環境省総合環境政策超長期ビジョン検討について

第1回超長期ビジョン検討会議事録


平成18年6月29日(木)14:00〜16:00
虎ノ門パストラル新館3階「すみれ」

○議事次第
1.開会

2.議事
  (一)超長期ビジョンの検討について
  (二)平成17年度予備的調査の概要について
  (三)検討会の進め方について
  (四)その他

3.閉会

○配付資料一覧
【資料】  
資料1−1 超長期ビジョン検討会及び超長期検討アドバイザリー・グループ設置要綱
資料1−2 超長期ビジョン検討会及び超長期検討アドバイザリー・グループ名簿
資料2 超長期ビジョンの検討について
(参考)第三次環境基本計画 超長期ビジョン関連記述部分抜粋
資料3 平成17年度予備的調査の概要
資料4 本検討会における超長期ビジョン検討の進め方
資料5 超長期ビジョン検討会の今後のスケジュール(案)
【参考資料】  
○環境超長期ビジョンの検討に関する基礎情報の収集調査報告書
 (有識者インタビュー結果)

○出席委員
安井至座長、明日香壽川委員、太田宏委員、川島博之委員、柴田康行委員、花木啓祐委員、原沢英夫委員、広井良典委員、細田衛士委員、森口祐一委員、湯原哲夫委員、湯本貴和委員、若林敬子委員

午後 1時58分 開会

○増田課長補佐 若干時間がありますが、皆さんお揃いのようですので、早速始めさせていただきたいと思います。
 冒頭の司会を務めさせていただきます環境計画課の増田と申します。本日はよろしくお願いします。
 議事に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
 座席表、それから議事次第、それから資料1−1としまして検討会の設置要綱、資料1−2としまして検討委員の名簿、それから資料2としまして超長期ビジョンの検討についてという資料、資料3としまして平成17年度予備的調査の概要、これには別添としましてカラー刷りの図表編がついております。それから資料4としまして本検討会における超長期ビジョン検討の進め方、資料5としましてスケジュールの案ということになっております。
 これ以外に、参考資料としまして、やや分厚いクリップ止めの資料、環境超長期ビジョンの検討に関する基礎情報の収集調査報告書、これは昨年有識者の方の意見をいろいろと伺ったときのものをまとめたものでございます。それから、4月に閣議決定されました環境基本計画のパンフレット、それから冊子を皆さんのお手元には配付しております。もし不足等ありましたら事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
 それでは、ただいまから第1回超長期ビジョンの検討会を開催したいと思いますが、最初に事務局の計画官をしております苦瀬の方から、本検討会の構成等についてご説明をいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○苦瀬計画官 環境計画課計画官の苦瀬でございます。本日は先生方お忙しいところありがとうございます。
 それでは、座らせていただきますが、本検討会の構成等について簡単にご説明申し上げます。
 資料の1−1に設置要綱がございます。それと資料1−2に名簿がございます。そちらを参照しつつ簡単にご説明申し上げたいと思います。
 この検討に関しましては、検討会とそれからアドバイザリー・グループという2つのものを設置しておりまして、いずれも総合環境政策局長からの委嘱ということで、局長に対しての報告または助言を行うという形式の設置のものでございます。
 メンバーの先生方は資料の1−2にございますとおりで、表側が検討会の先生方、裏がアドバイザリー・グループの先生方ということでございます。このアドバイザリー・グループの先生方は、後ほど経緯を簡単にご説明しますが、昨年度、17年度に予備的検討をしておりましたときにもアドバイザリーボードのメンバーとしてご指導いただいている先生方でございます。
 また、この2つの会の連携を図るというような意味もありまして、検討会の座長の先生には同時にアドバイザリー・グループのメンバーでもあるという形でご参画をいただいております。
 それから、昨年度の予備的検討は環境省から国立環境研究所に委託といいますか、請負の契約で調査検討をお願いしてきていたところですが、本年度はちょっと形式が異なりますけれども、西岡先生を初め、委員としてのご参画をいただいております。
 本検討会の座長につきましては安井先生を、それから座長を補佐する主査として西岡先生を、設置要綱に基づきます局長からの指名ということでお願いをいたしておりまして、あらかじめご本人にもご了解をいただいておりますので、ご了承くださいますようお願いいたします。
 それでは、本検討会にご参画いただいております先生方、本日ご出席の先生方を順次ご紹介させていただきます。私の左の方から順に、座席順でご紹介を申し上げたいと思います。
 まず、明日香壽川先生、東北大学の東北アジア研究センターの明日香先生でございます。
 それからお隣が、青山学院大学国際政治経済学部の太田先生でございます。
 それから、東京大学大学院農学生命科学研究科の川島先生でいらっしゃいます。
 それから、国立環境研究所化学環境研究領域領域長の柴田先生でいらっしゃいます。
 そから、東京大学大学院工学系研究科の花木先生。
 それから、アドバイザリーグループのメンバーでいらっしゃいます天野明弘先生。兵庫県立大学副学長の天野明弘先生でいらっしゃいます。
 それから、座長をお願いしております国際連合大学副学長の安井至先生。
 それから、国立環境研究所社会環境システム研究領域の原沢英夫先生。
 千葉大学経済学部の広井良典先生。
 慶応義塾大学経済学部の細田衛士先生。
 国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センターの森口先生。
 それから、東京大学大学院工学系研究科の湯原哲夫先生。
 人間文化研究機構総合地球環境学研究所の湯本貴和先生。
 東京農工大学農学府国際環境農学専攻の若林敬子先生でいらっしゃいます。
 あと、さらに順に事務局側を申しますと、総合環境政策局の総務課長の寺内でございます。
 それから大臣官房審議官桜井でございます。
 総合環境政策局長田村でございます。
 環境計画課長佐野でございます。

○増田課長補佐 次に、事務局を代表しまして、総合環境政策局長の田村から一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

○田村総合環境政策局長 環境省の総合環境政策局長の田村でございます。本日はお暑い中、そして何かとご多忙のところを、こうして第1回の超長期ビジョン検討会にご出席賜りまして、まことにありがとうございます。これからもよろしくお願い申し上げたいと存じます。
 この超長期ビジョンの策定でございますけれども、今も少しお話申し上げましたように、昨年度から予備的な調査を進めてきております。そして本年4月に閣議決定されました第三次環境基本計画、今日も机の上にお置きしておりますけれども、「環境から拓く新たなゆたかさへの道」ということで議論してきたものでございますが、この第三次環境基本計画の中におきまして、今後の環境政策の展開の方向として6つの大きな柱を立てております。そのうちの1つとして、長期的な視野からの政策形成、これを重視していこうというものを閣議決定しておりまして、その中で50年といった長期間の環境政策のビジョン、超長期ビジョンを策定するということを提言したところでございます。
 この超長期ビジョンにおきましては、これまでの既存の政策課題にとらわれないで、超長期的な視点から我が国が今後直面するであろうさまざまな課題を見出した上で、私どもの次の世代あるいはその次の次の世代にわたりまして、今から何をしなければならないかということを示すことが極めて重要だと考えております。
 人口、エネルギー資源、経済、国際情勢、枚挙にいとまがありませんが、いずれにしろ幅広い分野にわたりまして、多角的・専門的な見地から議論を行うことが必要と考えておりまして、この検討会にも今さまざまな分野の専門家の方々にこうしてご参加をいただいておるわけでございます。
 環境基本計画の中には、既に12ほど主要な論点、これは1つの例示でございますが、主要な論点を掲げております。温室効果ガスの大幅削減に対応した、世界、日本の脱温暖化社会とは、どういうものであって、どのように構築するかということをはじめといたしまして、循環型社会の構築や、さまざまな論点を掲げさせていただいておりますけれども、本検討会の議論というのは決してこの12に限られるものではございません。むしろそれぞれのご専門を踏まえながら、既存の枠組みにとらわれないで、忌憚のないご意見、そして活発なご議論を賜りますことをお願いいたしたいと思います。
 簡単でございますが、私のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○増田課長補佐 それでは早速検討に入りたいと思いますが、ここからの進行の方は座長の安井先生にお願いしたいと思います。座長よろしくお願いします。

○安井座長 座長を仰せつかっております国際連合大学の安井でございます。
 早速始めさせていただきたいと思いますが、今日は第1回の顔合わせということもございますので、後ほど一番最初にご発言されるときには、ご自分の専門の分野をちょっとだけ説明していただいてからご質問いただければと思います。これからはかなりインテンシブにやりますので、お互いにわかるようにはなるのでありますが、第1回ということで、そんなことでいきたいと思っております。
 本日の第1回は、主として今後どういう方法で検討していこうかということにつきまして合意が得られるというのが今日の落としどころでございます。本日議事に関しましては(一)、(二)、(三)、その他とございますが、最初の議事3つに関しましては、まとめてご報告いただきましてまとめてご質問いただくという形式をとらせていただきたいと思っております。
 それでは、早速でございますけれども、第1の議題でございます超長期ビジョンの検討についてということで、計画官の方からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○苦瀬計画官 それでは資料2を見ながらということで、簡単にご説明申し上げたいと思います。
 この超長期ビジョンの検討、先ほど局長からの挨拶にもございましたように、昨年検討しておりまして、環境基本計画というものが第三次の計画がこの4月に閣議決定されたのですが、実はその諮問をして検討を始めたのが昨年の2月ということで、その検討の始まってすぐぐらいのころに、環境省内でやはりこの超長期のビジョンというものをしっかりつくっていく必要があるのだろうということで検討を開始いたしました。
 そこで、環境省内でも検討したり、国立環境研究所にお願いをして、昨年度の予備的検討をするということになって、幾つか途中での行事のようなものが書いてあるように、いろいろ議論を進めてきたということでございます。
 それで、アドバイザリーボード、天野先生、安井先生あるいは先ほどの名簿、資料1−2の裏にあるような6名の先生方のアドバイスもいただきながら、予備的な検討ということでどういう課題があってどういうふうにやっていくべきものかということを検討いたしまして、この18年の4月、ことしの4月の環境基本計画では、先ほども局長からの話もありましたように、この超長期の展望が必要だということが明確に位置づけられた。その問題認識の一端はその三次計画自体にも反映されたということでございます。
 それで、2ページ目の「超長期の展望の提示」というのが環境基本計画での記述の概要のようなものでございます。例えば2050年という頃をとってみますと、世界的にも人口の変動とかあるいはいろいろな各国の経済状況の変動とかもあって、世界全体としても、そして当然それに伴って日本としても地球環境の問題など、さまざまな環境資源の制約などの問題に直面するだろうということで、環境基本計画の目標として、大きな目標の1つとして2050年頃の世界、アジア及び日本の環境を見通した超長期の展望を提示するのだということを謳ったわけでございます。
 今年度からの検討は、昨年の予備的検討を踏まえつつ、この基本計画に位置づけられたこれを、しっかり超長期のビジョンを作っていこうということでございます。そこで、その基本計画の中の記述としては、「施策の基本的方向」ということではここに書いてありますような複数シナリオの提示、それから望ましい将来像を示した上で、それに向かっていくバックキャスティングという考え方が重要ではないかというようなことも書いてございます。そして、それに向けた対応策・政策手法を検討し、さらに国際的な発信もしようというようなことが書いてございます。
 それで、「主要な論点」ということで、この基本計画には、右の四角の枠の中にある[1]から[12]のようなことが書いてございます。これは今後この検討会での検討で取りまとめていただく過程ではいろいろご議論をして整理をしたりということはあろうかと思いますが、一応環境基本計画でこのような重要な課題にはぜひ触れようということで順に掲げているということでございます。
 その下の「超長期ビジョンの役割」ということでございますが、ここで一応簡単にその役割らしきものを我々が思っているところを簡単に整理しますと、ここに書いてございますように、既存の政策課題や組織にとらわれない超長期的な視点から、今後50年を見据えた最重要課題を抽出し、不確実性に対応しつつ、いつまでに何をしなければならないかを科学的に提示し、カギとなる政策手段の提案、効果のシミュレーションというものへつなげて、そして今後の具体的な政策手段検討へのガイドラインとするというようなことであろうかということで思っております。
 この基本計画の記述のベースともなりました昨年度の予備的検討は、国立環境研究所に、一緒にといいますか、お願いをしてやってきたところでございまして、この後詳しくまた森口先生の方からもご説明がいただけるということだと思っております。
 とりあえず以上で終わらせていただきます。

