課題名

H−8 持続可能なコンパクト・シティの在り方と実現方策に関する研究

課題代表者名

伊藤達雄(名古屋産業大学)

研究期間

平成13−15年度

合計予算額

ll7,069千円(うち15年度 34,965千円)
「※上記の予算額には、間接経費27,018千円を含む」

研究体制

(1)途上国及び先進国における持続可能なコンパクト・シティの在り方に関する研究

 ‥咯綛颪砲ける持続可能なコンパクト・シティの在り方に関する研究
  ・途上国における都市モデルの開発と適用(慶應義塾大学)
  ・バンコクを対象とした都市モデルの開発と適用(立命館大学)

 ∪菴聞颪砲けるコンパクト・シティの在り方に関する研究(豊橋技術科学大学)

 持続可能な環境共生型コンパクト・シティに関する都市機能データ調査
  ・都市データベースの構築に関する研究(独立行政法人国立環境研究所)
  ・都市データを用いた都市指標の開発に関する研究(株式会社創建)

(2)産業転換による持続可能なコンパクト・シティの総合評価と実現方策に関する研究

 .灰鵐僖ト・シティの総合評価に関する研究(独立行政法人国立環境研究所)

 ∋唆氾彰垢砲茲覺超共生型コンパクト・シティの実現方策に関する研究(名古屋産業大学)

 B臈垰圓離灰鵐僖ト・シティ化への再構築の実現方策に関する研究(日本大学)

 だ菽偲情報技術活用によるコンパクト・シティ推進に関する研究

(千葉商科大学、<研究協力機関>東北大学、江戸川大学)

研究概要

1.序(研究背景等)

 現在世界人口の48%を越す約30億人は都市に居住しており、人間活動、エネルギー利用が集中
したため、都市が大量生産・大量消費・大量廃棄型社会の根本原因となっているが、省エネ・省
資源を徹底した循環型社会の構築には、循環を基調とした都市(循環型都市)への変革が緊急課
題となっている。国際共同研究計画であるIHDP(International Human Dimension Program on G
lobal Environmental Change)の重点研究プロジェクトでも産業転換(IT:Industrial Transfo
rmation)に関する研究が開始されており、都市の再評価と再構築を通じて、近年進歩の著しい
情報技術(IT:Infomation Technology)も活用しながら循環型社会の実現方策を検討することが
不可欠とされている。

2.研究目的

 都市には、あらゆる人間活動が集中しているため、多面的な評価が不可欠であり、このため人
間活動やライフスタイルなど人間・社会的側面に係る研究者を巻き込んだ、超領域的(transdisc
iplinary)な研究アプローチを行い、―朶跳深匆颪旅獣曚魘饌硫修垢訶垰圓虜澆衒を提示する
とともに、∋続可能なコンパクト・シティを実現するための政策提案型の研究が急務となって
いる。
 本研究は、省エネ・省資源を徹底した循環型都市のひとつの形態として、コンパクト・シティ
を取り上げ、日本をはじめとした先進国及びアジア地域途上国における方策を検討し、持続可能
なコンパクト・シティの在り方について提言することを目的とする。
 本プロジェクトは2つのサブ課題から構成されている(図1参照)。
サブ課題1 「途上国及び先進国における持続可能なコンパクト・シティの在り方に関する研
究」
 途上国においてはメガシティ(巨大都市)への人口集中による種々の環境問題や社会問題が発
生しているが、一方先進国においては、都市の空洞化などの現象が生じている。途上国及び先進
国の都市の現状を規模、配置、機能、密度の視点から現地調査や各種都市データの解析によって
把握し、それをもとに、都市モデルを構築して、種々の将来シナリオに基づき予測を行い、
各種対策の効果評価を行うことを目的としている。
    

サブ課題2 産業転換による持続可能 なコンパクト・シティの総合評価と実現方策に関する研究
 コンパクト・シティの実現方策をハ ード、ソフト面で検討し、さらに情報技術の役割を多面的に検討する。
 情報技術(IT:Information Technology)の高度化が都市開発 に与える影響及びコンパクト化の
促進作用を検討し、IT活用の事例調査を実施する。
 また本研究は、重点研究課題に位置づけられているためアドバイザリーボードを設置し、アド
バイザーとして助言指導をいただく有識者として以下の方々にお願いした。
  アドバイザー  松尾 稔(名古屋大学総長)
          伊藤 滋(早稲田大学理工学部教授)
          加藤 寛(千葉商科大学学長)
 本研究プロジェクトでは、3年の研究期間において6回のアドバイザリー会合を開催し、種々
の貴重な助言をいただいた。
 アドバイザーの助言および中間評価の結果をプロジェクトの方向性に反映させるために、3年
の研究期間において、22回の運営会議を開催した。こうしたプロジェクト関係者全員による運営
会議での議論は、.灰鵐僖ト・シティの定義や都市評価の理念の高度化、▲汽峺Φ罐董璽泙
内容の相互理解と深化、L榲に向けてのプロジェクトの進め方について議論を重ね、研究計画
の若干の修正を行った。
 また、得られた研究成果をもとに、日本環境共生学会、日本計画行政学会の年次発表会におい
て本プロジェクトを中心としたシンポジウムを企画し研究成果を報告するとともに、関連分野の
研究者と討議を行った。さらに、2003年秋に開催された国際的な第5回HDPオープン会合にセッシ
ョン応募を行い、審査の結果採択され、本研究プロジェクトで得られた成果をもとにシンポジウ
ムを開催し、研究成果を国際的に報告・討議するとともに、関係分野の研究者と情報交換した。
 3.において、各サブ課題の内容と研究成果の概要を示し、4.においてプロジェクト全体で
得られた研究成果について述べる。

