環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会

産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会(第3回)

 
日時:
平成15年5月1日(木)14:00~17:00
於:
環境省第1会議室
中央合同庁舎5号館22階

産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会(第3回)
議事次第
(1) 鳥取県・北九州市・岩手県・滋賀県における取組について


午後 2時02分開会

○産業廃棄物課長 定刻となりましたので、ただいまから第3回の産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会を開催いたしたいと思います。
 委員の皆様方、そして都道府県におかれましては、このゴールデンウィークの期間の谷間というのにもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、お手元の配布資料をご確認願いたいと思います。資料一覧の方を見ていただきたいと思いますが、資料1はこれまでの検討会における委員の皆様方のご指摘、ご意見等を参考としてまとめたものでございます。議論に活用していただきたいと思います。
 この資料につきましては今後、逐次、議論された結果を追加して、次回以降の議論にも活用していただくようにしていきたいと思っているところでございます。内容については省略させていただきます。
 資料2以降につきましては、あらかじめ今回ご出席していただく地方公共団体からヒアリングのために提供していただいた資料でございまして、資料2-1、2、3が鳥取県からのものでございます。資料3-1、2、3、これは北九州市からのものでございます。資料4-1、2、3、これらは岩手県からのものでございまして、資料5-1、2が滋賀県からのものでございます。
 なお本日、ご持参いただいたものの中に「鳥取県の産業廃棄物処分場でのあらまし」というリーフレットがございますので、これもご活用願いたいと思います。
 それでは、これ以降、進行の方を小早川先生、よろしくお願いしたいと思います。

○小早川座長 それでは、早速ですが本日の議事に入らせていただきます。本日は、鳥取県、北九州市、岩手県、そして滋賀県から各県、市の取り組みについてご紹介をいただくということになっております。
 進め方としましては、4団体においでいただいておりまして、時間には限りがありますので、まず20分程度各団体からご意見を述べていただき、その後、20分程度質疑・意見交換を行わせていただくということにしたいと存じます。
 まず、鳥取県からご説明をお願いしたいと存じます。本日は生活環境部の杉本循環型社会推進課長、それから総務部税務課の越智課長補佐にお越しいただいております。
 それでは、20分程度でよろしくお願いいたします。

