第2章 循環型社会の形成に向けた国の取組


第1節 循環型社会の形成に向けた法制度の施行状況


1. 循環型社会形成推進基本法(循環型社会基本法)

 大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた「循環型社会」を形成するため、平成12年6月に「循環型社会形成推進基本法」(循環型社会基本法)が公布され、平成13年1月に施行されました。
 同法では、対象物を有価・無価を問わず「廃棄物等」として一体的にとらえ、製品等が廃棄物等となることの抑制を図るべきこと、発生した廃棄物等についてはその有用性に着目して「循環資源」としてとらえ直し、その適正な循環的利用(再使用、再生利用、熱回収)を図るべきこと、循環的な利用が行われないものは適正に処分することを規定し、これにより「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」である「循環型社会」を実現することとしています。

2-1-1図 循環型社会の姿


 循環型社会基本法では施策の基本理念として排出者責任と拡大生産者責任という2つの考え方を定めています。

(1) 排出者責任
 廃棄物の処理に伴う環境への負荷の低減に関しては、その一義的な責任を排出者が負わなければなりません。排出者責任とは、廃棄物を排出する者が、その適正処理に関する責任を負うべきであるとの考え方であり、廃棄物・リサイクル対策の基本的な原則の一つです。具体的には、廃棄物を排出する際に分別すること、事業者がその廃棄物の処理を自ら行うこと等が挙げられます。
 廃棄物の処理に伴う環境への負荷の原因者はその廃棄物の排出者であることから、排出者が廃棄物の処理に伴う環境負荷低減の責任を負うという考え方は合理的であると考えられます。この考え方の根本は、いわゆる汚染者負担の原則にあります。
 この排出者責任の考え方については、今後とも、その徹底を図らなければなりません。また、国民も排出者としての責務を免れるものではなく、その役割を積極的に果たしていく必要があります。

(2) 拡大生産者責任
 拡大生産者責任(EPR:Extended Producer Responsibility)とは、生産者が、その生産した製品が使用され、廃棄された後においても、当該製品の適切なリユース・リサイクルや処分に一定の責任(物理的又は財政的責任)を負うという考え方です。そうすることで、生産者に対して、廃棄されにくい、又はリユースやリサイクルがしやすい製品を開発・生産するようにインセンティブを与えようというものです。廃棄物等の量が多く、しかも、それらのリユースやリサイクルが難しいことが問題になっている今日、拡大生産者責任はそれらを克服するために重要な考え方の一つとなっています。

2-1-1表 OECD「拡大生産者責任ガイダンス・マニュアル」における拡大生産者責任


(3) 循環型社会形成推進基本計画(循環型社会基本計画)
 循環型社会基本法では、政府において、循環型社会の形成に関する基本的な計画として、循環型社会基本計画を策定することを規定していることに基づき、平成15年3月に循環型社会形成推進基本計画を閣議決定・国会報告しました。循環型社会基本計画は、循環型社会の形成に関する施策の総合的、計画的な推進を図るための中心的な仕組みとなるものであり、循環型社会のあるべき姿についてのイメージを示し、循環型社会形成のための数値目標を設定するとともに、国及びその他の主体の取組の方向性を示しています。

2-1-2図 循環型社会の形成の推進のための施策体系


 循環型社会基本計画の着実な実行を確保するため、毎年、中央環境審議会は、循環型社会基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、必要に応じその後の政策の方向性について政府に報告することとされていることと規定されています。これを受け、同審議会では、予備的な審議を行った上で、関係者のヒアリングも踏まえながら5回にわたって集中的に審議を行い、平成17年2月に第1回の点検結果を取りまとめました。
 この点検結果報告においては、今後の取組の方向性として、発生抑制などの取組を進展させていくために、具体的な取組手法や事例に関する情報提供により各主体の取組を促すとともに、排出者責任と拡大生産者責任の考え方に基づき、関係者の適切な役割分担とインセンティブ付与のシステムを整備し、循環型社会形成推進を目指した社会経済システムへの変換を図ること等が必要とされています。

2. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

 平成13年5月に環境大臣は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」(基本方針)を決定し公表しています。その中では、まず、できる限り廃棄物の排出を抑制し、次に、廃棄物となったものについては不適正処理の防止その他の環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用、再生利用、熱回収の順にできる限り循環的な利用を行い、こうした排出抑制及び適正な循環的利用を徹底した上で、なお適正な循環的利用が行われないものについては、適正な処分を確保することを基本とすること等を定めています。これにより一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分量を平成22年度までに平成9年度のおおむね半分に削減することとしており、平成16年度においてもその達成に向けた取組を着実に推進しました。
 平成16年度には、中央環境審議会において循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物処理の在り方について審議が行われ、経済的インセンティブ等を利用した発生抑制・再使用の推進や適正かつ最適な循環的利用及び処分システムの構築について意見具申がなされました。今後、本意見具申を踏まえ、基本方針の見直しを行うこととしています。
 平成9年に改正された廃棄物処理法に基づき、一定の廃棄物の再生利用について、その内容が生活環境の保全上支障がない等の一定の基準に適合していることを環境大臣が認定し、認定を受けた者については業及び施設設置の許可を不要とする制度(再生利用認定制度)が設けられました。これまでに自動車用廃タイヤのセメントの原材料利用、自動車用廃タイヤ等の鉄鋼製造用転炉における鉄鋼製品の原材料利用、シールド工法に伴う建設汚泥の高規格堤防の築造材としての利用、廃プラスチック類の高炉還元剤としての利用、廃プラスチック類のコークス及び炭化水素油としての利用及び廃肉骨粉のセメントの原材料利用がこの再生利用認定制度の対象となり、平成16年度には、廃タイヤの再生利用2件、構造改革特別区域内における廃木材の再生利用1件、建設汚泥の再生利用2件及び廃肉骨粉の再生利用16件を認定しました。
 また、平成15年に改正された廃棄物処理法に基づき、広域的に行うことによって、廃棄物の減量その他適正な処理の確保に資するとして環境大臣の認定を受けた者について、業の許可を不要とする制度(広域認定制度)が設けられました。平成16年度には一般廃棄物では49件、産業廃棄物では63件の認定を行いました。
 平成16年度には、廃棄物処理施設整備のための補助金として、1,423億円(うち浄化槽分として264億円)の補助を行っており、ダイオキシン対策が講じられたごみ焼却施設整備促進、リサイクル対策の推進を引き続き講じました。
 具体的には、リサイクルプラザ(ごみの資源化と併せて不用品の補修及び再生品の展示等を行う施設)等のリサイクル施設を整備するとともに、廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用に努めた後になお排出される可燃性の一般廃棄物については、焼却処理を行うとともに、溶融固化(焼却灰のスラグ化)施設の整備を推進しました。
 また、一般廃棄物処理施設に係る民間資金活用型社会資本整備事業(PFI事業)に対して補助を行いました。さらに、都道府県において、ダイオキシン類対策、余熱の有効利用、公共工事のコスト縮減等の観点から策定された、ごみ処理の広域化計画に基づいた廃棄物処理施設の整備を推進しました。
 またソフト面の施策として、市町村が実施する分別収集等ごみの減量化・再生利用に資する施策への支援を実施しました。
 平成12年6月の廃棄物処理法の改正において、廃棄物処理センター制度の一層の活用を図ることを目的に、廃棄物処理センターの指定要件の緩和を行い、さらに民間を含め優良な処理施設の整備を支援するため、「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」に基づく特定施設の認定を行っています。
 また、平成12年度から新たに創設された産業廃棄物処理施設のモデル的整備事業に対する補助制度を拡充し、公共が関与して行う産業廃棄物処理施設の一層の整備促進を図りました。
 最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立ての円滑な実施を図りました。
 平成4年に改正された廃棄物処理法が平成5年12月から施行され、国内処理の原則の下、廃棄物の輸出の場合の環境大臣の確認、廃棄物の輸入の場合の環境大臣の許可等、廃棄物の輸出入についても必要な規制が行われています。平成16年4月から平成17年3月末までに廃棄物処理法に基づき行われた輸出確認は78件、輸入許可は1件でした(有害廃棄物の越境移動については第1章第4節7を参照)。
 また、平成15年6月の廃棄物処理法の改正により、廃棄物の疑いのある者に対する地方公共団体の調査権限の拡充や不法投棄の未遂罪の創設など不法投棄対策の更なる強化、廃棄物処理業の許可や廃棄物処理施設の設置許可の特例制度の創設などリサイクル促進のための規制の合理化の措置が講じられました。さらにこの改正では、廃棄物処理施設整備計画の策定に関する条文が追加され、これに伴い廃棄物処理施設整備緊急措置法は廃止されました。なお、改正された廃棄物処理法に基づく新たな計画は、政府における社会資本整備の在り方の見直しの議論を踏まえ、計画の内容を「事業の量」から「達成される成果」に変更して、平成15年10月に閣議決定しました。
 その後も、RDF施設などにおける事故の発生や硫酸ピッチ等の悪質な不法投棄が依然として全国的な問題となっていることから、これらの課題に対処するため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が第159回国会で可決され、平成16年4月28日に公布されました。改正の概要は以下のとおりです。
1)国の役割の強化による不適正処理事案の解決
 ○産業廃棄物の不適正処理事案が深刻化した場合など、緊急時における環境大臣の都道府県知事に対する指示規定の創設
2)廃棄物処理施設をめぐる問題の解決
 ○廃棄物の最終処分場の跡地等における土地の形質変更の届出の義務付け
 ○廃棄物の処理施設において事故が発生した場合の応急措置及び届出の義務付け
 ○構造上は適正な廃棄物処理施設において、管理者不在の場合における、当該施設の設置許可に関する手続の一部省略
3)罰則の強化などによる不法投棄の撲滅
 ○硫酸ピッチのような特に危険な廃棄物の基準に適合しない処理の禁止
 ○不法投棄の罪を犯す目的で廃棄物の運搬をした者の処罰