3.研究の内容・成果

 本プロジェクトにおけるコンパクト・シティの定義について説明した後に、各サブ課題の内容
と成果について示す。
3.1 コンパクト・シティとは?
・ハワード型田園都市から環境共生都市・コンパクト・シティへの変遷
 都市は、物的基盤(ハード)と制度的基盤(ソフト)からなり、これらの基盤整備をどのよう
に行っていくかは、都市計画に課せられた大きな課題である。都市においては自然環境に対立す
る形で、安全や利便を求めてこれらの基盤整備が行われてきたが、都市の開発・成長による自然
環境の侵食・破壊によって、人間の健康面での影響などが大きく現れるようになってきた。1992
年のリオ・サミットを契機として、自然環境に配慮して共生できる開発、いわゆる持続可能な開
発が世に問われるようになった。自然環境を第三の基盤としてハード・ソフトの都市基盤と調和
がとれるように整備を進めていくことが要請されるようになってきた。
 コンパクト・シティを環境共生都市の1タイプと考えているが、環境共生都市の原点は、ハワ
ードの田園都市までさかのぼることができる。現代までの環境共生都市の変遷について整理した
(図2)。
 産業革命と都市問題: 産業革命が都市および都市計画に与えた影響は大きく、産業革命によ
り顕在化、拡大化していった都市問題、特に大都市における都市問題に如何に対応するかが大き
な課題となった。このような都市問題を解決するためのアイデアとして、一つは都市の再開発による
特に都心部の再構成 と住宅地の郊外化、一つは都市外に新しい住宅地あるいは都市を開発する
新開発 (田園都市)である。

      
 田園都市と近隣住区: 田園都市のアイデアによる都市問題の解決は英国で進 められたが、
このアイデアが米国に波及し、米国での中産階級における自動車の普及と相まって、住宅地の
郊外化の進展に貢献した。その理論的ベースとなったものが、「近隣住区論」であり、このアイデ
アが英国に逆輸入され、第2次大戦以降の英国のニュータウンの理論的根拠となった。
 コンパクト・シティの萌芽: 田園都市が平面的な広がりのある都市であるのに対して、それ
を立体的にして移動をできるだけ少なくし(時間・空間のコンパクト)、かつ自然との共生を図
る、いわゆるコンパクト・シティのアイデアが環境共生型都市として打ち出されたが、アイデア
止まりで現実には適用されていない。
 都市の空洞化: 再開発による都市問題の解決は、都心部の再構成が英国、米国の都市の大き
な課題であり、特に1960年代の米国の都心部は都心部空洞化現象に悩まされてきた。中流階級の
住宅が都心部へ回帰することが空洞化現象の解決になるという考えから、多くの大都市で再開発
が積極的に行われ、空洞化現象の解消に導いたが、都市における自動車利用による環境問題が大
きくなり、個別交通である自動車の都市(都心部)乗り入れの排除と公共交通の活用が課題とな
ってきた。これに成功したのが、西欧の中小都市であり、環境共生都市として世界各国のモデル
都市になっている.
 都市問題の顕在化は、上述の産業革命以降の流れからも分かるように、都市開発と都市活動に
より自然が破壊されていることから起こっているといえる。今後も都市への人口や産業の集積は
続くが、これ以上の自然破壊を行わないために、コンパクトな環境共生型の都市づくりへと都市
計画を転換していくことが急務となっている。
・コンパクト・シティと持続可能な都市
 コンパクト・シティの考え方は、持続可能な都市の実現を可能とする一つの方向として、1990
年代初頭からヨーロッパを中心とする先進国において着目された。その主な狙いは、‐併餮察
省エネルギー(土地、移動量、排気・廃棄物)および都市中心部(インナー)の活性化であ
り、限りなく郊外へ拡大する都市形態に対する反論としての一面があった。
 1978年にDantzigとSaatyによって提唱されたコンパクトシティの考えは、空間形態として、
高密度居住、⊆動車依存が少ない、J9臈效詫用、空間特性として、だ験菎人誉、ヌ棲
な境界で周辺部と隔離される、Δ修譴罎独自性を持つ、機能として、Ъ匆馘公平性、日常
生活の自足、自治による自立、といった、都市形態・空間構造・社会的特性を持ったものとし
て定義されている。
 一方、持続可能な都市という時の「持続可能性」とは、必ずしも普遍的な定義は確立していな
いが、最大公約数的にまとめると以下の3つの次元で定義される。
 〃从囘持続可能性:経済活動が省資源・省エネルギー化を計りつつ、質的転換をしながら安
定的に成長してゆく。
◆ヾ超的持続可能性:全ての都市活動において、ゼロエミッションを計り、安全で快適な都市
居住環境を保つ。
 社会的持続可能性:富の配分や社会サービスの供給に関し社会的公平性が確保されている。
 持続可能な都市とは、そうした特性を持った都市であり、コンパクト・シティはそれを達成す
る効果的な対応として着目されたものと言える。しかし、具体的なコンパクト・シティの形態と
しては、必ずしもDantzigとSaatyの提案した円形都市にこだわらず、Elkin(1991)によれば、
徒歩、自転車、公共交通機関での移動に適した、⊆匆馘交流を促進するような近接性を持っ
た、規模と形態を持つ都市である事が必要な条件であるとした。
 また、HaughtonとHunter(1994)は、より具体的に、「種々の機能が集中したいくつかの稠密地
区が公共交通で結ばれて分散配置されている大規模な中心地域から自己完結型の近隣住区へと広
がる都市」形態を提案している、コンパクトな都市形態と持続可能性とは密接に関係しており、
それは、 ー動車交通依存からの脱却、⊆匆颯ぅ鵐侫蘋鞍と公共サービスの効率的供給、
9睫度居住による近隣性の復活、っ羶款Χ斑篭茲粒萓化の4点から検討し得るとした。
・本研究におけるコンパクト・シティの定義
 本研究プロジェクトにおいて、コンパクトな都市は、「都市機能の適切な濃密性を保った都
市」であり、適度な密度(例えば、人、物、金)の都市は環境にもやさしい都市であるはず、と
いう考えからスタートした。本プロジェクトには都市計画、都市経営、建築、情報、環境分野の
研究者が参画しており、当初コンパクト・シティの考え方に相違があった。そこでまずコンパク
ト・シティとは何か、また持続可能な発展における都市の位置づけは何かについて議論を行っ
た。アドバイザリー会合における助言も考慮して、コンパクト・シティの定義として、「都市機
能の適切な濃密性を保った都市」を基本とし、「環境負荷最小化のみならず、都市本来のもつア
メニティ最大化」も考慮し、「経済、社会、環境の視点」に加え、「資源」、「都市規模・密
度」を重視する都市像と位置づけた。
3.2 研究の内容と成果
(1)途上国及び先進国における持続可能なコンパクト・シティの在り方に関する研究
‥咯綛颪砲ける持続可能なコンパクト・シティの在り方に関する研究