○鳥取県 座ったままで失礼をいたします。鳥取県の循環型社会推進課長の杉本でございます。よろしくお願いします。
 私の方からは産廃処理の現状、それと税制度創設のきっかけになった条例の制定までをご説明させていただきまして、税制度の内容あるいは検討の経過につきましては税務課の越智の方から説明をさせていただきたいと思います。
 最初に資料2-1をご覧ください。「平成14年度鳥取県産業廃棄物実態追跡調査結果」という、こういう砂丘の写真の入ったパンフレットがあると思います。これが昨年度、14年度に13年度の実績として実態を調査した概要としてまとめたものでございます。
 ご承知のように鳥取県は人口がざっと61万という、全国で一番人口的には少ない県なんですけれども、2ページをめくっていただきますと鳥取県の絵が出ております。鳥取市を中心とした東部、あるいは倉吉市を中心とした中部、それから米子市を中心とした西部という三つの地区に分かれるんですけれども、3ページに書いてありますように産廃の総排出量としては、13年度1年間でざっと 124万トンほど。これは近年どんどん減ってきております。平成10年度が 125万トンほどで、1%ほど減っているんですけれども、量としては減ってきている。
 中身を見ますと、4ページに種類別の内訳を書いてありますけれども、動物の糞尿というのがざっと半分ちょっと、それからがれき類、汚泥といったこの3品目で9割近くを占めています。
 ただ、私の方の県の場合、この汚泥の13.7%と書いてありますが、これは実は事業所内で脱水しているものは脱水後のものをカウントしております。ですから、脱水前の汚泥をカウントすると減量のときに含水率によって非常に大きく差が出てしまうということで、実質的な統計では事業所内で脱水しているものは脱水後のものとしてカウントしております。そういう状況でございます。
 処理の状況ですけれども、5ページにフロー図を載せておりますが、動物のふん尿、半分を占めるものを除きますと、農業を除く排出量がざっと56万 8,000トンほどございますけれども、排出量は左のほうですが、それを 100%として見た場合、中間処理として88%のもの、右に行っていますけれども、9割近くが中間処理。それから、右上に再生利用量にいっていますが、これが64.8%、65%程度が再生利用量に回っている。あるいはその上の資源化に回っている。
 右下に最終処分量と書いてありますが4万 2,000トン。ざっと排出量に対しての 7.3%が最終処分されているという状況でございます。
 6ページに平成10年度と平成13年度との比較をグラフにしています。再生利用量が増えて、最終処分量が減っている。その図の右上に最終処分量、平成10年度が6万トンで、平成13年度が4万 2,000トンとしておりますけれども、ちなみにこれ以前、平成6年度に調査した最終処分量は27万 7,000トンございました。27万 7,000トン、相当減ってきているということでございます。
 ただ、あとで申し上げますが、県内処分場が非常に不足しておりまして、7ページの下の図-12に書いてありますが、右のほうで直接県外での埋め立て、あるいは中間処理後の県外の埋め立てという県外埋立処分量を足しますと、4万 2,000トンのうちざっと3万トンが県外で埋め立てられている。県内は残りの1万 2,000トン弱という状況でございます。
 次の8ページに県外の行き先を書いております。中国地方、お隣の島根県、それから今回同時に産廃税を施行いたしました岡山県さん、広島県さん。この3県で95%という状況でございます。
 参考で県内最終処分場の残余容量ということで書いてございますが、実は鳥取県は今でこそ相当県外に出ているんですが、かつては相当県外から入っておりました。ただ平成5年に管理型処分場の汚泥流出事故というのがございまして、これは倉吉市だったんですが、それ以降、非常に反対運動というものが強くなりました。それ以降の処分場、管理型というのは1つもできておりません。安定型が例外的に2つできたぐらいで、非常に厳しい状況が続いています。
 併せて、平成7年度から公共関与事業ということで実は向かっているんですが、これも反対が強くて公共関与の管理型処分場ということ、今まで2か所でその計画が断念されたということで、財団法人ですが、進展しておりません。
 そういったこともあって、もう1つ資料2-2という、この青色の薄いものをご覧いただきたいと思います。平成11年度に制定したわけですが、鳥取県産業廃棄物処理施設設置促進条例という条例をつくりました。これは簡単に言いますと、県のために本当に必要な産廃の処理施設というものを指定施設として事業を認定しましょう。その指定施設は当然情報公開なり、あるいは監視員制度なりという一定の要件を満たすことが必要なんですけれども、そういった指定施設は設置にあたって周辺の整備にかかる費用というものを、交付金として交付しますという中身の条例です。
 1番裏側のところに、別表という形で交付金の額を載せています。例えば別表の2段目のところ、最終処分場の下の欄、管理型の最終処分場ですが、例えば埋立容量が25万立方メートル以上のものについては2億円の交付金を出します。これは設置者に出すのではなくて、周辺のいろいろな環境整備、周辺整備というものに対してこれを出しましょうという制度の条例をつくったわけです。そのときに、そこに附則として「3 知事は交付金の交付に要する経費を指定施設の設置者に負担させるために必要な税制上の措置その他の措置を講ずることを検討するものとする」ということで、交付金を使って特定の事業者の設置を支援するという形で周辺整備をするということに対して、設置者にも何らかの負担をしてもらう制度というものをこれから検討しますということを附則に入れたわけです。これは今の税制度とはちょっと形は違うんですが、これが1つの検討のきっかけになったということでございます。
 あと税制度の内容なり検討経過については、税務課のほうから説明させていただきます。

