私はそんなにこの次の30年、40年で大きく変わっていかないのじゃないかというような気はしているのですが。
 ちょっと長くなりましたが、いかがでしょうか。

○松田教授 ありがとうございます。確かに増やしている要因がそういうふうにちょっと一部の富んできた人々によるものだということはそのとおりだと思います。ただ他方で、じゃあ富んでない人、あるいは飢えた人は今までどおりでいいかというと、3分の1が飢餓状態でいいとは多分だれも良いとおっしゃらないと思うので。そうしますと、そういうところに予測のところにこうするべきだという予測と、こうなるだろうという予測が結構混在していると。そういうときにやることはちゃんとシナリオを決めるということですね。どのシナリオでどうなるということをいうということがミレニアムアセスメントでもよくやられていますけれども。そういう形で見れば確かに増えないというものありかなというふうに思います。
 もう1つは、じゃあ例えば途上国の人がせいぜい飢えないぐらいに獲ることができるかという試算をするのであれば、例えば私はそういう魚はまだまだ十分獲れると。それは例えばそういうプランクトン食のカタクチイワシ類であるというふうに申したのです。

○安井座長 今日は、12時半までの予定ではございますが、大体よろしゅうございますか。
 では、原沢先生、ぼちぼち終わりで。

○原沢検討員 はい。例えば食料の場合、お米の場合は若者の米離れみたいなのがありますよね。魚の場合も多分高級魚志向になってきておいしい、高級魚だったら子どもも食べるとか。2050年そういった日本人の食の志向みたいなものが変わっていくとすると、多分需要と供給のバランスが崩れてお米と同じような話も出てくるのかなと思うのですが。そういう意味では需給率がだんだん下がってきているという話と、日本人の魚の志向が変わるとかというような面で何かご意見があればちょっとお伺いしたいのですけれども。

○松田教授 これは50年後、そんなに未来の話かどうかわからないのですけれども、多分今のやり方はそんなに続かない。というのは、1つ言えば、必ず世界の水産マーケットといってニュースに最初に出てくるのは築地のマーケットです。じゃあ、あれが50年後にあるかというところからちょっと議論をしないといけないと思うのですけれども。多分ああいうやり方では、変動がものすごく激しくて、しかもそのときに多いものを供給するというシステムにあれが適用できるかというとなかなかできないのではないか。現在ではあのシステムでも漁業者が得をするシステムになっていない、生産者がですね。むしろ流通とかの人が得をする、あるいはスーパーマーケットがそこで新たに伸びてきてそれが今一人勝ちしているというようなところがあります。ですから、多分そのシステム自身が変わるだろうと思うのです。
 どう変わるかという答えが実は私も持っておりません。それによってそれは大分変わるのじゃないかと思っています。

○安井座長 最後にすみません、1つだけ。もしもその二酸化炭素の海洋投棄が認められちゃったとすると、これどっち側に入れておけばいいですかね。どういうふうに考えておけばいいですか。

○松田教授 つまり、海が酸性化するということですね。そこになると完全に素人になりますが、いわゆる酸性化が進んだときのシミュレーションに従って変わるとしか思わないのですけれども。まだ私にはそれがそんなに大きな問題かどうかというのが率直な実感です。少なくとも海洋生態系全体に与える影響を考える上では重要でしょうけれども、まだまだ魚はいっぱいいるよとしか私には思えないという。

○安井座長 どうぞ。

○苦瀬総務課企画官 質問いいですか。すみません、先ほど漁業が珊瑚礁を壊すことは余りないというようなことがあったのですけれども、温暖化によるさんごの白化による漁業資源の影響という方をもう少し教えていただければと思うのですが。

○松田教授 それは珊瑚礁だけでなくて沿岸資源全般にいろいろあるとは思いますけれども。何度も申し上げますように、その例えば沿岸環境の劣化の最大の問題が温暖化かと聞かれますと、必ずしも今のところ私はそういう実感を持ってないですね。もっとそれこそ河川の直線化であるとか、そういう陸域の環境の影響ですね。これの方が何となく大きいのではないかというふうに思うのですけれども。それもはっきり申しましてそんなに確たる証拠は持っておりません。
 その段階で温暖化だけを扱うよりは何かもうちょっといろいろな要因を扱える方がいいのではないかなと。実際に漁業の管理も、実は魚の数よくわかってないから管理できないのじゃないかという意見がずっとあったのですけれども、国際捕鯨委員会などでは順応的管理と申しますが、要するに不確実であってもいろいろなものをモニタリングして危険を察知しながら漁獲量を調整するというやり方にすればかなりリスクを下げることができるという議論をしています。
 そのときに、そのいわゆるリスクファクターとして、もちろん漁業自身は考えるとしましても、あと環境要因として温暖化がその次に出てくるかなというと必ずしもそうは思わないですね。当然皆さんの方がご専門だと思いますけれども、温暖化というのはその地域だけ排出量を改善したらその地域の温暖化がなくなるというものではありません。ですが、もうちょっと流域であればその流域環境の改変の影響を考えれば、その流域の下流あるいは沿岸の影響は制御できるわけですね。
 つまり、アダクティブマネジメントにとって一番大事なのはコントローラビリティといいまして、本当に制御できるものなのかということなのですね。そういう意味では率直に申しまして、温暖化をモニターして管理するというオプションは地球環境政策としてはともかく、地域の個々の政策においては結構優先度が下がるのではないかと思います。むしろそれは確かに全体としては考えるべきことかもしれませんが、それもまだ海洋生態系から持続的に得られる漁獲量に与える影響については私にはちょっとリアリティを感じていないというのが、正直申し上げます。

○小林秘書課長 沿岸域の特にエコトーンなどの重要性がよく指摘されます。多分人間にとってという意味が大きいのかなと思いますが。海洋生態系全体の中で持っている沿岸の生態系の意味合いというのでしょうか、重みについてちょっと教えていただきたいと思います。

○松田教授 それはほとんど砂漠と熱帯林ぐらいの差があるのじゃないかと思います。つまり沿岸が熱帯林で、沖合は砂漠だと。砂漠という環境ももちろん必要ですが、どちらが生物多様性が豊かとかいう意味では沿岸は圧倒的に重要であるというふうに思います。

○安井座長 はい、大分長い間になってしまいましたけれども、本当に有効な議論ができたように思います。ありがとうございました。松田先生、どうも。
 それでは、松田先生、もし聞いていていただければそれはそれで結構でございますし、野次馬可能でございますが、もしご予定があれば。
 それでは、先ほどの続きに戻らせていただきたいと思いますが。どうしましょう。苦瀬さんにもう一遍ちょっと少しさっきの続き、少し戻ったぐらいから続けていただけますか。

○苦瀬総務課企画官 先ほどの資料2の説明が終わったということでよろしいですね。

○安井座長 はい。それではその先ぐらいで。資料2も十分議論しなかったから、もし場合によっては質問等あれば後でまたいただくこともあるかなという気はいたしますが。

○苦瀬総務課企画官 そうしましたら、まとめての議論ということで資料説明するという形でよろしいですか。

○安井座長 それで結構でございます。

○苦瀬総務課企画官 資料3の方ですが、これはこれまでの先生方のご発表をもとに、2050年の社会の持続性を考えたときに重要な要素というのを各分野ごとに先生方のご専門に沿ってご発表をこれまでいただきましたけれども。そのご発表を基本的にはベースに、各分野の問題や原因、結果等の各要素の関連を示したと。これを見ることが2050年時点の持続可能な社会を考える基本になるだろうということかと思います。もちろん現在からそこまでということなのでしょうけれども。ということで、これまでのご発表をもとにみずほ情報総研さんとそれから先生方のご協力を得てこのような案をつくって、先生方にそれぞれご了解いただいたというものです。
 全般的な注みたいなことが1枚目に書いてありますけれども、方向性、悪化・保全とか増減ということは特に示していない。それから、ご発表の内容ごとに作成しているので、持続可能な社会ビジョン全体ということからすると全部それで埋め尽くされたかどうかということは必ずしもないかもしれないので、そういうことはさらに補足の調査なりあるいはご議論いただくこともあるかもしれないということです。
 ご担当はこの表のとおりです。
 それから、合宿においてこの表も参照しながら各分野ごと、さらにその全体の検討の材料とすると。合宿においてはこれらも踏まえて全体を見るということになります。
 それで、あと次のページからが各分野ごとで、それぞれは詳しくはここでは私からは申し上げませんけれども。1ページ目に中国・温暖化・国際協力という明日香先生の部分。これが4つの塊でございます。それから、次が山本先生からの森林資源の部分。これが国内、世界ということで関係を示してある。3ページが花木先生のご発表をもとに、都市について、国内と国外について要素その関係を示してある。それから、次が太田先生のをもとに国際政治について4ページ目に4つのブロックに分けてですけれども示してある。それから次が、西岡先生の気候変化の5ページ。6ページが広井先生からの持続可能な福祉社会。7ページが経済と環境、細田先生のご発表に基づくもの。それから、8ページが化学物資、柴田先生からのご発表に基づくもの。それから9ページが水資源、沖先生のご発表に基づくもの。10ページが食料、川島先生のご発表に基づくもの。11ページが人口で、若林先生のご発表に基づくもの。12ページがエネルギーで、湯原先生のご発表に基づくもの。13ページが生物多様性で湯本先生からのご発表に基づくもの。14ページが廃棄物・循環型社会ということで、森口先生からご発表に基づくものということでございます。
 これをもとに全体の議論に次回の合宿では繋げていただくということでございます。
 一応この程度に止めさせていただきたいと思います。