 本研究では、途上国大都市へのコンパクト・シティ政策導入による持続可能な都市の実現方法
について検討した。欧米諸国で持続可能な都市を実現するコンセプトとして有望視されているコ
ンパクト・シティの概念を途上国大都市へ適用する方策を既存研究の分析から探るとともに、ア
ジア途上国大都市での居住水準に関する調査や動的都市シミュレーションおよび都市形態と交通
需要に関する理論モデルの試算を通じて政策提言を導いた。
 具体的な調査・研究を以下に記す。
(1)アジア8大都市の人間安全保障水準についてケイパビリティ・アプローチの観点からアンケ
ート調査を行い、途上国における制度的・個人的安全保障の優先順位の比較した。
(2)バンコク都市圏を具体例に、経済・社会シミュレータの基礎設計およびデータ取得のための
5ヶ月間におよぶ調査・分析を行った。データベースサーバの構築を行い、318本の偏微分方程式
から構成される都市圏成長モデルと連携した基準ケースの試算で、周辺部への人口増加による都
市の形成などを検討した。
(3)都市圏内に円形の都市核(コンパクト・シティ)が複数存在し、それぞれが交通システムで
結ばれているという都市圏の構造を単純化したモデルを利用して、都市形態による影響を分析し
た。
 結果より、以下の知見及び政策提言が得られた。
(1)コンパクト・シティ化政策は、接続可能な都市開発政策の(弱い)必要条件ではあるが、充
 分条件ではない。この事は途上国の都市において明示的に示されている。即ち、途上国の多
 くの大都市はコンパクト・シティの第1条件である高密度居住状態にあり、既にコンパクト
 と言えるが、持続可能な都市形態であるとは言えない。その理由は不充分な社会基盤施設
  (インフラストラクチャ)整備にあり、今後さらに急激な人口集中が予想される途上国大都
 市では、単にコンパクトな都市形態のみを追求したのでは、持続可能な都市開発とはなら
 ず、インフラストラクチュアの整備が同時に検討されねばならない。他方先進国において
 は、既に充分なインフラストラクチャが整備されている事、さらに人口の増加が見込まれな
 い事から、充分条件が満たされているが故にコンパクト・シティ化政策によって持続可能な
 都市開発が達成し得る。その意味で、先進国においては、既存の都市の再生がコンパクトシ
 ティ化政策の中心課題となる。
(2) 途上国においては大都市の人口爆発への対処という意味合いから増加した新規人口の吸収が
 コンパクト・シティ政策の中心的課題となる。増加人口の吸収政策としてコンパクト・シテ
 ィ政策を捉える場合
 A.既存都市の外延的拡大による吸収
 B.既存都市の周辺への衛星都市建設による吸収
 C.新規都市圏の形成(新都市)
 の3つの形態が考えられる。途上国の財政的実情を考えれば、A、Bが現実的である、その場
 合、既存都市内部の再生問題としてよりは、都市圏形成問題としてコンパクト・シティ政策
 を捉える必要がある。都市のコンパクト性を考える場合、日生活圏、週生活圏、月生活圏、
 年生活圏などによって定義されるが、月、年生活圏に対応したものである。そこで本研究で
 は、都市圏を単位に、都市成長モデルを構築し、望ましい都市圏形態を求めた。具体的に
 は、総移動エネルギーの最小化という基準で比較した。この結果、一点集中型と均等分散型
 のいずれもが最適とならず、その中間型が望ましいことが分かった。
◆\菴聞颪砲けるコンパクト・シティの在り方に関する研究
 先進諸国においては、自動車の増加による都市拡大が依然進んでいる一方、都市中心部では、
空洞化現象が見られる。本研究は先進国における都市の遷移の現状を踏まえ、都市モデルを構築
することにより、持続可能なコンパクト・シティ化の可能性を探ることを目的としている。以下
の諸点について研究を進め、成果を得た。
(1) 欧州における環境共生都市のデータ収集と現地視察
 コペンハーゲン市、ストックホルム市でデータ収集・視察を行った。得られたデータはモデル
化に際して利用した。
(2) 廃棄物を考慮した帯広都市圏の応用一般均衡モデルの作成
 産業廃棄物、一般廃棄物の発生量を考慮した帯広都市圏の応用一般均衡モデルを構築した。こ
のモデルは、8産業部門からなり、産業連関表を拡張した経済会計行列を基本に構築されてい
る。シミュレーション分析から、産業部門への課税よりも、家計部門への課税のほうが廃棄物発
生量を抑制できることが判明した。
(3) 動学的最適化コンパクト・シティモデルの作成
 (2)の応用一般均衡モデルは比較静学モデルであるため、時間軸上での政策展開は困難で
ある。そこで目標年次に向けてコンパクト・シティの形成をシミュレートできる動学的最適化モ
デルを構築した。そして数値シミュレーションによって、コンパクト・シティの形成可能性を考
察した。
 持続可能な環境共生型コンパクト・シティに関する都市機能データ調査
 本研究は、このプロジェクト研究に参画している各チームが効率的・効果的に調査・研究を進
めることができるよう、日本及び世界の都市機能データを収集して共通のデータベースを構築す
るとともに、これらデータの集計・分析を通じて、持続可能な環境共生型コンパクト・シティ像
を考える上での参考指標の抽出を試みることを目的としている。
 具体的には、都市機能データの集計・分析を通じて、持続可能な環境共生型コンパクト・シテ
ィ像を考える上での参考指標として「徒歩生活圏における暮らしの利便性が高い都市」の抽出を
試み、代表都市の構造や住民意識等について考察した。その結果、次の事項が明らかとなった。