○安井座長 それでは続きまして、議題(二)の方の説明を、昨年から委員をやっていただいております国環研の森口先生の方からご報告をいただきたいと思います。

○森口検討員 国立環境研究所の森口でございます。
 それでは、資料3を主に使いまして、それ以外に資料3別添のカラー刷りの図表編、それから黒いクリップどめで、「環境超長期ビジョンの検討に関する基礎情報の収集調査報告書」というのもございまして、以上3点を使いまして、ごく簡単にご紹介をしたいと思います。
 冒頭安井先生から、私も一委員という立場もございますので、少しバックグラウンドというお話もございまして、現在国環研の中では循環型社会・廃棄物研究センターということで、主に廃棄物リサイクル等分野の担当をしておりますけれども、専門は工学の分野でございまして、今廃棄物をやっておりますけれども、それ以外、エネルギー、温暖化の問題ですとか、従前は自動車排ガスの問題とか、かなり環境問題に広く係わってまいりまして、一方で環境情報ですとか環境指標、これは第一次環境基本計画以来、今日アドバイザリーグループでお見えであります天野先生のご指導のもとで、環境指標といった分野にも係わっておりましたので、環境問題の中で何が専門というよりは、かなり広くシステム的に俯瞰するというような仕事をやってまいりました。そういったことから、昨年度の予備的検討を少し中心的にお手伝いをさせていただいた立場でございます。
 資料はかなり膨大なものがございますけれども、今日は説明はなるべく簡単にさせていただきまして、またご質問、ご意見等がありましたら追加で説明をさせていただきたいと思います。
 資料3のパワーポイント、縦に2ページ1枚になっているものでありますけれども、2枚目のスライド、右下にスライド番号が書いてございますので、これに沿ってご説明いたします。
 2番のスライドで、17年度の予備的調査で何をやったかということですけれども、基本的にこの超長期ビジョンの検討というのをどういうふうに進めるのかという、枠組みそのものの検討をやってまいりました。これはアドバイザリーグループの先生方、先ほど名簿がございましたが、6名の先生方、17年度から既にご指導をいただいてまいりましたけれども、そういったところが非常に重要な部分であったかと思います。
 後ほどごく簡単に資料でご説明しますが、2番目の項目としましては、世界、特にアジアあるいは日本の趨勢、トレンドに関する情報の収集、整理をいたしました。
 それから、いわゆる将来ビジョンですとかシナリオといったものはほかの分野でもいろいろやられておりますので、こういった検討事例の収集をしております。
 それから、4番目に主要な論点の整理ということで、これは既に環境省の方からもご説明ありましたけれども、第三次環境基本計画、既に決定されておりまして、それの中に12の論点ということで盛り込まれております。予備的調査を進めながら、一方で環境基本計画というフォーマルな計画決定という手続がございましたので、予備的調査の中途段階、いわば中間報告的なものからここへ反映をいただいたということであります。
 それから、別途民間調査機関の方で請け負われて、有識者のインタビューというのがなされております。先ほどご紹介いたしましたクリップ止めの分厚い資料はそちらの報告でございます。大変有用な内容といいますか、非常に貴重なご意見を多々いただいておりますが、とても短い時間でご紹介できません。お時間のあるときにぜひお目通しいただければと思います。
 これは6名のアドバイザリーグループの先生方みずからにもインタビューをさせていただいておりますし、それ以外13名、合計で19名の先生方に17年度インタビューを実施しておりまして、それの結果が取りまとめてございます。
 それから、今日も後ほどご紹介しますように、主にこれまでの検討というのはどちらかといえば定性的なもの、それから一部統計データとかで定量的なデータもお示ししておりますけれども、今後そのビジョンを検討していくに当たっては、やはりしっかりある種の定量的な裏づけを取っていかなければいけないだろうということで、それを支える数値モデルあるいはデータベース、こういったものも必要であろうということで、こういったところについてもごく簡単にではありますけれども、調査あるいは概念設計をしてございます。
 裏へめくっていただきまして、この「資料の構成」でございますけれども、今日ご説明する項目は大体こんなところでございます。17年度の先ほど申し上げました検討項目にほぼ沿った形になっております。
 4ページ目のグラフといいますか、少しポンチ絵が描いてありますけれども、これが実は昨年の今ごろか、あるいは夏ごろにかけて、一番最初に環境省と国立環境研究所の間でこの検討を始めたころの、一番最初に私が描きまして持ち込んだ図でございます。
 先ほど既にありましたけれども、バックキャストということを今回かなり重視していこう。遠い先を見据えて、ではそこにどういうふうに到達すべきか、そこからいわば逆算をして、今から何をなすべきかというようなことについて見ていこうという、これが基本的な問題意識であろうと思います。
 そういう時間軸とともにやはり空間軸、日本が全世界あるいはアジアの中に置かれているという、そういう空間的な関係、あるいは日本の中でも日本を1つの地域として論じるということは余りにもマクロ過ぎるだろうといったこともありますので、少なくとも都市とそれ以外であるとか、いろんな地域的なことも捉えていく必要があるだろうというようなことも含めてここの中に表しております。
 それから、環境基本計画は非常に重要なものでありますけれども、やはり5年、長いようであり、その5年というのはここに書きましたタイムスパンに比べれば必ずしも長いともいえない、そういった時間のスケールもここに示しております。
 それから、真ん中の少し上には、どういう問題を捉えていくのかといったことの少し問題群の例を当時書いておりまして、この環境の超長期ビジョンの中で一体どのぐらいの問題まで取り組んでいくのか、取り上げていくのかというのが非常に重要な課題であろうかと思います。
 ここでもやはり、狭義の環境問題だけではなくて、資源・環境の総合的・予見的管理、あるいはさらに広い経済社会問題まで対象にしていくべきではないか、こういったご議論はございましたけれども、こういったスコープの中で検討を進めていくという、そういうことを当初は議論をしておりました。
 5枚目に「ビジョン検討の要素」ということで書いております。これは後ほど資料4の方で原沢委員の方から再度話があるかと思いますけれども、どういう手順でこのビジョンの検討ということを進めていったらいいのだろうかというようなことを書いております。これはちょっと後ほどの説明の方に譲りたいと思います。
 それで、6ページ目からのスライドで、3枚ほど「アドバイザリーボードでの主な指摘」を簡単に書いております。
 6ページ目の、3枚のうちの1、3分の1ですが、これは「ビジョン・シナリオの基本的な想定」ということで、まず基本的にどういうところに注意をすべきかということで、特に空間的にどういう範囲を扱っていくのか。あるいは時間軸、当面2050年というのを1つのポイントとして、目標年として掲げておりますけれども、これでいいのかどうか。あるいはこの時期の意味ということもやはり議論があろうかなということがございました。
 それから、シナリオとかビジョンとかいう言葉、これは後ほど資料4の方でご紹介といいますか、説明があろうかと思いますけれども、ちょっとその言葉の定義のことは後で触れるとしまして、シナリオ、ビジョンというものをどのようにつくるかということに関する議論をかなり時間をかけてやっております。
 それで、ビジョン、それを仮に望ましい将来像というふうに定義するとすれば、それはだれにとって望ましいのかということですとか、それが1つでいいのか複数あるのか、到達先が複数あるのか、あるいはその道筋が複数あるのか、こういったことについてもいろんな議論をしてまいりました。
 めくっていただきまして、7枚目のスライドでございます。その「進め方に関して」でありまして、冒頭事務局の方から、この検討会自身あるいはこの検討会とアドバイザリーグループを通じた進め方についてはご説明あったわけでありますけれども、そもそもシナリオあるいはビジョンというものが、だれが何のためにつくって、どう使うかということをやはり明確にすることが必要であろうということ。あるいはこういったビジョンであるとかシナリオを作成する人と、あるいは私どもは研究者の役目かもしれませんけれども、モデルのビルダーあるいは科学的知見を適用する者の役割分担、こういったことについてもご議論がございました。
 それから、そういう専門的につくる側だけではなくて、もう少し参加の仕組み、これは一部の人たちだけが合意をすればいいというものでは恐らくないだろう。それを実際つくるだけではなくて実行していくということになれば、やはりそのコンセンサスを得ていくという必要があろうかと思いますので、そういう意味でなるべく広い意見を聞く仕組み、あるいはそういったものに関して各方面と対話していくような仕組みということもかなり議論がございました。
 8ページ目はもう少しテクニカルな話題でありまして、さっき申し上げましたように、そのビジョン・シナリオ研究の検討を支える数値モデルあるいはデータといったものに関してどういうようなことが求められるだろうかというようなことの議論がございました。
 それで、ちょっと端的なポイントは、下の2つだけちょっとご紹介したいと思いますけれども、例えば気候変動1つをとりましても、科学的な知見が十分に整理・発信されずに、偏った見解が流布されているようなことがある。それを放っておいていいのか、そういうご指摘もございます。ですから、まずその科学的知見を客観的にしっかり整理をして、それから先のことを考えるべきだ、こういうご議論もございました。
 一方で、これは少し私の私見も入っておりますけれども、なかなかそこに決着をつけるということになると時間がかかる。それを待っていてはその対策は手遅れになるというようなことも一方ではあるわけでございまして、いずれにしましても、共通の議論の土台になるような、シンプルでわかりやすいような、それはドライビングフォース、どういうものが環境へのインパクトということにつながっていくのか、そういう構造がわかるようなものがほしい、そんなご議論がございました。
 以上が全体の枠組みに関すること、あるいはそのアドバイザリーグループでの主なご指摘でございます。
 9ページ目に「既存文献調査を主体としたまとめ」という、いわばちょっと目次的なものを挟んでおりまして、世界とアジアの主要なトレンドあるいはそういったものに伴う課題、あるいは日本の主要な趨勢と課題ということに関してでございます。これにつきましてはカラー刷りの別添の方にまとめております。それの中での章立てとしましては、資料3別添の方をごらんいただきたいと思いますけれども、これは本当にごく一部の抜粋でありますけれども、スライドにしまして40枚弱つけております。前半部が世界、後半部が日本ということでありまして、その世界編と日本編と若干その分野によって粗密がございますけれども、一番ベースになる人口から始まりまして、いろんな分野、主要な図表、ごくごく一部でありますけれども、ピックアップして持ってきております。恐らくこれは、図を1枚ずつご説明しておりますととてもとても時間がかかりますので、本当に斜め読みで、めくりながらご覧いただければと思います。
 3番、4番あたりはいわゆる人口のトレンド、5番、6番あたりが世界経済、あるいは経済と少し対に考えるべき貧困の問題といったところを取り上げてございます。7番、8番あたり、これはミレニアム・ディベロップメント・ゴールズということで、これはどちらかというと途上国も含めた意味での開発、発展といったことを考えた場合にこういった分野まで入ってくるわけでありますが、果たして我々が取り上げるビジョンの範囲は、こういった非常に広い問題も含めた上で一体どのあたりまで見ていくのだろうかということの1つの参照として見ていただければと思います。
 9番、10番は主にエネルギー資源関係、原油価格なんかも含めまして、主要な図表をやっております。ちょっと整理が悪くて10番と11番は少し図表がダブっておりまして、大変失礼いたしました。森林資源の問題あるいはそういったものの国際取引といったものを書いております。
13番、14番あたりは貿易ですとか、あるいは各国別の主要ないわゆるインフラ整備のための資源の生産動向なんかを書いております。
 1点だけちょっとご紹介させていただきますと、14ページの左の方の図、主要国の粗鋼生産量の推移ということで、赤いグラフで中国の粗鋼生産量の伸びというのが非常に著しい。あるいは黄色、右側の粗鋼生産量、これは国民1人当たりでありますが、これにつきましても、例えば韓国なんかの伸びが非常に大きいですとか、こういったアジアの近隣諸国の経済発展の目覚しい様子がこういうグラフの方からご理解いただけるのではないかなと思います。
 16番、17番あたりの水、それから18番の食料の問題ということを取り上げておりまして、このあたり、日本国内の問題としてはやや遠い問題のように感じられることもあろうかと思いますが、世界的な環境問題あるいは持続可能な発展にとっては水というのは非常に重要な要素であろうと思います。
 20番、漁獲というようなことで挙げております。水産資源というのも日本とは非常にかかわりの深いところかと思いますけれども、世界トータルで見た水産資源の状況、こういったものもやはりしっかり見ていく必要があるだろうというようなご意見もございました。
 21、22あたりで、これは少し世界の環境の本当のさわりのデータだけ書いておりますけれども、COあるいは温室効果ガス、温暖化の問題というのは、これはもう皆さんよくご存じの問題ではないかなと思います。放っておくと非常に大きな温度上昇が予想されるということで、例えば2度に抑えるためにはどのぐらいのガス濃度に安定化しなければいけないのか、こういった研究もかなり盛んにやられておりますし、それから昨年度の検討を私ども国立環境研究所の方で主にお手伝いさせていただいた1つの大きな理由は、脱温暖化2050プロジェクトということで、2050年ごろをターゲットとした温室効果ガスの大幅削減のプロジェクトを動かしている、それを既に始めているところがありまして、そういったところから得た成果も一部こちらの方に書かせていただいております。
