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[キーワード]気候変動問題、京都議定書、次期枠組み、アジア、意思決定

[H−064 気候変動に対処するための国際合意構築に関する研究]

(6)気候変動対処を目的とした国際合意に至るプロセス(How)に関する研究:アジア地域[PDF](453KB)

  東京工業大学大学院 社会理工学研究科

蟹江 憲史

  [平成18〜20年度合計予算額] 5,321千円(うち、平成20年度予算額 1,810千円)

[要旨]

  気候安定化のためには、京都議定書第1約束期間後の国際制度枠組みにおける途上国の参加が不可欠だが、途上国は現在交渉開始に消極的である。その理由としてアジア諸国においては、対策が経済的負担と認識されていることに加え、前向きに交渉するために必要な政策立案能力が不足している。そのため、今後アジア諸国が気候変動対策の長所を最大限に生かせるような交渉ポジションを自律的に形成することが必要となる。6カ国での調査結果を比較し、以下の3点がわかった。(1)国内の次期枠組みに関する議論の進展度は、国の経済水準が高い国ほど進んでいた。その他の国では現行枠組みの実施段階にあった。(2)現行枠組みの実施に関しては、1国を除くすべての国で省横断的な組織が設立されていた。また、非政府組織が政策立案に影響を及ぼしうる場として機能していることがわかった。(3)次期枠組みに関する国内議論が始まった場合に予想される各国のポジションは多様であった。これらを受け、制度設計そのものも考察した。必要な要素に関しては、環境ガバナンスのマクロな視点、気候変動をめぐる国際政治と制度動向、気候変動国際政治にかかるクライテリといったものがある。これらを勘案すると、将来制度設計プロセスには科学と交渉プロセスとのインタラクションが、途上国の参加という観点からも重要であるという点が明らかになった。これは、世界レベル(2050年半減など)・先進国(2050年80%削減など)の長期志望目標設定のみならず、先進国の2020年目標設定と配分の設定や、先進国・途上国の別のない主要排出国特定セクターにおけるセクター毎の排出削減目標及び行動目標(政策措置)設定においても重要であることが分かった。また、米国オバマ政権発足と経済不況をきっかけにグリーンニューディールが言われているが、特に適応を含めた対策でのアジア諸国を考えると、国レベルの国際協力と同様に自治体レベルでの国際協力にも低炭素社会への重要な動きが潜在していることも分かったが、言葉や予算の障壁といった課題も明らかになった。