○安井座長 ありがとうございました。
 国環研側からの補足ありますか、何か。いいですか。

○増井氏 特に。

○安井座長 こういう形にまとめさせていただいておりますが、ご自分のところの意図とかなり違うとかそういうこともあるかなという気もいたしますので、どうしましょうね、これは基本的に合宿での資料ということでございまして、きょう細かくこれがどうこうという話ではないのですが、訂正はぜひ入れなくてはいけない。できるならば、これも宿題になっちゃうのですけれども、次の合宿までにはとにかく新しいというか、一応皆さんのアプルーブというか認めていただいたものに基づいて第1回A組、A組が先かな、何かそういう議論をさせていただきたいというようなことでございます。
 その手順はどうしますかね。これいつまで事務局は対応が可能なのだろう。いつぐらいまでの訂正が可能ですかね。

○苦瀬総務課企画官 一応1月9日にコアエレメントのご提出もお願いしておりますが、同じ期限ということでよろしいかと思います。

○安井座長 では、皆さん、正月お酒を飲むのを2時間ぐらい控えていただいて、その時間に少し見ていただいて。それで、9日ということでお願いをしたいと思います。
 ほかの先生方のまとめに関してはいいのですかね。実際にはこれを全部出たといいますか、全部1枚の紙に本当は書きたいのですけれども、そうなってくるとなかなかこれはどれぐらい、畳1枚ぐらいあればいいのかよくわかりませんが。いずれにしてももう少しこれをまとめて全体像を見えるような格好にしていかなきゃいけないと思っていますが。それは多分そのときまでに事務局側か国環研側が多分ラフな案をお持ちいただくと理解していていいのかな。

○苦瀬総務課企画官 そのように。そういうことでやりたいと思います。

○安井座長 ということでございまして。もしお時間がおありのようでしたらそういうこともお考えいただいて、全体像を書くとどうなるのか。こういうのってどうするのですかね。グーグルアースみたいにカンカンカンと拡大していくとかパッパと見えてくるみたいなそういう感じのものがいいような気もしますけれども。果たしてそうなるのかならないのか。そんな形でやっていけたらというふうな気がいたしますが。
 あとは、一応これから私と森口先生がちょっと皆様にはバックキャストというもののイメージをもう一遍統一をしていただこうかと思って、少し森口先生は地上で、私は空中で考えたものを少しお見せしようかと思っておりますが。それまでに何か今のお話、後からでも結構なのですが、まとめてやっちゃいますか、先に。では、森口先生、先に。紙ですか、それとも。

○森口検討員 紙で。

○安井座長 私はちょっとパソコン使いたいので。では、森口先生、先にお願いします。

○森口検討員 ちょっと資料前後しますけれども、資料5という紙をご覧いただきたいと思います。「持続可能性の目標水準を達成するための複数の道筋」というタイトルをつけたものでありまして。そのすぐ下の囲みにありますように、フォアキャストとバックキャストの関係ですとか、あるいは複数のビジョンがあるねというような議論をしていたときに、なるべくそういうものの共通理解を得るためにはどうすればいいのかというようなことを図示してみようというようなことをトライしておりまして。私が原案をつくったものに、国立環境研究所の方でも現在特別研究という所内のプロジェクト研究でこういう中長期のシナリオの研究というのをやっておりますので、そのメンバーとの議論をしながら改良を加えて作ったものであります。まだまだ本当はわかりやすくできるはずのものですけれども、数カ月前に作ったものを、ちょっとそれ以降特に手を入れずに今回そのまま持ってまいりました。
 非常に説明しにくい、理科系の方以外の方もいらっしゃるのでなかなか座標軸の名前とかもつけにくいところもあるのですが。大ざっぱに見ていただきますと、何か放射状の三角形みたいな絵が3枚色分けしてあると思うんのですけれども。その一番下の平面、グレーで塗ってあるところは社会経済の振れ幅といいますか、社会経済の姿の振れ幅をこの扇形といいますか三角形の角度の方向であらわしていると。右の方へ行くに従って年次が、時間が経っていく。仮に2005年、2050年というようなところで入れてありますけれども、そういうふうにご覧いただきたいと思います。
 そういう平面から上下方向に1つ座標軸がありまして、上の方に行くほど持続不可能、それから下の方ほど持続可能という相対的な軸をとってあります。なぜ上を持続不可能にしているかというと、よく例えば温暖化なんかであればCOの排出量であるとか、温度上昇であるとか、どうも上にいくほど悪いのだというそういうグラフがよく出てきますので、そういうものとのマーノロジーでこれを書いております。
 ちょっとこれは三次元の絵になっていますので非常にわかりにくいかもしれませんけれども、この真ん中あたりの赤い丸ですね、小さい赤い丸があると思います。それから、それから下の方へずっと投影した社会経済の平面の上に黄土色といいますか茶色い丸があると思います。その前にグニャグニャっとした軌跡みたいなのが書いてありますが。過去、社会経済がある種振れながら現在ここにいると。このど真ん中に書くのがいいかどうかわかりませんが、大体現在この辺にいますと。ここから先2050年に向かって社会経済というのがいろいろな非常に例えば端的に言えば技術中心で発展をしていくようなこともあるだろうし、もう少しライフスタイルを変えていくようなそういう社会にいくかもしれない。よくそういう対比がなされるわけですけれども。例えばビジョンAとかビジョンBとか書いてあるのはそういう例えば経済成長率みたいなもので表されるような振れ幅でも構いませんし、あるいは全然その視点を変えて大きな政府の社会と小さな政府の社会とかそんなことでも構いませんし。もっと端的に言うと、これ左右に振れてますので非常に右寄りの社会、左寄りの社会とか呼んでいただいてでも結構なのですが。そういうものでいろいろ振れていくだろうと。そういうものがこのグレーの平面だというふうにご理解いただきたいと思います。
 一方で、垂直方向は、これが正しい認識かどうかは別として、過去の茶色のグニャグニャとした線で社会経済が振れてきたものに対応してこの赤い線の軌跡でもってある種の持続可能性というものの軌跡が過去から描かれてきたと。これは基本的には持続可能性が悪化しているといいますか持続不可能な方向へいっているというようなグラフになっていますが、これ自身も若干恣意的でありまして、ひょっとすると過去にすごく悪くなって改善してきて、今後またどうなるかわからないとそういうことかもしれないのですけれども。仮に何となく悪くなってきて、その後直線的に伸ばしているのですが、この直線は余り意味がないのですが。このままいくといわゆるビジネスアズユージュアル、このままいくと持続可能性というのはより不可能な方向、悪化する方向にいくのじゃないかというような、例えば予測があったとします。この赤い点線で示されているところですけれども。放っておくとこういうふうになるのじゃないかというようなこういう予測です。
 ちょっと順序が前後したのですけれども、それはどういうことでやられるかというと、通常はこの下のグレーの平面にあるところの茶色の線で過去のトレンドを伸ばしていくと、将来の社会経済の姿というのは大体この辺に行くのじゃないかというようなことをこの黄色の丸で示しているところがあると思いますけれども、ここへ行くというようなことの想定をしております。
 それを普通はこの社会経済はこういうふうになる。例えば人口がどのくらい増えるとかGDPがどのくらい増えるということを予測してやって、それに応じて環境がどのようになるかということを上方向へ伸ばして、ここのBAUの環境と書いてあるここへ向かって予測をしていくと、こういう手順をとるわけです。こうなったら困るから対策はどういうふうにとるかなというようなことを考える、これは従来型のフォアキャストの考え方であろうということであります。
 バックキャストはじゃあどうするかということなのですが、これもちょっといろいろな理解があると思いますが、この図の中ではこういうふうに考えましたということなのですが。仮に赤い平面というのが持続不可能である、これではまずいということであれば、ある種のレベルにまで下げなきゃいけないだろうと。いずれにしても私はこの持続可能性のレベルというのは相対的なものでしかないと私自身は思っているのですが、仮にこの黄色い平面、クリーム色の平面まで下げなきゃいけないというようなことを考えたとします。
 ただ、このクリーム色の平面、持続可能性のレベルということを達成するような社会経済の姿というのはいろいろあり得るだろうと。決して1に決まるわけではないのではないかなと思います。さっき申し上げたように、非常に先端的な技術を中心に導入していくような社会もあれば、ライフスタイルを変えていくような社会もあると。そこの振れ幅をこのビジョンAの社会経済とかビジョンBの社会経済というようなことで示しております。
 いずれも持続可能性というレベルではこのクリーム色の平面の上に乗っかっている。つまり、社会経済の姿は違うのだけれども、環境上の目標としてはいずれにしてもある種の目標水準を達成していると、そのような社会が複数描けるのではないかと思うわけです。
 結局のところ、目標水準をどこに定めるか、このクリーム色の平面というのをどのくらいのところに定めるかということと、それを達成するための社会経済の姿というものがどのようなものになるかということを、この例えばビジョンAの環境と書いてあるピンク色の丸、あるいはビジョンBの環境と書いてあるグリーンのところから社会経済がどのような姿になっているかということはある種下向けに矢印が出ているかと思いますが。私はどうもここがバックキャストの本質ではないかなと思っております。
 その後、グレーの平面の中にバックキャストA、バックキャストBというピンクあるいはグリーンの点線がありまして、多分直線的にいくのではなくてある種紆余曲折を経ながらそこへ到達するのだと思うのですけれども。そこへ到達するための道筋を描いてやる、あるいはそこへ行き着くために今から何をやらなければいけないかということを明らかにしていく、これがバックキャストの本質であろうと考えています。
 ただ、そのバックキャストというのもある種の最適なものでなければいけないという非常に厳しい制約を課すとすれば、このバックキャストAとかバックキャストBと書いてあるこの矢印の向きはこうではいけなくて、ビジョンAの社会経済、ビジョンBの社会経済にいくためにはどのようにならなければいけないかという経路自身をこの右から左向けにある種の最適化のモデルを解いてやって考えると、そういうこともあり得るのかなと思うのですけれども。非常に実はそこは難しいのではないかなと思っておりまして。そこの、もちろんある種の最適というか適切な解を求めなければいけないのだと思うのですけれども。ここのところの経路でバックキャストを最適にするというよりは、さっき申し上げたように、将来の目標、ある種の環境の目標というところからスタートして、それをそこから遡ってというか、そこへ到達するために現在からどのような道筋を辿るべきかということを考えるということをここではバックキャストというふうに私自身は呼んできたつもりであります。
 ちょっとすみません、同じものはパワーポイントにあったのに、口で説明するよりはたった1枚とはいえどこか指しながら説明した方がより正確だったかもしれませんけれども。以上、簡単ではありますけれども、この図の説明でございます。