○鳥取県 鳥取県税務課の越智でございます。
 それでは引き続きまして、鳥取県産業廃棄物処分場税につきまして資料の2-3といった資料をもとにご説明申し上げたいと思います。
 まず資料の2-3に沿ってご説明申し上げます。税制度創設の経緯といったことからお話をさせていただきたいと思います。
 まず税をつくる大きなきっかけとなったことは、全国的な話なんですが、地方分権一括推進法ができまして、それに基づきまして課税自主権に関する自治体の主体性が拡大されたといったことが1つの大きな要素となっております。これによりまして、各自治体が法定外目的税といったものを総務省の協議を経てつくることが可能になったことが1つの契機でございます。
 2つ目は、これが具体的な1つのきっかけ、経緯の大きなものなんですが、平成11年10月に「鳥取県における地方税のあり方研究会」といった研究会。これは委員が7名で、学識経験者2名、経済界2名、市町村2名、県が1名といった構成でつくったわけです。この研究会の中で、産業廃棄物に関する法定外目的税というものが1つのテーマ。もう1つのテーマが森林保全および水源関与に関する法定外税といった2つのテーマが提示されました。
 この提示いただいた2つのテーマをもとに、ポツの3つ目になるんですが、最初にまず産業廃棄物にかかる法定外目的税というものを県の事務局が具体的な検討を進めるといった方針を固めまして、県の事務局のほうで税の制度をつくりあげて、県民協議を行ったという経緯でございます。
 この税の方向性等でございますが、これは税というよりも環境政策の話になろうかと思いますが、鳥取県では循環型社会というものを県の方針の柱にしておりまして、廃棄物につきましては発生抑制、リサイクルの推進、出たものに対しましては適正処理という3つの大きなテーマを掲げております。
 2つ目はそれに基づきまして、周辺施設の設置促進のための条例が、先ほど説明があった通り制定いたしました。
 そういった施策を進めるためには、当然財源もいるということが1つの税のきっかけでもございます。それと最後のポツですが、財源の話もともかく、産業廃棄物の発生抑制、あるいはリサイクル促進のためのインセンティブ効果、こちらのほうに重きを置いた税制をつくろうといったことが大きな方向性として、税をつくるうえで考えに取り入れました。 次に検討の過程でございますが、近隣県との調整ということを挙げておりますが、産業廃棄物は県域を超えて広域移動いたしますもので、各県がバラバラな制度をつくると二重課税がおきたりとか、あるいは排出された方が県ごとに制度が違うと非常に手続きがわずらわしいといったような問題がありますので、これも可能な限りという限定がございますが、近隣県との調整を図るということが1つのテーマでございます。
 それから、次が県民に対する情報提供とパブリックコメントの重視ということです。できる限り検討の過程を県民の皆様にお示ししまして、それに対して意見、反論、異論がたくさんありましたが、そういった意見を単なる意見ではなくて、単なる参考ではなくて、制度を変えるうえで必要な要素として取り入れました。その結果、実は当初に発表した案から3回修正が加わって今の形になっております。
 そういった経緯を踏みまして、平成14年7月3日に産業廃棄物処分場税が県議会のほうで可決になり、9月27日に総務大臣の同意を得まして、この4月1日から施行を行っております。
 (2)で効果と影響という項目を挙げさせていただいています。まず期待する効果でございます。最終処分場への搬入重量により直接税を負担されるのは中間処理業者という仕組みを取っています。直接税を負担する中間処理業者の方が、中間処理を効率化すればするほど税を払わなくてもよいといった仕組みになっておりますので、直接税を負担する中間処理業者による中間処理の効率化といったものが1つの狙いでございます。
 2つ目としましては、これも税の仕組みで話したほうがいいかもしれませんが、中間処理業者が負担した税が最終的に価格に転嫁されまして、排出事業者の方が税相当額を最終的な負担なさるといったことを想定しておりますので、間接的ではありますが、そういった税相当額の負担ということが排出抑制効果を持つのではないかということを1つ期待しています。
 3つ目が、これは昔ながらの税の目的なんですが、税収によって行う最終処分場の設置促進、およびリサイクルの促進といった税収使途による効果といった3つを大きな項目として挙げております。
 今後の課題につきましては、最終処分場の設置計画の具体化。先ほど説明しました通り、今2つの計画がうまくいかなくて、今継続で取り組んでいるところでございます。そういった最終処分場をつくるといったことが大きなテーマでございます。
 おめくりいただきまして、裏面のほうに具体的な税の概要を挙げさせていただいております。税の概要につきましてお話しさせていただきますと、目的は先ほど申したこととかぶりますので飛ばしまして課税客体ですが、県内の最終処分場への産業廃棄物の搬入行為に着目しています。
 課税標準といたしましては、県内の最終処分場への搬入重量、重さでございます。搬入重量に着目しております。現実問題として、最終処分場のほうでは必ずしも重量を把握しておりません。現行のマニフェストは重量、あるいは容量といったことで記載するようになっておりますので、必ずしも重量が把握できないので、そういった場合は容量を重量に換算する換算係数といったものを規則で定めまして、それに従って計算した重量で課税するといった仕組みをとらせていただいております。
 次が納税義務者でございますが、県内の最終処分場に産業廃棄物を搬入する排出事業者、または中間処理業者と定めております。税率につきましては1トンにつき 1,000円といった税率でございます。
 次に徴収方法でございます。いわゆる特別徴収方式を基本にいたしておりまして、最終処分業者の方を特別徴収義務者とさせていただきまして、最終処分業者の方は処分料金と共に1トン当たり 1,000円といった税を搬入された方から集めていただきまして、それを3か月に1回、年に4回納期を定めておりますが、4月末、7月末、10月末、1月末といった3か月に1回とりまとめて県のほうに納入いただくといった仕組みにいたしています。
 もう1つ例外と申しますか、そうではないケースもございまして、中間処理業者の方が併せて最終処分場をお持ちになっているという場合もございます。そういった場合は、排出事業者の方が、中間処理施設に搬入した時点では税がかかりません。中間処理業者の方が自分の持っている最終処分場に持ち込むというときには料金の受け渡しが発生しませんので、特別徴収が不可能なので、そういった場合は中間処理業者の方が運び込んだ数量、それに基づきまして計算した税の額といったものを自ら計算していただきまして、県のほうに申告して納めていただくといった制度をとらせていただいております。
 それから、中ほど、税の仕組みといったフローチャートを付けさせていただいています。先ほどお話させていただいた内容とかぶりますが、納税義務者排出事業者の方で実線と点線で矢印を2つつけさせていただいております。実線の場合は排出事業者の方が直接中間処理を経ずに最終処分場に産業廃棄物を搬入された場合でございます。こういった場合は、排出事業者の方が最終処分業者の方に料金と共に1トン 1,000円をお支払いいただくといったことにいたしております。
 もう1つ、点線のほうの矢印でございますが、排出事業者の方がまず中間処理に産業廃棄物をお持ち込みになり、中間処理業者の方が処理をなさったあとに最終処分場にお持ち込みになるといった事例では、排出事業者の方が中間処理施設に持ち込む時点では課税はいたしません。中間処理業者の方が中間処理が終わり、それを最終処分場にお持ち込みになった時点で初めて課税が発生するといった仕組みにいたしております。
 県内の場合では約90%が中間処理を経て最終処分場に行くといった割合でございます。残りの1割が直接最終処分場に持ち込まれるといった形でございます。
 次に課税免除でございますが、課税免除としましては事業活動に伴って生じる廃棄物とは性格の異なる廃棄物については本税を課さないといった考え方を持っておりまして、ただ、これはできるだけ限定的に広げまいといった考えでございます。
 現実に今、これは知事が指定することになっているんですが、まず下水道汚泥に関しては条例上課税しないといった仕組みにいたしております。それ以外に何かあれば、知事が別途定めるということにいたしておりますが、具体的に今のところ知事が定めたものはございません。今、課税免除になっているものは下水道汚泥のみでございます。
 次は税収使途、税の使い道でございますが、まず入ってきた税金はいったん全額基金に積み立てることにいたしております。これは使途をはっきりさせるために、決してほかのものに使わないといったことをはっきりさせる意味もあるんですが、いったん全額を基金に積み立てまして、その基金から1つ目には産業廃棄物処理施設設置を促進するための施策。これは、先ほど説明がありました交付金の財源に当てるというのが1つ目の使途でございます。
 2つ目が事業者および産業廃棄物処理業者等によるリサイクルを促進するための施策と書いております。今、具体化しているものとしましては、リサイクル技術を県内企業が大学等と共同研究する経費の助成といったものが、今具体化している事業の1つでございます。こういったリサイクル技術の共同研究の助成に、この税の財源を当てるといったことにいたしております。
 それから、次に税収見込みです。平年度 700万円。非常に少ないわけです。これは先ほど来説明いたしていますが、県内で最終処分場が非常に逼迫して県内処分量が少ないといった現状がございます。この税をつくった1つの目的はそれを解消して、新たな処分場をつくるための手助けになればということも大きな目的なんですが、処分場ができればこの税収も上がるんですが、今のところ最終処分場がまだできておりませんので非常に税収規模が少ない。これは言ってみれば、最終処分場が逼迫していることの裏返しでございます。
 次が徴税費用の見込みでございます。先ほど申しました通り、今現在税収が非常に少ない額しか見込めないもので、できる限り徴税費用は絞り込もうといったことで、なるべく経費をかけないようにしております。
 まず導入に要する経費でございますが、30万 7,000円ですが、これはパンフレット、チラシ等の経費が主でございます。実は税を導入しますと、税の電算システムを変えなければならないのですが、そういった経費は既存のほかの改正と一緒に行ってなるべく節約するということで別枠はとっておりません。通常の修正枠の中で一緒に産廃税についても、必要最小限の修正を行うといった形で経費の削減を図っております。
 2点目がランニングコストです。28万 9,000円と挙げておりますが、これは申告書、税を申告していただくための書類を印刷する経費と、もう1つは税務調査の経費でございます。申告いただいた税額がきちんと誤りなく正しい姿を反映しているかどうかといった調査を行うための経費、この2つが大きな要素でございます。
 最後になりますが、課税期間ですが、条例施行後3年で見直しを行うということにいたしております。3年たった時点で、この税を今の形のままでするのか、形を変えるのか、やめてしまうのかといったことを1度必ず皆さんで議論するといったことを条例上盛り込んでいます。
 非常にざっぱくな説明でございますが、以上でございます。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明につきましてご質問等ありましたら、よろしくお願いします。

