第2章 循環型社会の形成に向けた国の取組


第1節 循環型社会の形成に向けた法制度の施行状況


1. 循環型社会形成推進基本法(循環型社会基本法)

大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた「循環型社会」を形成するため、平成12年6月に「循環型社会形成推進基本法」(循環型社会基本法)が公布され、平成13年1月に施行されました。
同法では、対象物を有価・無価を問わず「廃棄物等」として一体的にとらえ、製品等が廃棄物等となることの抑制を図るべきこと、発生した廃棄物等についてはその有用性に着目して「循環資源」としてとらえ直し、その適正な循環的利用(再使用、再生利用、熱回収)を図るべきこと、循環的な利用が行われないものは適正に処分することを規定し、これにより「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」である「循環型社会」を実現することとしています。
循環型社会基本法では施策の基本理念として排出者責任と拡大生産者責任という2つの考え方を定めています。

2-1-1図	循環型社会の姿


(1) 排出者責任
廃棄物の処理に伴う環境への負荷の低減に関しては、その一義的な責任を排出者が負わなければなりません。排出者責任とは、廃棄物を排出する者が、その適正処理に関する責任を負うべきであるとの考え方であり、廃棄物・リサイクル対策の基本的な原則の一つです。具体的には、廃棄物を排出する際に分別すること、事業者がその廃棄物の処理を自ら行うこと等が挙げられます。
廃棄物の処理に伴う環境への負荷の原因者はその廃棄物の排出者であることから、排出者が廃棄物の処理に伴う環境負荷低減の責任を負うという考え方は合理的であると考えられます。この考え方の根本は、いわゆる汚染者負担の原則にあります。
この排出者責任の考え方については、今後とも、その徹底を図らなければなりません。また、国民も排出者としての責務を免れるものではなく、その役割を積極的に果たしていく必要があります。

(2) 拡大生産者責任
拡大生産者責任(EPR:Extended Producer Responsibility)とは、生産者が、その生産した製品が使用され、廃棄された後においても、当該製品の適切なリユース・リサイクルや処分に一定の責任(物理的又は財政的責任)を負うという考え方です。そうすることで、生産者に対して、廃棄されにくい、又はリユースやリサイクルがしやすい製品を開発・生産するようにインセンティブを与えようというものです。廃棄物等の量が多く、しかも、それらのリユースやリサイクルが難しいことが問題になっている今日、拡大生産者責任はそれらを克服するために重要な考え方の一つとなっています。

(3) 循環型社会形成推進基本計画(循環型社会基本計画)
循環型社会基本法では、政府において、循環型社会の形成に関する基本的な計画として、循環型社会基本計画を策定することを規定していることに基づき、平成15年3月に循環型社会形成推進基本計画を閣議決定・国会報告しました。循環型社会基本計画は、循環型社会の形成に関する施策の総合的、計画的な推進を図るための中心的な仕組みとなるものであり、循環型社会のあるべき姿についてのイメージを示し、循環型社会形成のための数値目標を設定するとともに、国及びその他の主体の取組の方向性を示しています。
循環型社会基本計画の着実な実行を確保するため、毎年、中央環境審議会は、循環型社会基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、必要に応じその後の政策の方向性について政府に報告することとされていることと規定されています。これを受け、同審議会では、2回の地方ヒアリングも踏まえ、4回にわたって集中的に審議を行い、平成18年2月に第2回の点検結果を取りまとめました。
この点検結果報告においては、今後の取組の方向性として、市民、NPO・NGO、事業者、行政のパートナーシップに基づいて、十分な意思疎通を行い、効果的な普及啓発・情報発信を行う基盤整備をすること、そして行政が積極的に調整機能を果たすこと。
また、「ゴミゼロ国際化行動計画」の3つの取組を具体化するために、我が国の廃棄物管理・リサイクルにおける経験と諸外国、特に東アジア等における適正な資源循環を確保するための具体的な方策を検討することが必要とされています。