○安井座長 質問はそれではまとめていただくとして。
 私も同じような考え方で、基本的にはどうやら二次元平面で書くのは無理でありまして、三次元で書かざるを得ないのは事実だと思うのですが。
 一応考えていることは、まず地球・環境の限界というのがある。すなわち、我々の人間活動を非常に高くしていくとぶち当たる限界というのがあると同時に、もう1つは多分経済の限界かというものがあるのじゃないか。例えばこれは環境クズデンスカーブみたいなものを考えている我々にしてみると、要するに経済、まさに国によって状況が違うからあれなのですけれども、日本みたいな国だと、例えば経済が減速してくると多分環境は悪化するだろうというそういうようなことがあって、余り下げるわけにもいかないのじゃないかということであり。中国ぐらいの状況だとまだ経済を伸ばすと環境は悪化する方向があるので、その国によってまさにどういう状況にあるかというのはまちまちなのですけれども。いずれにしてもこのくらいのことを考えて。
 これは多分要するに上げていくとぶち当たるし、こちらは何もしないで、要するに対策何もとらないでやっていけば上の方でぶち当たる。ただ、経済活力の維持みたいなものとか、今申しました郊外型みたいなやつは国によって違うので、それをどう考えるか。
 大体毎回少しずつバージョンアップするのですけれども、いずれにしてもこれ何を考えているかというと、これは森口先生と私は全然単独にやったもので独立にやっているものですから、森口先生のいうと縦の断面みたいな感じですよ。縦の断面みたいなものをやはり考えていて。それでそれでは三次元要素はどこにあるのかというと色の濃さか何かで書かれているわけですね。
 それで、要するにあるところにゴールを決めて、今我々はこういうふうにやっていくのですが、先ほど言いましたように、上側には何か限界みたいなものが、農地の劣化とかそんなような限界とか。下側には経済の減速による限界。例えば経済が、これまたよくわかりませんけれども、要するに途上国あたりで経済がちゃんといけば人口下がるけれども、そうじゃないと人口は増えちゃうみたいな話とか。それから、郊外型の汚染は一応クズデンスカーブで右側に入った国は一応経済伸ばせば減るのだけれども、それが経済が縮小するとまた公害が戻るみたいな感じで、要するに下と上で両方に限界があって。ゴールはここなのだけれども、何かリスキーなのですね、まだ黄色くて。
 これを今どうやって目指すかなんですが、これを目指すときにこういうものが実を言うとここの下、ここからずっと過去昔からそうなのですけれども、ずっと積分値でここから人間活動の総量で積分でいろいろなことをやってきて、資源使ったりいろいろなことをやってますから、そういうものの総量でどうやらこういうものというのは決まってくるんじゃなかろうかと。人口疎もそうだし、すべてのものですよね。
 こういうものは要するに、これをどういうカーブを書くかでもって上がったり下がったりする、それをちゃんムービーでつくってなかったという、なかなかそれができなくて。これからちょっとお見せするのはそれをごまかしてつくったわけでありますが。
 ただ、結局ここまでの過去のヒストリーを引きずってここの状況が変わるものだから、例えばここのゴールをこっちを決めてバックキャストするというのは数学的には、この間、増井さんとの議論でできるかななんて思っていたのだけれども、できないのじゃないかと今は思い始めていて。要するに何か過去からのここの積分値みたいなものがどうしても影響するから、バックキャストといいながらやる計算はフォアキャストしかないのかなと、部分的には、そんな気もする。
 ゴールを決めるという、先に到着地点を決めるということがバックキャストの本質なのかな。逆向きに時間をデルタTをマイナスで回すというのは無理かななんて。それを今ちょっと思ってます。
 いずれにしてもこれバックキャストでいろいろなところに決めるわけですが、ここだとこんなふうにリスクが真ん中にあるから到達できないのだけれども、こいつをこう下げる。下げると、これがさっきのビジネスアズユージュアルだと、この状況は変わらないので、これいけないのですよね。だけれども、これを例えば少し下向きにというか環境のインパクトを下げるような方向にいくと、この想定外のリスクが何だかわかりませんけれども、経済がいきなりコラップスするとかそんな話でありますが。そういうものが何となくこの辺に道が開く。
 本当はこいつ全体をスッと下げたかったのだけれども、ちょっとテク上できませんで、一応穴を開けちゃってます。これを下げますと上側も少し減る、要するにこういくとこちらは下がる、これを上げるとこちらが下がり、こちらはこちらへ下がるのかな。だから、下げると両方開くような状況にあります。と思うのですね。したがって、この辺も少しとれてくる。こういうふうにいくとまた先がとれてくるということで、ここにゴールにめでたく到達できると。
 こんなイメージで、これはもちろんデルタTを少しずつやりながらこのゴールに向かってゴール遂行していくというような感じなのかなと今は思っているのですけれどもね。それが皆さんの合意なのかどうなのかちょっとよくわかりませんが。この間、少なくともどういうイメージかということを少し飛行機の上で考えているときにはそんな感じでありました。
 ということで、森口先生のこの絵と、私のは何枚かございますが、その辺のイメージがいかがかということでいかがでございましょうか。どなたか。
 とりあえず要するにそれぞれのちょっとずつ、これですとゴールを設定しながらいわゆるゴール遂行という形でゴールにいくのですけれども、その経路を何通りもつくりながら、結局そこでのいろいろな想定をどうやってしっかりするか難しいですが、その状況を考えながらリスクみたいなもののあり方を見ていくのだろうなという気がするのですけれどもね。後ろ向きに走らせるというモデルはないのじゃないかなと今はちょっと思っているのですけれどもね。
 松田先生、何か。