3. 資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)

(1) 施行状況
 平成13年4月に施行された資源有効利用促進法では、1)副産物の発生抑制を行うべき業種(特定省資源業種:鉄鋼業、紙・パルプ製造業等)、2)再生資源・再生部品を原材料として利用すべき業種(特定再利用業種:紙製造業、複写機製造業等)、3)材料の合理化を行うべき製品(指定省資源化製品:自動車、家電等)、4)材料・構造の工夫を行うべき製品(指定再利用促進製品:自動車、家電等)、5)分別回収を容易にするための表示を行うべき製品(指定表示製品:プラスチック製容器包装、紙製容器包装等)、6)自主回収・再資源化を行うべき製品(指定再資源化製品:パソコン、小形二次電池)、7)再生資源として利用できるよう工夫すべき副産物(指定副産物:石炭灰等)を指定し、それぞれに係る事業者に一定の義務付けを行い、事業者の自主的な取組の促進を図りました。

(2) 指定再資源化製品(パーソナルコンピュータ及び小形二次電池)の整備状況
 現在、パーソナルコンピュータ(パソコン)及び小形二次電池を対象製品(指定再資源化製品)に指定し、製造等事業者による回収及び再資源化の取組を求めています。
 事業系パソコンについては、製造等事業者が自ら指定した「指定回収場所」において自主回収し、再資源化を行い、リサイクル費用は排出者が排出時に負担する仕組みです。
 事業系パソコンは、従来から産業廃棄物としてリサイクル等の処理がなされてきており、法に基づく自主回収等が更に進むことによってリサイクルの推進が図られることが期待されます。
 家庭系パソコンについては、廃棄時の費用負担が定着していた事業系パソコンとは事情が異なるため、平成13年7月以降、経済産業省と合同でリサイクルの在り方について検討を行い、平成15年10月から製造等事業者による自主回収及び再資源化が開始されました。
 本制度においては、新規に販売されるパソコンについては、販売時に製品価格に含めてリサイクル費用を徴収し、当該製品が廃棄される際には当該製造等事業者が無償で引き取ることとしています。
 小形二次電池については、製造等事業者が小形二次電池使用機器の製造等事業者の協力を得つつ、小形二次電池の使用事業者からの回収及び販売店の店頭等への回収箱の設置による回収を無償で行い、再資源化を行っています。
 従来から、小形二次電池は無償で回収されてきた経緯もあり、法に基づく自主回収等が更に進むことによってリサイクルの推進が図られることが期待されるところです。