2-1-2図	循環型社会の形成の推進のための施策体系


2. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

平成13年5月に環境大臣は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」(基本方針)を決定し公表しています。その中では、まず、できる限り廃棄物の排出を抑制し、次に、廃棄物となったものについては不適正処理の防止その他の環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用、再生利用、熱回収の順にできる限り循環的な利用を行い、こうした排出抑制及び適正な循環的利用を徹底した上で、なお適正な循環的利用が行われないものについては、適正な処分を確保することを基本とすること等を定めています。これにより一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分量を平成22年度までに平成9年度のおおむね半分に削減することとしており、平成17年度においてもその達成に向けた取組を着実に推進しました。
平成17年2月の中央環境審議会の意見具申「循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物処理の在り方について」を受けて、環境省では、廃棄物・リサイクル行政の目的が、これまでの公衆衛生の向上や公害問題の解決から循環型社会の形成へと変遷していることを踏まえ、今後、我が国全体として、3Rに重点を置いた最適なリサイクル・処理システムを構築していくこととし、廃棄物処理法第5条の2第1項の規定に基づき定めた基本方針を平成17年5月に改正しました。
この基本方針において、循環型社会の形成に向けた一般廃棄物処理システムの最適化について、市町村が行うこととして、
1) 一般廃棄物の処理に関する事業に係るコストの分析及び情報提供を行い、分析の結果を様々な角度から検討するほか、必要に応じてPFIの活用を行うことにより、社会経済的に効率的な事業となるよう努めること。
2) 経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再生利用の推進、排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべき。
3) 分別収集区分や処理方法といった一般廃棄物処理システムの変更や新規導入を図る際には、変更や新規導入の必要性と環境負荷面、経済面等に係る利点を、住民や事業者に対して明確に説明するよう努めること。
と明記しています。
また、これを受け、国が行うこととして、「市町村及び都道府県が行う、その区域内における廃棄物の減量その他その適正な処理の確保のための取組が円滑に実施できるよう、一般廃棄物の処理に関する事業のコスト分析手法や有料化の進め方並びに一般廃棄物の標準的な分別収集区分及び適正な循環的利用や適正処分の考え方を示すことなどを通じて技術的及び財政的な支援に努めるとともに、広域的な見地からの調整を行うことに努めるものとする。」とされていることから、現在、環境省では、一般廃棄物処理事業に係るコスト分析の標準的手法を示す「廃棄物会計基準」、有料化の進め方を示す「有料化ガイドライン」、一般廃棄物の標準的な分別収集区分や再資源化・処理方法の考え方を示す「処理システムガイドライン」について、検討・作成しています。
平成9年に改正された廃棄物処理法に基づき、一定の廃棄物の再生利用について、その内容が生活環境の保全上支障がない等の一定の基準に適合していることを環境大臣が認定し、認定を受けた者については業及び施設設置の許可を不要とする制度(再生利用認定制度)が設けられました。平成17年度までに、一般廃棄物では、62件の認定を、産業廃棄物では46件の認定を行いました。
また、平成15年に改正された廃棄物処理法に基づき、広域的に行うことによって、廃棄物の減量その他適正な処理の確保に資するとして環境大臣の認定を受けた者について、業の許可を不要とする制度(広域認定制度)が設けられました。平成17年度までに、製造事業者等による自主回収及び再生利用を促進するため、一般廃棄物では58件、産業廃棄物では88件の認定を行いました。