 23ページ、24ページあたりで少しアジアの大気汚染物質の排出量ですとか、あるいは24では世界全体の土壌劣化といった問題も取り上げております。
 以上がほぼ世界関係のものでありまして、これは本当に時間の関係がありましてごく一部だけ抜いてきたものでありますけれども、こういう既存の資料、このビジョン検討の参考になりそうなものというのを一通り昨年の作業の中で集めております。
 25番以降は日本に関するものでありまして、同じく人口から始めております。これも再三報道あるいは皆さん方ご存じのように、今後日本は少子高齢化が進んでいく、人口減少ということもありますし、非常に著しい高齢化が予想されるということで、そういったものの基本的なデータをお示ししております。
 27ページ、28ページあたりは将来の経済成長あるいは産業の生産の割合、あるいは雇用のシェアといったことを見ておりますけれども、要は2050年に一体日本経済というのは何で食っているのだろうかというのは、そういうところの議論をしないとその環境の想定というのは非常にしにくいという、こんな議論がありました。これはあくまでも最近のトレンドのデータだけでありまして、将来をなかなか見通せない部分があるわけですけれども、そういったところが非常に重要な要素になってくるかなと思います。
 それから30番、31番あたりでエネルギー関係のものを少し書いております。これもごく一部ですし、特に温暖化対策関係の分野では随分これ以外にもいろんな資料が出ておるかと思います。
 32番は木材自給率というようなことで、非常に対外依存度が高いまま推移しているもの、ますます対外依存度が高くなっているものの例として木材なんかのデータも挙げております。
 水に関しては少し地域の偏在という問題はあろうかと思いますし、地域によっては渇水といった問題もあろうかと思いますけれども、世界的に見れば水は非常に重要な問題であるということはさっき取り上げたとおりであります。水に関しては国内の水消費というよりは、むしろ間接的な水の消費量、バーチャルウォーターというような概念で提案をされているかと思いますが、日本で農産物等を輸入、消費することに伴う世界的な水資源消費あるいは土地資源消費といったことが関心を集めているというところかと思います。
 若干関連しますけれども、35ページあたりには食料の輸入依存度といいますか、自給率、こういったものの最低限のところをお示しさせていただいております。
 それと、これも対でありますけれども、日本の農林水産人口の減少、衰退といったことの状況もあらわしております。
 それから、そういう地方、農林水産業と、これも対ですけれども、都市部の状況がどうなっていくかということで、例えば住宅です。日本の住宅の耐用年数は非常に短いということで、これもよく知られているところかと思いますけれども、今後、戦後建てられたインフラ、住宅等が建替えの時期を迎えるだろう、かなりそういう意味では廃棄物が出てくるというようなことも、短絡的にはそういうところもありますし、もろもろ、そういうインフラの再整備といったことも1つのポイントになってこようかなと思います。
 最後、39ページ、40ページあたりには、交通の関係、これまでやはり交通、特に自動車交通というのはずっと右肩上がりで来るというようなことで考えてきた分野かと思いますけれども、いよいよこういう分野でも少し下がってくる兆しが見えるというようなところでありまして、その一方で例えば一番最後のグラフにありますように航空需要だけ、飛行機の輸送量だけはもうどんどん伸びる予想になっているという、こんなところまで示しております。
 それで、国内の環境データに関しましては、これももろもろのものがたくさんあるわけでありますけれども、主に今日ご紹介した中では、ドライビングフォースといいますか、世界あるいは日本全体がどういうふうに推移していくのかといったことを説明資料にかいつまんでご説明をいたしました。
 それで、資料3本体の方に戻っていただきまして、11ページでございます。今ご説明したようないろいろなトレンドのデータを見ながら、じゃ当面取り組むべき重要課題の例としてはどんなものがあるだろうかということで、先ほど環境省の方からもご紹介ございましたように、環境基本計画の中に重点的な取組み事項、そこの中での主要な論点ということで、これはあくまで例示でございますが12課題が書いてあります。
 ごく簡単に、ちょっとほかの機会がないかと思いますので、ご紹介させていただきますと、先ほどご紹介ございましたとおり、日本の脱温暖化社会あるいは世界の脱温暖化社会というのはどういったものだろうかということを具体的に描いていく必要があるだろう。これは既に研究プロジェクトが別途進んでおります。当然その温暖化の影響を避ける方向に行かなければならないわけですけれども、そうは言え、全くその影響なしというわけにはいかない。いかないとすれば影響に対してどう対応するかということも今から考えていかなければいけないだろうということでございます。
 3番目の課題というのは特にアジア地域の環境問題ということで、既に廃棄物、日本での使用済み物品の輸出といったもの、それに伴うアジア諸国の汚染ということも懸念されておりますけれども、それにとどまらず、東アジアでの環境協力、あるいは東アジアレベルでの持続可能な開発をどう進めていくのかといった問題があろうかと思います。
 日本と世界とのかかわりというのは随分議論がありまして、一体どのぐらいの範囲まで視野に入れるのかという話がありましたけれども、やはりアフリカ等のいわゆる世界全体で見た場合の地域的な危機ということに日本がどういうふうに係わっていくのか、全く係わらなくて良いのか、やはり一定規模係わっていかなければいけないのか、これも非常に重要な論点であろうと思います。
 5番目は、いわゆる制約でございます。環境・資源・エネルギー制約に対して、技術的にどういうふうに対応していくのか、あるいは社会システムをどう変えていくのかといったことで、廃棄物問題あるいは温暖化問題ということだけではなくて、もう少し広いエネルギー・資源制約に対応した社会を特に技術面、制度面でどう改革していくのか、それにどう対応して行くのかというのが1つあろうかと思います。
 6番目は、生態系ネットワークという言葉がキーワードかと思います。その国内の問題だけではなくて、やはりそれを取り巻く地域とのつながりも含めて、生物多様性をどういうふうに確保していくのかという問題。
 それから、7番目は先ほどトレンドで申し上げた少子高齢化あるいは人口減少といったことで、環境関連の社会資本、これはいわゆるインフラで、人工のもの、人がつくり上げた資本でありますし、一方で自然の資本といいますか、生物多様性の観点を含めてですけれども、二次的自然の維持形成、中山間地域といったものをどう維持していくのか。いわゆる人工のものであれ自然のものであれ、資本をどう今後維持していくのか、これも日本の人口減少あるいは少子高齢化社会に対応した新たな考え方が必要であろうということであります。
 それから、8番は、これはさっき少しご紹介した中国等の経済発展に伴い、資源の国際的需給が逼迫してくるということが考えられて、そういったことに関してどういうふうに産業を活性化していくか、ちょっとこれはすみません、先ほどのは二次産業関係のを申し上げましたけれども、これは食料ですとか、木材なんかも含めて、どっちかというと第一次産業ですね、国際的な資源需給の中で国内の資源産業というものをどういうふうに活性化させていくのか、そういう観点であります。
 それから、9番目、これはどちらかというと従来型の環境汚染問題としてこれまで蓄積されてきた問題、これを将来にまだ少し負の遺産として先送りする部分が残っているわけでありますが、こういったものをどう考えていくのか。
 あるいはまだ発見されていないような、知られていないような新たな環境リスクに対して、これはなかなか予想のつけようがないわけであります。早期発見・早期対応の仕組みをどうつくっていくのか、こういった問題があろうかと思います。
 それから、高齢者の社会参加を含めたライフスタイル、地域社会づくりのあり方ということで、これは環境問題そのものというよりは、その環境問題に対応するキャパシティーをどういうふうに作り上げて行くのか、そういう問題ではないかと思います。
 それから、最後12番目が、技術・研究・経験ということで、やはりさまざまな環境問題を克服してきたその国として世界にどのように貢献していくのか、こういった視点に12点まとめてございます。
 12枚目のスライドで下から2番目の項目、「有識者インタビューの概要」ということでございます。これは既にご説明したとおり別添資料にまとめられております。これは説明の方は省略させていただきます。
 最後の項目として、シナリオ、ビジョン検討の事例ということで、具体的にある種の計画でありますとかいろんな構想で検討された事例をごく簡単にお示ししております。ちょっと順序が前後しますけれども、13ページ、14ページあたりには国内、関係各省で実施された例えば将来の技術予測でありますとか、エネルギービジョン、こういったものを少しつけさせていただいています。これはちょっと複数のビジョン、シナリオというよりは、それの前提になるような情報の整理ということになろうかと思います。
 15ページ、スライドの15番以降がいろんなシナリオの検討事例ということであります。
 16番には環境行政、環境庁あるいは環境省みずからがこれまで進めてこられた長期計画ですとか、ビジョンの検討・策定事例ということを書かせていただいております。環境保全の長期計画ですとか長期構想、こういった名前のものも70年代、80年代、随分早い時期にやられておりましたし、最近では環境と経済の好循環ビジョンといったものもございます。こういった歴史の中で、時々やはりこういう長期という議論は出てきたと思いますが、ただ超長期という言葉が出たのは恐らく私が知る限りでは今回初めてではないかなと思いますし、恐らくやはりタイムスパンがそれぞれ、過去に考えていたとき、まあ10年程度が主体であったかと思いますが、だんだん長くなってきているということではないかなと思います。
 スライドの17番、18番、19番、このあたりについては、今ご紹介しました環境省の過去の検討事例の主要なエッセンスのところを文章の方から抜き出しております。
 20番以降は、まさにこれは複数シナリオあるいは複数のビジョンの想定例ということで書いております。都市環境の将来シナリオというようなことの例が20番、それから21番目、これは非常に有名かと思いますが、IPCCのエミッションシナリオのスペシャルレポート、SRESというのがありますけれども、それに合わせまして日本向けのエミッションシナリオをつくるときに、4つの大きな少しずつ異なるタイプの世界を想定したというのがございます。そういうような例でございます。
 それから、22番は、これは循環型社会形成推進基本計画の策定が進んでおりました2001年、2002年ごろでしょうか、これも温暖化の方で検討していたモデルを活用したものでありますけれども、どういうような循環型社会の姿があり得るのかというようなことで、3つぐらいのパターン、非常に高度な工業化社会とかから、少しライフスタイルの転換、地産地消といった社会変革的なシナリオ、それからそれのやや中間的なものになるかと思いますけれども、環境産業、産業技術の特に環境に特化したところでの技術の高度化が進むシナリオ、こんな3つのシナリオを書いていたような例がございます。
 それから、あと、世界のシナリオの例として、IPCC、これは非常に有名かと思います。さっきこれに対応した日本版のものはご紹介したところであります。それからUNEPがやっておりますグローバル・エンバイロンメンタル・アウトルック、これはGEO3の例を示しておりまして、現在GEO4の策定作業が進められているということかと思います。
 それから、民の方では、WBCSDの方でつくられたシナリオ、それからちょっと分野特化したことになりますが、IEA,OECDの国際エネルギー機関でつくられましたエネルギーのシナリオ、それから非政府の研究機関ということで、ストックホルム・エンバイロンメンタル・インスティチュートがつくったシナリオ、それから国連のミレニアム・エコシステム・アセスメントといったことで、大体3つとか4つぐらい、あるいはもう少し多いものもありますが、いろんな将来像、シナリオあるいはビジョンを作ってきたものの例を示しております。
 29ページが、これはさっきもご紹介しましたように、特に温暖化に特化した、2050年ごろに向けた長期の温室効果ガスの削減シナリオ作りというのが欧州諸国でかなり進んでいるということの例でございます。
 これらの図表の最後でありますけれども、30ページ目、これは1枚だけ書いておりますけれども、こういった非常に幅広い分野の検討をやはり数量的に裏づけていくというか、大変膨大な作業でございまして、これはとても短期で我々1からやるのは無理でございます。そういったもので既存のもので何か一番近いものはないだろうかということでいろいろまだ探しておる段階ですが、1つの候補としては、デンバー大学のBarry Hughesらによるインタナショナルフューチャース、IFsというようなものがありまして、これは非常に広い範囲での過去のトレンドのデータあるいはその将来予測のモデル、こういったものが組み込まれて、一応表出力ですとか地図出力、こういったインタフェースまでついておりまして、これも公開をされております。
 彼は、私昨年の秋ある会合でたまたま直接会う機会があったのですけれども、少し古典でありますし、またそれそのものに対する賛否はいろいろあろうかと思いますが、いわゆるローマクラブのやった成長の限界という古典があろうかと思います。それを、その主要なメンバーでありましたデニス・メドーズがずっと将来のサステイナビリティーを考えるような有識者の合宿会議をやっておりまして、このバリーもそこのメンバーでございます。そういったグループが、どちらかというとシステムダイナミックス的な手法でずっとできておろうかと思いますけれども、それを裏づけるためのモデルといいますか、データベース群ということで作られてきたものの例ということでご紹介をさせていただきました。
 非常に走っての説明になりましたけれども、大体以上のようなことを昨年度進めてまいったということのご紹介でございます。

