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2-2 平成10年度 水質・底質モニタリング結果の概要

 (1)調査目的 (2)調査内容 (3)調査結果とその考察

(1) 調査目的

 この調査は、多種類の化学物質を同時に感度よく分析できるという特長を持ったGC/MSを用いて、環境調査の結果等により水質及び底質中に残留していることが確認されている化学物質について、その残留状況の長期的推移を把握することにより環境汚染の経年監視を行うことを主たる目的として実施しているものである。

 

(2) 調査内容

 1)調査対象物質:20物質【水質:表5−1、底質:表5−2 について調査を行った。(Excel97版の表はこちら

 2)調査地点:図4に示す18地点を調査対象とした。

 

(3) 調査結果とその考察

 平成10年度の調査結果の一覧を【水質:表5−1及び【底質:5−2に示した。調査地点別に平成10年度の調査結果をとりまとめると以下のとおりである。水質においては、十三湖、甲府市内河川、神戸港内、播磨灘姫路沖、水島沖及び四万十川河口の6地点で調査対象物質のすべてが検出されなかった。それ以外の12地点においても、各地区でそれぞれ1〜3物質しか検出されておらず、全体的に低い検出状況であった。
 底質からの検出状況は水質に比べて全体的に高く、甲府市内河川(未検出)、播磨灘姫路沖(4物質)、水島沖(4物質)、五反田川五反田橋(2物質)を除く14地点では各地点でそれぞれ5〜20物質が検出され、大和川河口においては20物質全てが検出された。大和川河口以外で、11物質以上(過半数以上の物質)が検出された地点は、以下の5地点となっている。

底質調査において過半数(11物質)以上の物質が検出された調査地点
調査地点 検出物質数
神戸港内 15物質
大阪港 14物質
洞海湾 13物質
諏訪湖 13物質
隅田川河口 13物質

また、調査対象物質毎の最高値を記録した地点は以下のとおりであり、閉鎖性の内湾部の汚染レベルが高いことが示唆される。

底質調査において調査対象物質毎の最高値を記録した地点
調査地点 最高値を記録した物質数
大和川河口 9物質
洞海湾 5物質
大阪港 3物質
隅田川河口 2物質
石狩川河口 1物質


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