第2節 循環型社会を形成する基盤整備


1. 財政措置等

循環型社会基本法では、政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講じることとしています。国の各府省の予算のうち、循環型社会の形成を推進するための経費は、平成17年度当初予算額で3,614億2,900万円(下水道事業費補助等、内数で計上している経費は除く。)となっています。

2. 循環型社会ビジネスの振興


(1) 循環型社会ビジネスの市場規模
循環型社会の形成が進み成長が見込まれる環境ビジネスのうち廃棄物・リサイクル分野(循環型社会ビジネス)の市場・雇用規模は、環境省が行った調査では、平成15年で約22兆円、約62万人と推計されました。平成15年における市場規模や雇用規模の主な内訳としてはプラスチック・鉄・古紙など再生素材及び機械・家具等修理、住宅リフォーム・修繕などいわゆるリペア(修理)産業に関する分野が約18兆円、雇用規模で約39万人、次いで廃棄物処理、資源回収、リサイクルなどのサービスの提供に関する分野が市場規模で約4兆円、雇用規模で約21万人と推計されます。循環型社会基本計画では、こうした循環ビジネスの市場規模及び雇用規模を平成22年度までに平成9年度比でそれぞれ2倍にすることを目標として掲げています。(2-2-1表)

(2) 循環型社会ビジネスの振興へ向けた取組
事業者が、再生資源の利用率目標の達成及び再生資源の新規用途の開発などの個別品目の状況に応じた再生利用能力の向上を図ることを促進するとともに、再生資源やリサイクル製品が初めて使用される資源やこれによる製品に比べて割高になりがちであることも踏まえつつ、国、地方公共団体、事業者、国民すべての主体がリサイクル製品を積極的に利用することなどにより、リサイクル製品の利用・市場の育成等を推進しました。平成15年度における国等の機関の特定調達品目(国等の機関が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類)の調達実績については、平成15年度に新たに追加された品目を含め、大半の品目において判断の基準を満たす物品等が95%以上の高い割合で調達されました。
また、循環型社会の形成の礎となる産業廃棄物処理業の優良化を推進するための事業を実施しました。
その他、いわゆる地域コミュニティ・ビジネスの育成を図るための事業の実施等を行いました。

2-2-1表	日本の循環型社会ビジネス市場規模の現状について


コラム 15 サービサイジング

近年、「サービサイジング」という言葉をよく耳にします。例えば、先に閣議決定された第3次環境基本計画においても「循環型社会ビジネスの振興」で「物の供給に代えて環境負荷の低減に資するサービサイジング等の活用による取組を推進」することを掲げており、この場合のサービサイジングとは、単なるモノの提供ではなく製品の機能を提供するという考え方を指しています。
具体的にはどういうことでしょうか。人は着ている物をきれいにするために洗濯機を買います。この場合、洗濯機を買うことによって、手洗いの手間、洗う時間が省けたことになります。しかしながら洗濯機もいつかは壊れます。その結果、また手洗いの手間が生じるため、新たに洗濯機を買い直さなければなりません。仮にこの洗う手間を販売するサービス若しくは補填するサービスがあればという考え方がサービサイジングです。スウェーデンの電器メーカーは、消費者に洗濯機を貸し出し、洗濯回数等に応じて料金を支払うという実験を1999年から2001年にかけて行いました。インターネットで結ばれたメーターで1回洗濯する毎に一定額の料金を加算し月末に請求するという方法です。日本でも業務用の複写機で広く行われている維持管理を含む総合リースサービスはサービサイジングの典型例ですし各地で試みられているカーシェアリングなどはこれに当たるでしょう。また、一部の家電量販店で始まった長期保証サービスも広い意味でこれに含まれるでしょう。
サービサイジングの考え方では、生産者は製品のライフサイクルの多くに関与することとなり、資源の有効利用やエネルギー使用量の削減等を通じて環境負荷の低減が図られることとなります。


