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初めてのヘリコプター搭乗!

2007年12月12日(水)

 ここ数日間、観測隊員は、南極での生活等に関する講習を受けて昭和基地入りに備えているのですが、今日はその一環として海上自衛官の指導のもと、ヘリコプターへの搭乗講習が実施されました。「しらせ」には2機のヘリコプターが搭載されており、これらを利用して「しらせ」~昭和基地間、また、各調査地点への観測隊員や物資の輸送が行われます。今日の講習では実際には飛び立たず、ヘリコプターの機内に入って注意事項等を聞いただけでしたが、ヘリコプター初体験の私は、ワクワクしながらコックピットの計器類に見入ってしまいました。現在、観測隊ではヘリコプター利用プランの最終調整が行われており、私も昭和基地周辺での調査の他に、合計8箇所の野外調査に同行させてもらう予定となっています。実際にヘリコプターで飛び立つ日が楽しみです!

 さて、今日は我々が目指している昭和基地について少しご説明したいと思います。南緯69度東経39度に位置する昭和基地は、南極大陸から海峡を隔てた東オングル島という小さな島に、我が国の第一次南極地域観測隊が1957年に建設した観測拠点です。現在は、30名程度の第48次越冬隊員が生活しており、「しらせ」の到着を待ってくれています。ところで「オングル(Ongul)」とは聞き慣れない言葉だと思いますが、実はノルウェー語で「釣り針」を意味します。ノルウェーの航空機が最初に東オングル島と西オングル島を発見した際、それらが一つの島であると考え、形が「釣り針」に似ていたので、この名前が付けられました。実際、東西のオングル島はかなり隣接しているのですが、実はそれぞれ独立した島であることが第一次観測隊によって明らかとなったことから、東オングル島・西オングル島とそれぞれ命名されました。東西のオングル島は、「中の瀬戸」と呼ばれる狭い海峡で隔てられており、氷の状況次第では歩いて渡ることもできます。今回の同行では、ヘリコプターに乗って西オングル島にも行きますので、そちらについては、後日ご報告させていただきます。

 「しらせ」は現在低気圧の中を航行中で、また動揺が大きくなってきましたが、今日18時現在で、南緯62度東経66度まで来ています。船旅も残すところあと1週間程度です!