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カレーライスの日!

2007年12月7日(金)

 昨日から一段と動揺が激しくなり、甲板ランニングも控えるように言われてしまったので、ほぼ丸2日間、「しらせ」艦内にカンヅメ状態です。また、海水やプランクトンの採取調査も、激しい動揺により中止となったことから、各観測隊員もそれぞれの部屋で休息するなどして鋭意を養っているようです。

 そこで、今日は艦内での観測隊員の生活について少しご紹介したいと思います。最初に人間生活の基盤である衣・食・住ですが、これは、ある程度の着替えさえ持参していれば全く問題ないと言っていいと思います。海上自衛隊員が3食(朝6:30、昼12:00、夜17:30)をきっちりと提供してくれるので、贅沢を言わなければ食いっぱぐれることはありません。また、観測隊員には2段ベッドが整備された2人部屋が提供されるので、決して広いとは言えないものの、寝るスペースも確保されています。加えて、真水のシャワーを浴びることができるほか、風呂に入ることもできます。(ただし、海の上では真水はとても貴重なので、風呂に張る水は海水を使用していますし、洗濯機はほとんど使用できないという制限はあります。)また、医師や歯科医、公衆電話、それに神社まで整っているので、船の動揺によって動きづらい点とプライバシーがほとんどない点を除けば、国内とさほど遜色ない生活を送ることができます。ちなみに、送受信の回数や容量に制限があるものの、「しらせ」から日本に電子メールを送ることも可能なので、この日記も電子メールを利用して環境省本省に原稿を送り、環境省ホームページにアップしてもらっています。今の世の中、大海原の中でも電子メールが使えるんですね。

金曜日のカレーライス

 さて、ようやっと表題の話に入ります。「しらせ」の毎週金曜日の昼食は、決まってカレーライスです。なぜだと思いますか?すでにご存じの方も多いと思いますが、金曜日を「カレーライスの日」とすることで、長い航海中に無くしてしまいがちな曜日感覚をキープすることが目的のようです。事実、私自身、寝ても起きても海の上なので、曜日のことなどすっかり忘れていました。ちなみに、我々が向かっている昭和基地でも、毎週金曜日を「カレーライスの日」としていると聞いていますので、カレーライスが好きな私にとっては、毎週楽しみがあるというものです。それに、船酔いしている隊員でも、カレーライスだけはしっかり食べられている様子なので、やはり日本人にとってカレーライスは大切な食文化の一部なんですね。(ちなみに、写真に写っている緑色の布は、動揺による転倒防止用です。)

 さて、ついに今日は気温が急降下し、雪までチラつき始めました。いよいよ明日は低気圧に突入します。昨夜もベッドからずり落ちそうな動揺だったのに、それ以上になるかと思うと、若干不安もあります。しかし、この暴風圏も、わずか100年ほど前の20世紀初頭に、アムンゼンやスコット、そして我が国の白瀬陸軍中尉ら先人たちがみな通過してきた、避けて通れない道です。電子メールやインターネットもなかった当時の大航海に思いを馳せながら、一路南を目指します!