環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

回想録(南極の自然現象)

2011年3月10日(木)

 「しらせ」が昭和基地沖を離岸してから、およそ1か月が経ちました。例年であれば、帰りの砕氷航行は、定着氷と呼ばれる海を覆っている氷が夏の間にある程度融けるため、往きに比べれば早いのですが、この夏は悪天だったこともあってか、昭和基地周辺の定着氷があまり融けず、往きと同じくらい定着氷離脱するまでに時間がかかり、一部スケジュールの変更が余儀なくされてしまいました。

蜃気楼写真拡大

 そんな状況でも、オーロラをはじめとする南極ならではの自然現象が、帰りの船でも観測隊を楽しませてくれました。オーロラは何度か現れたのですが、私のカメラの作動不良や深夜で寝ている間に見逃してしまったため、残念ながら今回は綺麗な写真を載せることができません。しかし、晴れた夕方、太陽が沈む間際に太陽光が青く光る現象が見られ、その反対側では地球の影の部分が暗闇になり、その上に赤い光が映る地球影という現象を撮ることができました。

地球影写真拡大

 また、別の日には、水平線に海氷の蜃気楼が現れるなど、オーロラ以外にも充分南極の美しい自然を堪能することができました。

ブルーフラッシュ写真拡大

 現在南緯64度付近を航海中で、これからシドニーに向けて北上します。そして再び暴風圏を通ることになりますが、この自然現象もできる限り楽しみたいと思います。

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