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里なび
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保全活用に関する文献検索
- 文献名
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自然を守るとはどういうことか
- 出版年
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1988
- 出版社
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社団法人農村漁村文化協会
- 掲載雑誌
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書籍のため省略
- 巻/号/ページ
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書籍のため省略 / 書籍のため省略 / 260ページ
- 著者名
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守山弘
記載無し
- 目次
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はじめに/序説 雑木林が消えていく/第1章 照葉樹林の北上と縄文人/第2章 雑木林に結びついて生き残った生物/第3章 焼畑にみる人と自然の結びつき/第4章 後氷期の遺存生物は焼畑をどう生きたか/第5章 人と雑木林の過去・現在・未来
- キーワード
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記載無し
- 要約
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本書における問題提起は「まもられるべき自然」とは、いっさいの「人為」を排除、した「原生自然」だけであろうか、というものである。人の働きかけと結びついてきた雑木林は「原風景」とも言える日本の独自の農村風景を形成してきた。同時にそれは現在の照葉樹林帯がまだ、落葉広葉樹林に覆われていた時代の生き残り(遺存種)であるカタクリ、カンアオイ、ミドリシジミ、ギフチョウなどの植物・動物の生活の場でもあった。その意味で雑木林は単に照葉樹林の代償植生ではなく、古い時代の生物を温存する貴重な場であった。またその遺存種が照葉樹林帯の雑木林に生き残れたのは、照葉樹林北上の時期である縄文中期に既に焼畑耕作や既に始まっていて、少なからぬ面積の森林が二次林化し、落葉広葉樹林のまま残されたと考えられること、また焼畑耕作民が焼畑耕作地にさまざまな植物を植え、植生の回復をはかってきたことなどによる。「自然をまもる」とは原生自然からいっさいの「人為」を排除することではない。人間が自然に与えた影響を単なる破壊とみるのではなく、それが自然を守る上で果たしてきた役割を正しく評価するべきである。
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