(1) 徒歩生活圏における暮らしの利便性が高い都市は、「経済」、「産業」、「環境」の面でも
持続可能な維持・発展を遂げるための要素が整っている。
(2) (1)のうち、三大都市圏に位置する代表都市では市域全体で都市的な土地利用がなされてお
り、地方都市圏に位置する代表都市では市街地が鉄道駅等を中心としてコンパクトに集約されて
いる。また、いずれの都市も公共公益施設が適度に充足している。
(3) (2)の都市の住民は、自分が暮らすまちの利便性を評価する一方で、福祉や医療、安全、環
境などに関する政策を求めている。
 さらに、一連の調査・分析結果を踏まえ、持続可能な環境共生型コンパクト・シティの構築に
向けて、 "歩いて暮らせるまちづくり"を土台にしながら"歩いて楽しいまちづくり"を進めて
いくことを基本的な枠組みとした政策提言を以下に記す。
(1) 「歩いて暮らせるまちづくり」に向けて、公共輸送網の拡充に力点を置いたコンパクトな市
 街地構造への再編成
(2) 都市計画関連諸制度の適切な運用による、人口減少時期に対応した合理的な土地利用コント
 ロールの実施。特に線引き制度の原則適用(逆線引きも可)。
(3) 道路、公共輸送、交通警察の各行政部門が、公共輸送機関の整備と公共輸送サービスの強化
 に向けた政策転換を図るべく、環境省が推進・調整役を担う。
(4) 「歩いて暮らせるまち」は、誰もが安全・安心して利用できる歩行者ネットワーク上で、随
 所にアメニティを高める仕掛けが設えられた「歩いて楽しいまち」である必要がある。換言
 すれば、「歩行者復権のまちづくり」を目指すということ。
(5) 徒歩生活圏での暮らしを支えるために、公共公益系施設の集約化と適正配置を進める。(但
 し、これらの建築物の更新・新設等のタイミングを狙う)
(6) コンパクト・シティ化の行政目標に関する市民合意を醸成しながら、徒歩生活圏を最小ユニ
 ットに捉えた、マスタープラン・アクションプランを立案し、既成市街地の更新・再編、並
 びに新市街地の創出を図る。
(2) 産業転換による持続可能なコンパクト・シティの総合評価と実現方策に関する研究
 .灰鵐僖ト・シティの総合評価に関する研究
 本研究は、サブテーマ2「産業転換による持続可能なコンパクト・シティの総合評価と実現方
策に関する研究」の一環として、都市の総合評価を行う全体的な枠組みを構築するとともに、と
くに都市の環境に着目した評価方法を考案して、持続可能な都市の一つとしてコンパクト・シテ
ィの位置づけについて検討を行うことを目的としている。
 具体的には、都市の環境面も考慮した総合評価の枠組みを提示するために、現段階で入手可能
な都市データを収集してデータベースを構築し、コンパクト・シティ創造の一要素である人口密
度に注目した都市環境評価を行った。得られた知見を以下に記す。
(1) マクロな視点から様々な指標を用いて都市環境評価を行った結果、快適な生活環境の実現に
 は、ある一定の経済力や人口密度が必要であることが示された。しかしながら、人口密度が2
 00人/haを超えると通勤時間・距離が増加する傾向が示された。また、交通に関連する排出ガ
 ス量は人口密度が100人/haまでは減少傾向を示すが、100人/haを超えると徐々に増加する傾
 向を示した。この結果、過度な高密度化は負荷の増大を示す可能性が示唆された。
(2) 都市形態と人口密度の関係を、途上国から先進国への発展の観点から調査した結果、都市形
 態は年代毎に形態、人口密度が明らかに変化しており、コンパクトな都市想像には計画的な
 発展が必要であることが示された。
(3) エコロジカル・フットプリントを活用した都市総合評価の結果、過度に高密度な都市は、食
 料消費やエネルギー使用量の観点から評価すると、過大な資源消費を導く可能性が示唆さ
 れ、適切な人口密度を維持する必要性が示された。
(4) 人口密度、経済、環境、社会的コンパクト性を考慮した統合評価を行った結果、人口密度は
 ある一定段階まで経済成長と共に増加し、ゴミ排出量は減少する傾向が示されたが、経済状
 態や人口密度がある一定レベルに達すると、逆にゴミ排出量が増加し、空間的コンパクト性
 向上の効用にも限界があることが示された。
◆〇唆氾彰垢砲茲覺超共生型コンパクト・シティの実現方策に関する研究
 本研究は、大きく2つの主題によって構成される。まず、「持続可能なコンパクト・シティ実
現へのボトムアップアプローチ」をテーマに、産業転換に影響を与える低環境負荷の都市システ
ム形成の在り方を明らかにするため、一般廃棄物の削減に向けて萌芽的に形成されつつある都市
地域レベルの静脈機能の形成プロセスとその効果を検証した。その結果、都市における一般廃棄
物の増減を地域協働実態によって評価する枠組みを示すとともに、持続可能なコンパクト・シテ
ィ実現へのボトムアップアプローチの方法論として、地域協働による都市版EMSの構築に関す
る政策提言を行った。
 次に、「コンパクト・シティへの道筋」として三つの分析を行った。第1は「ハワード型田園
都市から現代環境共生都市の変遷に関する分析」で、その変遷をコンパクト・シティの観点から
分析し、農村部との連携の重要性を論じた。第2は「地球環境問題に関する国際動向がコンパク
ト・シティ促進に及ぼした影響と効果に関する分析」で、1960年代以降の環境問題の高まりの中
で、国際動向が特にヨーロッパのコンパクト・シティ政策への影響について論じた。第3は「コ
ンパクト・シティ実現を視野に入れていたわが国の郊外部管理手法に関する考察」で、第1で論