廃棄物の3Rを推進するための目標を設定し、広域的かつ総合的に廃棄物処理・リサイクル施設の整備を推進する「循環型社会形成推進交付金制度」を創設し、廃棄物の発生抑制・循環的利用・適正処理の促進を図るため、平成17年度は、交付金等(産業廃棄物分を含む。)により、熱回収施設、高効率原燃料回収施設、汚泥再生処理センター、埋立処分地施設、リサイクルセンター等の一般廃棄物処理施設の整備を図りました。
その他、一般廃棄物処理施設に係る民間資金活用型社会資本整備事業(PFI事業)に対して補助を行いました。さらに、都道府県において、ダイオキシン類対策、余熱の有効利用、公共工事のコスト縮減等の観点から策定された、ごみ処理の広域化計画に基づいた廃棄物処理施設の整備を推進しました。
またソフト面の施策として、市町村が実施する分別収集等ごみの減量化・再生利用に資する施策への支援を実施しました。
平成12年6月の廃棄物処理法の改正において、廃棄物処理センター制度の一層の活用を図ることを目的に、廃棄物処理センターの指定要件の緩和を行い、さらに民間を含め優良な処理施設の整備を支援するため、「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」に基づく特定施設の認定を行っています。
また、平成12年度から新たに創設された産業廃棄物処理施設のモデル的整備事業に対する補助制度を拡充し、公共が関与して行う産業廃棄物処理施設の一層の整備促進を図りました。
最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立ての円滑な実施を図りました。
平成4年に改正された廃棄物処理法が平成5年12月から施行され、国内処理の原則の下、廃棄物の輸出の場合の環境大臣の確認、廃棄物の輸入の場合の環境大臣の許可等、廃棄物の輸出入についても必要な規制が行われています。平成17年3月末までに廃棄物処理法に基づき行われた輸出確認は45件、輸入許可は3件でした(有害廃棄物の越境移動については第1章第4節8を参照)。
また、平成15年6月の廃棄物処理法の改正により、廃棄物の疑いのある者に対する地方公共団体の調査権限の拡充や不法投棄の未遂罪の創設など不法投棄対策の更なる強化、廃棄物処理業の許可や廃棄物処理施設の設置許可の特例制度の創設などリサイクル促進のための規制の合理化の措置が講じられました。さらにこの改正では、廃棄物処理施設整備計画の策定に関する条文が追加され、これに伴い廃棄物処理施設整備緊急措置法は廃止されました。なお、改正された廃棄物処理法に基づく新たな計画は、政府における社会資本整備の在り方の見直しの議論を踏まえ、計画の内容を「事業の量」から「達成される成果」に変更して、平成15年10月に閣議決定しました。
その後も、RDF施設などにおける事故の発生や硫酸ピッチ等の悪質な不法投棄が依然として全国的な問題となっていることから、これらの課題に対処するため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が第159回国会で可決され、平成16年4月28日に公布されました。改正の概要は以下のとおりです。
1)国の役割の強化による不適正処理事案の解決
○産業廃棄物の不適正処理事案が深刻化した場合など、緊急時における環境大臣の都道府県知事に対する指示規定の創設
2)廃棄物処理施設をめぐる問題の解決
○廃棄物の最終処分場の跡地等における土地の形質変更の届出の義務付け
○廃棄物の処理施設において事故が発生した場合の応急措置及び届出の義務付け
○構造上は適正な廃棄物処理施設において、管理者不在の場合における、当該施設の設置許可に関する手続の一部省略
3)罰則の強化などによる不法投棄の撲滅
○硫酸ピッチのような特に危険な廃棄物の基準に適合しない処理の禁止
○不法投棄の罪を犯す目的で廃棄物の運搬をした者の処罰
さらに、平成17年5月には、大規模不法投棄、無確認輸出等廃棄物の不適正処理に対する対応を強化するとともに、より適切な事務処理体制を確立するため、保健所設置市に係る事務の見直し、産業廃棄物管理票制度の強化、無確認輸出に関する罰則の強化等の措置を講ずる「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されたところです。
また、アスベスト廃棄物等の円滑かつ安全な処理を促進するため、溶融などの高度な技術により無害化処理を行う者について環境大臣が認定した場合、都道府県知事等による業や施設設置の許可を不要とする制度(無害化処理認定制度)を新設することを内容とする廃棄物処理法の一部改正法が18年2月に成立しました。

