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シドニーに到着しました!

2008年3月20日(木)

シドニーの街並み

 昭和基地を離岸してから35日目となる今日、ついに「しらせ」はシドニー港にあるオーストラリア海軍基地に入港しました。周囲360度見渡す限り海や氷に包まれていた世界から、高層ビルがそびえ立つ世界に戻ってきたのです。観測隊員及び同行者は、ここシドニーで「しらせ」を下船し、今月27日に空路にて帰国します。一方「しらせ」は、今月26日にシドニー港を出港し、4月12日に東京港晴海ふ頭に帰港する予定となっています。

パッキング中の観測室

 さて、次第に近づいてくるシドニーの街並みを見ていると、文明社会に戻ってきたことへの安堵感と同時に、ついに第49次観測隊夏隊の仲間との別れが近づいていることへの寂しさが私を包みました。しかし、隊員や同行者は、物思いに耽っている暇などなく、観測物資から生活雑貨に至るまで、全ての荷物を26日の「しらせ」出航までにパッキングしておかなければなりません。というのも、「しらせ」が帰港すると、速やかに荷下ろしを行う必要があるため、帰港後にゆっくりとパッキングをしている時間がないためです。特に今年は「しらせ」が退役となるため、これまでは次隊以降に引き継いでいた観測物資なども、全て撤収しなければなりません。このため、多くの隊員寝室や観測室は、パッキングした段ボール箱等でいっぱいになりつつあります。

 シドニーに入港したことにより、第49次観測隊夏隊の任務は一段落したことになりますが、まだ全てが終わったわけではありません。「しらせ」にはシドニー港から東京港晴海ふ頭までの航海が残されていますし、帰港後には大量の物資や廃棄物の荷下ろしも待っています。今は、「しらせ」及び海上自衛官が全員無事に帰港できるよう、心より祈念したいと思います。