じたコンパクト・シティ実現に向けての農村部との連携の重要性について、日本を事例に考察、
都市・農村連携プログラムについて提言した。
 大都市のコンパクト・シティ化への再構築の実現方策に関する研究
 近年、フローの時代からストック型社会となり、大都市の既存ストックの再生、空洞化した旧
都心部の再活性化、またコンパクトな居住、すなわち職住近接の都心居住が必要となっている。
一方、地球環境、高齢化社会の観点からも環境負荷の軽減、高齢者対応の居住環境の構築が必要
不可欠である。大都市の既存ストックの再生では老朽化した都市基盤や建物の維持保全、環境管
理、また建替え、木造密集都市の再生など多くの課題がある。本研究は、大都市のコンパクト・
シティ化への再構築の実現方策のための基礎的研究として、再構築のための前提条件の基礎調
査、環境負荷を軽減した住宅開発の海外事例調査、都心居住に関して千代田区を対象とした都心
居住政策、オフィスビルの転用制度の調査を実施することにより、具体的方策について提示する
ことを目的としている。
 得られた研究結果を以下に記す。
(1) 都心居住の再構築の方法としてオフィスビルの転用の可能性に関する知見が得られた。既存
 ストックの活用による住宅供給の促進は、廃棄物の減量化、二酸化炭素の軽減など環境負荷
 の軽減にも寄与すると共に定住人口の回復にも効果が見込める。転用住宅を付置住宅として
 認定することや開発協力金による住環境整備など新たな施策の展開が重要である。
(2) 都市のコンパクト化による環境負荷削減効果を調べるためのモデルを開発し、1000m×100
 0mの街区において、街区内の建物の合計延床面積は一定とし、建物の密度を変化させるこ
 とによって現状モデル、高密モデル、超高密モデルと設定した。基準となる現状モデルに
 は、東京都区部の土地利用割合を都心3区と周辺13区に分けて適用した。元々土地利用度の高
 い都心部と低い周辺部での効果を比較するため、上記の3ケース各々に都心区と周辺区を組み
 込んだ計6ケースについて環境負荷削減効果を試算した。結果、都心区においても周辺区に
 おいても高密モデルから超高密モデルにかけての削減効果が大きく、周辺部での排出量は、
 都心部の3分の1程度となった。建築物の高密化により、資材量や運用エネルギー変化、道路
 率の減少などの効果があり環境負荷が削減される。都市内緑化だけでは二酸化炭素の吸収効
 果は期待できず、さらなる環境負荷削減のためには都市域だけではなく、より広範な視点で
 都市のコンパクト化を考える必要性が示された。
(3) スウェーデン、オランダにおけるソーラーシステム、風力、バイオマス、廃棄物の循環シス
 テムを活用した住宅開発の事例、国内における風力発電及びバイオマス発電の事例を把握し
 た。さらに、スウェーデンにおける福祉サービスの市場化・情報技術(IT)化を先駆的に行っ
 ている自治体を調査し高齢者の都心居住に関する知見を得た。
(4) 廃棄物の再資源化処理はエネルギー、CO2、コストに効用があり、廃棄物再資源化施設は循
 環型社会に有用な施設であることが把握できた。
ぁ\菽偲情報技術活用によるコンパクト・シティ推進に関する研究に関する研究
 本研究では、総合的な都市の資源効率の追求と広範なライフスタイルの変革にむけて、情報シ
ステムの活用の可能性を追求した。
(1) トータルエネルギーシステムの運用には、すでに、一部実用化されているオンライン取引を
 援用することができる。道路交通の膨大な社会的コストの認識に立って、交通システムにつ
 いても、その移動量の効率化に向けて、ロードプライシング等IT(情報技術、Information Te
 chnology)の適用は前進している。柏市のIT援用のレンタサイクルは1つの社会実験として多
 くの実践的な示唆が貴重である。
(2) 都市のライフスタイルを中心として、都市の健全性の再生は根源的な課題であり、そのため
 の情報プラットフォームの構築や市民の環境学習が重要な要素になっている。ICTによる市民
 参加はますます具体化しており、米国の都市の地域組織におけるインターネットベースのNei
 ghborhood Action PIanなどの実践活動が注目される。ライフスタイルや企業の環境対応を促
 進するうえで、環境プラットフォームの構築は大きな戦略的価値をもっており、代表的企業
 の実態の調査を通じて実現の効用は極めて大きいと認識できる。さらに、この関係で米国に
 おいて、世界市場で企業が成功する主要因として、健全な環境・健康・安全(EHS:Environme
 nt, Health, Security)パーフォーマンスが有効な評価指標となっていることを分析した。同
 じく、ヨーロッパと米国における都市の持続可能性指標の開発状況を詳しく調査した。
(3) 本プロジェクトにおいて、省エネルギーの重要戦略としてグリーンスペースの確保に注目し
 ているが、さらに都市防災のための情報システムの調査を意図して、阪神・淡路大震災を経
 験した兵庫県復興計画の中で示された「安全・安心・ゆとり」をめざす神戸市のコンパクト
 タウン構想の事例と青森市のコンパクトシテイ構想を分析した。また、情報システムの長期
 的な観点から米国におけるNano-Bio-Info-Cognoの超領域的統合研究の戦略的方向性の可能性
 と危険性を分析した。山形県金山町にひきつづいて、福島県三春町でロールプレイイングゲ
 ーム(RPG)で改善をはかり、コミュニティにおける環境倫理共有にむけてのロールプレイイン
 グゲームの有効性はより高められた。