○松田教授 よろしいですか。すみません。今回初めてこういう議論に参加してよくわからないのですけれども。ごく単純に言えば、これは数学的には最適制御理論ですから、後ろ向きに解くのが正道で。後ろ向きに解いて経路が1つもなければこれはあり得ないということなのですね。当然不確実性がたくさんありますから、そこに到達、それぞれのゴールの直前はどうなっているかという状況をいろいろ考えて、例えばゴールの1年前にこの状況ならゴールに着くのにこうしろああしろというのは割とすぐにわかる。それがわかればその2年前はと、ずっと後ろ向きにたどっていくというのがこういう解くときに数学的にはそれなのです。
 ただそのときに、そうやって解いていくと、ほとんどそこへ着く解は今はあり得そうもないということはいろいろ出てくるわけです。そのリスクはかなり高いと。ただ、そこの計算自身に不確実性がありますので、こうやって進めていくと、実はもうちょっと進めるとかなり有望になって展望が見え始めたというふうになるかもしれないし、ますます絶望になったということはあるかもしれませんけれども。
 とにかく、そこへいく最短のルートというのは解き方としては、これは私はバックキャストで。そうでないとすれば、それは実は多分ゴールを決めてないということだと思うのですね。つまり、ゴールを決めてなくて、とにかくとりあえず今やれることをやってみようと、そのうちゴールがわかってくるというのであればフォアキャストでもいいかもしれないですけれども。多分数学的には私はこれはバックキャストしかないのだと思います。

○安井座長 ちょっと今の議論なのですけれども。結局例えばこのゴールの1年前からこっちへ解くというときに、実を言うと、ここまで仮定する、何をやるかはですからここまでいくのに例えばこういうふうにいってるかこういうふうにいくか何本も書けばそれは同じことなのですけれども。結局要するにここから見て過去の何を人間がやったかというのが全部そこに積分値として残っているわけですよね。ですから、ある意味で同じことかもしれませんけれども、要するにここからこっちにいくにはそれから過去を全部解析した後で一歩進めなきゃいけないから、結局は前へ進んでいるのじゃないかと私は思うのですけれどもね。結局は前向きの推論しかしてないのじゃないか。

○松田教授 多分物理学の専門の方ならわかると思います、私などより。

○安井座長 どうぞ。

○広井検討員 ちょっとまだ十分理解していない部分があって基本的な質問になってしまうのですが。森口委員の発表に関しまして、このビジョンAとビジョンBの環境というのは、これは持続可能性という点ではいずれも同じ度合いで、持続可能性とは別の観点からの違いということで理解してよいのか。その場合の違いというのは以前最初のころなんかでドラえもんとメイの話とか、先ほども技術とライフスタイルという話がありました。例えばそういう持続可能性以外の座標軸という意味ではそういった点とか、持続可能性以外の違いというのはどこにあるのかというのが1点と。
 それからもう1点は、持続可能性の度合いでの違う社会みたいなのがあり得るのか。持続可能性が50年、100年というのから1,000年ぐらいまでとかそういった縦の方の違いというものは考慮しなくてよいのかという、ちょっとやや概念的な質問になってしまいますけれども。

○森口検討員 全くこの図の表そうとしたことを的確にご理解いただいていると思います。ちょっとビジョンAの環境とかビジョンBの環境というのはこのクリームの平面の中で振れて書いてあるので説明がややこしいのですが。これはあくまでこのグレーの平面と垂直方向に対応させるために書いてあるわけでして。今おっしゃったとおり例えばビジョンAというのがドラえもんの社会で、ビジョンBというのがさつきとメイの社会という、こういうことでいいかもしれません。
 それぞれのときの持続可能性のレベル、持続可能性のレベルというのは極めてあいまいな言い方なのですが、環境も基本的には多次元でありますので、いろいろなものを総じて言えば持続可能性のレベルは同じだろうと。だけれども、全部例えば大気汚染だとか水質汚濁だとか生物多様性とかが全部が全部同じになっているとは限らないわけですよね。総じて見た場合の持続可能性のレベルというのが同じであるということで、当然それぞれの要素というのは違ったものになっているだろうと。だから、ビジョンAの環境とビジョンBの環境ってやはり違うはずだと思います。ここで言っている環境というのは社会経済の相対じゃなくて、もう少し狭い定義の環境だと思います。
 例えば二酸化炭素の排出量って全く同じかというと多分違うと思います。そういう意味で当然この縦方向というのも、すみません、これもクリーム色の平面を現在から同じところへ平面で書いてしまっているのでおかしいのですが。ただここで目標としようとしているのは持続可能性の目標水準というのを仮にある年にここまでいきましょうということを決めるということをベースに考えているものですからこういうふうに書いてしまっているのですが、もう少し安井先生がお示しになったようにダイナミックに書くとすれば道筋といいますか、2005年はこの辺にいるのだけれども、そこから途中の年はどういうふうにいこうとか、2050年より先はどこまでいこうとか、こういう時間軸の方はもっともっと複雑に書けると思うのですが、これはあくまで現状と2050年しか見てないのです。ですから、安井先生なりに書こうと思うと、この三次元の中でさらに三次元の空間の中に曲面を書かなければいけないので、これはかなり複雑になるものですからあらわしておりませんけれども。組み合わせてやるならそういうことになると思います。当然垂直方向の方も振れてくるし。
 このレベルでいいのか、こんなところまでいけそうにないからもうちょっと上にターゲットを設定するとか、もっと下にするとかそれはいろいろあり得ると思います。

○安井座長 よろしゅうございましょうか。
 実を言うとイメージも人によって違うのじゃないかなと思ってるのですけれどもね。
 明日香先生、どうぞ。

○明日香検討員 すみません、私もよくわかってないかもしれないので質問なのですけれども。例えばビジョンBの環境を実現する社会経済といっても多分複数ありますよね。1つのビジョンBから社会経済をバックキャストする道筋もたくさんあるということで、そう考えるとかなりたくさんのいろいろな組合せがあるのかなというのと。
 あと、最初の方にも申し上げたのですけれども、価値判断というのでしょうか、それがどこら辺でどういうふうに入るのか、最適性というと何となく経済的な効率性だけで考えるのかなというイメージがあるのですが、それだけじゃ多分うまくいかないでしょうと。それ以外にどういうものをどういうふうに入れるのかなというのが単純な疑問です。
 あと、もうちょっと大きな話なのでしょうけれども、いわゆる世界政府みたいなものを入れるのか、そういうのがあれば多分いろいろ持続可能性なシナリオというのは大きいと思うのですけれども、そういうものがどのようにこの50年間で動くのかとか、そういうのはどういうふうに考えればいいのかなという気がちょっとしました。

○森口検討員 今おっしゃったことは基本的にこの一番下のそのグレーの平面をどう考えるかということに尽きるというふうに、ある意味では逃げかもしれませんけれども。結局何を申し上げたいかというと、全くおっしゃるとおり、環境の水準を決めたとしてもそこへどういくか、どういう社会経済で実現するかということは全然多分簡単に決まらないだろうという、本当に多様なものがあると思います。
 そういう意味では、さっきはちょっと道筋のことを申し上げたのですけれども、例えばある環境を実現するためにどういう社会経済でなきゃいけないかということもなかなかちょっと逆方向には決まりづらい部分はあるかなと。それは先ほど松田先生からの物理学で考える人はできるはずだとおっしゃったこととの少し対比になると思うのですけれども。そういう今、明日香先生がおっしゃったようなことがある種の方程式に乗っかるようなものにうまくなるのかどうか。それは多分環境から社会経済をバックキャストするときもそうだし、時間的な軸でバックキャスト、つまりある種の最適解を求め得るかどうかということに関しても議論は当てはまると思います。
 ちょっと今のその結論が出せるわけではないのですけれども、今、明日香先生がおっしゃったような世界がある種数量的、定量的にというか、式で表せるような世界にうまく持ち込めるかどうかということが1つのポイントではないかなと思います。