○安井座長 ありがとうございました。
 以上、議題の(一)超長期ビジョンの検討について及び(二)17年度の予備的調査の概要につきましてご説明をいただいたわけでございますが、これからどうやるかに関しましては次にまたご説明いただいた後でご質問いただきたいと思いますけれども、ここでご質問いただきたいことは、どうしてそんな検討をやったのかとか、あるいはその背景とか、そういったようなことに関しまして、今もしご質問ございましたら一応15分ぐらいの時間をとってございますので、何かご質問いただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。いきなり質問しろと言われてもなかなか難しいようには思うのでありますが。どうぞ湯原先生。

○湯原検討員 東京大学の湯原です。私は大学院で海洋工学を専攻しております。学部では環境・エネルギーシステムコースという工学部の学生にエネルギー論をやっております。
 それで質問なのですけれども、なぜ2050年なのか、バックキャスティングということをちょっと履き違えているのじゃないかと思うのですね。それはやはり政策的にバックできる可能なレンジというのがあるわけで、2050年というのはこのテーブルにいる方はほとんど生きてないわけですから、やはりバックキャスティングで何か長期的な社会をちゃんと見通して、それを明日からの政策でそれに近づけようというのがバックキャスティングだから、せいぜいやはり2030年、私たちはトリプルフィフティというエネルギー論をやりましたけれども、そのときも議論はやはり2030年、それ以上向こうは無理ということなのですね。
 それで、今お話を聞いていても、フォアキャストで見ればやはり2030年ぐらいに環境危機とかエネルギー危機とか食糧危機が予測されるのではないかと思うのです。想定される危機が全部終わった後の社会を一体どういうふうに見通すのかと思います。2030年ごろ迄に、環境・エネルギー問題で、破滅しないようなあるべき社会を描いて、そこからバックキャスティングして環境政策を作っていくというのが基本だと思うのですね。今お話を聞いていてそう思いました。
 それから、ご説明頂いたデータは全部これ、フォアキャストのデータです。フォアキャストのデータをこれだけ見たって何も出てくるわけはないのであって、おかしいのではないか、検討のプロセスがおかしいのではないか。
 その2点、素朴な質問であります。

○安井座長 これは私がお答えをするのがいいのか、私は個人的にしかお答えができないのでありますが、それをお答えするのがいいのかどうか。後でやはり事務局側からの若干のご説明をいただいた方がいいかと思うのですけれども、1つはバックキャストという言葉の定義にかかわることかなと思っています。なぜ2050かといいますと、1つは先ほどもお話ございましたように、現世代が責任を取り得ない先ぐらいじゃないと今の背後霊に支配され過ぎる。要するにそれぞれが持っている状況に支配されすぎて先の議論がかえってできないのじゃないか。したがって2050ぐらいまで行ってしまうとほとんどだれも責任を取らないで済むという、そういう世界でございますから、むしろかえって議論ができやすいのではないか、それが1つでございます。
 それから、私の個人的な認識ではございますが、その2050というのは恐らく地球の人口がピークを迎えているときである。ですからそれから先は多分減り始めているのだろうと思うのですが、もう少し手前で減るかもしれませんが、そういうある意味で人間が一番多く生存しているであろうあたりのシナリオというのをやはり書いておくべきじゃなかろうかというのがその2ですね。
 それで、どっちかというと先ほど申しました前半の方が強くて、例えばエネルギーの分野でも、日本のエネルギー政策というのは、ありとあらゆるものが今の現状を是認した上でシナリオを書いたフォアキャストでしかない。それはやはり一旦今の立場を切り離そうよというスタンスが重要かなということでございます。
 後の方法論で、バックキャストのデータ云々でございますが、これはまた後でどういうやり方かというのを議論していただきたいと思うのですけれども、むしろバックキャストというのも私の今の理解ですともっとずっと緩くて、要するにそのころ2050年というのを例えば人口80億弱、78億ぐらいだと仮定したとして、いろんなものを、資源や何かを配分を考えていくとこんなふうになっちゃうのじゃないのみたいな着陸地点を書いてみて、そこへの着陸というか、滑走路はあるのですけれども、そこへどういう航路で、最後に曲芸で宙返りでもしながら着陸するのか、その辺を含めた、何といいますか、だからある意味でそこを目指して今からどういうふうにフライトプランを書くかというのをバックキャストと定義をしているぐらいでありまして、それをやっていくと途中でどうしても制度的にも技術的にも無理が来るかなというようなものを検討できたら良いのじゃないかというような、その程度のスタンスで今のところ私は軽く考えているという状況ですね。
 これは後で検討のやり方のところでまたご議論いただければいいかと思います。

○湯原検討員 ちょっと今の、私はエネルギーに関して皆さんに正確な情報を与えなければいけないので申し上げたいと思うのですけれども、最近「新国家エネルギー戦略」が出て、2030年の数値目標を定めて、石油は40%にするというのですね。さらに2030年に省エネ効率を30%にするというのですね。ということはどういうことかというと、2030年までに石油を半分にするというのですね。これは明らかにバックキャスティングだと思うのです。新国家エネルギー戦略をよく読まないとわからないような仕組みになっていて、2030年の五つの数値目標だけが出ているわけですね。あれを組み合わせてみると、実に石油を半分にする。全体の約4分の1にするということをエネルギー政策で打ち出して、大丈夫かなと私も心配になりました。
 私は直接関係していませんけれども、エネルギー政策がフォアキャストで積み上げているばかりではなくて、政策的にもバックキャストというのがだんだん取り入れられてきている、エネルギー政策すら2030年に石油を半分にするぞということを言ったわけですから、だんだんとバックキャストに向かっているのじゃないのかということをコメントしたいと思います。

○安井座長 ありがとうございました。
 あと、今湯原先生のご質問に対して多分答えをしなければいけないのは森口先生も1人だし、あと事務局も何か一言、二言あるのかなという気もいたしますが、どうぞ。

○森口検討員 座長自らもうお答えいただいてしまいましたので、私が余りつけ加えることはないかもしれませんけれども、2050年という時期がいいのかどうかというのは随分議論がございました。それで、2世代ぐらいでその責任の取り方みたいな議論はもう安井座長おっしゃったとおりなのですけれども、湯原先生おっしゃったとおりに、仮に2030年というのが非常にやはり重要な時期であれば、もう少しそちらにターゲットを絞っていく必要があるのじゃないかという、こういう議論もございました。2050年を見通す中でやはり2020年代、2025年頃とか、その頃をどうするかというのは非常に重要だと、そういうご意見もいただいております。それがもし早い段階である種のフォアキャストをして、そこがはっきりしている、やはりそこの越し方が問題なんだということのコンセンサスが得られれば、それはそれで少し時間のスコープを立て直すということはあろうかと思います。
 ただ一方でその2030年に別にそんなに危機は来ない、2050年ぐらいまではやはりもつのだ、そのぐらいやはり不確実性があるのだということであれば、やはり2050年ぐらいも見据えてやる必要があるのじゃないかと思います。このあたりはぜひ、このまま行くといつ頃どうなるかというところの部分は、やはりある種の意識を共有しなければいけないところではないかなと思っております。
 後半のフォアキャストのデータばかりでバックキャストがないのではないか、ご指摘のとおりでございますけれども、若干言い訳をさせていただきますと、資料の3の5ページ、資料の4で後でご説明するのであえて説明しなかったのですが、「ビジョン検討の要素」ということで、大体5段階ぐらい書いております。ビジョン検討というより、むしろバックキャストの要素ということになろうかと思いますけれども、最終的にそのバックキャストをしていくためには一通りのステップを経なければいけないわけでありますけれども、予備的検討の中では特にこれの前半部分、社会経済の大きなトレンドをもとにすると、どういう重要な問題、避けるべき問題があるだろうかという、こういったところをやはりまず整理をしよう。
 それで、先ほどの基本計画に書き込まれた12課題というのは、まさにこの2番目ぐらいまでの整理をしたところでありまして、それがほぼ整理ができれば、その後、3、4、5といったところ、まさにそのバックキャストの本質のところをつくっていくのが今年以降の本格検討のプロセスだと思っておりましたが、昨年度実はそこまで答えを書いてしまうと、この場の本当の非常に重要な役割が無くなってしまうということで、実は私どもなりにごくごく簡単には、こんな出来上がりのイメージかなというふうに書いたものはございますけれども、それは予断を与えるといけないということで、ちょっと今日お付けしておりません。
 それから、やはりやるべきであったと思われるのは、ほかでやったバックキャストの事例の典型的なものがあればそれは少しご説明すべきであったかと思います。それについては、もし次回以降機会があればご説明をしたいと思います。

○安井座長 事務局何か。

○苦瀬計画官 既に両先生からお答えいただいているので余りたくさんはつけ加えませんが、環境基本計画の審議で中央環境審議会で議論したときにもこの長さ、短さという問題はあったのですけれども、やはり課題によって大きな危機が発生するかもしれない時期とか、あるいは大きな転換点というのが異なるということはあるのだろうと思いますから、そういう意味で本当に1点だけいいのかということはあろうかと思うのですが、安井先生がおっしゃった点、森口先生がおっしゃった点のとおりで、1つは2050年はそういう超長期ということで、状況から見て1つのポイントだろう。それからその前に2020年代、30年ごろというのも意識されるべきであるというのも、実は後の資料にもちょっと出てくるかとは思うのですけれども、それは検討によってそういう途中の時点にも多少重点を置く必要があるのかもしれない。さらに逆に100年とか1,000年とか、そういう先まで見通して、数十年を凌げればそれでいいということではなくて、さらに超長期まで展望しなければ本当はいけないという中で、ということもありつつということだと思うので、いろいろご議論はあろうかと、まさにその問題を含めてのご議論をいただくかとは思うのですが、その1つのポイントとしては2050年ということを置いて、さらにそこからずっと持続可能な社会を目指すというようなことかなと思っております。

○安井座長 ありがとうございました。
 他に何かご質問等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。後でも非常に関連したご説明がこれからあることになっておりますが、行ってしまいましょうか。
 それでは、一応(一)と(二)、いささかちょっとまだ不十分かもしれませんが、議題の(一)と(二)をここで終わらせていただきまして、次でございますが、議題の(三)、この検討会の進め方に関しまして、事務局側からですか、計画官からまずご説明いただきたいと思います。ああ、資料4について、そうすると原沢さん、それじゃどうぞ。