4.考察

 (1)都市の規模・機能・配置・密度からみたコンパクト・シティの在り方
 本研究プロジェクトにおいては、コンパクト・シティの定義として、「都市機能の適切な濃密
性を保った都市」を基本とし、「環境負荷最小化のみならず、都市本来のもつアメニティ最大
化」も考慮し、「経済、社会、環境の視点」に加え、「資源」、「都市規模・密度」を重視する
都市像と位置づけて研究を進めた。都市の規模・密度については、都市データを用いてコンパク
ト性指標の試算や、都市のもつアメニティなどの試算、さらにエコロジカルフートプリントの考
え方を取り入れた都市の総合的な評価指標を開発して、適用した。
 都市規模については、東京のような1000万人を越える巨大都市では、エネルギー利用が増大す
ること、一人あたりの廃棄物量も増加することがわかり、現在巨大都市と呼ばれる都市群は、持
続可能性を考慮すると、限界に来ていることが示唆される。とくに、途上国におけるタイ、バン
コクなどの詳細調査の結果からは、人口密度が高く、密度の面では、コンパクトであるが、都市
基盤としての社会基盤施設(ハード)や制度的基盤(ソフト)が弱いために、都市人口の爆発的
な増加を招いており、巨大都市問題が発生している。
 都市の配置については、都市圏を単位に独自の都市成長モデルを構築し、望ましい都市及び都
市群の形態を求めたが、その結果、総移動エネルギーの最小化という基準で比較した結果、同じ
人口規模であれば、巨大都市に代表される一点集中型およびその正反対の小規模都市の均等分散
型では、必要なエネルギーが最小にならず、その中間的な状況がより望ましいことがわかった。
コンパクト・シティは単独で成立する条件の検討を中心としたが、これらの都市を連携した都市
群を考える場合の知見が得られた。
 都市の機能については、「歩いて暮らせる町」「都市フートプリント」の指標を考案して、適
用し、我が国の諸都市の現状評価を行った。
「歩いて暮らせるまち」実現に向けた検討から、公共輸送網の拡充に力点を置いたコンパクト
な市街地構造への再編成、都市計画関連諸制度の適切な運用による、人口減少時期に対応した
合理的な土地利用コントロールの実施、道路、公共輸送、交通警察の各行政部門が、公共輸送機
関の整備と公共輸送サービスの強化に向けた政策転換を図るべく、環境面からの誘導などの実現
に向けた提言を行った。
 都市の状況をフートプリント指標を作成して検討した。フートプリントは、都市が如何に外部
からの資源(隠れた資源)に依存しているかどうかを示す指標であり、都市の総合指標と位置づ
けができる。指標を市町村レベル(10万人以上を対象)へ適用し、試算結果から、都市における
隠れた資源の利用まで考慮した場合、人口密度が50〜100人/haを境に凸型の傾向がみられ、都市
の活動密度としての人口密度は持続可能な都市の創造に重要な要素であることが確認された。
 以上、巨大都市化を避け、適度な人口密度の都市へと再構築するとともに、複数都市をネット
ワークでつなぐ都市像が本研究から得られたコンパクト・シティのあるべき姿の概要である。