○細田委員 今、民間の安定型処分場はいくらぐらいで一般に受け入れられているのでしょうか、トン当たり。

○鳥取県 処理料金のことですね。かなり幅がありますけれど、大体安定型だとトン 5,000円ぐらいから1万円ぐらいの範囲です。
 ただ、先ほど説明がありましたけれども、実際に営業許可を取っていても自家処理的に使っているというところはございます。普段、関連のないところは受け入れないという形でやっているところもあります。

○小早川座長 いかがでしょうか。

○碓井委員 冒頭のご説明で、県内の処分場が逼迫して県外の埋め立てに依存せざるを得ない状況。そのときに、この資料を見ますと、先ほどご説明の通り島根県が多いわけですが、今回の広域の中には島根県さんは多分入っていらっしゃらないですね。これは声はかけたけれども乗ってくださらなかったということなのか、あえて声をかけなかったのか。もし差し支えなければ教えていただけたらと思います。

○鳥取県 今のご質問ですが、このたび鳥取県と広島県と岡山県が近隣で共同いたしました。実は、当初3県でスタートから軌を一にして検討したわけではありません。それぞれが自分の県の事情をもとに税制を仕組んでいきました。ちょうど施行をターゲットにする時期が非常に近かったもので、最後の調整という段階でうまく調整ができたんですが、やはりそれぞれ産廃を取り巻く事情が違いまして、一斉に用意ドーンという話はなかなかなりにくいものだと思っております。島根県さんはご事情は我々と違いますもので、今はまだ検討中の段階だと聞いています。