○原沢検討員 国立環境研の原沢でございます。資料4に沿いまして、本検討会における超長期ビジョンの検討の進め方ということについて、原案をお話したいと思います。
 今森口さんの方からお話があったような昨年度の作業の結果と、この1カ月ぐらいかなり密に、言葉の定義等の議論をしてきて、そのまとめという形で今日お出ししております。
 まず2枚目でございますけれども、ビジョンという言葉の定義です。ビジョン、シナリオという言葉はいろんな場面で使われている。また分野によってもまた使い方が異なるということですから、その辺の議論がまず必要ではあるのですけれども、そうはいってもある程度方針的なものをお示しして、それをもとに議論した方がいいではないかということであります。
 それで、ビジョンとシナリオという言葉はいろいろ使われているということですが、ここではこういう形で使ったらどうかというご提案であります。
 [1]が「(実現したい望ましい)将来の社会像・環境像」を大きな意味でビジョンと言ったらどうか。そして、[2]といたしまして「[1]を実現するまでに生じる社会・経済・環境の変化の過程」もある程度かかわりますし、[3]で「[1]の実現に必要となる政策実施の道筋」といった幅広い内容を含む言葉としてビジョンという言葉を使ったらどうかということであります。注としまして、従来ですとこの[1]のみを指してビジョンと言うこともあるということで、この本検討会では、ビジョンという言葉をこのまま使いますとちょっと混乱することもありますので、例えば、これのみを区別していう場合を、例えば「着地点」あるいは「目的地」という形で、先ほど座長の方からもご説明があったような、フライトプラン等々の話もありまして、こういう言葉の使い分けをしたらどうかということであります。
 それで、[2][3]につきましては、いわゆる将来のあるべき姿に至る過程あるいは道筋というのを主に念頭に置いた場合には、[1]までを含めてシナリオと呼ぶこともある。
 3番目は、[2][3]のような過程(道筋)のみを指してシナリオと呼ぶこともあって、これのみを区別して言う場合には、例えば飛行経路ですとかロードマップという形で、少し言葉を使い分けた方がいいのではないかという、そういう提案であります。
 これにつきましては多分後でいろんな議論が出てくるかと思いますので、一通りお話を進めたいと思います。
 3ページに参りますが、もう既に森口さんの方からお話があったのですけれども、「ビジョンの検討の要素」ということでありまして、これにつきましてはフォアキャストとバックキャストというのが既に質疑の中で出ておりましたけれども、[1]から[5]について、こういう流れで検討したらどうかということであります。
 それで、[1][2]がフォアキャストでありまして、社会経済の大きなトレンドをしっかり押さえていく。そのトレンドの中で予想されるようないろんな問題を明らかにしていく。それを踏まえまして[3][4][5]、問題を回避しながら、あるいはそうした問題のあるなしにかかわらず、実現したい望ましい将来の社会像・環境像、これは狭い意味でのビジョンあるいは目的地という言葉に相当いたしますが、それを設定する。それに至る[4]でありますが、望ましい将来に向けて現在・近未来に着手すべき課題を明らかにして、[5]それを実行するための政策手段を明らかにするということであります。[3][4][5]がいわゆるバックキャストにかかわるビジョンづくりということになってまいります。
 それで、フォアキャストとバックキャスト、もう既にこれは先ほど議論があったのですけれども、ここではこういう定義をしたらどうかというご提案でありますが、フォアキャストにつきましては、4ページ目ですけれども、「現状から出発して、趨勢や追加的な対策の帰結として生じる将来の姿を探索的に展望する」という定義ではどうかということであります。それで、その上の図の関連する項目といたしましては[1][2]であります。
 バックキャストにつきましては、「将来のあるべき姿を設定し、現状からそこに至る道筋を導き出す」ということで、これは[3][4][5]という形での対応になっております。
 今回の検討では、目標とする将来の姿、これは着地点と呼ぶことにいたしますが、を設定して、それを達成するための道筋を導き出すバックキャストが中心であるということ。もう1つはバックキャストの着地点を設定する前提としてはフォアキャストが必要だが、それについては主として既存の知見を活用する。フォアキャストについては先ほどご紹介があったように既にいろいろなデータですとか事例もありますので軽く済まして、むしろバックキャストの方を中心に検討したらどうかということです。
 ただ課題によってはまだフォアキャストが不十分であったりする分野もございますし、例えば脱温暖化のようにフォアキャストはある程度やられていて、バックキャストを中心に行けるような分野もあったりしますので、分野によってフォアキャスト、バックキャストの関係性を少し整理する必要があるかと思います。
 5ページ目でありますが、ビジョンの作成の少し細かな話になってまいりますけれども、こういうフレームでつくったらどうかということであります。
 まず1点目は、既にご紹介があった12の視点を出発点といたしますが、まず課題の検討整理のスタート点にしたらどうかということであります。つけ加える点もございましょうし,ある程度、例えば視点の1と2は温暖化というような形でまとめることもできるわけであります。そういうことで、こういった視点の整理も必要であるということです。
 2番目がビジョンの作成のフレームということで、[1]から[3]までございます。主要課題、これは先ほどの12の論点ごとに目標となる状態、課題別の目標または課題別の着地点を設定する。この場合、必要に応じて複数設定する場合もあるわけですね。
 [2]が、各主要課題の目標設定のすべてを総合的に満たしうる、目指すべき社会像、社会の着地点を設定するということであります。
 3番目に、設定した目指すべき社会像を実現するための飛行経路、狭義の意味でのシナリオを作成する。1つの社会像に対して1つまたは必要に応じて複数の飛行経路があるだろうということであります。
 それで注といたしまして、フォアキャストによる展望を行った上で、ビジョンに対するバックキャストの検討を行うということで、2番目が先ほど来議論のありました、時点としては2050年を目指しますが、その中間地点、2025年のあたりもしっかり押さえておく必要があるのではないかということであります。
 3番目の対象地域につきましては、日本はやはり中心にしなければいけないということではありますが、ただ、アジアあるいは世界の動向の中での日本というのはしっかり押さえる必要があるということであります。
 4番目は、ここも議論があるところだと思いますが、検討するドライビングフォース、これを外的な要因としてどんな要素を取ったらいいかということで、ここでは1つの例といたしまして、人口ですとか経済、資源、技術革新、エネルギー政策といったものは、ある程度所与のものとしてやっていったらどうかということであります。もちろん内部でいろいろかかわることがございますので、例えば人口、経済も中で動かすべきだということもあるかもしれませんが、とりあえずここではドライビングフォースの例ということであります。
 (3)については、先ほどの手順として先ほどご紹介したところであります。4番目が定性的なシナリオをまず先につくって、それができた後にある程度定量化をしたらどうかというご提案であります。定性的シナリオと申しますのは、後でちょっと例をご紹介いたしますけれども、文章で将来のビジョン、そこに至る道筋を記述するということであります。それを踏まえた上である程度定量的なモデル等を使って、それをバックアップするということであります。整合のとれたシナリオにするためにはこういった定量的な検討が必要であるだろうということであります。定性的なシナリオを最初につくって、その後、できた定性的なシナリオをもとに定量化を行うというプロセスを踏んだらどうかというご提案であります。
 それで、6ページ目ですけれども、先ほどは2050年の脱温暖化社会のシナリオ研究が進んでいるので、それをお借りしてきたということで、あくまでもビジョンのイメージの例であります。脱温暖化のプロジェクト方では2つ、シナリオA、Bと書いてありますが、ここで定義した言葉を使いますとむしろビジョンということになりますが、2050年に温暖化を解決するための社会像といたしまして、「活力、ドラえもんの社会」というのはかなり技術を取り入れた社会になるか、あるいはもう少しゆっくりした社会になるかという、そういう2つのビジョンを描きまして、それに至るバックキャストを今やっております。その下にある絵が、これはプロジェクトのメンバーが描いたポンチ絵でありまして、こういったイメージが出てきたということであります。これはあくまでも1つの例ということであります。
 次のページに参りまして、7枚目でありますけれども、ビジョン作成のためにはいろんな情報が必要であろうということで、もう既にそういった情報については集めておりますし、またいろいろなフォアキャストの事例もありますので、今度それをこの検討会の中でビジョンづくりに資するような形での情報の整理が必要だろう。さらにインタビューにつきましても、関連の各主体のいろんな意見を集約化する必要があるのではないかということで、そういったことも踏まえて、社会に関する項目ですとか環境に関する項目、さらに上記の各項目についての評価について、例えば着目するような指標はですとか、時間軸はどうか、地域の軸はどうかといったようなことをこの検討会の中でまとめておく必要があるのではないかということであります。
 その1つの作業の例といたしまして、8ページ目ですけれども「ビジョン作成に向けた情報の整理」の仕方ということで、社会に関する項目といたしましては、縦軸にさっきご紹介したような項目を挙げておりまして、その項目を裏打ちするような指標として、例えばこんなものがあるではないかということでお示しして、既存の見通しは、フォアキャスト的なものにつきましてはいろんなものがあるということを既存の見通しという形でここにリストアップしております。こういった作業をしているということではなくて、こういうイメージの作業をして情報を整理した方がいいのではないかというご提案になります。
 9ページに参りまして、同じく環境面でありますが、先ほどご紹介した事象別の分野、例えば地球温暖化ですとか物質循環とか、そういった事例につきましてある程度指標で裏打ちをしていったらどうかという、1つの情報の整理の仕方をご提案しております。
 10ページ目ですけれども、ではその叙述的な定性的なビジョンをどうやってつくって、どういうイメージの結果が出てくるかということで、これはあくまでも1つの事例ということでお考えいただきたいのですけれども、縦軸に主要な論点を挙げまして、その横になりゆきですとか例えばビジョンAとかビジョンBという言葉が書いてありますけれども、その升目をこれからの検討会の議論の中である程度合意に達した要素を埋めていくという形を取ったらどうかというご提案であります。今1枚のマトリックスで書いてありますが、これが何枚ものマトリックスになってきて、そのマトリックスを通してみるとビジョンA、Bといったものが浮かび上がってくるという形になるのではないかと思います。これはあくまでも叙述的あるいは定性的なビジョンをつくるための1つのフレームワークとお考えいただきたいと思います。
 それで、最後ですけれども、本検討委員会の先生方にお願いでありまして、これもこの1カ月ぐらいいろいろ議論した中で、先生方にこういうことをお願いしたいということを書いております。3つございます。
 1つは、2050年を展望したトレンド、各先生方の専門分野におきまして、2050年を展望したトレンドについてご紹介いただく。
 2番目が、その2050年を展望したときの課題ですとかトレンドの変動要因についてもご紹介いただく。
 3つ目ですが、2050年のビジョン、それに向けての必要な対応ということで、それぞれの分野の展望あるいは課題を踏まえた上で、2050年のあるべき姿についてのご紹介をいただきたいということでございます。
 それで、検討の範囲につきましては、検討全体の主対象は、資源・環境を中心とした日本社会の持続可能性についてであるということであります。2番目にそれに深くかかわる世界全体の持続可能性も視野に入れて検討する。3番目ですが、狭義の資源・環境以外の関係の深い関連分野を視野に入れて検討するということで、ほとんど全部入ってしまうような感じになりますけれども、こういったことを各先生方の専門分野を中心に、2回目以降の検討会でご紹介、ご報告いただきたいということであります。
 以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 それでは事務局から今後のスケジュールにつきまして。

○苦瀬計画官 関連しまして、議論の進め方自体についてこれからご議論いただくわけですけれども、大体今のお話のような線もある程度踏まえまして、スケジュールがどうなるかということが想定されるかということを資料5によりまして簡単にご説明いたします。
 今の最後の先生方へのお願いというところは、第2回から第5回、8月10日から10月27日までの4回のところに、それぞれ各ご専門分野ということでご参画いただいております12名の先生方から、それぞれご専門分野を踏まえて今のところのお話の趣旨でご報告いただければというのが1つの想定でございます。それで、日程につきましてはあらかじめ伺って可能な日ということで、この紙において既に割り振らせていただいているという状況でございます。
 そして、定性的あるいは叙述的なシナリオというようなお話が原沢先生の方からありましたが、それを第6回から第8回までぐらいでやりたい。その後、定量的な、これは検討会の場だけでない、その裏での作業、研究が必要になるわけですけれども、そういったものをしつつ、それを踏まえた定量的なものも含めた検討が9回以後、ということで、最後13回ぐらいまでで報告書を取りまとめたい。このうち中間的取りまとめ、定性的なストーリーを作り上げるというところを来年の1月ぐらいまでにやりたい。さらに最終的な報告の方は、その後、定量的な検討などもございますので、夏から秋ぐらいを目途ということで概ね考えさせていただいているというところでございます。
 それと、一応裏もこの際ご説明をいたしますが、第2回から第5回の際には、3名ずつの先生方にご報告いただくということで、大体こんな感じの考え方、最初の30分はその他の議題と書いてありますが、各回の先生方の内容に関連して、これまでの予備的検討なり、これまでのところで前もってお話しておいた方がいいようなことがあれば入れるというようなことも含めて、その他の議題を若干時間を取りますが、あとはほとんどを先生方の報告とその質疑にあてるということで、20分程度のご説明とそれのクラリファイ的な簡単な質疑を3名の先生方の分それぞれ行いました後に、最後全体での議論をしていただくというようなことを第2回から第5回ではやっていただいてはどうかということでございます。
 あと、この紙の上では明記をしておりませんが、最初あらかじめお願いするときなどに申し上げていたかとは思うのですけれども、あるいは設置要綱の中にも参考人というようなことがあるのですが、非常に幅広い先生方に検討会にご参画いただいてはおりますが、なおほかに必要な分野とかがあれば、若干の先生は別途お呼びをしてお話を伺うというようなことも、例えば6、7回とかであるかもしれないということは、明記はしておりませんがあり得ることであると思っております。
 以上でございます。

○安井座長 ありがとうございました。
 以上で本検討会の進め方に関しましてご説明をいただいたわけでございますが、とりあえず原沢先生からご説明いただきました11番目のスライド、委員の先生方へのお願いというようなところをご覧いただきまして、こういうようなこと、それから資料の5のタイムスケジュール等をご覧ただきまして、こんなことでやってみようということでございます。
 最終的なところまでのご説明は今なかったのでありますが、この一番最後の12回、13回あたり、夏、秋を目途、夏から秋、随分違うじゃないかと言われるかもしれませんが、そのような感じで、比較的早ければ夏ぐらいに一通りのまとめをというような感じで考えているということでございますので、いずれにしても1年以上という形になります。
 以上でございますけれども、こういうことですが、これから先いろいろご議論いただきたいと思いますが、そのそれぞれの先生方に、こんなことだったらこんなコントリビューションができそうだとか、全然できそうもないとか、やり方がまるでわからないとか、そういうようなことで結構かと思うのでございますけれども、何かご質問等ございますか。花木先生どうぞ。