(2)都市基盤(ハード)、制度基盤(ソフト)、情報技術からみたコンパクト・シティの実現方策

           
 都市基盤(ハード)の面から、コンパクト・シティの実現に向けての方策として、東京都区
部を対象に検討した。都市のコンパクト化の効用について環境負荷削減効果をもとに、街区レ
ベル(1000m×1000m、街区内の建物の合計延床面積は一定)で、建物の密度を変化させて
調べた。現状、高密、超高密の条件設定を行って予測した結果、‥埒管瑤砲いても周辺部に
おいても高密から超高密で削減効果が大きく、周辺部の排出量は都心部の3分の1程度となっ
た。建築物の高密化により、資材量や運用エネルギー変化、道路率の減少などの効果があり
環境負荷が削減される一方、E垰堝睥于修世韻任脇鷸晴獣坐任竜杣効果は期待できず、
さらなる環境負荷削減のためには都市域だけではなく、 より広範な視点で都市のコンパクト化を
考える必要性が示された。
 また、コンパクト化の実現策の一つとして、
都心居住の再構築の方法としてオフィスビルの転用の可能性を検討した結果、既存ストックの活
用による住宅供給の促進は、廃棄物の減量化、二酸化炭素の軽減など環境負荷の軽減にも寄与す
ると共に定住入口の回復にも効果が見込めることがわかり、加えて行政的な誘導策としての転用
住宅を付置住宅として認定することや開発協力金による住環境整備など新たな施策の展開が重要
であることがわかった。
 制度基盤(ソフト)の面から、都市のコンパクト・シティ化には、都市の制度基盤からの変革
も必要である。とくに都市の経営や環境管理に着目して、都市版EMS(Environmental Manage
ment System:環境マネジメントシステム)を提案した、人間活動から排出される「一般廃棄
物」を取り上げ、日本の市町村の実態調査および、一般廃棄物政策の実態を把握することで、地
域社会を構成する主体の環境配慮(地域協働)によって形作られる静脈機能について検討した。
 地域協働による静脈機能の姿を明らかにすることは、環境共生型のコンパクト・シティの実現
方策を、都市の環境マネジメントシステムの在り方から探ったものと位置付けることができる。
近年、環境配慮の行動が活発化しているにもかかわらず、都市全体の環境負荷が低減しないの
は、多くの自治体で、各主体の環境配慮の向上を都市の環境負荷低減に結び付けていくための環
境マネジメント(具体的な目標の設定とこれを実現する仕組み)が欠けている証左であろう。
 図3は、地域協働による都市版EMSの構築イメージである。環境目標の設定と、その実現
に向けた地域協働による静脈機能の整備と評価によって、都市の環境負荷低減のためのPlan-Do-
Check-Action(PDCA)サイクルを確立しようとするものである。つまり、既存都市における
高環境負荷の都市システムを、各主体の環境配慮が有機的に統合されたコンパクトな都市システ
ムへと改造することを主眼としている。地域協働を前提とした環境目標の設定には、環境計画の
意思決定への住民、事業者の関与を拡大していくことが求められる。
 一連の調査を通じて、行政、企業、住民との協働によって運営されている仕組みとして、〃
画の協議・実施機関の設置、計画の立案・事業実施過程への住民・NPOの参画等の動きを把
握したが、これらの手法を積極活用することにより、既存都市の環境共生型のコンパクト・シテ
ィへの改造を誘導することが可能となろう。
 情報技術を活用したコンパクト・シティ実現の方策として、情報技術の活用による資源効率の
追求やライフスタイルの変革の可能性を検討するとともに、それらを社会に根付かせるための環
境プラットフォームなどを提言した。既に社会的な実験が進められており、例えば、ロードプラ
イシング等への情報技術の適用や、柏市のIT援用のレンタサイクルの実験からは、多くの実践的
な知見が得られた。さらに、安全・安心を目指したコンパクト・シティと情報システムを検討す
るために、神戸市における情報システムを対象として、その構造と機能を整理し、これまで見過
ごされがちであった安心と安全を確保し、環境・コミュニティ・地域経済を情報システムで結び
つけた多重ネットワーク社会を、コンパクト・シティの一例として明示した。
(3)残された問題と今後の課題
.灰鵐僖ト・シティの実践
 いくつかの都市で、コンパクト・シティの実践が始まっている。例えば、一宮市(環境基本計
画による都市再開発)、常滑市(新都市づくり)が代表事例である。これらの具体的事例におい
て本研究の成果を活かすとともに、実現のための工夫や経験を蓄積していくことが必要となって
いる。
∪菴聞餬拭歹本型−途上国型の環境共生都市としてのコンパクト・シティの追求
 途上国の大都市が先進国の都市の後を追っているならば、現在は環境共生都市に再生する絶好
の機会である。こうした機会をとらえ途上国の巨大都市を持続可能な都市へと誘導していかなけ
れば、地球全体での持続可能な発展はありえないであろう。
4存都市の再構築、新都市の計画時のガイドライン
 本研究で得られた成果の一つが都市版EMSである。その実践を通じて、環境共生型の都市に近
づけることができる。より実用レベルに高める研究が必要である。
こ発した都市環境指標による日本の都市の持続可能性の点検
 「歩いて暮らせる町」「都市のフートプリント」の指標を開発して、自治体に適用した。こう
した指標による都市の現状評価を踏まえて、かつそれぞれの個性を生かした環境都市像を構築し
ていくことが環境共生都市実現の第一歩となろう。
ゥ灰鵐僖ト・シティ統合評価モデル
 本研究では、途上国、先進国を対象とした都市モデルを検討したが、これらの知見を統合した
モデル開発が必要であろう。この統合都市モデルを用いることにより、コンパクト・シティの多
面的な評価が可能となろう。