3. 資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)

平成13年4月に施行された資源有効利用促進法では、1)副産物の発生抑制を行うべき業種(特定省資源業種:鉄鋼業、紙・パルプ製造業等)、2)再生資源・再生部品を原材料として利用すべき業種(特定再利用業種:紙製造業、複写機製造業等)、3)材料の合理化を行うべき製品(指定省資源化製品:自動車、家電等)、4)材料・構造の工夫を行うべき製品(指定再利用促進製品:自動車、家電等)、5)分別回収を容易にするための表示を行うべき製品(指定表示製品:プラスチック製容器包装、紙製容器包装等)、6)自主回収・再資源化を行うべき製品(指定再資源化製品:パソコン、小形二次電池)、7)再生資源として利用できるよう工夫すべき副産物(指定副産物:石炭灰等)を指定し、それぞれに係る事業者に一定の義務付けを行い、事業者の自主的な取組の促進を図りました。
特に、特定再利用業種については、紙製造業における古紙利用率及びガラス容器製造業におけるカレット利用率の目標値を、それぞれ60%から62%、80%から91%に見直しました。
また、指定省資源化製品及び指定再利用促進製品については、指定されている製品のうち、近年国内出荷数量に占める輸入販売数量の割合が上昇している製品(パーソナルコンピュータ、家電製品)に関して、国産品と同様に、環境配慮設計を求める必要性が高まっていること、また、世界的な環境配慮設計・製造への取組が進展してきていることなどを踏まえ、製造事業者と同様に輸入販売事業者についても義務の対象としました。

4. 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)


(1) 施行状況
平成16年度における施行状況をみると、分別収集の実施率(全市町村数に対する実施市町村数の割合)が9割以上であったガラス製容器、ペットボトル、スチール缶及びアルミ缶はほぼ横ばいで、それ以外の品目については増加傾向が見られており、制度の浸透、定着が図られています。
ペットボトルについては、分別収集量は前年度比約1.1倍の23.8万tと年々着実な伸びを見せており、回収率は46.4%(事業系回収量を含めると62.3%)となっています。

2-1-3図	ペットボトルの廃棄量(生産量と分別収集量の差)の推移

平成12年4月から新たに対象品目に追加されたペットボトル以外のプラスチック製容器包装及び紙製容器包装については、制度施行6年目を迎えましたが、分別収集量は順調に伸びており、分別収集の実施率はプラスチック製容器包装の場合、平成16年度では57.5%となっています。しかしながら、他の品目と比べるとまだ低く、今後更に実施市町村数の増加を図ることが課題となっています。

2-1-4図	特定事業者が指定法人に支払う再商品化委託費の推移


(2) 容器包装リサイクル制度の見直し
容器包装リサイクル法は、施行後10年を経過した場合において、一部規定の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされています。
これに基づき、中央環境審議会及び産業構造審議会において容器包装リサイクル法の評価・検討が進められ、平成17年7月には中間取りまとめを公表し、パブリックコメントを実施しました。
また、平成18年1月には最終取りまとめ案についてパブリックコメントを実施し、寄せられた御意見等を踏まえて所要の修正をした上で、2月に中央環境審議会会長から環境大臣に「今後の容器包装リサイクル制度の在り方について」と題した意見具申がなされ、産業構造審議会容器包装リサイクルワーキンググループにおいても「容器包装リサイクル法の評価検討に関する報告書」が取りまとめられました。
これらの内容を踏まえ、3月に、容器包装リサイクル法の一部改正法案を第164回通常国会へ提出しました。

2-1-2表	指定法人による分別基準適合物の引取り実績(平成16年度)


5. 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)


(1) 施行状況
家電リサイクル法は、平成13年4月に本格施行されました。廃家電4品目の引取台数等は第1章第1節3(4)のとおりです。
不法投棄対策としては、関係者に対する必要な情報の提供、家電リサイクルプラントにおける見学受入れ、教育・広報活動を通じて国民の理解を増進するとともに、警察との連携による未然防止や取締りの強化等により、特定家庭用機器廃棄物の排出や収集、運搬時における不法投棄の防止に努めました。
平成17年4−9月期の家電4品目の引取等台数(指定引取場所に引き取られた台数に不法投棄台数を加えた台数)に対する不法投棄台数の割合は1.27%(前年度同期1.42%)でした。
引取等台数に対する不法投棄台数の割合は、昨年度と同様1〜2%の間で推移しており、引き続き実態を注視していく必要があると考えています。
製造業者等においては、リサイクルが容易な製品設計や材料の選択等の取組を開始しています。

