屋久島

顕著な普遍的価値

(vii) 自然美
巨大なヤクスギ天然林の景観
(ix) 生態系
植生の垂直分布が顕著な島嶼生態系

亜熱帯から亜高山帯まで

屋久島は日本列島の南に位置しているにもかかわらず、標高約2,000 mの山岳を有することから、ひとつの島の中で南北に長い日本の自然植生を見ることができます。海岸沿いのアコウなど亜熱帯の植物から始まり、標高が上がるにつれスダジイなどの照葉樹林帯、スギ樹林帯、山頂付近には冷温帯性ササ草原や高層湿原、亜高山帯の低木林と連続する植生の垂直分布に日本の自然植生が凝縮されています。また、屋久島に固有の植物であるヤクシマリンドウ、屋久島を南限とするスギや、北限とするナンテンカズラなどの植物が数多く分布しています。

亜熱帯から亜高山帯まで

雨に包まれた島

屋久島は、「ひと月に35 日雨が降る」と言われるほど雨が多い島です。年間降水量は8,000mm を超え、日本の年平均降水量の5 倍近く、世界の年平均降水量の10倍近くにもなります。一般的なスギの寿命は最大800年程度とされていますが、土壌の栄養が乏しい屋久島では天然スギの成長が非常に遅いため、年輪が緻密で樹脂を多く含み、湿度の高い気候でも腐りにくい「ヤクスギ」と呼ばれる樹齢1,000 年以上の天然スギも多く生育し、高湿度の環境に適応したホソバハグマ等の渓流植物や着生植物とともに、世界に類を見ない特異な森林景観を見せています。

動画
提供/UNESCO世界遺産センター

雨に包まれた島

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