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里なび
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保全活用に関する文献検索
- 文献名
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担いのシステムづくり――重層的コモンズ論からのアプローチ
- 出版年
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2001
- 出版社
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林業経済研究所
- 掲載雑誌
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林業経済
- 巻/号/ページ
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54巻 / 3号 / 24-28ページ
- 著者名
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宮内大介
記載なし
- 目次
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雑誌のため省略
- キーワード
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記載なし
- 要約
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本稿は、重層的コモンズ論から、森林管理の担い手について論じたものである。近年「コモンズ」の議論が盛んである。本稿では関係の濃い/薄いや、ルールや権利の明確さ/曖昧さの多様性を含め、大きく見れば、地域全体で利用・管理しているという形態のものを、重層的コモンズと呼び、議論を進めた。林業経済学の一部には、「森林組合が森林管理の担い手になるべき」という議論がある。しかし、地域によりその社会学的な実態の異なる「森林組合」を今後の森林資源管理の「担い手」として位置づけるかどうかについて、筆者は、地域による実体の違いと、単独の「担い手」を探すという考え方に対する、2つの留保がおかれるべきだと主張した。そして、「誰が森林を管理するべきか」という設問には、地域の歴史や状況が異なることから、その答えも異なり、結果として、地域の歴史と状況を踏まえたアクターが、森林の重層的コモンズ化をシステムとして図ることが求められる、と論じた。その際に重要となるのは、実際のかかわりを重んじる姿勢、森林へのかかわりに関する正統性の組み直し、正当性の組み直しに必要な法や制度の整備・再編、多様な「担い手」の調整のための調整アクターとその仕組み、生物多様性を重視するという姿勢の4点である。
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