環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

昭和基地に着きました

2014年12月24日(水)

昭和基地管理棟、気持ちの良い青空です。写真拡大

 オーストラリア・フリーマントルを出航して25日目、本日とうとう昭和基地に到着しました。とは言っても先日お伝えしましたように「しらせ」はまだ接岸したわけではなく、観測隊員の多くは短い夏の期間に少しでも早く活動を始めるため、昭和基地から35kmほど離れた地点からのヘリでの移動となりました。一方の「しらせ」については、17日に定着氷域に入ってから厚い氷のエリアを抜けるのに時間を要していましたが、昨夜、ようやくラミング(※船体を前後に移動させながら氷を粉砕して進む航法。12月18日の日記参照。)も終わり、順調に氷を粉砕し続けながら航行しています。これから「しらせ」が訪れる沿岸付近の多年氷エリアでは再度厚い氷が待ち受けていることも考えられますが、もうひと踏ん張り、一足先に昭和入りした観測隊員も皆、無事接岸できることを祈っています。

ヘリから見た南極の風景。パドルと呼ばれる海氷上の水たまりが見えます。写真拡大

 今日は久々に踏みしめた陸地の感触と、ヘリから見る初めての南極の雄大な景色の余韻に浸りながら、基地での生活のブリーフィングを受けるなどして忙しく過ぎました。昭和基地の様子はまた後日、改めて紹介しようと思いますが、早速これから10日間ほど「ラングホブデ」というエリアで行われる生物調査に同行する予定です。調査期間中はメールが使えませんので、年内の更新はこれが最後となります。また昭和基地に戻りましたら調査の模様を報告します。
 それでは皆様、よいお年を。

≪今日の生きもの≫

ウェッデルアザラシ

ウェッデルアザラシ写真拡大

 昭和基地周辺で最もよく見られるアザラシです。定着氷域に入ってからしばらくの間は見かけなかったのですが、ようやく昨夜見つけました。氷の上にアザラシがいるということは、近くに穴が開いており周りの氷が薄いことが考えられます。海氷上を走っている雪上車の運転手にとっては自分が海に落ちないために、見つけたら警戒を感じる生きものですが、砕氷を行う「しらせ」にとっては順調な航行を示唆する有り難い生きものと言えるかもしれません。

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