3. 経済的手法の活用

多くの人の日常的な活動によって引き起こされている廃棄物問題については、大規模な発生源やある行為の規制を中心とする従来の規制的手法による対応では限界がある面もあります。このため、その対策に当たっては、規制的手法、経済的手法、自主的取組などの多様な政策手段を組み合わせ、適切な活用を図っていくことが必要です。
平成12年4月施行の地方分権一括法によって、課税自主権を尊重する観点から法定外目的税の制度が創設されたことなどを受け、廃棄物に関する税の導入を検討する動きが各地で見られます。
環境省の調査によると、平成17年11月現在、47都道府県中24府県(三重、鳥取、岡山、広島、青森、岩手、秋田、福島、愛知、滋賀、新潟、奈良、山口、宮城、京都、島根、福岡、佐賀、長崎、大分、鹿児島、宮崎、熊本、沖縄)及び保健所設置57市中1市(北九州)において、産業廃棄物に係る法定外目的税の条例が制定されています。また、北海道と山形県で条例案の作成を行い、導入を目指しています。

4. 教育及び学習の振興、広報活動の充実、民間活動の支援及び人材の育成

環境教育の推進の重要性にかんがみ、国民の環境保全について理解を深め、環境保全活動に取り組む意欲を高めていくため、環境教育の推進、体験機会の提供等の措置を盛り込んだ「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が平成15年7月に成立し、その後同法に基づく基本方針の閣議決定、人材認定等事業に係る登録に関する省令の公布を経て、平成16年10月1日に完全施行されました。
環境省では、環境教育の一層の推進を図るため、小中学生の環境保全活動を支援する「こどもエコクラブ事業」、環境保全についての助言・指導を行う人材を確保する「環境カウンセラー事業」等の他、平成17年度より家庭におけるエコライフを支援するための「我が家の環境大臣事業」、学校施設の環境配慮型の改修及びその活用による環境教育を推進する「学校エコ改修と環境教育事業」を新たに実施しました。また、NGO等による環境保全活動を活性化するために、地球環境パートナーシッププラザにおいて情報提供等様々な支援を行うとともに、この取組を全国に拡大するため、その拠点となる「地方環境パートナーシップオフィス」を全国に整備していく予定であり、平成17年度は前年度設置の3箇所に加え、北海道、東北の2箇所に設置しました。さらに、環境事業団から独立行政法人環境再生保全機構に移管された「地球環境基金」では、国内外の民間団体が行う環境保全活動に対する助成を行いました。
さらに、NGO・NPO等の民間団体、事業者及び地方公共団体等の各主体が連携して行う3Rを中心とする循環型社会に向けた取組で、先駆的・独創的かつ他の領域に適用可能な一般性を有する事業について、アイデアを公募して、実証事業として実施しました。
経済産業省では、地域市民への環境・リサイクル関連法及び社会的連携の必要性に対する認識向上を目的として「地域3R支援事業」を実施しました。容器包装リサイクル教材等の3R学習に必要な各種教材の地域の学習拠点への設置や貸出を行うとともに、3R学習の講師を派遣するなどのネットワーク整備を実施しています。
内閣府では、国民生活における省資源・省エネルギー政策を推進し、循環型社会の形成を促進するために、環境と調和した消費者活動に関する調査を実施したほか、日常的な消費行動である「買い物」に着目した「環境にやさしい買い物キャンペーン」を10月に経済産業省、環境省及び47都道府県と連携し、流通事業者の協力を得ながら実施しました。
また、民間団体による、省資源・省エネルギーの促進に寄与する先駆的な実践活動や普及啓発活動をモデル的に支援し、平成17年度は公募により6団体に対する支援を実施しました。
文部科学省では、環境保全などを始めとする現代的課題について、社会教育施設等が中核となり、様々な機関と連携するなどにより様々な事業を実施し、地域における社会教育の活性化を図りました。
また、学校における環境教育の推進を図るため、全国環境学習フェアの開催や環境教育担当教員講習会の開催、環境教育実践モデル地域の指定、環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)モデル校の指定等を行っています。
さらに、文部科学省と環境省の連携・協力のもと、環境教育リーダー研修基礎講座を実施するとともに、平成17年度から、新たに環境教育推進のためのプログラム開発や、情報提供体制の整備を進め、「環境教育・環境学習データベース」をホームページで公開しています。
環境保全計画の策定や環境測定など地方公共団体や企業の環境保全活動に関して、文部科学省においては、有能な技術者を「技術士(環境部門)」と認定し、活用を促進しています。