2-1-5図	主な家電リサイクルプラントの整備状況


(2) 家電(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機)再商品化施設の整備状況
排出される家電4品目を全て再商品化することが可能なリサイクルプラントが、現在、全国47か所で稼働しています(2-1-5図)。このリサイクルプラントにおいて、家庭用エアコン及び冷蔵庫・冷凍庫に冷媒として使用されているフロン類と冷蔵庫・冷凍庫の断熱材に含まれているフロン類を回収した上で、鉄、アルミニウム、銅、ガラス、プリント基板の貴金属等を回収し、定められたリサイクル率を達成しています。

6. 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)


(1) 施行状況
平成12年5月に公布された建設リサイクル法は、平成14年5月に完全施行されました。法の円滑な施行を図るため、事業者等に対する説明会の開催、全国一斉パトロールの実施など、法の普及・啓発及び実効性の確保等に努めました。また、再資源化施設に関する情報やリサイクル材の需要動向に関する情報等を提供する「建設副産物情報交換システム」を構築し、平成14年春から運用しています。さらに、建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方、目標、具体的施策を定めた「建設リサイクル推進計画2002」や、建設工事の副産物である建設発生土と建設廃棄物の適正な処理に係る総合的な対策を発注者及び施工者が適切に実施するために必要な基準を定めた「建設副産物適正処理推進要綱」などにより建設リサイクルを推進しました。

(2) 建設廃棄物(コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材)再資源化施設の整備状況
コンクリート塊及びアスファルト・コンクリート塊に関しては、平成3年12月より運用の「公共建設工事における再生資源活用の当面の運用について」(平成14年5月改訂 国土交通省)において、国土交通省が行う公共工事の現場から一定の範囲内に再資源化施設がある場合には再生資材をその工事に使用すると定めたことにより、その再資源化施設の整備が進み、排出量に対する処理能力及び施設分布に大きな問題はありません。しかし、建設発生木材については、再資源化施設がコンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊に比べて少なく、地域的に偏在しています。このため、税制上の優遇措置や政府系金融機関の融資等を活用して、建設発生木材の再資源化施設整備の促進を図りました。

7. 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)


(1) 施行状況
平成13年5月に定められた、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」(基本方針)においては、食品循環資源の再生利用等の促進の基本的方向のほか食品関連事業者における食品循環資源の再生利用等の実施率を平成18年度までに20%に向上させるという量的な目標等が定められています。この基本方針に基づき、全国の食品関連事業者等において、食品廃棄物等の再生利用等を推進するため様々な取組が行われています。
さらに、基本方針の見直し等を行うため、食料・農業・農村政策審議会総合食料分科会食品リサイクル小委員会を設置し、平成17年10月から調査審議を開始しました。

(2) 食品廃棄物再資源化施設の整備状況
食品循環資源の再生利用等を促進するためには、食品関連事業者の委託を受けて再生利用事業を行う事業者の育成等が不可欠であることから、食品リサイクル法に定める要件に合致するものについて主務大臣(農林水産大臣、環境大臣及び当該特定肥飼料等の製造の事業を所管する大臣)による登録を行うこととしており、平成18年3月31日現在で89業者が登録を受けています。
また、食品廃棄物を含むバイオマスの利活用推進を図ろうとする地域に対し、リサイクル施設の整備等を行いました。
なお、登録再生利用事業者については、廃棄物処理法上の一般廃棄物収集運搬業の許可の特例、肥飼料を製造する場合について、肥料取締法及び飼料安全法上の製造、販売等に係る届出の特例が設けられています。

8. 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)

