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ついにオーロラが出ました!

2008年2月26日(火)

 昭和基地を出航後、夜間の天気に恵まれない日が多かったのですが、やっと気象条件が整い、ついにオーロラが出ました。オーロラが出たのは夜11時前、気温マイナス15度ほどの凍てつくような夜、薄い緑色の光が刻々と変化する様子に、観測隊員も自衛官も酔いしれていました。私にとっても人生初のオーロラで、言葉に表すことのできない美しさに、終始感動していました。オーロラを写真で上手に撮ることは非常に難しく、その様子を鮮明にお届けできないことが非常に悔やまれます。

刻一刻と姿を変えるオーロラ(1)

 「光のカーテン」などと称されるオーロラは、実はローマ神話に出てくる「暁(あかつき)の女神」を意味しています。テレビや写真等で、気まぐれに動くこの「暁の女神」をご覧になったことのある方も多いと思いますが、その仕組みについて少しご説明したいと思います。

刻一刻と姿を変えるオーロラ(2)

 オーロラの源は、太陽から放出される「太陽風」とよばれる粒子で、「プラズマ」とも呼ばれます。これが、秒速400kmものスピードで「地磁気」と呼ばれる地球のバリアと衝突し、その一部が磁力線に沿って南北両極に振り注ぎ、大気中の粒子と衝突します。その結果、酸素や窒素などの粒子が緑やピンクなどの特有の光を発することにより、オーロラが発生するのです。このため、地球上でも南極か北極に近い高緯度地域でしかオーロラを見ることが出来ないのです。

 夏隊が去った昭和基地では、これから冬に向けて夜の時間が少しずつ長くなり、オーロラ観測が本格化します。