コラム 16 エコ・コミュニティ事業

平成15年3月に策定された循環型社会形成推進基本法では、国の取組として、地域におけるNPO・NGOなどの様々な主体による協働の取組で、先駆的な取組について国が支援していくこととされています。
これを受けて環境省では、NPO・NGOや事業者が地方公共団体と連携して行う循環型社会の形成に向けた取組で、他の地域のモデルとなるような事業を公募してエコ・コミュニティ事業として行うことにより、地域からの取組の展開を促すこととしました。
平成17年度は、全国から36件の応募があり、8件の事業を採択しました。採択事業の概要は以下のとおりです。
○里山の手入れの結果出る未利用材(特に竹)活用のための流通ルートづくり事業
横浜市の特定非営利活動法人よこはま里山研究所では、森林資源の中でも、その処理が大きな問題になっている「竹」に対象を絞り、木材同様、竹材をオガコやチップ、細かいパウダーにすることで、身近な材の活用を通じたゴミの減量化を目指した事業を行いました。
具体的には、神奈川県内で竹林の手入れを自発的に行っているボランティア団体(約50団体とネットワークを組み、安定的な竹材回収に向けたデータ収集及び、回収した材を製材所でオガコにし、さらに微粉末にする工場に搬入しパウダー状にし、パウダーの品質データを取った後、プラスチックなどに形成する製品開発の実験を行いました。

コラム16	写真	竹材回収の様子


コラム16	写真	ウッドデッキ

○都会と中山間地を生産物と廃棄物で対流・共生を図る市民事業
長野県大町市のNPO地域作り工房では、旅館・ホテルや飲食店で発生する大量の廃食油をBDF(バイオディーゼル燃料)として活用するとともに、将来的にBDF事業を都市と農村を繋ぐエコツアーに結びつけるための方策を検討することで、観光地という特性を活かした循環型社会を構築することを目的に事業を行いました。
具体的には、市内の中心市街地商店街の空き店舗に、BDFの精製拠点である「菜の花ステーション」を整備し、大町市及び北安曇郡内の協力旅館・ホテルから廃食油の受入れ、BDF精製・販売に加え、観光業者をはじめとする地元関係者の事業への協力拡大のために、エコツアーの提案を行い、ツアーではBDF事業の紹介、「菜の花ステーション」見学などを盛り込み、廃食油を提供したツアー参加者には特典をつけるなど、BDF事業への理解を進め、都市部からの参加者との対流・共生をはかる内容になるよう工夫をしました。

コラム16	写真	BDF事業学習会


コラム16	写真	建設現場でBDFを使用

○PETボトルのキャップのリサイクルによる資源循環型モデル事業
鳥取県米子市の株式会社エコマ商事では、不燃ゴミや可燃ゴミに分類され、リサイクルされていない、PETボトルのキャップを地元公民館活動や学校、協賛企業の協力で回収し、デッキ、ベンチ、防護柵や浮桟橋、また屋上緑化やビオトープの部材等々、様々な景観商品を作り、社会へと還元することを目指しています。
具体的には、PETボトルのキャップ回収を、公民館、学校、企業等に呼びかけ、PETボトルのキャップ専用回収box2を100か所程度設置するとともに、設置団体に対して、対象に応じ小冊子(子ども向け)や、CD−ROM(一般向け)、チラシ、ポスターを作成し、事業の周知を図りました。
また、回収に対する協力の輪が全国に広がり、岩手、埼玉、東京などからもPETボトルのキャップが送付されています。