○小早川座長 ほかにございませんか。
 高橋委員。

○高橋委員 「鳥取県における地方税のあり方研究会」には経済界の方も2名参加したということなんですが、主にこの税務を議論されているときに、どんな議論が経済界からあったのでしょうか。

○鳥取県 「あり方研究会」の中には経済界2名と先ほどお話いたしましたが、実は「あり方研究会」では具体的な税の中身的なところまで踏み込んでいません。鳥取県の地方税として、これからどんなテーマを検討したらいいのかといった段階でご提言いただきまして、それからあとの具体的な作業は行政作業と言うのもおこがましいんですが、県のほうが事務局をつくりまして、それぞれの段階で経済界に意見を求めながらつくるというやり方をしております。特に「あり方研究会」のほうで具体的な税の仕組みについてご提言といいますか、ご意見を頂戴しながらというやり方とはちょっと違いましたもので、「あり方研究会」として税の仕組み、具体的な提言というところはなかったと理解しております。

○高橋委員 それだったら、パブリックコメントでは何か意見が出たんでしょうか。

○鳥取県 パブリックコメントはいろいろ意見が出ました。実は、3回形を変えたと申しましたが、最初の段階で実は今と同じ形の提案をいたしました。最終処分場に持ち込んだときだけが課税になるという今の姿でお話をしたところ、その場合、排出事業者が直接負担しないではないか、本来、廃棄物処理法の精神からいったら、排出事業者が1番責任を負うべきではないかといったような意見が1つと、それから排出事業者の負担というものが、中間処理料金に転嫁された上乗せという格好になるので非常に不透明だといった意見が出まして、そういった意見を反映させましてまず、これは途中の経過になるんですが、中間処理施設に持ち込む時点でも課税しようという案を実は1回出したことがございます。今ご覧になっている案は中間処理のところは課税しない仕組みになっておりますが、ここも課税といった案を1回出しました。これは排出事業者が必ず納税義務者になるので、非常に排出抑制には直接インセンティブのある制度だと思っています。ただ、そういった仕組みを取りますと、今度他県が違う制度を導入した場合に鳥取県で中間処理をされ、鳥取県で課税された産廃が、例えば広島県の最終処分場に搬入されたといった場合に広島県でもう1回課税されるという二重課税という問題が起きます。そういった二重課税を避けるために、今度は今のにまた戻したということなんですが、それぞれそういった段階で、今私が申したことは経済界、あるいは産業廃棄物処理業界の方から出た意見でございます。そういった意見で行ったり戻ったりしながら今の形になったということが検討の経緯でございます。

○小早川座長 よろしいですか。ほかに。

○大塚委員 税の仕組みを拝見しますと、事実上は中間処理業者が納税義務者になってしまいます。排出事業者は間接的な納税義務ということになるんですが、そうしますと今、中央環境審議会のほうの答申にもありますように、まだまだ静脈産業の市場が健全化されていない。悪貨が良貨を駆逐していて、適正な処理料金がなかなか思うように動いていないという状況をどう打破するかという真っ最中なんですが、そういうときにかかるような仕組みになりますと、恐れるのは排出事業者の方が中間処理業者の方に内税的にそれをまけてくれと。おたくでその分も払っておいてくれ。今、最終処分場は本当に枯渇化していますから、今中間処理より最終処分業者のほうが力が強いものですから、最終処分業者がきっちりいただく。そうすると、中間処理の人が中間で非常に悩まなければいけない形態が出てくる。こういうことを恐れている方が非常に多いんです。
 ということは排出事業者の方の直接の排出抑制の効果につながるのかどうか。むしろ中間処理業者、特に優良な業者を痛めつける結果になりかねないかということについてはどうお考えでしょうか。

○鳥取県 非常にポイントを突かれたと思っています。実は産業廃棄物処理業界の方からも同じような意見はいただいています。言ってみれば価格転嫁がきちんと適正にできるかどうかと、もしできなければ中間処理業者が自腹を痛める結果になるのではないかといったご懸念をいただいております。
 これはこの制度を仕組む場合、必ず内包する問題です。直接かける場合は二重課税の問題が起きます。中間処理に持ち込む段階に課税する制度をとれば二重課税の懸念が起きます。それをやめて、二重課税を避けて最終処分段階にのみかける話をすると、転嫁の部分が不透明になる。これは二律背反でございまして、我々としては適正な転嫁ができるように、排出事業者にこの制度の趣旨をよくPRしてご理解いただくといった活動をこれからも行っていくという格好で今取り組んでいるところでございます。そういった啓発活動しか具体的に適正な転嫁を助けるということは難しいと思っております。
 これは民間の経済の話になりますので、民民の商売の話なので、我々が必ず強制的にいくら上乗せしなさいといったことも難しいと思っております。
 ということで、きちんとして答えがなくて申し訳ございませんが、そういった現状でございます。

