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「生物多様性の観点から重要度の高い海域」の抽出基準

「生物多様性の観点から重要度の高い海域」の抽出基準は、生物多様性条約(CBD)第9回締約国会議(2008年)にて示されたEBSAクライテリア(1~7)[PDF:150KB]外部サイトを基本に、独自の基準を1つ加えた以下の8つとしています。「生物多様性の観点から重要度の高い海域」として抽出されるには、この基準のいずれかを満たすことが必要です。

抽出基準 定義 適用例
1.唯一性、又は希少性 次のいずれか、又は複数を含む地域、
(i)    唯一性(ある種の唯一の分布域)、希少性(特定の地域にのみ分布)又は固有性を持つ種、個体群、又は生物群集
(ii)   唯一性、希少性を持つ、又は特異な生息地・生態系
(iii)  唯一又は独特な地形学的又は海洋学的特徴を持つ場所
1a 固有種の分布域
1b 種の唯一の生息地等
1c 特異・希少な生態系
2.種の生活史における重要性 個体群の存続・生息/生育のために必要な場所 2a 種の生活史に重要な場所
2b遺伝的多様性を維持するための連続性
3.絶滅危惧種又は減少しつつある種の生育・生息地 絶滅危惧種及び減少しつつある種の生育・生息地やそれらの種が回復するのに必要な生息地。又は、それらの種が集中する場所 3a 絶滅危惧種の生育・生息地 
4.脆弱性、感受性又は低回復性 (人間活動又は自然事象による劣化・消失に非常に影響を受けやすいなどの)機能的脆弱性をもつセンシティブな生育・生息地や種が、高い割合で見られる場所。また回復に時間がかかる場所 4a 低回復性の種・生態系
4b 脆弱性・感受性の高い種・生態系
5.生物学的生産性 高い生物学的生産性を持つ種、個体群、又は生物群集を含む場所 5a 栄養塩を起源とした生産性の高い場所
5b 化学合成生態系
6.生物学的多様性 高い生態系の多様性(生息・生息地、生物群集、個体群)、又は高い種の多様性、又は高い遺伝的多様性を含む場所 6a 種の多様性
6b 生態系の多様性
6c 遺伝的多様性
7.自然性 人間活動による撹乱又は劣化がない、又は低レベルである結果として、高い自然性が保たれている場所 7a 人の影響が及びにくい場所
7b 人為改変・影響の少ない場所
8.典型性・代表性 我が国の代表的な生態系や生物群集などの特徴を典型的に示している場所 8a 典型的・代表的な生態系や生物群集などの特徴を示している場所
8b 典型的・代表的な物理環境の特徴を示している場所

なお、EBSAのクライテリアは、公海における生物多様性の脅威に対して重要な海域の 保護を推進するために考案された基準ですが、国家管轄内(領海及びEEZ内)海域における同様の抽出にも適用できるとされています。