コラム16	公民館に設置された回収ボックス


コラム16	分別の様子


コラム16	リサイクル製品(キャップ187,400個分)

○かまえゆかりプロジェクト事業
大分県佐伯市のやっちょんにーずでは、漁村独自の廃棄物を再生利用することを通じて、古来からあった漁村の「ゆかり文化」を創造し、観光客等によるごみ減量化について考え直す契機を作ることを通じて、3Rを推進することを目的に事業を行いました。
具体的には、地元漁師などの住民をゆかり文化を発信する「海部の伝道師」として任命し、それぞれの技能を生かした指導教室を開催し、海洋性廃棄物や使用済みのブイなど、漁村独自の廃棄物をアート作品としてよみがえらせました。また、観光客等によるごみの減量活動を検証するために、民宿、売店が参加する地域通貨の一種である「海道札」の発行に向け、検討を行いました。
さらに、ゆかり文化の創造という観点から、「ゆかり読本」「ゆかりネット」(HP)を作成し、海洋性廃棄物から生まれるアートを紹介するとともに、ブルーツーリズムの振興も視野に入れた海の幸文化のもつ豊かな文化の発信も行っています。

コラム16	ひおうぎ貝を使ったアート

○地域に眠る衣料資源の循環利用実証事業
札幌市npoSMNネットでは、地域に眠る不要な再生可能衣類をリメイクもしくはイージーオーダーすることによって、古衣料をリユースし、3Rの推進に役立てることを目的として事業を行いました。
具体的には、地域に点在するリサイクルショップや、服飾系専門学校、衣料再生技術者など、もともと地域に存在していた人材を発掘するとともに、家庭やリサイクルショップ内、衣料品業界の倉庫に眠る再生可能な古衣料を収集し、収集した古衣料のリメイク、リフォームを行い、作品の協力リサイクルショップ内での展示、リメイク写真展・作品展を開催しました。
また、一般市民を対象としたメイク講座の開催や、リメイクコンテストを開催することを通じて、古衣料のリユース普及を行いました。

コラム16	リサイクルショップのリメイク作品展示


コラム16	リメイク講座の様子

○「食」を通じた農村地域と中心市街地の地域循環型社会形成事業
岩手県花巻市(採択時は東和町)の株式会社土澤まちづくり会社では、生ごみの減量化や地域食材を生かした調理法の開発などをテーマとする「エコ・クッキング」「コミュニティ・レストラン」の実践を通じて、農村地域、商店街飲食店、地元住民の消費を結びつけ、岩手県東和町における『食』を媒体とした循環型社会形成を実証することを目的に事業を行いました。
具体的には、実行委員会を開催し、事業の進め方について検討を行い、エコ・クッキングの研修会を開催し、地場産を活かした多様なメニューや、高齢者、壮年層、女性等の年齢別メニューや子どもたちの健康を考慮したメニューなどを開発しレシピ集としてまとめました。
また、消費の場である中心市街地(商店街)に、家に引きこもりがちな高齢者と地域住民が共に食する場となる「コミュニティ・レストラン」を開設しました。

コラム16	コミュニティ・レストランの様子


コラム16	地域食材を活かしたメニューの例

○大都市における食品容器回収に関する意識改革推進事業
東京都の環境生活文化機構では、今後、食品容器についてワンウェイからリサイクル、そしてリユースとへと意識改革を推進し、食品容器のリユースシステム構築のために資することを目的に事業を行いました。
具体的には、東京都杉並区内スーパーマーケット等にPETボトル等食品容器の自動分別回収機を導入し、最も効率的な地域内の分別回収・資源循環システムを構築するとともに、それらを一般消費者に見える形で伝えるため、PETボトルの再資源化施設等の見学会や意見交換会を行いました。また、回収効率の変化や、一般消費者及び各業界関係者からのアンケート調査結果等を分析・評価することによって、循環型社会形成へ向けた意識の向上、行動力の喚起の方策について検討し、将来のリユースシステムについての可能性を調査研究しました。