○安井座長 そのあたり、結局合宿での作業にかかわるのですが、今このコアエレメントというのが多分それを意味していて。意味しているというのはキーワードですけれども。例えば非常に望み薄ですけれども世界政府というものができるとか、そういうようなことがもし重要であるのであれば、あるいはその考え方が相当変わるとかライフスタイルもこういう方向になるとか、そういうようなことをいろいろコアエレメントの中に組み込んでおいていただいて。これは外せないというところはむしろ場合によると外していただいても多分大丈夫で。むしろほかの人が気がつかないコアエレメントというご指摘をいただいた方がいいのかもしれないですね。
 だれでも考えるようなことは場合によっては、まず事務局案でもその前に出てきて、このぐらいのコアエレメントは5つはもう共通で決めますよみたいなのがあってもいいかもしれないですね。それ以外のところでどんなことが重要ですかということをこの宿題のところのコアエレメントのところに1行書いていただくと。
 それが、今の森口先生のお話だと、数式化するかどうかというのはあれなのですけれども、人間様が手で横軸なんかで書いて、ヤッと書いたらその関数形をぶち込めばいいというくらのつもりでいいのじゃないかと、数式じゃなくてですね。そんなことが果たしてソフトウェア的にできるかどうか知らないのですけれども。できるはずですよね。
 ですから、そんなことを考えております。例えばあるところでそういう世界政府ができると資源の分配がこういうふうになってなんてそんなことなのかもしれない。ちょっと夢物語かなという気がしますけれども。
 いかがでございますか、ほかに。川島先生、どうぞ。

○川島検討員 なかなかフォアキャスト的発想から抜けきれないのですけれども。ここのところちょっと先ほどから申し上げたように、過去のデータをきちっと見ようと、過去50年ぐらいの傾向ですが。そうすると、極めて今起こっている現象って世界では増えてないのですね。例えばシンガポールというのは私たちは今先進国だと思っていますが、40年ぐらい前は途上国なのですね、あれは完全に。それで、すごく発達するところは発達する勢いが高いし。インドのことも今ちょっと食料の問題で興味深げに見ているのですが、急速に発達してくる州はあるのですね。ところが、だめなところはだめだと。
 翻って見れば、日本の格差社会というのも同じ問題で、東京とか、特に東京を中心には経済は伸びているんですね。ところが、地方が足を引っ張っているので日本全体で見ると大したことがないという現象が起きていて。これは世界中で恐らく起こっている現象だと思うのですね。ある国またはある国といってはいけなくて、ある国のある特定な地域が発展してくるという現象があって、そうするとこういうことが次の私は50年加速してくると思うのですね。ある国が全体的に、中国も全くそうで、中国が豊かになっているのではなくて、中国の沿岸部の、それもうまくアダプトしたシンセンとか大連とかそういうところが豊かになってるわけですね。
 そうすると、ゴールを見るときに、世界政府という話が出たのですが、資源の適正分配を例えばここで決めるとうまくいくのとか、魔法の杖を持っているわけでもないので。世界が非常に多様化し、それから恐らく均一に発展する工業化社会というよりは情報が行き交う社会ってやはり価値組、ホリエモンみたいなのが出てくるところでニート、フリーターが出てくるというのが世界的な傾向で私は進んでると思うのですね。そう考えた方が世界の食料も説明できるようなことが多いような気がするので。
 こういうことをこのゴールの着地点にどう入れるのだということはいかがでしょうか。

○安井座長 何か。

○森口検討員 例えばビジョンAの社会経済、ビジョンBの社会経済というのが、これは1つの今の川島先生の問いかけに対する答え方なのですが。ビジョンAもビジョンBも世界全体のGDPは同じですと。だけれども、分配が違いますと、これが1つの答えですよね。非常に格差社会が進んだような社会もあれば非常にある種の平等性を重んじるような社会があって、それぞれについて、じゃあ同じサステイナビリティが達成できるのかどうかと。つまり、そういう格差みたいなものが進むかどうかということまでコントロールできるのかどうかということですね。それも明日香先生の先ほどの問いかけとも関係するのですけれども。それがコントロールできるという前提のもとにビジョンA、ビジョンBというのを振るということもあるし。それが非常にコントロールできなくて、それがどうなるかということが非常に大きく世界の環境を変えるのであれば、それ自身をビジョンの大きな振れ幅の要素としてとらなきゃいけないと、そういうことかなと思うのですけれども。

○川島検討員 よろしいですか。メイとさつきの世界とドラえもんの世界がありましたよね、前回からの。おそらくメイとさつきの世界って格差が余り広がらない世界じゃないかと思うのですね。それに対してドラえもん型社会というのは、あれはいいところを見るとドラえもんなのだけれども、結構こっちにニートなんかがたくさん住んでいるドラえもんの世界というのがあるのじゃないかというような気がするのですけれども。
 そこで世界のGDPが両方とも変わらないということは、やはりかなり無理がある前提のような気がするのですね。やはり平等型社会というのはある意味で成長しない社会なのかもしれないし、成長する社会というのはかなり危ない社会、現在の日本じゃないですけれども。そういうような部分を入れないとリアリスティックじゃないのじゃないかなという気がこの前からしているのですが、いかがでしょうか。

○森口検討員 すみません、GDPが良いかどうかわかりません。実は世界のGDPのトータルが大きい方が世界トータルで満足感というか幸せ感を感じる総量が多いかどうかもわからないと、こういう議論にまた帰着すると思うので。ちょっとさっき申し上げたのは要するに、同じGDPを仮定しても別の世界があり得るということを申し上げたので、別に同じに縛らなきゃいけないというふうに申し上げたつもりはないです。
 私もおっしゃるとおり、どちらかというとドラえもんの社会の方が格差が進んで、さつきとメイというものが割に平等な社会にいくのじゃないかなと思っているのですけれども、ただそうも決めつけない方が良いのじゃないかなと。非常に技術が発展するのだけれども、非常に平等な社会、余り考えにくいのですけれども、想像はしにくいのですけれども、そういうことだとやはり考えないと、余り決めつけて、先入観を持ちすぎない方がいいのかなというふうにも思います。

○川島検討員 私も答えがないので問題提起だけです。

○安井座長 多分どうやって考えるかという話なのですけれども、要するに例えば中国という国だけを考えたときに、その格差が非常に地域的にあるのであれば異なった国に分割してものを考えるみたいなモデル化ですよね。日本はそうできるか、例えば東京国、大阪国とそれ以外でできるかどうかというのはちょっといささか問題ではありますけれども。
 何かだから、我々が今持っている統計データというのは明らかに国境という人為的なものによって区切られているわけだけれども、それを外せば何とかなるのかもしれないなという気も1つはする。ただ、そういう統計データとかそういうのがあるかどうかですけれどもね。その辺はかなり微妙なお話なので、格差社会みたいなもの、本当にキーワードの1つだから、何をもって満足をするのかというのは本当に重要なキーワードのような気はしていますけれどもね。
 何かほかにございますでしょうか。こんな話でやってみてできるかどうかわからないけれども、いろいろ知恵を出してみようというぐらいの合宿でございますが。今おっしゃったようなこととか、例えばさっき私クズデンス曲線なんて言いましたけれども、これもサイモンクズデンスがつくった過去の話であって、未来永劫あれが成り立つとは限らないですよね。というのは、所得水準がある程度のところを超すと、GDPがあるところを超すと、そこから先また格差社会に入るというのがどうも正しいような気がしないでもないですよね。
 だから、その辺を含めて、これは広井先生ですかね、ご専門は。

○広井検討員 ちょっとそれのとても専門とは言えないのですけれども、今のに関連して。ビジョンAとかBを考える座標軸として、市場経済というものがどれくらい浸透していくかという。言い換えると、社会科学的な視点からいうと、市場と政府とコミュニティという3つの主体といいますか、さっき世界政府というのがありましたが、市場経済がどんどん浸透していく、それを政府がどれくらい再分配やっていくか。あるいはコミュニティというような、先ほどもコモンズとかいう話もありましたが、その辺の原理をどこまで入れていくかみたいなあたりがこのビジョンA、Bとかビジョンの設定を分けるに当たっての1つの重要な切り口なのかなと思いました。

○安井座長 ありがとうございました。宿題のコアエレメントが何となく少しずつ進んでいるような感じでございますが。
 これ事務局側としては、例えばこれは当たり前だからコアエレメントの中に書かなくてもいいよなんていうのを5つ、6つ、10個ぐらいできますかね。多分できそうですよね。

○苦瀬総務課企画官 そうしてあらかじめ用意をして、これは書かなくてもいいとお知らせすると。

○安井座長 ええ、例えばね。どうしてもそこから選んでいただいてももちろんいいのですが、例えば湯原先生のおっしゃっているようなエネルギーなんていうのはだれでも当たり前だという感じもするのですよね。それから食料も当たり前。それをだから、ほかの方がお書きにならないような視点でコアエレメントをできるだけ探し出したい。要するに抜け落ちないのかなみたいな発想で書いていただくためには、このぐらいは共通かなと、例えば温暖化とかそういうものを共通かなみたいなものはちょっと。