○大塚委員 そういう配慮をよろしく。

○小早川座長 よろしいでしょうか。
 どうぞ。

○鳥取県 それと併せて、税務サイドのほうからの考え方と、我々循環型社会推進課というか、廃棄物行政サイドの考え方というのは、同じ県ですが、我々としては先ほど説明したようにどんどん減っている。さらに、今全県的なゼロエミッションプランみたいな形で、とにかくリサイクルできるものは最大限リサイクルする。それから溶融、スラブ化して有効利用するんだという方向でかなりいっています。我々としては、税収からいったら逆行するのかもしれませんが、要するに埋立率を最終的にはゼロにしたいという目標を持ちながら行政をやっている。
 逆に言えば、理想は税収はゼロになってしまうという、県外に出てゼロになるのではなくて、そういう形でリサイクルが進むということを本当は目指したいと思っているところです。
 確かに我々のほうにも、先ほど先生がおっしゃったような産廃業界などからの苦情が来ます。ですけれども、これははっきりと理由を言って、県もPRするから転嫁をしてくださいという言い方で我々としては言っているという状況です。

○小早川座長 ほかに。
 どうぞ。

○大塚委員 PRされることによって税収がゼロになる。最終処分場が、要するに埋め立ての割合がゼロになるというのが望ましいというのは言えるのかもわかりませんが、それ以前におたくの県の処分場が枯渇化してゼロになって、島根県だとか、そういった課税をしていないところにどんどん流出してしまう。それに対しては中間処理業者の人は、この仕組みでいくと納税しなくてもいいわけですから、結局、そちらのほうが先に来る可能性が強い。さらに、5年もたちますとどんどん周辺の岡山、鳥取、広島も枯渇化してきますでしょうから、もっと広域化してしまう。そういうことになると、自ずから近い将来に破綻が出てくるのではないかという気がいたすのですけれども、その辺のところについての、将来のそういった厳しい状況といったものを勘案されながら企画されたのかどうか。されたのでしょうけれども。

○鳥取県 今の財団法人でやっています公共関与事業というのが、先ほど2回断念したということがありますが、それ自体をどうするのかということを今年の春、県議会を挙げて相当議論をやりました。やはり現況は、さっき先生がおっしゃったように今それは不要だということにはならない。今は県外に迷惑をかけている状況を見ると、とにかく自前の処分場が必要だということで、県ももっと力を入れてやるという方向を3月議会で知事もはっきり言ったところです。
 とにかく今はこの税収といったところとは関係なく、そういった公共関与の処分場をつくっていく。あるいは民間の施設設置を支援していくという方向に全力を上げるということでございます。

○小早川座長 よろしいですか。
 ほかにいかがでしょうか。

○川島委員 免税点の話なのですが、特に設けられていないというのは公平性を重んじたといいますか、その辺を考えてのことだったんでしょうか。

○鳥取県 免税点のお話をいただきましたが、まさにおっしゃいました通りでして、排出者の方が直接申告納付するという制度の1つの大きな考え方としてあると思います。我々は免税点をむしろ設けないために、こういった制度、特別徴収制度をとったといったことも、ひとつ逆説的ではありますがそういったことだと思っています。
 いわゆる公平性ということが1つの大きなテーマで、免税点を設けない制度をつくろうといったことがこういった制度になったと思っております。

○小早川座長 ほかにいかがですか。
 私から1つ。細かな話かもしれませんが、お話の中に自社処分の話がちらっと出てきましたけれども、一般に許可を取らないで、純然たる自社としてやっている場合については、廃掃法上ははっきり区別されるわけですが、税というものを考えた場合にもやはりそれは最初
から対象外というふうにお考えだったのか、その辺は何か検討されたのでしょうか。

○鳥取県 自社処分でございますが、これはかなり議論があった部分でございます。自社処分に課税するのかしないのかということでございますが、当県の場合は自社処分をまず2つに分けまして、排出事業者の方が中間処理から最終処分まで、すべて自社処分する場合。そういった場合は課税対象にしないという整理をしています。これは排出事業者の方が、排出事業者責任を自分の経費と責任で全うしている。そういったケースにおいてまで課税対象とするのは適当ではないといった判断でございます。
 もう1つ自社処分があります。排出事業者の方が他の中間処理業者に持ち込んだ場合。中間処理業者の方が最終処分場をお持ちになっているというケースでございますが、これは排出事業者の方から料金を得て中間処理をなさり、その業者の方が自分の最終処分場で自社処分なさるわけですけれども、これは排出から最終処分まで一貫しているわけではありませんので、そういった場合につきましては申告して税を収めていただくといった形で、2つに分けて整理しています。

○小早川座長 ほかには。よろしいでしょうか。
 それでは、まだあるかもしれませんが予定の時間がまいりましたので、鳥取県さんからのヒアリングはこの程度にさせていただきたいと存じます。貴重なご意見、情報をありがとうございました。
 続きまして、北九州市からご説明をお願いします。本日はこの検討会の委員でもいらっしゃいます大庭環境局長、それから財政局税務課の勝原主幹からご説明いただくことになっています。
 それでは20分程度で、よろしくお願いいたします。