コラム16	PETボトルの自動分別回収機


コラム16	見学会の様子

○家電販売店との協力で蛍光管の適正処理システム構築事業
京都市の特定非営利活動法人コンシューマーズ京都では、蛍光管、スプレー缶、乾電池などの「家庭系有害廃棄物」の適正処理に向けた社会システム作りのために、特に「蛍光管」に焦点を絞り事業を実施しました。
具体的には、蛍光管の購入量が最も多い年末の時期に、京都市内の家電量販店の協力をえて、リサイクルbox2を設置し、消費者・市民に蛍光管を持ち込んでもらい、リサイクル業者に収集処理を委託して、一定期間蛍光管の回収・適正処理を行いました。
また、消費者・市民に蛍光管の適正処理の必要性についての啓発を行うためのパンフレットの作成、蛍光管の廃棄に関する意識調査を通じて、よりよい蛍光管回収のあり方を検討しました。

コラム16	環境フェスティバルのアンケート調査


コラム16	回収ボックス



コラム 17 リ・スタイル

環境省では、平成14年版の循環型社会白書で提唱されたリ・スタイルを広く周知するため、WEBマガジン「Re-Style」の発行や、イベントを開催しています。
ア WEBマガジン「Re-Style」

コラム17	Re-Styleのトップページ

ごみを減らし、資源をできるだけ有効に活用するためにはどうしたら良いのか、日常生活においてできることや環境にやさしいライフスタイルについて分かりやすく情報提供するため、環境省では、WEBマガジン「Re-Style」を平成14年6月に開設しています。
「Re-Style」では、
1) 特定のテーマに関する特集
2) 著名人や芸術家等の日常生活における環境にやさしい取り組みやライフスタイルなどのインタビュー形式での紹介
3) 環境保全をテーマとするイベント等における取組や時事問題、2)で取り上げられない緊急インタビュー等のレポート
4) リサイクルプラザやリサイクルショップの上手な活用方法等を紹介するコラム
5) スーパーマーケットやサッカースタジアムなどでのドイツのごみ事情等を紹介するコラムをメインコンテンツとし、その他にも身近な情報や取組を検索するためのデータベース等を掲載してライフスタイルのリ・スタイル化に関する情報を提供しています。
イ Re-Style LIVE
Re-Style LIVEは、将来の世代を担う若者を主な対象として、ライフスタイルの変革や環境問題への関心を高めるきっかけをつくるため、著名なアーティスト及びTV、ラジオ、雑誌等の媒体の全面的な協力を得て実施した音楽ライブイベントです。
平成15年10月に第1回、平成17年3月に第2回、平成18年2月に第3回を実施しましたが、各回とも参加定員を大幅に上回る応募をいただいたため、抽選の結果招待した参加者と協力媒体等の関係招待者を合わせて約3,000人近い参加者を得て大盛況のイベントとなりました。
このイベントでは、環境に配慮したイベントのモデルケースとして、
1) グリーン電力を導入した会場の使用
2) リユースカップ及びRe食器(壊れた陶器を回収し、粉砕し再び資源化した原料を20%配合した陶器)の使用
・出演者、スタッフ(200名程度)が楽屋や舞台裏でリユースカップを使用
・来場者用のドリンクはリユースカップで販売
・出演者、スタッフ用の食事をRe食器で供給し、弁当容器や食べ残し等の食品廃棄物等のごみを削減
3) パンフレットやチラシ等の配布物の最小化(ほしい人だけがもらう)
4) 関係者通行証、招待券等の印刷は大豆油インキを使用し、古紙再生紙を使用
5) 使い捨ての展示物(パネル等)の不使用
等、できる限り環境負荷を低減する工夫を導入しています。これらの取組はイベントの中で紹介し、身近にできる環境にやさしい取組を呼びかけることによって参加者及び出演者の意識啓発を行っています。
また、このイベントは、WEBマガジン「Re-Style」内に特設ページを設けて、参加者の募集と併せて環境に関するアンケートを実施、第1回及び台第2回のLIVEを振り返った、レポートを掲載するなど、WEBマガジン「Re-Style」との連携のもとで実施されています。