4. 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)

(1) 施行状況
ア 分別収集の状況
 平成15年度における施行状況をみると、分別収集を実施した市町村数及び市町村比率は前年度に比べ、全品目にわたり着実に増加しています。また、分別収集量、再商品化量についても生産量が減少しているガラスびん、スチール缶を除く全ての対象品目において増加しており、制度の浸透、定着が図られています。
 ペットボトルについては、分別収集量は前年度比で約1.1倍であり、回収率は48.5%(事業系回収量を含めると61.0%)と年々着実な伸びを見せています。平成11年には収集量に対する再商品化の能力が不足する事態が発生しましたが、現在では再商品化能力は大幅に向上しており、分別収集量の増加にも十分に対応できる状況となっています。

2-1-3図 ペットボトルの廃棄量(生産量と分別収集量の差)の推移


 また、ペットボトルをペットボトルの原料に戻す、いわゆる「ボトルtoボトル」の技術も既に実用化されており、リサイクルの一層の進展が期待されます。
 平成12年4月から新たに対象品目に追加されたペットボトル以外のプラスチック製容器包装及び紙製容器包装については、制度施行5年目を迎えましたが、分別収集量は順調に伸びており、全市町村数に対する実施市町村の割合はプラスチック製容器包装の場合、平成15年度では53.4%となっています。しかしながら、他の品目と比べるとまだ低く、今後更に実施市町村数の増加を図ることが課題となっています。

2-1-2表 指定法人による分別基準適合物の引取り実績(平成14年度)

2-1-4図 特定事業者が指定法人に支払う再商品化委託費の推移



イ 容器包装リサイクル法に係る調査事業等
 容器包装リサイクル法の施行に伴う効果を検証するため平成13年度からの3か年事業として、市町村の分別収集に伴う廃棄物処理コスト等を把握する実態調査を行ってきました。この調査は平成16年度も継続して行い、廃棄物処理コスト等について更に詳しい分析を進めました。
 また、平成14年度からの3か年事業として、ライフ・サイクル・アセスメント(LCA)の手法を活用し、容器の種類毎の環境負荷等について調査研究を行いました。
 主な成果としては、リサイクル代替の考え方の導入と問題点を把握したこと、リサイクルを促進すると環境負荷が低減する傾向があることをデータで確認できたこと、各容器の環境負荷低減への課題と改善策の検討を実施し、その方向性を確認したことなどが挙げられます。

ウ その他
 容器包装リサイクル法は施行後10年を経過した場合において、一部規定の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされています。これを踏まえ、平成16年7月21日から中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会において制度の評価・検討が開始されました。今後は、様々な課題について審議が行われ、平成17年秋頃に最終取りまとめが行われる予定になっています。

5. 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)

(1) 施行状況
 家電リサイクル法は、平成13年4月に本格施行されました。廃家電4品目の引取台数等は第1章第1節3(4)のとおりです。
 不法投棄対策としては、関係者に対する必要な情報の提供、家電リサイクルプラントにおける見学受入れ、教育・広報活動を通じて国民の理解を増進するとともに、警察との連携による未然防止や取締りの強化等により、特定家庭用機器廃棄物の排出や収集、運搬時における不法投棄の防止に努めました。
 平成16年4−9月期の家電4品目の引取等台数(指定引取場所に引き取られた台数に不法投棄台数を加えた台数)に対する不法投棄台数の割合は1.42%(前年度同期1.48%)でした。
 引取等台数に対する不法投棄台数の割合は、昨年度と同様1〜2%の間で推移しており、引き続き実態を注視していく必要があると考えています。
 製造業者等においては、リサイクルが容易な製品設計や材料の選択等の取組を開始しています。

