環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成24年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第5章>第3節 小児環境保健への取組

第3節 小児環境保健への取組

 環境中の化学物質等が子どもの健康に影響を与える環境要因を明らかにするため、3年間で全国で10万組の親子の参加を募り、子どもが13歳に達するまで追跡する大規模かつ長期の出生コホート調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を、平成22年度から本格的に開始しています。平成24年度においては、10万人の参加者(妊婦)の登録に向けて募集・登録を継続するとともに、平成23年1月より登録された者に対する質問票調査、医師による健康調査、生体試料採取などの追跡調査を進め、さらに、精神発達検査、環境試料(ハウスダスト等)採取等の詳細調査を新たに開始します。

 調査の実施にあたっては、参加者への積極的な情報提供に努め、学会や産業界とも連携・協力していくこととしています。また、10万組の規模を目指した同様の疫学調査が米国でも実施されており、これら諸外国の調査や国際機関等とも連携していくこととしています。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い放射線の健康影響への不安が広がっていることを踏まえ、福島県下におけるエコチル調査の対象地域を全県に広げ、放射線の健康影響が生じることがないかどうか見守っていくべく、準備を進めます。