5.研究者略歴

 課題代表者:伊藤達雄
     1932年東京生まれ、東京教育大学理学研究科博士課程地理学専攻修了、理学博士、
     三重大学人文学部教授、四日市大学経済学部教授等をへて、現在名古屋産業大学学長
     主要論文:伊藤達雄:環境共生,VoL.6,2−9(2001)
          「環境共生社会へのパラダイム・シフト−揺れ動いた2005年日本国際博覧
         会会場計画にみるその事例」
         伊藤達雄:田中啓一編『都市と環境の公共政策』中央経済社,17-27(2002)
          「首都機能移転論と東京問題」
         伊藤達雄:(社)中部開発センター・伊藤達雄共編『100年後の中部』
         日刊工業新聞社,10-24(2002)
          「21世紀は巨大都市文明終焉の時代」
サブ(サブ)テーマ代表者
(1)原沢英夫
 1954年生まれ、東京大学工学部都市工学科卒業、工学博士、現在国立環境研究所社会環境シ
 ステム研究領域環境計画研究室長
 主要論文:H.Harasawa:1999 0pen Meenng of the Human Dimensions of Global Environ-
 mental Change Research Comlnunity, Shona Village, Japan(1999)
 "Development of an Integrated Assessment Fra皿ework for Environmental Security in
 the Asia Pacifi Region"
 K. Takahasi, H. Harasawa, and Y, Matsuoka: 1999 0pen Meeting of the Human Dimen-
 sions of Global Environmental Change Research Comnlunity, Shona Village, Japan (1999}
   Impacts of Environmental Change on Food Security in the Asian Region
 原沢英夫:西岡秀三編,新しい地球環境学、古今書院、249-266(2000)
  「第12章地球環境は人間社会の問題ではないのか」
(1):梶秀樹
 1942年生まれ、東京工業大学大学理工学部卒業、工学博士、国際連合地域開発センター所
 長、現在、慶應義塾大学総合政策部教授
 主要論文:梶秀樹:シミュレーション&ゲーミング,8(1)(1998)
  「開発途上国の持続可能な地域開発計画研修ゲーミングPANGAEA ver.2.の開発と実施」
 梶秀樹:シミュレーション&ゲーミング,5(1)(1991)
  「REPLEX−開発途上国の地域開発ゲーム」
  梶秀樹:日笠端・一河秀洋・田中啓一編,有斐閣(1995)
  「新首都・多極分散論」
(1)宮田譲
 1954年生まれ、北海道大学大学院環境科学研究科博士課程前期修了、北海道大学大学院環境
 科学研究科助手、釧路公立大学経済学部助教授、現在豊橋技術科学大学人文・社会工学系
 教授
 主要論文:Y. Miyata and X. Pang: Studies in Regional Science,31,195-219(2001)
 "Economic and Material Accounting Matrixand Its APPIication to a ComPutable GeneraI
 Equilibrium Analysis of Plastics Recycling"
 Y. Miyata and A. Li: Studies in Regional Science, 31, 221-236 (2001)
 "A System for Integrated Environmental and Economic Accounting with Ecological
  Interaction"
 Y. Miyata and X. Pang: Environmental Science, 13, 618-630 (2000)
 "A Computabie General Equilibrium Analysis of Environmental and Economic System with
 Material Circulation"
(1),(2)仝饗英夫 (同上)
(2)伊藤達雄 (同上)
(2)三橋博巳
 1942年生まれ,日本大学大学院理工学研究科修了,現在日本大学理工学部教授
 主要論文:三橋博巳:日本環境管理学会環境の管理,36(2001)
  「環境負荷低減型の廃棄物再資源化に関する研究−循環型社会に向けた廃棄物と資源化
 量の予測−」
 三橋博巳:日本環境管理学会環境の管理,37(2001)
  「地域冷暖房における供給冷熱量予測の研究−オフィスビルを主体とした短期予測と
 評価−」
 三橋博巳:日本建築学会大会学術講演梗概集(2001)
  「都市ライフサイクルマネジメントに関する研究(その1〜その5)」
(2)ぜ下 明
 1934年生まれ,慶應義塾大学法学部卒,元インドネシア政府国家開発企画庁アドバイザー,
 元電源開発(株)審議役,現在東北文化学園大学総合政策学部教授,現在千葉商科大学大学
 院政策研究科客員教授,日本計画行政学会副会長
 主要論文:樹下明:計画行政(1998)
  「持続的発展のためのインフラストラクチャー」
 A. Kinoshita: UNHABITAT (1996)
 "Total Energy System Integrated with Urban Planning"
 樹下明:総合政策論集(2001)
 「持続的発展のためのコンパクト・シティ概念」