平成17年1月より自動車リサイクル法が本格施行され、関連事業者については引取業が約8万5,000社、フロン類回収業が約2万2,000社、解体業が約5,800社、破砕業が約1,200社それぞれ都道府県等の登録又は許可を取得しています。
国は、都道府県等と協力し、同法の適正な運用を目指し、不適正広告を行う事業者や違法行為を行う事業者への指導等を行いました。
また、同法の円滑な実施を確保するため、関係事業者や自動車所有者等に対して、各種説明会やパンフレットの作成、TV・ラジオ・新聞等を活用した広報活動を実施しました。
フロン類、エアバッグ類及びシュレッダーダストのリサイクル(フロン類においては破壊)にかかる料金は自動車製造業者等が設定し、公表しています。また、リサイクル料金の管理に要する費用(資金管理料金)と廃車の情報管理に要する費用(情報管理料金)として(財)自動車リサイクル促進センターが経済産業大臣及び環境大臣の認可を受け、公表しています。
平成17年度で、引取業者による使用済自動車の引取報告(電子マニフェスト報告)件数は約305万件となっています。また、リサイクル料金が預託された車両は約3,152万台、預託金額は3,755億円となっています。
また、使用済自動車の引渡しに支障が生じている離島市町村に対して、特定再資源化預託金を用いた支援事業を開始しました。平成17年度では70市町村において0.6万台分について資金出えんされています。

9. 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)


(1) 施行状況
「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(基本方針)に基づき、国等の各機関は、平成17年度の調達方針の公表等を行い、これに従って調達を実施しました。
基本方針に定められる特定調達品目等については、物品等の開発・普及の状況、科学的知見の充実等に応じて適宜見直しをすることとしており、平成18年2月に13品目の追加等の基本方針の変更を閣議決定しました。この中には、違法伐採対策として、木材・木材製品の合法性が証明されたものであることを判断の基準として追加したこと等が含まれています。
また、地方公共団体おけるグリーン購入の取組を促すため、地方公共団体を対象としたグリーン購入に関するアンケート調査や、前記の基本方針の変更について、全国9か所での説明会等を行いました。(特定調達品目は序章2節2.(2)エを参照)

(2) 環境物品等の購入の推進
グリーン購入に率先して取り組む企業、行政、消費者団体等各主体が連携した組織として発足したグリーン購入ネットワークの活動を積極的に支援するとともに、全国4か所で開催したグリーン購入セミナーなどを通して、廃棄物の発生の少ない製品やリサイクル可能な製品など、環境への負荷の少ない製品の優先的な購入の普及啓発を行いました。また、購入者が製品等に関連する環境情報を入手できる「商品環境情報提供システム」の試行を開始したほか、環境ラベリングその他の手法による情報提供を推進しました。そのほか、平成17年4月に設立された国際グリーン購入ネットワーク(IGPN)と連携して、世界的レベルでのグリーン購入の取組と環境配慮型製品やサービスの開発を推進しました。

写真	グリーン購入の対象の文具の例


コラム 14 エコチャレンジホテルを利用しよう!

環境に優しい商品を購入する「グリーン購入」は、コピー用紙や文具だけが対象だと思っていませんか?皆さんが出張や、家族で旅行に出掛けるときに、宿泊するホテルや旅館、これも立派なグリーン購入の対象なのです。
ホテルや旅館では食事もしますし、お風呂も入れば、テレビも見るので、電気や水を消費し、廃棄物も出すことになります。私たちは、お金を払って「宿泊」というサービスを利用(購入)するわけですから、環境に配慮した宿泊サービスを提供してくれるホテルや旅館を利用することはとても大切なポイントです。
海外では1990年代中頃から、環境に配慮したホテルを認定する基準や制度が始まっており、100以上のホテルが認定を取得しています。日本では、ISO14001の認証を取得しているホテル・旅館が全国で数十施設ある他、グリーン購入ネットワーク(GPN)が、全国で300を超える、環境に配慮した「エコチャレンジホテル」をホームページで紹介しています。