○花木検討員 こんなことならできそうかどうかというのとちょっと違いますが、東京大学の花木でございます。私、今ここで紹介いただいた2050年の脱温暖化のプロジェクトの方にもかかわらせていただいております。私は工学系研究科の中で都市工学に所属しておりまして、そういう意味で都市の将来像のところを担当しているということと、それからもう1つは、東京大学の中でサステイナビリティ学連携研究機構の方の兼任教授もしておりまして、そちらはサステイナブルな将来の社会像をみんなで議論しようということもしております。
 ここからがご質問というか、コメントですけれども、今のこの手順でいうと、この12の論点からスタートしようということですね。12の論点に基づいて、それぞれの論点の目標となる姿、状態を見ていこうということですが、この12の論点というのが、多分私はこれで正しいと思うのですが、資料2に並んでいるものですね。
 これを見たときに、まさに今後のスケジュールで話題提供者がある程度グループ分けされているように、12の中で幾つかのグループに分けられると思うのです。その論点の種類もまたいろいろで、どういうアクションをとるかという中身の問題であったり、あるいはこういう状態をどうするのかという問題、いろいろ混ざっていると思うのです。この中で1つ大きいグループは、将来の資源制約あるいはCOの制限の中でどうやって社会を作っていくのだろうかということで、関連するのが温室効果ガスの大幅削減の問題で、温暖化の影響も実はそれに非常に関係してくる。それから循環型社会をどう作るかというのももちろん関係してきて、さらに自然資源の国際的な需給の問題とか、そういうのはお互いに非常に関連してくるのがございますね。
 一方でこれからの社会、特に国内を想定して社会をどう作るかという、高齢者の社会参加の問題、人口減少、少子高齢化のように日本の社会の中の主に人をターゲットとしてどういうふうに社会を作っていくかという種類の問題があります。それからもう1つ大きいのはアジアの環境問題として、アジアの開発に対して日本はどうコントリビューションしていくのだろうかという問題があります。生物多様性の問題もまた別の種類の問題です。12の論点の中でそれぞれ関係ある項目が幾つかあって、またさらに資源制約の問題と社会の問題、それからリスクの問題ともまたお互いに複雑な関係がある。そのあたりは前年度の検討の中でそういう12の論点の間の関係まで議論されたのか、それはこれから議論するのかということをお伺いしたいのと、これから議論するとすればどの段階でやるのがいいのか。みんなそれぞれ話題提供いただいて、その後でお互いの関連を言うのでしょうか。あるいは話題提供しようとしたときに、自分のテーマだけを切り出すと2050年の人口のシナリオを設定されてないと、なかなか自分のテーマで発言できないというような方もあるいは出るのかなと思うのですが、そのあたりは森口さん、何かこの辺コメントありそうですね。

○森口検討員 ご指名でございますのでお答えしますが、資料としては原沢委員の方からご説明のあった資料の4の5番目のスライドをご覧いただきたいのですが、「ビジョン作成のフレーム」ということで、(1)の「12の視点を出発点とした課題の検討整理」と書いてございます。その後に[1]に「各主要課題ごとに」と書いてあるのですが、このビジョン作成フレームの[1]の各主要課題というのがこの12を意味しているということでは必ずしもない。12というのはあくまで叩き台として、まさに花木先生が今おっしゃっていただいたように、もう少し大括りにして、例えば3つとか4つと5つとか、そういう数に、仮の数ですけれども、そういうふうにもし括り直せるものであれば、それごとにやっていくという考え方もあろうかと思います。現にアドバイザリーグループの先生の方から、やはり12もとてもできないだろう、例えばこれとこれをこれぐらいプライオリティーをつけてやったらどうかとか、もう少し括ってやったらどうかと、まさに今花木委員の方からご指摘のあったようなこともございますので、ちょっとこれは私の個人的な考え方ですけれども、最初の4回は各委員からいろいろプレゼンをいただく中でもう少しそのあたりの議論もしていくということもあり得るのではないかなと思っておりまして、12というのは、ちょっとこれはいろんなバランスの中で出てきたことで、これが絶対的なものではないというふうに私は考えております。
 そういった意味で、もう少しシステマチックに考えれば、この12の論点はお互いにどういうふうに結びついているのかということをしっかり整理をすることも可能であったかと思いますが、現時点では必ずしも余り包括的な整理をしたわけではない。むしろ主要な柱としてこんなものがあり得るのではないかということをざっと立てて見て、それの柱の周りに大体このぐらいの問題まではくっついてくるねというようなことでちょっと柱を立てた感じがありますので、そういう意味ではちょっと、もう少し全体像をうまく、なるべく少ない数の柱に括り直す、あるいは双方の結びつきを整理するというような作業は予備的検討の中で余り十分にやられていないところでございますので、それはまさに今回の検討の前半部というか、最初の部分の非常に重要な部分ではないかなというふうに私は思います。

○安井座長 ありがとうございました。
 私もちょっと一言だけつけ加えたいと思いますけれども、この12を基本とするというよりも、多分恐らくこの超長期ビジョンの最終的なアウトカムというものが何に使われるかということを考えていくと、この間できたばかりのこの基本計画の次の基本計画ぐらいには多分反映されるのかなという気がするのですね。もしそうだとすると、今回の環境基本計画の中に出てきたこの12の項目に対しては、私は最低何か一言、二言言えないとまずいかなぐらいの理解なのですね。ですから、そのぐらいのつもりで括り直して、例えば課題が3つになっても、最低限この12の課題についてはやはり何らかのという程度には思っております。事務局はもっと思いが深いかもしれません。よくその辺は整合性を取っておりません。何か、よろしいですか。

○苦瀬計画官 まさにおっしゃるようなところで、12の視点を示しているのでまあ触れるということはあるにしても、出発点としたというこのあたりは原沢先生と事前にもご相談させていただき、森口先生とも事前にご相談させていただきというところですけれども、そういう、これから括ることもあれば、つながりをはっきりさせることもあるというようなこともこの検討の、この検討会の検討の前半でやっていただいた上で、12そのものに直結したものでなければならぬということではないということだとは思っております。

○安井座長 ありがとうございました。
 何か他にございますか。あと時間が35分ぐらいございますので、今日お見えの委員の先生方には一言ずついただけたらと思いますが。どうぞ太田先生。

○太田検討員 青山学院大学国際政治経済学部の太田です。私も脱温暖化2050年の方に、その目標設定グループに属し,バードンシェアリングのクライテリアをどのように設定するかということ、つまり、その正当化の議論をどのようにつくるかということに関わってきています。
 自分の専門としては国際関係論あるいは国際政治の方が専門で、今実際に行っている授業というのは、グローバル・ガバナンスという授業と、国際環境政治ですが、最も関心のある環境問題は気候変動問題であります。
 それで、今回この検討会で私に何ができるか、あるいはどういった面で貢献できるのか、あるいはできないのか、ということに関して一言。まだ深く今回のプロジェクトについて考えたわけじゃありませんけれども、今、原沢さんの方から説明があった、ビジョンのところに関係しまして、5枚目のスライドでしたか、どこでしたか、一番初めのビジョンという、用語に関係するのですけれども、いまだ何が言いたいのかよく頭の中で整理されておりませんですけれども、この、[3]のivのところの「検討するドライビングフォースの例」と書いてあって、いろんな要因が書いてあるのですが、この外的要因以外にも我々の専門的な見地から少し欠けていると思うのは、望ましい社会像とか目標を設定するのはそれでいいのですけれども、そうした外的要因でその目標はどうなるかというのはわかるのですが、それをどのような位置づけにするかというのか、やはり人間の当為というのですか、そちらの方もあると思うのです。現実の政治ってなかなかうまくいかない面が多くて、国際社会の構造上の制約というのが非常にあると思いますので、もしこうしたビジョンを、これが望ましい、こういう社会にしなければいけない、いろんな意味での循環型社会にしなければいけないとかありますけれども、それをどう達成するのかという、その制度づくりというか、国際協力の体制はどうあるべきなのかとか、そうといった視点がちょっとないのと思います。そういう視点がもし入るのだったら、私もちょっとは何か貢献できるのかなと思いますが、その点がちょっと気になったので一言言わせていただきました。

○安井座長 私はすぐお向かいに住んでおりますが、あそこにおりますとまさにそういうことで、国連というものが一体何ができるのかなということが本当にいつも毎回疑問に思っておりますが、その辺に関しましてぜひ、国連にかわる新しい機関ができるかどうかも難しいところですが、いろいろとご議論いただければと思う次第でございます。よろしくお願いしたいと思います。
 他に何かございますか。別に順番というわけじゃないのですけれども、マイクがたまたまあるので。

○川島検討員 東京大学農学部の川島と申します。私は農業と環境、食料生産と環境というようなことで研究をしております。次回お話をする機会があるかと思います。
 このビジョンということでお話を伺っていたのですが、私がやっている分野で思うのは、アジアの環境問題の中でやはり中国の占める位置が非常に大きいのです。ここでアジアの環境問題を日本がビジョンをしゃべるより、やはり中国のビジョンを聞いてみないことには、何となくという感じが非常にあるのです。特に、次回もお話しますが、私は窒素の循環に非常に強く興味を持っているので、それをやっていると、中国は今世界の窒素肥料の4分の1ぐらい使っているのですね。2,000万トン。私はこれで大体横ばいだと思うのですけれども、どんどん東シナ海に出てきているわけですね、黄海、東シナ海に。日本の水産関係の人なんかもちょこちょここのごろ話題になっていることですが、なかなか彼らは認めないわけですね。そんな大したことはないよという感じで、私たちが農業の関係者に会ってそのようなことを聞いても、まあまともには答えてくれませんよね、日本が何か言っても。はぐらかされちゃうという感じで。
 それで、戻りますが、ビジョンというのはやはり相手のことをかなり考えないと、ここでアジアのことを私たちが考えてもかなり独りよがりだ、日本はこんなドラえもんのすばらしいビジョンがあるのだと言っても、中国は今、若干長くなりますが、産農問題と言って農村問題が極めて彼らの強いビジョンなのですね。要するに国家が崩壊しないためにはどうしたら良いのかということで、環境なんかは二の次、三の次になっているビジョンで動いているので、その辺との整合性をうまく取らないと、かなり独りよがりとお人よしのビジョンになるのではないかという気は特にアジアを見ているとしております。
 以上でございます。

○安井座長 ありがとうございました。
 次回の発表を期待でよろしいですか。(笑い)ここで皆さん何かございますか。よろしゅうございますか。では続けて。

○柴田検討員 国立環境研究所の柴田と申します。どうぞよろしくお願いします。私の方、もともと理学部の出身ですけれども、最近は化学物質の、特にいわゆる有害化学物質の管理にかかわるところで、UNEPケミカルズの方で、POPs関係の委員会への参画などを通じまして、今化学物質管理に関するところで少し仕事をしております。
 もともと、どちらかというと分析法をつくって環境中の実際の化学物質の存在状態を調べるというような仕事、そういったものが生体に対してどういう特性を持っているだろうかということを研究するという、本当に現場の方の仕事をしておりますので、こういうところへ出てきてどんな発言ができるかというのを実は考えながらずっと話を伺っていたのですけれども、私どもから考えますと、多分関係が深いのは、ここにあります中では負の遺産の問題等かと思います。私自身は実は神栖の砒素の分析法などの関連の仕事などもしておりますし、結構そういう意味では現場の方の仕事はしているのですけれども、そういう目で見て日本というものを眺めて、あるいは今の社会の化学物質関係の利用を考えていくと、やはり細かい点ではいろんな問題が出てくると思うのですけれども、大きな流れとして今後の社会を考えていくと、恐らく今の日本の状況の中では、そういう化学物質の利用というものが今後逆になくなっていくことはまずあり得なくて、むしろ経済の方向としては我々にとっては恐らく社会の発展の上では非常に大きな役割を果たし続けるのだろうなと。そういうものの中で、その管理のシステムをどう考えていくのかということをいつも念頭に置きながら仕事はしていきたいというふうに思っております。
 私、5回目の10月27日まで一生懸命勉強しなければいけないと思いながらこのスケジュールを眺めていたのですけれども、それまでにはもうちょっとまとまった話ができるようにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