コラム17	リユースカップ


コラム17	リユースカップで食事をとる出演者



5. 調査の実施・科学技術の振興

平成18年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画のもと、平成18年3月に総合科学技術会議において決定された「分野別推進戦略」では、環境分野で今後5年間に重点的に取り組んで行くべき研究課題の一つとして、3R技術研究が選定されました。また、中央環境審議会では、「環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略は、いかにあるべきか」について審議し、「循環型社会の構築」領域等の「重点領域」を明らかにした中央環境審議会答申を平成18年3月に取りまとめました。
廃棄物処理等科学研究費においては、競争的資金を活用し広く課題を募集し、平成16年度は50件の研究事業及び6件の技術開発事業を実施しました。
研究事業については、「社会におけるマテリアルフロー分析、循環型社会の評価手法に関する研究」、「経済的インセンティブを用いた3Rの推進に関する研究」、「地域における最適な資源循環システムの構築に関する研究」及び「安全、安心のための廃棄物管理技術に関する研究」を重点テーマとし、廃棄物をとりまく諸問題の解決とともに循環型社会の構築に資する研究を推進しました。
技術開発については、「廃棄物適正処理技術」、「廃棄物リサイクル技術」及び「循環型設計・生産技術」を公募分野とし、次世代を担う廃棄物処理等に係る技術の開発を図りました。
また、地球環境保全等試験研究費のうち公害防止等試験研究費においては、前年度に引き続き「循環型社会形成に資する研究」を重点的強化を図る必要がある事項の一つに掲げ、廃棄物の処理・再利用技術の開発等、5課題の試験研究を実施しました。
戦略的創造研究推進事業において、地球温暖化等を抑制するための新しい技術的提案を目指した「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」における基礎研究の推進を図り、植物系循環型高機能材料を生産するシステムをより効率的なものにするための研究を進めています。
科学技術振興調整費を活用して、「廃棄物・新素材による土壌浸透システム開発」や「食品廃棄物処理システム中の微生物群の動態」といった研究開発を実施しました。
地球環境の保全と人間社会の持続的発展を同時に実現するため、有効利用可能な資源分子を有用な物質・材料に変換する新しい科学技術及び窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)等の大気汚染分子や、ダイオキシン類等を分解して、環境低負荷型分子に変換する革新的な環境修復技術の開発を推進しています。
また、家畜排せつ物、木質系廃棄物等の有機性資源のバイオマス変換等革新的リサイクル技術(メタン化、メタノール化、有用成分抽出、炭化等)の開発を実規模実証研究により実施しています。
さらに、経済産業省では、技術開発戦略として複数の技術開発をパッケージ化した3Rプログラムとして策定し、3Rの推進に資する研究開発や実用化技術開発を実施しており、平成17年度は、自動車リサイクル等に資する技術開発や製品の設計・製造段階での有害物質の使用排除を可能とする技術等環境配慮設計を促進するための技術や建築物を長寿命化し、廃棄物の発生を抑制する技術等上流分野における技術開発を行いました。
国立環境研究所においては、第一期中期計画(平成13年度から17年度)に掲げられた政策対応型調査・研究として、「循環型社会形成推進・廃棄物管理に関する調査・研究」などを実施し、5年間の研究成果の取りまとめと次期中期目標期間での研究展開を意識して研究を進めました。