コラム14	ホームページ「GPNエコチャレンジホテル旅館データベース」のトップページ画面

一度使うと次のお客様には出せないので、以前はゴミになってしまうケースがほとんどだった個別包装の石鹸やシャンプー類も、廃棄物を減らし、資源を有効に利用するために、詰め替えタイプに切り替えたり、一度宿泊客が使った石鹸を従業員スペースで使ったり、油脂化してリサイクルへ回すホテルが増えています。
また、歯ブラシやカミソリなどを持参したメンバーズ会員の宿泊料を割り引いたり、連泊時にタオルやシーツ類の交換を必要としない場合に館内利用券を提供し、環境への取り組みに賛同・参加してくれたお客様にメリットを還元しようという取組も出てきています。青森にあるシティホテルでは、なんと約50%もの連泊客が、タオル・シーツ類の不交換に参加しているそうです。豊かさを求めるホテル宿泊サービスにも、着実に環境意識が根付いてきています。
都内のホテルでも、90年代半ばからホテル内に導入したコンポスト・プラントで年間約1,600トン発生する食品残さの堆肥化や、その堆肥化した堆肥で栽培した野菜やお米がレストランで提供されています。

コラム14	写真 コンポストプラント

2004年から全国の企業や自治体に先駆けて、組織内のグリーン購入対象品目に「ホテル」を採用し、出張や会議・社内研修等で利用する際に、環境に配慮したホテルを利用するように基準を定めている企業や団体があります。第8回グリーン購入アンケート(GPN)では、60%の企業・自治体が「組織の行事やイベントで利用する、利用可能」と回答しています。
また、ある旅行会社では、ホテル・旅館の環境への取り組みを独自に調査し、カタログ上に情報を掲載しています。カタログに掲載した236施設は、その他のホテルよりも利用が伸びており、「環境配慮に取り組む⇒利用につながる」というグリーン購入の図式が形成されてきています。
とはいえ、国内のホテル・旅館は5万軒近くあると言われており、ホテルや旅館の環境への取り組みも、宿泊客が環境に配慮したホテルを利用する取り組みも、まだまだ始まったばかりです。次の家族旅行にはエコチャレンジホテルを利用して、環境に取り組んでいるホテルだから選んだと、メッセージを残しましょう。それが環境に優しいホテル・旅館を育てる第一歩なのです。さあ、次はあなたの番です。
環境に優しいホテルを紹介するサイト
GPNエコチャレンジホテル旅館データベース http://www.ecochallenge.jp/index.html


10. ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)

PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進するため、平成15年4月にPCB特措法に定める「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」の策定を行いました。

11. 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)

我が国においては、過去に不法投棄等の不適正な処分が行われた産業廃棄物により、生活環境保全上の支障が生じるとともに、これらの産業廃棄物が長期間放置されることにより、産業廃棄物処理に対する国民の不信感が生じ、循環型社会の形成の阻害要因ともなっている状況にかんがみ、これらの産業廃棄物に起因する支障の除去又は発生の防止を計画的かつ着実に推進することが喫緊の課題となっています。こうした課題を踏まえ、平成9年の改正廃棄物処理法の施行(平成10年6月17日)前に、同法に定める処理基準に違反して不適正に処分された産業廃棄物(特定産業廃棄物)に起因する生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止(支障の除去等)を自ら行う都道府県等に対し、国が財政支援を行うため、平成24年度までの時限法として、平成15年6月に産廃特措法が制定され、施行されました。
同法では、1)環境大臣は、「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成24年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本的な方針」(基本方針)を定める、2)都道府県等は、基本方針に即して、その区域内における特定産業廃棄物に起因する支障の除去等の実施に関する計画(実施計画)を定めることができる、3)国は、産業廃棄物適正処理推進センターが、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行う都道府県等に対し資金の出えんを行う場合には、予算の範囲内において、その業務に係る基金に充てる資金を補助することができる、4)特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行うに当たり都道府県等が必要とする経費について、地方債をもってその財源とすることができることを定めています。
平成18年3月末までに、香川県豊島、青森・岩手県境、山梨県須玉町(現北杜市)、秋田県能代市、三重県桑名市、新潟県三和村(現上越市)及び福井県敦賀市の7事案において県が実施計画を策定し、環境大臣が同意をしました。これらの県に対し、国は適正処理推進センターを通じて財政支援を行っています。


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