○安井座長 ありがとうございました。
 花木先生。

○花木検討員 せっかく脱温暖化2050のドラえもんとサツキとメイの絵が出ているのでちょっとお話します。これはいつもプロジェクトでも議論するのですけれども、シナリオAは割と今のトレンドでわかりやすい。典型は六本木ヒルズのイメージですね。(笑い)もう1つのサツキとメイの社会をどうやって魅力ある姿に描くかというのが難しいのです。ワークシェアリングで、スローライフの生活ですね。だけど議論している人は、多分その人たちはみんな忙しくてやらぬだろうと。
 そこまでは冗談ですけれども、シナリオA、Bがあるわけですが、全部シナリオBに移行するというのは難しくて、ある1人の人生をとったときに、シナリオAの時代があり、だけどそこそこの年齢からシナリオBの方に移行するという感じかと思うのです。そうするとシナリオA的な、地域と、シナリオB的な地域が共存するようなのが一番あり得る姿なのかなとちょっと思っております。

○安井座長 ありがとうございました。
 それでは先生どうぞ。アドバイザリーグループは何を言っていただいても結構で(笑い)

○天野アドバイザリーグループ構成員 それではちょっと思いついたことを申します。
 まず、私シナリオプランニングみたいなことを随分前にちょっと係わったことがあるのですけれども、シナリオというのは幾つかあって、そのどれかがずっと行ってしまうとか、シナリオのAが行ってしまう、Bが行ってしまうのではなくて、どれが行くかわからないからシナリオを作っているのですね。これは非常に不確実な長期の、例えば50年も先を見通そうとすれば、どれかのルートがありますよということが言えないからこういうことをやっているのだと思うのですね。ですから、難しいのとか易しいのとか、いろいろありますが、どれが出てきても対応できるように制作するにはどうしたらいいのかというためにシナリオを作っているので、これはシナリオをずっと例を集めていただきましたけれども、6つとか4つとか作っているのはそういうことだと思うのですね。どれかに自分は自信があればそれだけ言うはずなのですけれども、それは言えない。
 そうなりますと、2050年というのはどこから出てきたかというのが次の問題ですが、今日はその点余り議論がなかったのですけれども、私は専門は環境経済学でして、今はもう教えておりませんが、地球温暖化に随分関心がありまして、そういうのを読んでおりますと、特にヨーロッパが長期の政策を非常にはっきり打ち出しているのは、温暖化によって非常に深刻な変化が、例えば2100年にしろ、2100年を超えたあたりにしろ、起こる可能性が出てきた、そういう点から温室効果ガスの排出を削減しなければいけない。例えば2050年で60%とか80%削減するというのは、その2100年とか200年とかを見通した上で出てきた話だと思うのです。
 ですから、今から考えて2050年までというふうな話ではなくて、2100年からひっくり返ってきて50年あたりに何かしておかなければいけない。
 それで、80%削減というのは、これは途方もない削減ですけれども、それが本当にできるのかどうかということでこういうシナリオの話が出てきているのだと思うのですね。ですから2050年というのはやはりそういう、まあ2050年が40年なのか30年なのか、その辺はかなりいいかげんだと思いますけれども、少なくともそのあたりには80%減らすような社会に行っていなければいけない。
 私はこの脱温暖化社会という表現、これは本当かなと思うのですね。気温上昇2度まで抑えたとしても、気温上昇2度ですから、温暖化はずっと進んでいるわけです。だから脱温暖化なんかになるはずがないのですね。そういうふうな非常に深刻な状態にあるという認識でヨーロッパは動いている。さっきの六本木の話は、アメリカは別にそこまで深刻には思ってないと思うのですが、そういうところで議論していると思いますので、例えば主要の論点というのが12個ありますけれども、私は一番がほかの11個を引っ張っているのではないかというふうに思うのですね。ですからみんなが同じように2050年でこの8番とか9番とかいうのを考える必要は私は必ずしもなくて、温暖化がもしそういうふうに進行するとすれば、8番とか9番がどうなるかということではないかと思うのです。
 その話だけちょっと気になったということを申したいと思います。

○安井座長 ありがとうございました。
 私も何かやはり、考えてみると自己紹介してないみたいですけれども、もともとそうなのとよく言われますが、もともとは化学屋です。それで、それから材料屋にかわって、いつの間にか環境屋に化けておりますが、その環境屋の入り口はライフサイクル・アセスメントみたいなところが入り口だったわけでございます。
 それで、その当時は日本の消費生活みたいなものを、態度をいかにして変えるかみたいなことを考えていたのですが、東大を早めに辞めまして今の国連大学に移ってからは、やはり日本という国ってどういう国だろうというのが1つ、それからあと、国際機関って何ができるのだろうというのが1つの非常に大きな問題で、特に最近、この間もそうだったのですけれども、アフリカ人の学生なんかが、学生と言っても若くはないのですけれども、そういうのが来ていろいろ話をしていると、やはり我々が考えていることと彼らが考えていることは全然違うのですね。
 何でそれを感じたかというと、日本という国はどうして人口が減ったかという話を彼らにしていたら、アフリカ人って、そんなことをやったら人口を増やすと言うのですよ。どうしてだと言ったら、男は子どもが多いほど偉いのだ、それで15人でも20人でも30人でもつくって、それをどうするのと言ったら、奥さんがいっぱいいるから個々の奥さんが面倒を見るから問題ないのだって、こういう社会なのかなという話を最近知ることができて、そう簡単じゃないなというふうに思っているのが現状でございます。
 最近はまさに何が専門だかわからないものですから、多分局長が私にやれと言ったのではないかと思っておりますので、適当な形でまとめさせていただきたいと思っている次第で、よろしくお願いしたいと思います。

○原沢検討員 環境研の原沢です。最近は温暖化の特に影響関係を中心にやっておりまして、そういう意味では長期ビジョンとかいろんなものにかかわったりするのですが、特にIPCCが出した排出シナリオというのが、これはある意味政策に非常に大きな影響を与えているのではないか。要するにそれがないと気候モデルの計算もできませんし、影響の計算もできないし、対策の計算もできないということで、超長期ビジョンがそういういろんな政策に影響を与えるようなものになっていけばいいという気持ちであります。
 それで、今回ちょっと進め方だけお話したのですけれども、最後だれがまとめるのかなというのがいつも頭にありまして、その辺環境研のグループが覚悟は決めつつあるのですが、いろいろのご相談をしつつ、最後定性的シナリオ、定量的なシナリオをぜひつくっていきたいと思います。

○広井検討員 千葉大学の広井と申します。私の専攻は主に社会保障分野を中心とする公共政策で、以前は厚生省に10年ぐらい勤めたことがありまして、実は当時2年ぐらい環境庁に出向させていただいたこともあるのですが、環境省関係のこういう検討会に参加させていただくのは初めてで、非常に今日の資料も、先ほどのドラえもんとサツキとメイの話しも含めて、資料だけで随分刺激を受けているというような状況です。
 今千葉大学で持続可能な福祉社会という、サスティナブル・ウエルフェア・ソサエティーというテーマで研究プロジェクトを進めておりまして、これは一言でいいますと環境と福祉を統合していく、環境というのが単純に言って富の経済活動の総量のボリュームの問題に主にかかわるとすれば、福祉の問題というのは分配の問題にかかわるということで、総量と並んで分配をあわせて考えていこうというようなことでプロジェクトを進めております。
 そういうようなことで、社会保障と環境との関連、ヨーロッパなんかの議論では社会保障と環境がセットになって議論されることが多いように感じておりますが、もちろん少子高齢化関係の話もございますし、あと雇用とか労働、働き方の問題、それからやはりコミュニティの在り方、そういったあたりの視点を少し考えていければと思っております。よろしくお願いいたします。

○細田検討員 慶応大学の細田でございます。専門は環境経済学で、特にその中で、今私は動脈経済と静脈経済を非常にバランスよく運営するにはどうしたらいいかというような発想で研究をしております。
 普段だったら安井先生の前だったら結構いいかげんなことを言っちゃうのですけれども、今日は天野先生がいらっしゃるので、どうも(笑い)いいかげんなことを言うと怒られそうで、ちょっと何をしゃべろうかなとどきどきしています。
 このバックキャスティング、これは前に安井先生とか森口先生とか、やらしていただいて、本当に難しいなと思っておりまして、でも原沢先生が、国環研の方で最後は一気にまとめるというようなお話もあったので、ああ、じゃまた森口さんがやってくださるのかというので、非常に安心しているのですけれども、冗談はさて置き、川島先生がおっしゃったように、1つはその領域をどう――領域って、時間軸はまあ2050年とか、30年になるかもしれませんが、設定されているのですが、どういう空間的な領域を設定するか、もとざっくり言うと境界条件をどういうふうに設定するかで解は当然異なるわけですよね。勝手に動かしていいなら勝手な解は作れちゃうのですけれども、それもあんまりだなと思って、実現可能であるような感じで、どういうふうな境界条件を我々がつくり上げて、そこからどういうバックキャスティングするかというのはなかなか難しい。特に地政学的な影響、今若干私、資源も今日は持っているのですけれども、今の資源ナショナリズムと総和のトレンドを越した動きを見てみると、ちょっと何か非常に危機感を持つし、難しい問題がある。いつかこれはサイクリックに動きますから、いずれは総和も下がるだろうし、変わるのでしょうけれども、一方で今のアジア諸国の発展を考えると、ちょっとすぐにはこのヒートはおさまりそうにもないのかなとも思いますので、その辺も考え、やはり政治的な状況を考えると、やらなければならないことがいっぱいあるなと思います。
 それで、もう1つ難しいのは、我々が余りにも今までの動脈経済の動きということを前提として話してきたので、ここをどう変えてやるかというのがものすごく大きくて、150年ぐらい、明治維新はずっと動脈政策をやってきて、静脈政策というのは、環境政策というのは最近なわけですよね。余りうまくできてないし、その辺の制度設計というのは非常に難しいものがあるし、やりがいがある。
 あと1つ、私は20年前背負っていた同じディバッグと15年前の靴と十数年前のスーツを着て,それで何がアンハッピーかというと、すごく幸せな生活をしているのに、ただやたらと忙しくなったというところが多分違うと思うのですけれども、その辺をのどかな生活、さっきの図で言うとどっちでしたっけ、サツキの方に帰りたいと本人は思っているのに帰れないというところに、もうこの会もいけないのかもしれないのですけれども、要するに人々の動きがロックインされちゃって、みんなが嫌だと思いながら、囚人のジレンマで、ナッシュ均衡で悪いところに行っているような気がしてならないのですよね。そこをやはり何とか、解を大胆に変えるには、その辺のゲームの構造を変えてやらないと、幾らバックキャスティングをやっても何かフィージブルにならないような気がしている、そんな感じがいたします。
 すみません、長くなりました。

○安井座長 ありがとうございました。やはりもう少し環境省を暇にしないとだめかもしれません。(笑い)
 森口先生。

○森口検討員 先ほどまでやや事務局的発言をしておりましたが、一応個人の思いも発言をさせていただきたいと思いますが、でもその前についつい、ほかの先生方がおっしゃったことをやや事務局的に答えてしまいたくなる(笑い)悪い性でございます。
 太田先生がおっしゃった対応策みたいな話は、ビジョン検討の要素の中で実は先ほど来の5ステップぐらい書いていた中の最後に当然考えています。ただ、この1年ちょっとのところでそこまで行けるのかなという話があって、どうなのかなとかあるのですが、やはりこれは非常に重要な要素だなという気がしています。
 川島先生のお話を伺って、私、全く思いは同じでありまして、やはり日本のことを我々が考えるよりは、せっかくこの日本のこういういろんな知識をお持ちの先生方が、やはり中国をどうするかということを考えた方が世界のサステイナビリティーにとってはるかに役に立つだろうなと。脱温暖化2050のプロジェクトをやっていても、もう日本でそんな、日本の温室効果ガスを半減するよりは中国を10%下げる方が恐らく簡単だし、本当に将来は有効だ。こういうところをどうしていくのかなと、本当に実は悩むところであります。
 そうやってバックキャストしていくと、私は今何をやるべきかというと、やはり中国語を勉強すべきかなと思ったりするのですけれども(笑い)、そうはいっても、やはり中国こうしなさいよというビジョンを我々が示すわけにいかない。少なくとも日本はこういうふうにすべきだと考えていると。ですからやはり発展のモデル、将来のモデルとしてやはりこういうものがありますよという、1つのオルタナティブとして示していく、あるいはそういったことを中国だけじゃなくて、諸外国の人たちとやはり語り合えるような、そういう姿は書いていかなければいけないのではないかなという思いがございます。
 そういう点で言えば、やはり、中国というよりはほかの諸外国と考えた場合に、非常に使い古された言葉で言う持続可能な発展あるいは持続可能な開発ということに関して、じゃ日本で本気でオーバーオールに今どこかで考えているかなという思いが非常にあります。かなり風化してしまっているような感じもありまして、やはりその温暖化という具体的な問題がある中で、非常に漠としたコンセプトに行けないところもあると思いますが、ただヨーロッパの幾つかの国では環境省が改組する形で持続可能な発展省というような形で、より包括的な取組みをされているところもあると思いますし、先ほど来出ている中国なんかではまさにその環境と経済を両立しながらどう発展していくかということ自身がまさに中国の国家政策の問題になっているかなという気がしますので、やはりもう少しそういう意味も含めて、余り環境省の枠にとらわれずに、サステイナブルな日本というのはどう作っていくのかというのをやはり考えていかなければいけないのかなと。当然中国とか世界の情勢に非常に左右されるところはあるわけですけれども、それとは別に、日本の社会の中で起きていく問題、特に高齢化に伴う問題ですとか、特に地方の問題なんかとして、比較的狭い問題、比較的不確実性が小さいといいますか、確実にやはり向き合わなければいけない問題も一方であるので、やはり中国ですとか近隣諸国の問題、非常に大きなトレンドを見据えながらも、やはり現実として今から予測される問題にも対応していかなければいけないということで、恐らく花木先生が整理されたように幾つかのグループに分けてそれぞれが考えていくのかなと思います。
 最後1つだけ言い訳をしておきますのは、細田先生から私の名前が上がってしまったのですけれども、昨年度天野先生今日ご出席ですが、6名のアドバイザリーグループの先生方の前でいろいろ私も1人で防戦一方だったのですが、もともとは鈴木基之先生、中環審会長であり、
国環研にもいろいろご指導いただいているのですが、私今おります組織の循環型社会の将来ビジョンをやはり書くべきだということをずっとおっしゃっていたのですね。ただ、多分先生がおっしゃっていた循環型社会というのは随分広くて、環境省で定義している循環型社会よりは随分広いのではないかなと思っていまして、ちょっと私1人ではとても書けませんから、だれか道連れにして一緒にやりたいなというのがありましたので、私も最大限これからもやっていきたいと思いますけれども、非常に広い問題だと思っておりますので、ぜひご協力をいただければと思っております。