(2) 家電(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機)再商品化施設の整備状況
 排出される家電4品目を全て再商品化することが可能なリサイクルプラントが、現在、全国44か所で稼働しています(2-1-5図)。このリサイクルプラントにおいて、家庭用エアコン及び冷蔵庫・冷凍庫に冷媒として使用されているフロン類と冷蔵庫・冷凍庫の断熱材に含まれているフロン類を回収した上で、鉄、アルミニウム、銅、ガラス、プリント基板の貴金属等を回収し、定められたリサイクル率を達成しています。

2-1-5図 主な家電リサイクルプラントの整備状況


6. 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)

(1)施行状況
 平成17年1月より自動車リサイクル法が本格施行されています。
 施行当初において引取業が約7万8,000社、フロン類回収業が約2万2,000社、解体業が約5,500社、破砕業が約1,200社それぞれ都道府県等の登録又は許可を取得しています。
 フロン類及びエアバッグ類の再資源化等については、自動車製造業者等が一体となって対応しています。シュレッダーダストの再資源化については、自動車製造業者等が2チームに分かれ対応しています。また、エアバッグ類及びシュレッダーダストの再資源化については、主務大臣(経済産業・環境大臣)の認定が必要となっており、認定を受けた上で再資源化を実施中です。
 フロン類、エアバッグ類及びシュレッダーダストのリサイクル(フロン類においては破壊)にかかる料金は自動車製造業者等が設定し、公表しています。また、リサイクル料金の管理に要する費用(資金管理料金)と廃車の情報管理に要する費用(情報管理料金)として(財)自動車リサイクル促進センターが経済産業・環境大臣の認可を受け、公表しています。
 平成17年3月末での使用済自動車の引取台数は約45万4,000台(年度累計)、リサイクル料金が預託された車両はあわせて約993万台(年度累計)となっています。また、引取業者の引取報告(電子マニフェスト報告)件数は約47万1,000件となっており、おおむね円滑に施行されています。

7. 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)

(1) 施行状況
 平成12年5月に公布された建設リサイクル法は、平成14年5月に完全施行されました。法の円滑な施行を図るため、事業者等に対する説明会の開催、全国一斉パトロールの実施など、法の普及・啓発及び実効性の確保等に努めました。また、再資源化施設に関する情報やリサイクル材の需要動向に関する情報等を提供する「建設副産物情報交換システム」を構築し、平成14年春から運用しています。さらに、建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方、目標、具体的施策を定めた「建設リサイクル推進計画2002」や、建設工事の副産物である建設発生土と建設廃棄物の適正な処理に係る総合的な対策を発注者及び施工者が適切に実施するために必要な基準を定めた「建設副産物適正処理推進要綱」などにより建設リサイクルを推進しました。

(2) 建設廃棄物(コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材)再資源化施設の整備状況
 コンクリート塊及びアスファルト・コンクリート塊に関しては、平成3年12月より運用の「公共建設工事における再生資源活用の当面の運用について」(平成14年5月改訂 国土交通省)において、国土交通省が行う公共工事の現場から一定の範囲内に再資源化施設がある場合には再生資材をその工事に使用すると定めたことにより、その再資源化施設の整備が進み、排出量に対する処理能力及び施設分布に大きな問題はありません。しかし、建設発生木材については、再資源化施設がコンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊に比べて少なく、地域的に偏在しています。このため、税制上の優遇措置や政府系金融機関の融資等を活用して、建設発生木材の再資源化施設整備の促進を図りました。

8. 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)

(1) 施行状況
 平成13年5月に定められた、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」(基本方針)においては、食品循環資源の再生利用等の促進の基本的方向のほか食品関連事業者の食品循環資源の再生利用等の実施率の目標として、平成18年度までに20%に向上させること等が定められています。
 基本方針により、全国の食品関連事業者等により食品廃棄物等の再生利用への様々な取組が行われす。また、食品リサイクル法に基づく再生利用事業の登録制度等を通して、優良なリサイクル業者の育成等を推進しました。