6. 施設整備

地域における資源循環型経済社会の構築を目的に、環境省及び経済産業省が連携して実施している「エコタウン事業」(2-2-1図)において、先進的なリサイクル関連施設整備事業に対して、支援を行いました。
家畜排せつ物、稲わら等の循環的な利用については、畜産農家と耕種農家との連携強化による流通・利用の促進を図るため、たい肥・稲わら等流通利用計画の作成等を行うとともに、たい肥利用促進のための実証ほ等の設置、たい肥化施設等の整備等幅広い取組を推進しました。また、家畜排せつ物等の有効利用を促進するため、たい肥化施設等の環境対策施設の整備を推進しました。
さらに、下水道事業において発生する汚泥(発生汚泥等)の減量化のための施設整備の支援、新技術開発の促進等を行いました。
近畿圏においては、「広域臨海環境整備センター法」(昭和56年法律第76号)に基づき大阪湾フェニックス計画が推進されており、神戸沖処分場などにおいて近畿2府4県内の177市町村から排出される廃棄物を受け入れています。
港湾における廃棄物処理対策として、平成17年度は、27港1湾において廃棄物埋立護岸の整備に対する補助を実施しました。また、資源のリサイクルの促進のため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)を6年度に開始し、17年度は広島港、粟津港等において建設発生土の受入れを実施しました。

2-2-1図	エコタウン事業の承認地域マップ


7. 生活環境保全上の支障の防止、除去等

産業廃棄物の不適正処分の防止と支障の除去等を図るため、平成17年10月、全国7ブロックの地方環境事務所の組織再編により立入検査等の体制を強化するとともに、都道府県等と情報交換等の連携強化により監視の強化に努めました。さらに、硫酸ピッチの不適正処分の防止については、改正廃棄物処理法の厳格な運用を図るとともに、関係機関と関連情報の共有等の連携を図り、防止対策を推進しました。
また、産業廃棄物適正処理推進センターの基金に対し、産業界の自主的な拠出に併せて国からも補助を行うとともに、産廃特措法に基づく補助も行いました。
さらに、平成16年、環境省に設置した不法投棄ホットラインにより不法投棄に関する情報を国民から直接受け付けるほか、現場調査や関係法令等に精通した専門家チームを派遣し、都道府県等の不法投棄対策を支援しました。

8. その他の政府の取組


(1) 都市再生プロジェクトの推進
都市再生プロジェクトとして推進している「大都市圏におけるゴミゼロ型都市への再構築」に向けて、首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会及び京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、廃棄物の減量化目標の達成、廃棄物処理・リサイクル施設の整備、静脈物流システムの構築等を内容とする中長期計画を策定しています。この中長期計画に基づき、毎年、その進捗状況の点検及び新たな課題の検討等のフォローアップを行っています。平成17年度は、首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会、京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会共に10月にフォローアップを行い、それぞれ中長期計画に基づく取組はおおむね計画どおりに進んでおり、引き続き国、地方公共団体及び民間事業者が一体となって取組を推進していくことが確認されました。また、9月に中部圏ゴミゼロ型都市推進協議会を設置し、今後中部圏でもゴミゼロ型都市の実現に向けた中長期計画を策定していくこととしました。

(2) 循環型社会実現のための静脈物流システムの構築
廃棄物や再生資源・製品の輸送については、リサイクル対象品目の増加、再生利用率の向上などによって、輸送の大量化・中長距離化が進むことが予想されます。また、大都市圏における廃棄物・リサイクル施設の集中立地や拠点形成により、拠点間の相互連携によるリサイクル等の廃棄物処理に的確に対応した物流システムの整備が必要となってきます。
平成17年11月に閣議決定された「新総合物流施策大綱(2005-2009)」においても、循環型社会の形成に向けて、適正な処理・輸送を確保した効率的な静脈物流システムの構築を推進していく必要があるとされました。そのためグリーン物流パートナーシップ会議に提案のあった静脈物流案件2件について、支援を行いました。
循環型社会の実現を図るため、港湾においては、広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈物流の拠点となる港湾を「総合静脈物流拠点港(リサイクルポート)」(全国18港)に指定し、官民連携の推進、港湾施設の整備など総合的な支援策を講じました。また、循環資源の取扱いに関するガイドラインの作成・周知やリサイクルポート間での循環資源の輸送実験等を実施しました。さらに、第3セクター等が整備する建屋・一時保管施設等の循環資源取扱支援施設の整備を推進しました。