○大庭委員 大庭でございます。
 それでは北九州のことについてご説明申し上げます。できましたら資料の3-3をご覧いただきたいと思います。
 まず本市におきます環境行政の概要についてご説明したいと思います。本市におきましては環境行政を施策の最重要課題の1つとして掲げてございます。その中で長期構想の中でも環境未来都市をつくろうということで、いろいろな施策に取り組んでいるわけでございます。
 これまでもごみの資源化だとか減量化、それからご存じの方もいらっしゃるかもわかりませんが、エコタウン事業などに取り組んでいまして、一定の評価、成果を上げてまいったところでございます。今後も引き続き最終処分場の安定的な確保とか、環境産業の進行等々、いろいろな環境施策を幅広くやっていかなければならないということで現在も取り組んでいるところでございます。
 市内の産業廃棄物の現状でございますが、資料3-3に書いてございますように、平成13年度、市内から発生いたします産廃の総量は約 860万トン。このうち有効利用に回ったものが 520万トン。中間処理で減量化されたものが 210万トン。最終的に埋め立てられたものが90万トン。こういう数字になっています。ちなみにこの数字を12年度と比べてみますと、市内からの総発生量が若干減っていますが、12年度が 865万 3,000トンでございます。有効利用に回ったものが約 416万トン。最終的な埋め立てに回ったのが 171万 4,000トンという数字でございました。
 なぜ私が今12年度の数字を申し上げたかといいますと、私どものほうで環境未来税の議論を始めたのが12年度、本格的になったのが13年度ということから、こういう動きを踏まえて産業界なり処分場業者さんの動きが変わったのかなと考えているところでございます。
 資料には平成3年、8年、13年と5年ごとの数字を掲げてございますが、基本的には産廃の発生量は市内では増加傾向にあるということでございます。ただ、最終的な埋め立て量につきましては漸減傾向にある。12年から13年度に関して言いますと、大幅に約半減に近い状態で減ったという状況がございます。
 産廃の種類でございますが、資料の3ページをご覧いただきたいんですが、1番多いのは私ども重厚長大産業をやってございますので、1番多いのは鉱さい、これが 362万トン。それから汚泥が 185万トン。ダスト類が 135万トン。この3種類で全体の約8割を占めてございます。そのほかにがれきだとかいうのもございますが、この3つで約8割を占めているというところでございます。
 中間処理でございますが、概ね3分の2が排出される事業者の方が自ら処理されてございまして、残り3分の1が中間処理業者のほうに処理を委託するといった形態になってございます。
 埋立処分量は、先ほどちょっと申しましたように、4ページの数字でございますが、こういう具合に全体から見れば減少傾向、特に12年度から13年度にかけて大幅に減っているというところです。
 それから、いわゆる市外からどのぐらいの量が入ってきているのかということでございますが、市外からの産廃の搬入量は13年度で年間約 160万トン。12年でもほぼ同量でございました。これにつきましても市外からの量、12年度から急激に増えている。 120万トン強であったものが、12年度からは 160万トン程度に増えているという状況でございます。そのうち約2分の1強が埋め立てに回っているという状況です。
 ちなみに北九州市内で発生した産廃を市外に搬出した分は、13年度は約 4,000トンだということで見込んでございます。
 市外からの埋立量ですが、これは先ほどご説明した通りでございます。平成13年度は87万 4,000トンを最終的に埋め立ててございます。
 市外のどこら辺から入ってくるかということでございますが、資料の7ページをご覧いただきたいんですが、基本的には九州地区が36%と1番多いわけですが、そのほか関東、近畿、中国・四国を含みまして、いわゆる関東以西、北陸も入りますと関東以西の全地域から市内に産業廃棄物が持ち込まれているということがご理解いただけると思います。
 産業廃棄物の処理施設でございますが、これは8ページの表4を見ていただければわかると思います。最終処分場の数も安定型処分場が6個。管理型処分場が3施設。合計9施設が市内で稼働してございます。
 9ページは産業廃棄物の処理業者数でございます。収集運搬が 1,684業者、中間処理が 132業者という数字になっています。
 なお税の仕組み等については勝原のほうからご説明させていただきます。