○安井座長 ありがとうございました。喜んで道連れになりましょう。(笑い)
 湯原先生。

○湯原検討員 
 中国の問題で、中国とは、やはり危機感を共有して政策をともに提言するというのが非常に大事であります。3年ほど前から準備して、東京大学の工学系では中国の大学と、国家発展改革委員会といった政策決定研究機関も含め、大学人を中心に双方15人ずつで、議論をしています。昨年11月に東大にて非公開でやり、次回は来月に無錫市の東大代表所で環境エネルギー・物流フォーラムといって、政策提言と技術開発の提言というのをやる。これは米国はもう12〜13年前から米国の専門家、環境の専門家15人と中国の環境の専門家15人とで毎年フォーラムを持って、政策提言をするのですね。そうすると北京政府というのはそういうものを取り入れるのですね。だからそういう専門家同士の忌憚のないデータのやり取りと政策提言というのが非常に重要で、それは可能で、実際米中はやっているということを申し上げたいと思います。
 そこで出てきている問題は、今中国が私たちに一番言ってきているのは、三峡ダムの下に沈んだ産業廃棄物が少しずつ溶け出しているから、いかにそれを浄化するかを一緒に考えてくれないか。いずれは全部東シナ海に行くのだから、日本の魚だって関係なくないのだということを言われたり、チベットの永久凍土が2020年頃から溶け始めるから、いかに永久凍土層の下にあるハイドレード層が大気放散する前に使うか、そういうデータを出したりして、心を開いてやれば中国もデータを出してきて、政策提言をしようということになるということをご報告します。私のプレゼンテーションのときに、7月の第2回の結果もお知らせしたいと思います。

○湯本検討員 総合地球環境学研究所の湯本でございます。私は生物多様性というところで入っているのですけれども、私自身はこれまで東南アジアを中心にして、アフリカ、南米の熱帯雨林の生物多様性の機能なんという研究をずっとしてまいりましたし、今の職場では日本の自然の成り立ちみたいな研究もしているのです。
 私ここに非常に緊張して来たのです。というのは、生物多様性は皆さん方の分野の中で多分一番現状把握が遅れていて、フォアキャスティングまでいってないというのが、それは世界的にそうなのですけれども、そこがやはり一番弱いところですね。それはここ2〜3年で何とかなるというものでは全然ないというところもあるのですけれども、ですけれども、いろいろ考えてやろうと思っています。
 2つ目の問題というのは、生物多様性というのは非常に地域性があるものですから、東南アジアさえ守っておけば別に日本の自然はどうでもいいのだというふうにはやはりならないですね。だからそういう地域的なロケーションの配置というのはものすごく大事になってきます。そこもやはりすごく面倒くさいところです。
 したがって3つ目としては、プライオリティーをどれぐらい生物多様性に振ってきてもいいのか、つまり短期的にはそれは明らかに食糧生産とかほかの生物資源等の利用というのに、ある意味トレードオフの関係があるというか、生物多様性をどれぐらい守って都市開発、土地利用をしたらいいのかみたいなことが多分出てくると思うのですけれども、私は今回超長期ところで考えて、短期的なトレードオフ関係はあるのかも知れないけれども、超長期に関してはやはり生物多様性を保全した方がきっと超長期的には多分人類のためになるのだといったことをやはり言わざるを得ないし、そういうふうなことをこれから考えていきたいと思っています。
 以上です。どうもありがとうございます。

○若林検討員 東京農工大学の若林敬子と申します。専門は社会学です。
 私はもともと日本農村社会学出身なものですから、最近ちょっと気にかけてやっておりますのが、30年ほど前の調査地がどうなっているかということで、つい先日も33年ぶりに新潟の島田を訪ねたりして、日本の全国的なレベルの少子高齢化はにぎやかですが、どうも国土、さっき地方という話もありましたような、過疎地域論の、とりわけ非常に荒廃した農村地域が、33年前私が農村社会学者として回っていたところとどう変わっているかということで、今まとめを心がけております。どうもその辺の地域レベルまで降りたところが非常に今弱いのではないかという感想で、そろそろ年齢も考えてまとめに再調査をしているということが1点です。
 それから、多分ここでお呼びいただいた私の仕事は、たまたま79年中国は1人っ子政策を始めて、それで素人ながら中国をやり始めて、世界、中国の人口問題の点での発言が期待されていると思いますが、世界の中は先ほどからアフリカの話が出ましたり、ヨーロッパが出たり、いろんな構図が大きく構造的なところが変わっています。民族の問題とか宗教の問題とか、例えばイスラムの人口爆発というのは、これはべらぼうな爆発をいたします。一方でロシアなどは人口減、ソビエト解体後の世界人口全体がもうどんどん下方修正されて、しばらく10年前からもう国連の推計自体が10億下に落としていますね。そういうことで構図が大きく変わっているようなところまで見ないと、ただ数だけをどうこうされても非常に人口というのは、最初のあれで終わってしまう。もっと構造的な内容まで捉えていただかないといけないのではないか。
 最近は、例えば日本の少子化とか中国の1人っ子政策で目を向けていました。あっと気がついたら東アジアの少子高齢化が日本以上に進んでいるということで、先日もある学会で発表したわけですが、韓国なんか1.08まで落ちちゃっている。それこそ台湾、香港、シンガポール等々を含めまして、日本以上の少子高齢化が、はっと気がついたら大変なところになっている。中国の1人っ子政策がこのままいくということですから、要するにピークが前倒しになっているのですね。さっき2050年論がどうってありましたが、大体2030年代後半あたりでもう中国は落ち始めます。というようなことのいろんな見通しがいろいろ細かく検討される必要があるのではないかというふうに思っています。
 あとは蛇足ですが、あした、あさってから、例えば中国、日本学術振興会の2国間共同ということで、私たまたま申請しましたら雲南の民族関係が国際会議を私のところでやるのですけれども、2国間ですから動かしてみたら北京の政府と雲南とがけんかを始めて、最終的に日本の学術振興会が全部金を出すことになって開くのですけれども、中国も一筋縄ではいかない。メコン川デルタをめぐってもう今やあの辺三角地帯、リプロダクティブヘルス的な、麻薬・売春、いろいろ大きな人身売買、大問題もありますし、かつての伝統的な母系性社会があったり、あるいは一妻多夫制のチベットシャングリラがあったりしたのを大きく中国が変動している。
 私が若干今思うのは、先ほどそちらの発言がありましたが、中国の問題を中国がどう見ているか、そこをきちっと押さえる必要があろうと。自己宣伝的ですけれども、中国の14人の学者たちに書いてもらって、中国版をまとめたのですが、日本語版が8月に出るのですが、中国の代表的な学者は一体何をどう考えているか、その辺を押さえないと先ほどのいろんな意味での、さっきの産農問題論だけじゃなくて、中国の将来的な、中国の構想、将来論を日本も正確にその辺キャッチした上でかからなければいけないのではないかというのが、蛇足ながらの感想でございます。
 以上ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

○安井座長 ありがとうございました。
 追加がないとこれで見事な時間配分でございまして、(笑い)はい、どうぞ。

○田村総合環境政策局長 環境省としてではなくて、私個人の感じを若干申し上げたいのですが、3つほど申し上げたいと思います。1つは第三次環境基本計画、この超長期ビジョンを作ろうということを提言している計画の、いろんなことが書いてあるのですけれども、全体を通じる一番大きなコンセプトというのはやはり環境と経済と社会、いわゆるトリプルボトムと言っていますが、この3つを統合的に向上させていこう、これが最大のポイントです。
 それで我々の日々の、といいますか、毎年毎年、これからまた予算編成等を迎えますけれども、この環境と経済と社会、この3つを統合的に向上させていくために、人々の意識であり、行動であり、あるいは我々の枠組みなり社会のシステムづくり、さまざまな面でその3つを何とか反映させていくような政策づくりをしていこう、と思っておりますので、今回のこの超長期ビジョンのいろいろな作業をこれから長い道のりで進めていただくわけですけれども、経済の方や政治の方、社会の方などいろいろな方々も入っていただいているので、ぜひ社会面なども含めて、例えばコミュニティの問題とかライフスタイルの問題とか、いろいろな問題も含めて幅広く議論をしていってほしいというのがまず第1点です。
 それから第2点は、サステイナビリティーということですけれども、ローマクラブもブルントラント委員会も、もうずっとそれ以来サステイナビリティーといえばすべてが基本的な憲章といいますか、すべてがそこに行き着くような言葉になっているのですけれども、それはそれで大事な概念ですからそれでいいのかなとも自問自答するのですけれども、せっかく少し大風呂敷で大きくいろんな物事を考える際に、サステイナビリティーということを少し、まあ越えるのかあるいは並行して違う切り口になるのかわかりませんけれども、何か少しそういう大きな議論もできるのかなと、あるいはそういうことをしていただきたいなと思います。
 それから3つ目は、やはり50年とか100年というタームで環境という問題は考えないといけないと。よく中環審の議論でもありました。その中で50年というのが本当に超長期なのかという議論もありました。あるいは今日のように逆の議論もあって、もう少し政策に反映するなら5年とか10年あるいは2030年ぐらいではないか、両方議論があったわけでございますけれども、いろんな超長期の問題を考える際に、脱温暖化社会、地球温暖化対策がやはり中心の1つであると私は思います。その脱温暖化社会、中心の1つについて十分討議していって、また道筋も書いていっていただきたいのですが、これはもうかつてからそうですけれども、時折、そもそも地球温暖化自体が作られた議論だとか、そういう議論がたまにあります。ここにおられる方はそのような議論ではないと思いますけれども、そういうことも含めて、せっかくこの50年タームで大きな時間軸、空間軸の中で議論をするので、ぜひそういうことに対してきちっと、脱温暖化社会の構築が本当に必要なのだということをきちっとこのビジョンの中で道筋とともに書いていただければと、そのような感じを持っております。
 以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 それでは事務局に最後のまとめをしていただきたいと思います。皆さんご協力ありがとうございました。

○増田課長補佐 本日はどうもありがとうございました。
 事務局の方から3点ほど連絡事項がございますのが、まず第1点目は次回の検討会でございますが、8月10日木曜日、14時から17時、場所は経済産業省の別館1111号室において開催いたします。
 それからもう1点は、皆様の机の上に第2回目から第5回目の検討会の出欠につきまして1枚紙が置いてありますので、そちらにご出席、ご欠席のマルをつけて机の上に置いていただければと思います。
 それから、本日大変資料が多くなっていますので、ご希望の方がいらっしゃいましたら机の上に残して置いていただければ、後でこちらの方から郵送で送らせていただくことが可能ですので、そのようにしていただければと思います。
 では、事務局からは以上でございます。

○安井座長 それではこれにて閉会させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

午後 4時02分 閉会