環境省自然環境・生物多様性南極地域の環境保護南極地域観測隊同行日記

雛の成長

2011年1月21日(金)

 アデリーペンギンの調査に同行して訪れた水くぐり浦へ、およそ2週間ぶりに行ってきました。

水くぐり浦(1月21日)写真拡大

 到着した時、一目でわかるほどペンギンの数が増えていたので、雛の成長が相当上手くいっているのかと驚きました。しかし、よく見てみるとほとんどが成鳥で、雛はそれほど多く見られませんでした。

水くぐり浦(1月6日)写真拡大

 巣を作っていない成鳥が多いことと雛がすでに大きくなっていることから、今回の調査では巣の数でなく雛の数が数えられました。その結果、前回の調査では巣がおよそ100あったのですが、今回の調査では雛が50羽以下でした。最初の調査では、およそ400の巣が確認できていました。アデリーペンギンは1シーズンに2個ほど卵を産むことから、当初約800羽の雛が生まれていた計算になります。つまり、この日までおよそ1/20しか成長できなかったことになります。

成長した雛写真拡大

 成鳥が増えたのは、1月6日の写真と1月21日の写真を比べてみるとよくわかりますが、どうやら海の氷が開き始めて餌がとりやすくなったので、巣に帰ってきたようです。この夏は、アデリーペンギンにとって非常に厳しい夏になったようです。

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