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[S-1 21世紀の炭素管理に向けたアジア陸域生態系の統合的炭素収支研究]

テーマI:ボトムアップ(微気象・生態学的)アプローチによる陸域生態系の炭素収支解析に関する研究

(3)土壌圏における炭素収支の定量的評価に関する研究

  2)土壌炭素収支におけるプロセスの相互作用と時空間変動[PDF](316KB)

    筑波大学 大学院生命環境科学研究科

唐艶鴻

    独立行政法人国立環境研究所
    地球環境研究センター


藤沼康実

    玉川大学 農学部

関川清広

<研究協力者>

 

    独立行政法人国立環境研究所

梁 乃申

    静岡大学 理学部(現文部科学省)

木部 剛

    玉川大学 農学部

鈴木あづさ

  [平成14~18年度合計予算額]  57,097千円 (うち、平成19年度予算額 8,302千円)

  [要旨]

  土壌圏における炭素循環を理解し、広域の土壌炭素動態の評価ならびに管理に資するために、炭素フラックスの年変動におけるプロセス間の相互関係、呼吸の分離(植物根と従属栄養生物呼吸)評価、土壌呼吸測定手法の比較検討について、研究を行った。総一次生産は植物呼吸との間に相関が見られたが、従属栄養生物呼吸との間には相関が認められなかった。日本における複数の生態系において測定した結果から、土壌呼吸に対する従属栄養生物呼吸の比は0.4から0.85の範囲となった。現時点で有効な土壌呼吸測定手法としては、通気法、オープントップチャンバー法、LI6200法が挙げられた。世界的によく利用されているLI6400法は過大評価となりやすいことが明らかとなった。これらの手法にはそれぞれ長短があり、使用時には注意が必要である。これらの成果(生態学的アプローチ)を微気象学的アプローチと統合解析することにより、炭素フラックス間の関係の実態が明らかとなった。加えてこれらのデータ蓄積に基づいて、今後の研究の発展、より確かな予測シミュレーション、それに基づく大気CO2濃度管理に関わる政策に貢献できると考えられる。


  [キーワード]  土壌炭素、二酸化炭素、土壌炭素貯留量、土壌呼吸測定法、森林生態系