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[キーワード]気候変動、京都議定書、国際制度、適応策、インベントリー

[H-064 気候変動に対処するための国際合意構築に関する研究]

(1)気候変動対処を目的とした国際レジームの構成要素となる諸制度の実施および今後の進展(What)に関する研究:将来枠組み、適応、インベントリーに関する研究[PDF](4,022KB)

  独立行政法人国立環境研究所
  地球環境研究センター
  温暖化対策評価研究室


亀山康子

  独立行政法人国立環境研究所
  社会環境システム研究領域
  環境経済研究室


久保田 泉

  独立行政法人国立環境研究所
  地球環境研究センター
  温室効果ガスインベントリーオフィス


相澤智之(平成18年度のみ)

<研究協力者>

 

  三菱UFJリサーチ&コンサルティング

森本高司

  [平成18~20年度合計予算額] 18,410千円(うち、平成20年度予算額 6,644千円)

[要旨]

  気候変動対策を目的とした京都議定書では、2008-2012年の5年間(第一約束期間)における先進国等(附属書I国)の温室効果ガス排出削減目標が規定されているが、2013年以降の排出抑制(いわゆる次期枠組み)に関しては、新たな交渉に委ねられている。本サブテーマでは、次期枠組みがいかなる枠組みであるべきかに関して、枠組み全般の議論、及び次期枠組みの構成要素として重要な役割を果たしうる要素として適応策とインベントリーに関して研究を実施した。主な結果は下記の3点である。(1) 次期枠組みに関する既存の諸提案のレビューを行い、そのレビューをふまえた知見を用いて国内関係者に対する意識調査を複数の方法で実施し、そこで得られた意見も加えて最終的な制度提案を構築した。その結果、目指すべき「気候レジーム」のすべてが気候変動枠組条約の下で構築される「次期枠組み」で制度化されるのではなく、G8やAPP等、国連の枠外のプロセスと役割分担して構築されるべきといった、議論のフォーラムの選択を含めた制度提案ができあがった。(2) 発展途上国における適応措置に関してIPCCAR4などの記述をレビューした結果、適応策の限界として物理的/生態学的限界及び技術的限界があり、政策実施の障壁として、財政的障壁、情報及び認知上の障壁、社会的・文化的障壁、制度上の制約、などの課題が挙げられた。(3) 途上国(非附属書I国)からUNFCCC事務局に提出された国別報告書の内容をまとめた文献や実務経験、インベントリー作成に関する国際ワークショップ等で収集した情報に基づき、途上国の約束を実施するにあたって今後必要となる報告審査等手続きに関する課題を提示した。その結果、途上国で排出インベントリーを作成していくにあたり、排出に関連する各種活動量に関するデータのみならず、国独自の排出係数の開発が重要であること、また、インベントリー作成の頻度が先進国よりも少ないことがノウハウの蓄積への障害となってしまっていることが指摘された。