(2) 食品廃棄物再資源化施設の整備状況
 食品循環資源の再生利用等を促進するためには、食品関連事業者の委託を受けて再生利用事業を行う事業者の育成等が不可欠であることから、食品リサイクル法に定める要件に合致するものについて主務大臣(農林水産大臣、環境大臣及び当該特定肥飼料等の製造の事業を所管する大臣)による登録を行うこととしており、平成17年3月31日現在で56業者が登録を受けています。
 また平成16年度は、食品廃棄物の再資源化を推進するため、多様なニーズに対応した今後の食品リサイクルのモデルとなるような施設の整備等を実施しました。
 なお、登録再生利用事業者については、廃棄物処理法上の一般廃棄物収集運搬業の許可の特例、肥飼料を製造する場合について、肥料取締法及び飼料安全法上の製造、販売等に係る届出の特例が設けられています。

9. 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)

(1) 施行状況
 「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(基本方針)に基づき、国等の各機関は、平成16年度の調達方針の公表等を行い、これに従って調達を実施しました。
 基本方針に定められる特定調達品目等については、物品等の開発・普及の状況、科学的知見の充実等に応じて適宜見直しをすることとしており、平成17年2月に6品目の追加等の基本方針の変更を閣議決定しました。この中には、再生消火薬剤を使用した消火器の追加や、断熱材についてノンフロンであることの基準の対象範囲の拡大等が含まれています(2-1-3表)。

2-1-3表 各特定調達品目及びその判断の基準等(全201品目)

写真 グリーン購入の対象となる文具類の例


 また、地方公共団体おけるグリーン購入の取組を促すため、地方公共団体を対象としたグリーン購入に関するアンケート調査や、前記の基本方針の変更について、全国10か所での説明会等を行いました。

(2) 環境物品等の購入の推進
 グリーン購入に率先して取り組む企業、行政、消費者団体等各主体が連携した組織として発足したグリーン購入ネットワークの活動を積極的に支援するとともに、仙台市で開催されたグリーン購入世界会議や全国4か所で開催したグリーン購入セミナーなどを通して、廃棄物の発生の少ない製品やリサイクル可能な製品など、環境への負荷の少ない製品の優先的な購入の普及啓発を行いました。

10. ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)

 PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進するため、平成15年4月にPCB特措法に定める「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」の策定を行いました。

11. 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)

 我が国においては、過去に不法投棄等の不適正な処分が行われた産業廃棄物により、生活環境保全上の支障が生じるとともに、これらの産業廃棄物が長期間放置されることにより、産業廃棄物処理に対する国民の不信感が生じ、循環型社会の形成の阻害要因ともなっている状況にかんがみ、これらの産業廃棄物に起因する支障の除去又は発生の防止を計画的かつ着実に推進することが喫緊の課題となっています。こうした課題を踏まえ、平成9年の改正廃棄物処理法の施行(平成10年6月17日)前に、同法に定める処理基準に違反して不適正に処分された産業廃棄物(特定産業廃棄物)に起因する生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止(支障の除去等)を自ら行う都道府県等に対し、国が財政支援を行うため、平成24年度までの時限法として、平成15年6月に産廃特措法が制定され、施行されました。
 同法では、1)環境大臣は、「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成24年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本的な方針」(基本方針)を定める、2)都道府県等は、基本方針に即して、その区域内における特定産業廃棄物に起因する支障の除去等の実施に関する計画(実施計画)を定めることができる、3)国は、産業廃棄物適正処理推進センターが、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行う都道府県等に対し資金の出えんを行う場合には、予算の範囲内において、その業務に係る基金に充てる資金を補助することができる、4)特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行うに当たり都道府県等が必要とする経費について、地方債をもってその財源とすることができることを定めています。
 平成16年1月末までに、香川県豊島、青森・岩手県境、山梨県須玉町、秋田県能代市の4事案において県が実施計画を策定し、環境大臣が同意をしました。これらの県に対し、国は適正処理推進センターを通じて資金を出えんする等の財政支援を行っています。


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