○苦瀬総務課企画官 では、ちょっと案をつくって座長にご相談をして、それで年内ぐらいにお送りするとかそういうふうにします。

○安井座長 そうですね。ということになると、皆さんやはり正月のお仕事ですね。
 どうぞ。

○湯原検討員 おっしゃったようにエネルギーはそうかもしれませんけれども、社会ということを入れると、雇用とか分散とかいうことを入れると、日本の社会システムの変更がいるし、バレル100ドルになったらもう再生可能エネルギーの方が非常に有利になってくる局面も出てきて。そんなふうな形で必ずしもエネルギー資源あるいは環境制約の中で解が1つということではなくて、社会システムということを入れるとオプションが非常に増えていくと思うのですね。だから、2050年もその社会システムということまで入れると違った形になると思うのですね。そんなコメントで。

○苦瀬総務課企画官 用意はご相談してできるとは思うのですが、この狙いからいってそれでもいいかというあたりはちょっと、それはよろしいということで。

○安井座長 要するに5個しか書かないわけでしょう。そうすると何か全員から出てきた答えが優等生の5個の回答であるということを逆に恐れるという感じですね。ですから、そうだとほとんど意味がないのじゃないか。だから、要するにむしろ劣等生的回答を書いていただいた方がむしろ実質議論ができるのかなみたいな。だから、優等生の解というのを事務局と国環研と私で作ろうよみたいな感じですね。

○森口検討員 5個というのは私が言い出したのですが。なるべくご負担をおかけしないように余りたくさんでない方がいいかなというのが1つと。もう1つは数を少なくした方がある種の優先度というか、非常に大事なところまで絞り込めるだろうという意図から申し上げたのですが、別に5にこだわらなければいけないという理由があるわけではありませんので、もっと書きたい。例えば非常に共通的に出てくるものを5個書いてくると、自分のスペシフィック、ほかの人は挙げないだろうけれども、やはりこれが大事だと思うものを5個書いてくるとか、そういう例えば5個ずつ10個書いていただくというようなことでも構わないとは思うのですけれども。
 要するに、その作業の漏れなりダブリなりがなるべく少なくて労力が少ない方向でということで。5にどうしてもこだわらなきゃいけないということではございません。

○安井座長 どうしましょうかね。その辺はそれではちょっとまたきょうこれは宿題としていくよということでご了解いただくこととして。もう一遍事務局と国環研と私とあたりでちょっと詰めさせていただいて。それで場合によっては優等生の回答というのをつけて、それでそれ以外の天才的回答を求めるというそういうやり方がいいのかなという気もしないでもないので。ちょっとそんな感じにさせていただこうかと思います。
 エネルギー関係全部だめと私申し上げているつもりは全くなくて、要するにエネルギーというキーワードはとにかくどこかに入るよなという感じでありますから。今の湯原先生みたいなエネルギーの何々と書いていただければ、それはそれでということでございますけれども。
 少なくとも、これもまた議論があることはよく、オイルピークだっていまだに議論があるのですけれども、我々自然科学やってる人間にとっては当たり前のことが当たり前に起きるだけなんだけれども、あれに反対する人がいるのがよくわからないのですけれどもね、私は。
 いずれにしてもそんな感じでやっていただければと思いますが。
 では、ちょっと後で少し相談を事務局側とさせていただくことにいたしたいと思います。
 あと何かほかに。
 バックキャストのイメージですが、余り違うイメージをお持ちいただくとちょっとどうかなという気がしないでもないのだけれども、もしそれが説得に値するものであればぜひこんなんじゃないとおっしゃっていただいて。何せ作業が難しすぎるものですから、森口先生のも私のも穴だらけだろうと思うのですよね。だから、多分別の解もあって、別の表示法もあって、何かあればそういうのをお考えいただくお暇がもしあれば、それは最終的な例えばアドバイザリーのボードの会議のときに出してみるとか、いろいろ使い方がありますし、最終報告書にも使えますから、ぜひご協力をいただければと思う次第です。
 あと何やるのですか、今日はこの議論は、合宿の議論はこんなところでできそうですかね。何か。まあ、余り準備をバッチリやることもないかな。時間が余りないのでできるだけ準備はしておきたいものの、ただその場で何か早く終ってもしょうがないかなという気もしないでもないので。大体こんな感じかなと思うのですけれども。
 資料2、それから3、4、5までが合宿関係の準備状況でございますが。何かございますか。
 どうぞ。

○森口検討員 時間があるのでしたら、ちょっと2分ぐらいで済むと思うのですが。さっきの資料5について、広井先生からさっきコメントいただいた点についてだけ、ちょっと戻って恐縮です。この資料5そのものに関する点なのですが。
 これちょっとわかりやすくするために左右方向に時間軸をとって、何か振れ幅みたいなもので書いて、何となく振れ幅がまだ一次元ぐらいなのですが、いわゆる極座標系、RC系だと思っていただいたらよくて、それで少なくとも二次元に広がります。社会経済というのは平面上にどういう書き方もできるので。先ほど例えば市場経済の度合いというお話がありました、そういう1軸をとって、別の軸をとっても構わない。ただ、それをやると例のIPCCの4つのシナリオみたいにXY軸の中にいろいろな違う社会が描けるという、そういうものもあると思います。当然二次元だけではまた描ききれないものもあると思うのですが。これはあくまで時間軸と振れ幅ということを表現しようとしたのでこの辺の範囲に書いているのですけれども。これグルッと360度回していただくと社会経済がどっち向いていくのかなということはもう少し幅といいますか多様性を持って表現できるのではないかなと思いますので。
 とりあえず1軸みたいなもので書いていますが、そういうさっきの川島先生からどんどん増えてロになっていくというような話もありましたので、そういうやはり社会経済の主要な軸を見ていくというのも1つの大事な仕事かなと思っております。
 それから、もう1つ、バックキャストのところに集中したのですけれども、何となくこの図でまだ考えているのは、バックキャストというのはどちらかというとビジョンの振れ幅みたいなところで、そのビジョンにいくためのバックキャストの話はもうちょっとテクニカルに詰めた議論が必要かなと思っていまして、バックキャストそのもの考え方の資料というよりはどちらかというとビジョンというものの振れ幅の資料だというふうにご理解いただいた方がいいかなと思いました。
 すみません、補足です。

○安井座長 多分合宿のやり方というのは恐らくそういうことになってきて、要するにまずビジョンが、合宿のアウトプットなのですけれども、結局最後どういうバックキャストやるかというのはかなりテクニカルで合宿いくらやってもわからないので、結局はビジョンというものをどのくらいの種類用意できるかにかかるような気がしますよね、アウトプットとしては。ですから、それぞれ一体幾つになるかわかりませんけれども、何十個もあってもしょうがないのだけれども、例えば2の3乗だったら8ぐらいか、あるいは2の4乗で16個、そんなような、さっきの平面だと4つですけれども、そのくらいの例えば軸を4本つくると2の4乗で16個できちゃいますよね、モデルが。そんなような格好に最後はなるのか。その軸として何を選ぶのかみたいな感じかなという気がするのですけれどもね。
 その辺が予想でありまして、実際やってみたら全く予想と違うというのが多分本当の成果なのですけれども。そんなイメージを持ってはいます。ですから、最終的なビジョン、今AとかBとか2つ、あるいはこれだと1軸、一次元上に上がったり下がったりしかないのですけれども、そういう例ではなく、ビジョンというのはもっと何次元空間かにあるような感じかなという気がします。
 そんなことで大体よろしいですかね。だから、ビジョンみたいなもののご議論をしていただくのが最初かなという気がするのですけれどもね。そのビジョンにいく過程の議論がもしできればそれはモデルというかバックキャストのプロセスで生かせるという感じかな。
 そんなもんでいいのですかね、森口先生。
 どうぞ。

○苦瀬総務課企画官 さっき資料3のところではっきりとお願いをしてないのですけれども、先生方の発表ではこちらからこの分野でお願いしますと言ってお願いしたものなので、その足し算が全体では必ずしもないから、補足の調査としますというようなことを申し上げたのですが。その点に関しても、特に紙の上でお願いのこととか書いていませんけれども、もし先生方ご自身の専門分野であるかどうかにかかわらず、あるいはこのメンバー16人ともちょっと違うかもしれないということでも良いのかもしれませんが、基本的な資源環境面から2050年における持続性という観点で、これはもうちょっと足した上で事務局が全体像のたたき台をつくるときにはそれを考えろというようなところがもしお気づきの点があれば、またこの場でなくても今週なり来週なりメールで送っていただくのでも結構なのですが、もしあればいただければというふうに思います。それはいずれにしても当方で考えることではございますけれども。

