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[8] 有機スズ化合物(TBT、TPT) 【平成14年度調査媒体:底質、生物】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
・ | 調査の経緯及び実施状況 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
有機スズ化合物は船底防汚塗料や漁網防汚剤として使用されていた。昭和59年度及び60年度に実施した化学物質環境調査で全国的な環境汚染が明らかとなり、生物媒体(魚類、貝類、鳥類)についてトリブチルスズ化合物(TBT)は昭和60年度から、トリフェニルスズ化合物(TPT)は昭和61年度から「生物モニタリング」において毎年調査を実施してきた。また、これらの調査結果等を踏まえ、昭和63年度にTBT13物質、TPT 7物質が化学物質審査規制法に基づく指定化学物質に指定され、これを監視するため水質・底質についてTBTは昭和63年度から、TPTは平成元年度から「指定化学物質等検討調査」において毎年調査を実施してきた。平成14年度はTBT、TPTについて底質及び生物(魚類、貝類、鳥類)の調査を実施した。 |
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なお、平成元年から平成2年にかけて、TBTの一種であるビス(トリブチルスズ)=オキシド(TBTO)が化学物質審査規制法に基づく第1種特定化学物質に指定され、指定化学物質であったTPT7物質及びTBTOを除くTBT 13物質が同法に基づく第2種特定化学物質に指定されている。 |
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・ | 調査結果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成14年度のモニタリング調査において、TBT及び TPTは底質、魚類及び貝類から検出され、鳥類から不検出であった。 |
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TPTの検出状況は、底質で48/63地点, 126/189検体、魚類で13/14地点, 55/70検体、貝類で8/8地点,38/38検体、鳥類で不検出であった。TBTの測定結果は、底質で nd~390ng/g-dry、魚類で nd~500ng/g-wet、貝類で tr(2)~57ng/g-wet、鳥類で不検出であった(定量下限値:底質 3.6ng/g-dry、生物 3ng/g-wet)。 |
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TPTの検出状況は、底質で30/63地点, 43/189検体、魚類で14/14地点, 62/70検体、貝類で7/8地点,31/38検体、鳥類で不検出であった。TPTの測定結果は、底質で nd~490ng/g-dry、魚類で nd~520ng/g-wet、貝類で nd~25ng/g-wet、鳥類で不検出であった(定量下限値:底質 1.6ng/g-dry、生物 1.5ng/g-wet)。 |
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・ | 評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
底質は、TBTは調査開始当初から最近に至るまでの残留状況は減少傾向にある。TPTは平成11年度までは減少傾向にあったが、平成12年度及び平成14年度は高濃度となっている。平成14年度は定量下限値TBT: 3.6 ng/g-dry TPT: 1.6ng/g-dry において調査し検出されたことから、TBT、TPTともに依然として広範な地点で残留が認められる。 |
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魚類は、TBT、TPTともに調査開始当初の残留状況は減少傾向にあったが、近年は残留状況の変化に傾向は見られない。平成14年度の定量下限値は平成13年度に比べてTBTで3/10、TPTで3/40となったため検出頻度は上がっているが、95%値ではTBTは平成13、14年度はそれぞれ 70ng/g-wet、83ng/g-wet、TPTはそれぞれ 30ng/g-wet、28ng/g-wetであり、残留状況の変化に傾向は見られない。 |
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貝類は、TBT, TPTともに調査開始当初の残留状況は減少傾向にあったが、近年は残留状況の変化に傾向は見られない。平成14年度には定量下限値が平成13年度の定量下限値に比べてTBTで3/10、TPTで3/40となったため検出頻度は上がっているが、95%値ではTBTは平成13、14年度はそれぞれ 50ng/g-wet、54ng/g-wet、TPTはそれぞれ 20ng/g-wet、18ng/g-wetであり、残留状況の変化に傾向は見られない。 |
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鳥類は、過去にはTPTで平成元年度及び平成2年度に1地点で検出された他は定量下限値(TBT 10~50ng/g-wetTPT 20ng/g-wet)未満であり、平成14年度は定量下限値TBT 3ng/g-wet TPT 1.5ng/g-wetにおいて調査し不検出であったことから、残留状況に大きな濃度の上昇は無いと判断される。 |
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現在の我が国のTBT、TPTの生産状況(国内における開放系用途の生産/使用はほとんどない)を考慮すれば、汚染状況はさらに改善されていくものと期待される。しかし、未規制国・地域の存在に伴う汚染も考えられることから、今後も引き続き環境汚染対策を継続するとともに、環境汚染状況を監視していく必要がある。また内分泌撹乱作用を有する疑いのある化学物質との指摘があることなどから、関連の情報を含め、毒性関連知見の収集に努めることも必要である。 |
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○ 平成14年度 TBTの検出状況 経年変化図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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○ 平成14年度 TPTの検出状況 経年変化図 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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