(3) 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理
農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理を推進するため、全国段階において、再生品の需要拡大を図るための普及啓発等を行うとともに、都道府県・市町村段階において、関係者の協力体制の確立、処理・減量化計画の策定、排出量を削減するための生分解性プラスチックフィルム等導入技術実証、普及啓発等を行いました。

(4) 使用済FRP船の再資源化の推進
FRP(繊維強化プラスチック)船については、数年後には廃船時期を迎えるものが1万隻を超えることが予想されており、早期の廃船処理システムの確立が求められています。
このため、「FRP廃船高度リサイクルシステム構築プロジェクト」を立ち上げ、平成12年度から4年間かけてFRP船のリサイクルシステムに関する検討を行い、適正かつ効率的なリサイクル技術を確立しました。
これら検討結果を踏まえ、製造等事業者が主体となり、廃棄物処理法の広域認定制度を活用して、平成17年11月より西瀬戸内・北部九州の10県の地域から、FRP船のリサイクルを開始しました。

(5) 廃エアゾール製品等の適正処理及びリサイクルの促進
消費者が使用し、ごみとして排出された廃エアゾール製品等については、充填物が残留したまま排出されることが原因となって、自治体でのごみ収集時の収集車両の火災事故の発生、破砕処理施設での処理作業時の爆発事故やリサイクルのための煩雑な作業の発生等を招いてきました。そのため、製品業界と市町村の間で、その適正処理とリサイクルの促進について検討を行ってきました。
その結果、今後、製品業界は充填物を容易に排出できる装置が装着された製品への転換を進める一方、市町村と製品業界が協力して、消費者に対し、そうした装置を利用して充填物の除去を行った上でごみとして排出するよう周知活動を行うこと等の取組を行うこととなりました。

(6) 標準化の推進
我が国の標準化機関である日本工業標準調査会(JISC)は平成14年4月に策定した「環境JISの策定促進のアクションプログラム」の中の「環境JIS策定中期計画」について毎年度改訂し、環境JISの整備に取り組んでいます。
平成17年度は、「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」、「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」等62件の環境JISの制定・改正及びTS(標準仕様書)の公表を実施し、累計で185件となりました。

(7) 地方組織の強化
改正廃棄物処理法が平成15年12月に施行されたことに伴い、緊急時における環境大臣が行う廃棄物処理施設等への立入検査、廃棄物及び特定有害廃棄物等の輸出入に際しての申請内容調査及び立入検査、廃棄物の広域処理認定又は再生利用認定の事前相談及び現地確認等に関する事務が、全国7ブロックの地方環境事務所の事務に追加されました。

(8) 廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの策定
排出事業者における廃棄物管理を徹底し、経営的な観点から廃棄物・リサイクルに関するマネジメントを行うための自主的取組を推進するため、産業構造審議会において、平成16年9月に「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」を策定しました。平成17年度は、廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの普及に向け、各種事業者団体への説明や中小企業内人材の育成支援、セミナー等を通じて企業における廃棄物の適正処理及びリサイクルの推進に取り組みました。

(9) 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの改定
廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、事業者による3R(リデュース・リユース・リサイクル)に関する自主的取組の促進を図ることを目的として、品目別・業種別に平成2年に策定されました。本ガイドラインは、2年に一度改定を行っており、平成17年度の改定では、ガラスびんや飲料用紙製容器等における新たな数値目標の設定や、自動車用鉛蓄電池や消火器等の回収・リサイクルシステムの構築・整備を図ること等を盛り込みました。


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