○安井座長 ということでございます。余り事は制限的に考えていないというご発言でございますので。要するに何でもまだパッと思いついたら何でもイップット欲しいよということでございますので、本当に自由に事務局宛てにインプットをしていただければという気がいたします。
 さて、あと何か委員の方々、松田先生含めてでも結構でございますが、何かご発言ございますか。
 とりあえずは先ほどの宿題みたいなものがお願いになるということになりますが。その宿題のやり方に関してはもう一度事務局側から再度連絡いくと思っていただければと思います。
 それで、あとはしっかり体力つけてきていただいて。(笑)ということでございます。
 何かございますか。
 どうぞ。

○若林検討員 2つあるのですが。1つは、コアエレメント、これは説明的なものを書くのですか。イメージがいまひとつわからない。概念の説明的なのを書くのか、どういうスタイルで書くのか、それが1つ。
 それから、将来のところで、先ほども漁業を聞いていたときに昔の30年前の離島とかを飛び歩いておりまして、栗島に行ったり、神島へ行ったり、今度は20日から五島列島を回るのですけれども。30年前と日本の農村を比べたときに、限界集落という言葉がありますが、集落自体が壊滅していくことが50年後に時間の問題になっているわけですね。人口がもう動けるところから流出し、世帯主も出て、最後高齢老人も寿命の伸びとともに残っていたけれども、あとはもう時間の問題で第2の過疎化と崩壊が起きると。
 というようなことで、30年前を昔飛び歩いていたところを同じところをフォローしているのですけれども。限界集落あるいは学校などにしても、学校統廃合問題が深刻化し学校がなくなったことを契機にして島が無人化するとか、これまでもそういう動きがあるわけで。日本の国土、日本の農村村落の壊滅地域がもう時間の問題で人口学的に解体、壊滅する。この方向性みたいな将来論が非常に今気になっているわけです。
 私、前にも申し上げましたが、多分ここへ呼んでいただいたのは中国や世界の人口とか、日本もそうですが、お呼びいただいたのでしょうけれども。もともと日本農村論とか村落論をやっていた者としては自分の仕事の最後はそこをきちっと卒業論文を書かなければいけないと思っているわけで。時間ないですが、フォローで飛び歩く。日本の国土論の将来、2050年をどう見るかですね。

○安井座長 その辺は別に合意があるわけではないのですが、逆に言うとどこまでミクロの世界に踏み込むかという話かなという気がするのですよね。それで、その踏み込めれば踏み込めたでよろしいのですけれども。
 非常にスパッとものを言ってしまって誤解を招くといけないのですけれども。例えばアイスランドなんて国へ行くと、レイキャビックから次の都市でアークレイリという第2の都市まで途中村落ってないのですよね。ですから、ガソリンスタンドぐらいあるのですけれどもね。本当にそういうところが果たして持続可能性なのかどうなのか。そういうあたりを少しどう議論するかだと思うのですね。
 ですから、ある村落というものが内在的に持っている何か価値みたいなものが失われていくということは一体何なのだろうという、この辺は文化論として考えるのは難しいかな。その辺をこのグローバル、地球全体を見ている視点からミクロまでどこまで、一番上は地球全体を見るわけですけれども、下をどこまで議論するかなという話じゃないかなという気がするのですけれどもね。
 それ全体像ができて、何となくこうよという、何となく大きな結論ができた後で、その先にミクロなお話を議論するというのもあり得るかもしれないという気がしますけれどもね。ほかの委員の方はどうお考えかわかりませんけれども。
 何か。森口先生、どうぞ。

○森口検討員 私自身は実はそこのところも非常に気になっていまして、一番最初にこの仕事を環境省で始められるときに書いたメモの中にも、国土、割に農山村の国土の荒廃みたいなものも書いていたのです。それがいわゆる環境問題、環境省的な環境問題なのかどうかというのはわからない。むしろどちらかというと地域社会の崩壊に近いようなもので、それが結果的にある種のそこの、もうちょっと狭い意味での環境管理能力も減らしてしまうと、そういう問題があるのじゃないかということを書いていたのですけれども。
 結局、またさっきの分配みたいな議論と近いのかもしれませんが、国力トータルとしてはある種経済的に見てもサステイナブルなのだけれども、非常にやはりローカルに見ればというか部分集合として見ればアンサステイナブルなグループができてしまう。それを容認するのかどうかというようなそういう議論になってしまうので、結果的にこれはやはり狭い意味での環境問題の議論ではないのだと思うのですね。
 でも、じゃあどこかほかでやっているかというと必ずしもやっていなくて、むしろ地域にお住まいの一人一人の方々にとっての環境問題とは一体何かというと結局そういう問題なんじゃないかなと。結局環境省のテリトリーじゃないのだけれども、じゃあそこを一体どこが考えてくれているのかということとか、持続可能な日本って一体何なのかといったら結局のところ非常に集計的に扱われる資源の問題とか温暖化の問題みたいなものだけではやはりないだろうなと。だから、そこのところを一体、ここで議論するのかどうかわからないですけれども、つまりそこを完全に拭ってしまってよいとは私は思わないですし。それが実は結構非常に重大な環境問題かもしれないなというようには何となく感じてはいます。根拠はないのですけれども。
 でも、東京の会議室にいると余りそういうところの実感かなくなってしまうと。やはり現場感覚がどんどん薄れてしまうというのがあるかなとは思うのですけれども。それはやはり東京中心で考えていることのある種の危険な部分かなという気はしています。

○安井座長 湯本委員。

○湯本検討員 環境省の例の生物多様性国家戦略の密度の危機というのがありますけれども、最初の危機が生息域の破壊とか乱獲というのが第一の危機で、第二の危機が日本人のライフスタイル、日本に住んでいた人のライフスタイルの変革によってという今、若林さんがおっしゃったような農村、山村に人がいなくなることによる危機というのが2番目にあって。3番目に外来種、日本種があります。だから、そういう意味では2番目というのは日本の生物多様性を考えることは非常に実は大きいポイントです。

○安井座長 どうぞ。

○湯原検討員 ちょっと意見なのですけれども。今の集落の問題ですけれども、やはり基本的には農林水産業の再生というのが非常に基本で、それが地域と雇用をきちっと確保する社会ができると思うのですね。日本型モデル、中国人と話していてもインド人と話していても日本型モデルを目指しているというのですね。それは工業生産力によって、言い方悪ければ資源を世界中から収奪しているわけで、イコール・フィッティングも二点何倍とか三点何倍とかきているわけだから、そのあり方に切り込んで2050年の日本の姿を書いておかないと、あるいはそれを目指しておかないとビジョンができないのじゃないか。
 エネルギー問題も本当にいつまでも強い産業競争力によって石油、石炭、ウランを買い続けるのかということで、それはやはり世界中が、中国が全部日本型モデルを追求していったらやはり世界は破綻するという認識が必要だと思うのですね。
 ですから、やはり私は今の議論、今回のいろいろな農林水産業も聞かせていただきましたけれども、やはりそこのところが一番基本にあるのじゃないか、そういうビジョンですね。そんなふうに。
 あとは、ではそれをどうするか、エネルギーの問題というのはそれをどう分散化するかとかいうかなり技術的な問題が強くなっていくのじゃないかと思います。
 ちょっとコメントです、今の議論に。

