第2節 生物多様性国家戦略2010の策定

 生物多様性条約では、締約国は生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国家的な戦略である「生物多様性国家戦略」を策定することとされています。わが国は、平成7年に初めての生物多様性国家戦略を決定し、14年と19年に見直しを行ってきました。その後、20年に生物多様性基本法(平成20年法律第58号)が施行され、生物多様性国家戦略の策定が法律上でも位置付けられたことから、21年7月に中央環境審議会に生物多様性国家戦略の策定について諮問し、自然環境・野生生物合同部会において審議が行われ、パブリックコメントを経た答申の提出を受けて、22年3月に生物多様性基本法に基づく初めての生物多様性国家戦略となる「生物多様性国家戦略2010」を閣議決定しました。

 本戦略の特徴としては、平成19年に策定した第三次生物多様性国家戦略の構成や計画期間を維持しつつも、[1]中長期目標(2050年)と短期目標(2020年)を新たに設定するとともに、[2]生物多様性条約第10回締約国会議COP10)の日本開催を踏まえた国際的な取組を充実し、[3]COP10を契機とした国内施策の充実・強化を図りました。今後は本戦略に基づき、政府の施策を着実に進めるとともに、さまざまな主体による積極的な取組を促していく必要があります。



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