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[S−3 脱温暖化社会に向けた中長期的政策オプションの多面的かつ総合的な評価・予測・立案手法の確立に関する総合研究プロジェクト]

5. 技術革新と需要変化を見据えた交通部門のCO2削減中長期戦略に関する研究[PDF](571KB)
 (Abstract of the Final Report)[PDF](325KB)

(1)リードタイムを考慮した新技術導入の効果評価と政策手段に関する研究(第T期平成16-18年度)
    新技術・交通行動転換策の導入効果の評価と普及促進に関する研究(第U期平成19-20年度)[PDF](759KB)

    独立行政法人国立環境研究所
    循環型社会・廃棄物研究センター


森口 祐一

    独立行政法人国立環境研究所
    社会環境システム研究領域 交通・都市環境研究室


小林 伸治・松橋 啓介

    独立行政法人産業技術総合研究所
    ライフサイクルアセスメント研究センター
    (平成20年より安全科学研究部門に改組)


八木田 浩史(平成16-18年度)・
田原 聖隆(平成19-20年度)・工藤 祐揮

    筑波大学大学院
    システム情報工学研究科(平成16-18年度)


石田 東生・岡本 直久・堤 盛人

    早稲田大学理工学部(平成16-18年度)

大聖 泰弘

    東京大学大学院工学系研究科(平成19〜20年度)

原田 昇・高見 淳史

<研究協力者>

 

    東京大学大学院工学系研究科

高瀬 知彦

    早稲田大学理工学術院

長澤 将大・大和田 秀二

    東京理科大学理工学部

石井 耕司・堂脇 清志

  [平成16〜20年度合計予算額]  76,270千円(うち、平成20年度予算額 15,398千円)

[要旨]

  交通分野の中期的な対策シナリオを構築した。技術予測に関する情報収集と燃料供給を含むエネルギー効率を踏まえた検討を行い、2020年時点での対策の実効性においては、数多くの自動車技術の中で、ハイブリッド車の導入が最も有力であること、電気自動車が近距離の移動手段として有力なことを明らかにした。また、乗用車のハイブリッド化により約45%の燃料削減が達成されることを示した。燃料電池車の大量普及については、コストと燃料供給面が課題であり、いずれも2020年までに克服することは困難と考えられた。一方で、2050年時点を目指して戦略的に水素社会を目指すことによる脱石油とCO2削減の有効性が検証されれば、インフラ整備を先行させる必要があることから代替燃料スタンドの立地戦略モデルを開発した。走行実態調査を踏まえたシミュレーションの結果、従来の予測に比べて大幅に少ない数のスタンドの設置で燃料供給を賄うことができることが示唆された。これらの知見を踏まえて、2020年の交通部門の基準シナリオと対策シナリオ案を作成した。脱温暖化のために、乗用車のほとんどをハイブリッド車に切り替える必要があり、そのためには、生産設備の急速な拡充が重要であることを指摘した。また、本部門の2020年の排出量を1990年レベル以下にまで減少させるためには、ここで想定した技術面の対策のみでは不十分であり、交通需要面も含めたさらなる対策が必要になると考えられた。交通需要予測の見直しにより、2020年の大幅削減の達成可能性が向上したことを明らかにした。ハイブリッド車のペイバックタイムを車両価格差とガソリン価格から試算し、2010年頃には価格競争力を持ちうることを確認した。消費者の選好調査をコンジョイント分析により算出した結果、ハイブリッド車に対する支払意思額が高く、環境面でのメリットに対する認知度が高いことが伺えた。専用走行空間や乗継ターミナルへ併設の活動施設を有する幹線+支線型へのバス路線再編により、利便性を損なうことなく、CO2排出削減が可能であることを示した。

  [キーワード]  二酸化炭素、自動車技術、燃料電池車、行動転換、交通


(2)バックキャスティングによる長期削減シナリオの策定に関する研究(第T期平成16-18年度)
    国土利用構造の変化を見据えた長期削減シナリオに関する研究(第U期平成19-20年度)[PDF](897KB)

    独立行政法人国立環境研究所
    循環型社会・廃棄物研究センター


森口 祐一

    独立行政法人国立環境研究所
    社会環境システム研究領域 交通・都市環境研究室


松橋 啓介

    東京海洋大学海洋工学部(平成19-20年度)

兵藤 哲朗

    名古屋大学大学院環境学研究科

加藤 博和

    (株)三菱総合研究所(平成19-20年度)

奥村 泰宏

<研究協力者>

 

    独立行政法人産業技術総合研究所
    ライフサイクルアセスメント研究センター


工藤 祐揮

    名古屋大学大学院環境学研究科

柴原尚希・後藤直紀・谷田一・山根顕・
中條将史・郷智哉・森本貴志・森田紘圭

    (株)三菱総合研究所

古明地哲夫・杉山恵

  [平成16-20年度合計予算額]  65,105千円(うち、平成20年度予算額 15,477千円)

  本研究では、2050年に向けたCO2削減目標をまず与え、その達成に必要なシナリオを描くバックキャスティング手法を適用して、技術革新と需要変化の組み合わせによる交通部門CO2削減シナリオを策定することを目的とする。具体的には、シナリオ策定手法に関する検討を行い、一方では、都市・地域の特性を考慮したケーススタディを通じた検討を踏まえ、各地域類型別の取り組みによる削減効果を全国へ外挿推計する枠組みを構築し、さらに、国土構造の変化を踏まえた都市間輸送量の推計モデルの構築を行い、これらの成果を総合して2050年の旅客交通および貨物交通の低炭素交通ビジョンを策定した。また、低炭素交通・物流研究会を設置し、有識者との情報交換を通じて、低炭素交通ビジョンのブラッシュアップと普及を図った。
  同時に、ビジョン策定を支援するものとして、次の知見を得た。基幹となる都市内公共交通機関について、需要量あるいはDID人口密度に応じて輸送機関のシステム全体での輸送人キロあたりCO2排出量がどのように変化するか分析し、LRTの適用範囲が広いことを確認した。具体的な市区町村を対象に、その地域特性や施策実施の効果と実施可能性を考慮して交通施策パッケージの提案と削減目標設定型戦略工程表(ロードマップ)の導出を行った。また、人口減少下ではモーダルシフト促進策のみではなくコンパクト化等の土地利用施策を合わせて行うことの必要性を定量的に示した。地域間旅客需要予測モデルを再構築し、長距離移動では航空機によるCO2排出が多い傾向が今後も続くなどの実態を明らかにした。また、地域間旅客輸送の削減シナリオとして、自動車等の燃費改善と鉄道利用推奨策により、2050年のBAU比で40%の削減が可能との結果を得た。また、その実施順の違いにより、累積排出量に8.5年分の違いが出ることを示した。地域間物流の長期需要予測を簡易に行えるモデルを構築し、削減目標の6割まで達成可能な施策を提示した。これらの予測に輸送量削減策を追加することで、低炭素交通ビジョンの実現は可能と考えられた。

  [キーワード]  脱温暖化、バックキャスティング、交通政策、国土構造、地域類型