第2節 循環資源の適正な循環的な利用の推進


1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律について

 平成9年の廃棄物処理法改正により創設された再生利用認定制度、及び15年の廃棄物処理法改正により創設された広域認定制度に基づき、廃棄物の再生利用及び拡大生産者責任の下での適正処理の一層の促進に取り組みます。

2 資源の有効な利用の促進に関する法律について

 事業者が、1)製品の省資源化・長寿命化を図る設計・製造や修理体制の充実等による廃棄物等の発生抑制(リデュース)対策、2)部品等の再使用が容易な製品設計・製造や回収した製品からの部品等の再使用(リユース)対策、3)事業者による使用済製品の自主回収・リサイクル対策、4)工場等で発生する副産物(スラグ、スラッジ等)について、生産工程の合理化等による副産物の発生抑制対策や発生した副産物を再生資源として利用するリサイクル対策などに取り組むことを引き続き推進します。

3 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律について

 容器包装リサイクル法の施行後、分別収集を実施する市町村数は着実に増加し、分別収集量、再商品化量についても消費重量が減少している一部の品目を除き増加していることを踏まえ、今後とも同法に基づく制度の円滑な推進に取り組みます。また、昨年度に引き続き、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会において制度の評価・検討を行います。
 再商品化義務を履行しない、いわゆるただ乗り事業者対策を推進するなど、分別収集及び再商品化の一層の促進に取り組みます。

4 特定家庭用機器再商品化法について

 家電リサイクル法については、小売業者による引取り、引渡し及び家電リサイクル券の管理、製造業者等による引取り、再商品化(リサイクル)及び家電リサイクル券の管理が適正に行われるよう、引き続き、法の実効性を確保するための必要な措置を講じます。
 今後とも、広報活動等を通じて家電リサイクル法の理解をより一層深める取組を進めるとともに、不法投棄の実態把握や投棄防止のための各地域の取組に関する情報提供を実施していきます。

5 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律について

 建設リサイクル法については、引き続き同法の普及・啓発及び実効性を確保するための必要な措置を講じます。
 さらに、建設副産物のリサイクル等を促進するため、分別解体等及び再資源化等の徹底や、再資源化をするための施設の適正な立地誘導等のために必要な新しい制度の整備について検討を進めるとともに、再資源化施設の稼働情報に関する「建設副産物情報交換システム」の運用を進めるほか、「建設副産物適正処理推進要綱」の周知・徹底等を図ります。
 特に、公共工事におけるゼロ・エミッションを達成するため、「建設リサイクル推進計画2002」にのっとり、建設リサイクルの推進を図るほか、国土交通省発注工事において、建設汚泥の再資源化施設への搬出及び再生品の積極的な利用の実施に関する検討を行います。また、昨年度に引き続き、建設発生木材等のリサイクルの促進のための検討を進めるほか、建設副産物をリサイクル用途に合わせて分別し、少量化・多品目化した建設副産物を分別した状態のまま効率良く回収する建設副産物小口巡回共同回収システムの構築に向けた取組を実施します。さらに、建設廃棄物の排出量や再資源化等に関する状況調査・検討を引き続き実施します。

6 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律について

 食品リサイクル法に基づき、食品関連事業者等の再生利用等の実施を確保するとともに、これらの円滑な取組を確保するため、登録再生利用事業者制度、再生利用事業計画認定制度等を活用した優良なリサイクル業者の育成等を推進します。
 また、食品循環資源の再生利用等の推進を図るため、普及啓発の実施、食品廃棄物を含むバイオマス利活用を図ろうとする地域に対する施設整備の支援等を通じた再生利用の促進等を実施します。

7 使用済自動車の再資源化等に関する法律について

 新車・中古車販売業者、整備業者、解体業者、破砕業者等の関係団体とも連携を図りつつ、各関係事業者における自動車リサイクル法及び同法に基づく実務内容の理解を深めるとともに、自動車所有者に対する普及・啓発を行うことにより同法の円滑な施行に取り組みます。

8 バイオマス・ニッポン総合戦略の推進

 「バイオマス・ニッポン総合戦略」(平成14年閣議決定)に基づき、各種施策を推進します。具体的には、情報提供やシンポジウムの開催等を通じた国民理解の醸成、バイオマスの効率的な利活用が可能となる社会システム設計に関する研究開発、地域におけるバイオマスの総合的利活用システムを構築するための計画策定や施設整備等の地域の主体的な取組に対する支援等を実施します。また、バイオマスプラスチックの利活用を促進するための取組を「モデル事業」の枠組みの中で16年度に引き続き実施します。

9 エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法について

 平成15年に改正されたエネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法に基づき、従来からの国内の省エネルギー対策、リサイクル対策、特定フロン対策に加え、海外で行われるエネルギー起源の二酸化炭素の排出抑制事業や、リデュース、リユース事業に対する支援を引き続き実施します。

10 都市再生プロジェクトの推進

 首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会及び京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会の中長期計画を踏まえ、それらの進ちょく状況について点検を行い、新たな課題について検討を行うなど、フォローアップを行います。

11 総合的な静脈物流システムの構築に向けた港湾における取組

 海上輸送による効率的な静脈物流ネットワークを構築し、循環資源の全国規模での広域的な流動を促進するとともに、臨海部においてリサイクル産業の拠点化を進め、総合静脈物流拠点港(リサイクルポート)の形成を推進します。また、国内の静脈物流システムとも連携を図りながら、循環資源の輸出ターミナルの拠点化・大型化、品質管理の強化等による効率的な国際静脈物流システムの構築に向けた取組を推進していきます。

12 ゼロ・エミッション構想の推進

 ゴミゼロ型の地域社会づくりに向けて、ゼロ・エミッション構想推進のため「エコタウン事業」を実施しており、民間事業者による持続可能な循環ビジネスとして先導性の高いリサイクル関連施設整備事業等に対するハード面の支援を引き続き実施します。

13 その他の取組について

 下水道事業で発生する汚泥については、緑農地利用や建設資材利用などによる汚泥の有効利用や、消化ガス利用や固形燃料利用などによるバイオマスエネルギー利用を推進していきます。
 農業集落排水事業においては、処理過程で発生する汚泥についてコンポスト化や建設資材利用等によるリサイクルを推進するとともに、地域の実情に応じて余剰汚泥の減容化を進めていきます。
 さらに、貝殻等の水産副産物を増養殖場の造成に活用するための調査やモデル事業を実施します。畜産業において発生する家畜排せつ物については、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第112号。以下「家畜排せつ物法」という。)に基づき、適正な処理や保管の確保とともにたい肥化を中心とした利活用を推進します。


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