○安井座長 どうぞ。

○川島検討員 私も言いすぎると議論がクリアカットになりすぎちゃうと思うのですが、GDPの拡大ということがある意味で前提条件ですよね。そうすると、農林水産業の場合もう効率化というのが必ず出てきちゃうのですね。そうすると規模拡大しかないのですね。ワールドスタンダードの農業というのはアメリカの農業なのですね。ある意味で輸出余力がたくさんあって、世界のプライスを決められるということで。それで、日本とかアジア型農業の100倍なのですね、1軒当たりの。それにカナダとオーストラリアと、このごろはブラジルが追いつく勢いである意味で規模拡大を進めているのですね。
 これに逆らうというのは、私はいろいろな意見があるのはよく存じています、集落を残すとか伝統芸能の話とか文化の問題とか。だけれども、次の50年を見たときに極めて大きいトレンドであることも事実ですね。これを感傷論で阻止するというのは私は不可能だと思います。
 日本型の農林水産業のシステムというのを確立してアジアに普及してやろうというようなアイデアはよく、東京での議論では私は出ると思うのですが、そういう意味では。大きなワールドマーケットの中のこの力というのを阻止するのはここで決めるというのは何かチロリン村の会議みたいになっちゃってて、そんな簡単に世界の大きな穀物の供給源のある国、それから覇権を持っているアメリカという国のあり方ですよね、それが変わるというのは思えないですし。
 また、世界の、西ヨーロッパ諸国を中心に効率をある意味でアメリカに文句言いながら上げているのですね、彼らは非常にEUというのはうまくて。日本は文句言ってるだけで余り効率は上がらないのだけれども、EUはかなりうまくて、文句言っているうちに追いつくという勢いをかなりつけているので。そうすると、EUとアメリカがくっついて大量生産というシステムって、次の50年でこれを変えるというのは、世界に革命でも起こすということ以外に私は考えられないと思うのですね。
 この辺よく考えないと、かなり感傷的にここで世界システムというのはおかしいのだと、アメリカ中心のこの至上主義というのはおかしいのだと言っても私は何ら何となく結論にならないと思うので。
 ちょっとあれになりましたけれども、やはり現実は強く認めた上でどういうビジョンがあるかということにしないと、非常に空想的なビジョンになってしまうと思うのですね。私はどちらかというと先ほどからゴールというのがあったのですが、余りにも理想論的な、地球政府があって世界のサステイナビリティのためにみたいな何か非常に世界がチロリン村みたいになったビジョンみたいなものがそこにあって、そこからバックキャスティングしてくるというのは非常におとぎの話になっちゃって。やはり世界というのはかなり強いトレンドの中にいて、それで2050年にどのくらいそれを変えられるかというところぐらいのところにしないと、バックキャスティングといっても非常におとぎ話になっちゃうという気がしています。私のバックキャスティングのイメージです。
 それから、農林水産業については非常に強い勢いがあって、そんな議論じゃ変わらないよというのが私の非常に強い思いです。

○湯原検討員 ちょっと私おとぎ話だと思えなくて。例えばバレルが50ドルとか60ドルになったらトウモロコシが値上がりしたわけですね。ヘクタールでメタノールが20トンとか25トンできる時代なわけだから、本当にバレル100ドルになったら石油買うよりも日本の農地をそういうふうに転換した方が経済的なわけですね。なぜバレル60ドルになったらトウモロコシがこんなに値上がりしたのかということを考えるべきだと思うのですね。
 だから、必ずしも日本の農林水産業を再生する、再考するというのは経済原理、特に化石燃料の枯渇性からそういうことが2050年には現実的になると見た方が私は現実的だと思うのですね。

○川島検討員 バレル60ドルでも、反論するようですけれども、バレルって約159リッターですから約160ですから6倍するとトンになるのですね。だから、1トン当たり360ドルくらいですね、大体今の石油の60ドルとしてね。それでトウモロコシの国際輸入価格というのが大体1トン200ドルから300ドルで行き来しているのですね。それで比べますと、トウモロコシ1トンと石油1トンあると、持っているエネルギー量というのは大体トウモロコシは石油の3分の1くらいですね、油と炭水化物ですから。そこからまたエタノールをとるということになると、大体生物でやりますから半分がCOになって半分が菌体になって半分が代謝物のメタノールになってで、うまくやってですよね、かなりうまくやって3分の1ですね。それからまた出てきたのがどうせ発酵させたものですから20%ぐらいですか、アルコール原価になりますから、そこからE10なんかで使えるようなエネルギーにするということになると蒸留しなきゃいけないということになると。
 私はトウモロコシというのは基本的にはアメリカが補助金を出したりいろいろな中でやってるから今動いているのであって、本命はブラジルのサトウキビのようにほぼただでできるようなものはなっていくと思うのですが。市場経済の中でバレル60ドルが続いたって、そんなに世界で食い物から、やはり食い物の値段って化石燃料に比べれば非常に高いところにあるので、かなり政治的思惑がない限り私はペイしていかないと思うのですね。ただブラジルのサトウキビはほぼある意味でただみたいにできてくるものなので、あれは例外だと思って見ています。

○湯原検討員 トウモロコシは例に出したので、ヘクタール20トンとか30トンはトウモロコシはとてもできないから……

○川島検討員 サトウキビ

○湯原検討員 もちろんサトウキビとかそういうものが何とかするとかそんなものだと思うのです。
 ただ私はこの前お話ししたように、日本の貿易収支だってもう50ドル、60ドルで貿易黒字をどんどん作ってるわけだから、それが100ドルという時代は2050年考えたら来るわけですから。そういうことを見たら必ずしもアメリカのトウモロコシとかアメリカの農業でどうこうという話じゃなくて、やはり日本も農業の中にそういうエネルギー作物を考える時代が来ると思うのですね。
 今集落、私もよく見に行きますけれども、本当に休耕田がすごく溢れていると思うのですよね。ああいう休耕田200万ヘクタールぐらいあるのですか、今。100万ヘクタールは十分あるわけですね。そういうところで何をやるか。100万ヘクタールだったら2,000万トンのエタノールがとれるわけでしょう。そういうことを考えていったら必ずしもおとぎ話じゃないと思うのですね。

○川島検討員 ここで余り議論するあれじゃないと思うのですが。日本は60兆円輸出して50兆円輸入していて、大体10兆円分ぐらいずついつも貿易黒字が貯まっていて、それはアメリカの国債買ってると、それはここの話じゃないですが、経済が動いていますよね。その中で食料と燃料を輸入するのに使っているお金って大体3兆円ずつくらいなのですね。食料の中で一番重要な穀物の場合は6,000億円ぐらいを使っているので。そういうふうに考えると、要するにほかの産業でかせいでいる分のほんのエネルギーとか食料って微々たるものなのですよね。

○湯原検討員 それ違います。ことし2006年は10兆円を超えるはずです。鉱物の、石油、石炭、天然ガス、LPGで恐らく10兆を超えると思います。それで、貿易黒字も1桁超になるはずです。50兆、40兆というのはこのバレル高の前の話だと思います。ここでたしかご説明したと思います。

○安井座長 ちょうど時間となりました。ということでございまして。
 先ほどの若林先生の最初のお話なのですけれども、今のようなところからどういうキーワードを、五、六文字のキーワードプスラ50文字のディスクリプションという感じで5個というのが今の原案です。ですけれども、宿題のやり方に関しましてはまたちょっと相談をさせていただきますが。基本的なところは変わらないかなと思いますが。そんなような形で、化石燃料価格なんていうのは多分絶対的にどなたでも挙げて来られるかなという気がするのではありますが、そんなものは優等生回答に書いちゃうおうかなという気はいたしております。
 ということでございまして、いよいよこれで年を越しますと合宿まで何もないのかな。あとは宿題をしっかりお考えいただいて。あと、イメージをぜひ、森口先生のイメージも私のイメージも似たりよったりではありますがちょっと違うかもしれませんので、もし何かございましたら新しいインプットをいただければまた考えさせていただきたいと思います。
 事務局、何か、あと。

○苦瀬総務課企画官 どうもありがとうございました。次回、来月の合宿、非常に重要なものになりますので、事務局の方も準備をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それで、今のコアエレメントの提出方法などまたご連絡申し上げますが、その他も含めましてロジ的な事項など増田の方からご説明させていただきます。

○増田課長補佐 それでは、今申し上げたとおり、宿題の提出方法についてはまた別途ご連絡いたしますが、コアエレメントとそれから資料3の修正あるいは補完、そういったものについて1月9日までに提出を事務局までいただくといった依頼内容になるというふうにお考えいただければと思います。
 それから、1枚紙で超長期ビジョン検討会の合宿連絡事項という紙があります。それをちょっとご覧いただきたいと思いますが。合宿は1月19日の金曜日、午前10時開始でございまして、場所は東京ベイ有明ワシントンホテル2階のりんどうという会議室になりますので。ホテルの方のチェックインはせずに直接会議室までお越しいただければと存じます。
 それから、当日は19日の昼食、夕食、それから翌日20日の朝食までこちらの方でご用意をいたしたいと思います。解散は一応無事に済めば20日の正午を予定しております。
 また、各部屋でインターネットの接続が可能となっておりますので、もしお使いになりたい方はどうぞよろしくお願いいたします。
 それから、冒頭に申し上げましたが、みずほさんからの委嘱状の方も合わせてよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局からの連絡は以上でございます。

○安井座長 それでは、これにて閉会とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

午後 0時27分 閉会