○北九州市 引き続きまして環境未来税の導入の背景と、税の仕組みについて簡単にご説明させていただきたいと思います。
 資料の3-1のほうですけれども、「北九州市環境未来税について」と書いてございます。一番初めにありますように、北九州市の場合も鳥取県さんと同じように「北九州市の税のあり方研究会」というのを立ち上げました。これの背景ですが、やはり地方財政の非常に厳しいという状況があるということが1つと、もう1つは地方分権の流れの中で12年4月から法定外目的税もできるようになった。これを踏まえて課税自主権をいかに活用していったらいいかということを、有識者の先生方のご意見もいただきながら検討していこうということで、この研究会を設置いたしました。
 研究会のメンバーにつきましては、資料の5ページになりますけれども、ここに参考資料という一覧がございまして、この次の1ページ目、「税のあり方」研究会の委員名簿をつけております。九大の地方財政の伊東先生に座長になっていただいて、あと中里先生、政府税調の特別委員なんですけれども、にも入っていただいて研究を進めてまいりました。
 この研究会の中で課税自主権の活用、特に法定外税を考えようということがあったんですけれども、ここで着目するのはどういったものかということだったんですけれども、先ほど環境局長からご説明いたしましたように、北九州市の場合、市の基本構想、ルネッサンス構想と申しますけれども、この中で6つの都市ビジョンを掲げて具体の施策を実施しているわけなんです。この6つの都市ビジョンの第1番目に環境未来都市の創造というのを掲げております。環境施策については、かなり熱心に北九州市の場合取り組んでおりますので、この環境に着目した税というのがふさわしいのではないかということで、産業廃棄物に着目した税を考えるということにしたわけでございます。
 あとは産業廃棄物の現状につきましては、先ほどご説明いたしましたので飛ばさせていただきまして、次の2ページになりますけれども、「環境未来税の趣旨及び必要性」と書いてございます。まずは北九州市の場合、この産業廃棄物税と申しますか環境未来税は、あくまでも一義的には各種の環境施策を実施するために必要な財源確保のための目的税であるという位置づけにしております。
 その目的税につきましては、静脈産業発展の基盤である最終処分場の確保。それは静脈産業だけではなくて、すべての企業活動の円滑な発展に必要不可欠な施設であるという位置づけをしておりまして、この最終処分場をこれからもずっとやっていかなければいけないということで、ここに着目した税を考えたということでございます。
 副次的と申しますか、結果的と申しますか、導入してしまえばどちらがどうということもなくなるのかもわかりませんけれども、副次的には環境未来税の導入によって企業活動、埋立処分の減量化、リサイクル化を導入することによって資源循環促進社会への導きができるのではないかということも考えております。
 それから、北九州市の特色としまして処分料金が非常に安いということがございまして、ここに着目したわけでございます。先ほども処分料金の話が出ていましたが、民間の処分料金というのは実際にあってないようなところがございます。同じ産業廃棄物を持ち込んでも、だれが持ち込んだか、いつごろからの顧客かによって値段が変わったりするという現状がございますので、比べたのはあくまでも法的関与の処分場ですけれども、ここで比較した場合に、北九州市の平均処分料金が非常に安いということがありまして、この平均処分料金の差の中で税を設定させていただければ、この税を設定することによって新たな産業廃棄物が他に移動するということが避けられるのではないかということがあって、そういう設定をいたしました。
 具体の仕組みなのですが、次の3ページです。性格につきましては、先ほど申しましたように環境施策を推進するための財源確保の目的税である。納税義務者は北九州市の場合、最終処分業者と市内の自家処分事業者ということにしております。最終処分業者を納税義務者とした理由なんですが、基本的には最終処分業者が市内の環境を利用して事業を行っているということの応益性。それから、最終処分だけをとらえることによってリサイクルの促進が図れる。リサイクルを含む中間処理が促進されるのではないかということが1点。それから最終処分業者に関しては、市が廃棄物処理法に基づいた監督権限を持っておりますので、そういった意味でも責任ある対応が取れるということがあります。
 最後に、最終処分だけで課税する場合には、二重課税の回避の必要がないといったようなことから、最終処分業者と自家処分事業者を納税義務者としております。
 それに関しましては、次の4ページにまた別の視点から書いています。なぜ排出事業者を納税義務者としなかったのか、中間処理を課税対象としない理由は何かというのを書いております。
 排出事業者を納税義務者にしなかった理由は、PPPの原則から排出事業者に直接納税義務を負わせるのがいいのではないかという議論もあるんですけれども、北九州市の場合、税の技術上の問題もあったんですけれども、法定外目的税といった場合課税権の及ぶ範囲の問題とか課税技術上の問題があるために、結局全部の排出事業者を対象にはできないだろう。一部の排出事業者だけを納税義務者としたら、この場合例えば 300トン排出するとか、 500トン排出する事業者というのはまずつかめないと思いますので、多量排出事業者である、年間 1,000トンの産業廃棄物を排出する事業者を納税義務者と仮に考えるとすると、免税点の問題等も先ほど出ておりましたけれども、税の公平性の問題からまず1点の問題点がある。
 それから、排出に着目して課税するのであれば、北九州市内で排出する産業廃棄物は排出行為に着目するのであれば、市外に出たときにも課税しなくてはおかしいのではないか。そうすると、市外から入ってきた排出事業者に対して課税できないのか。そういったことがあるので、排出責任を負うという意味での整合性が貫徹できないというのが1点あるのではないかということと、仮に 1,000トン以上の方だけを課税対象とする場合、意図は別として、結果として懲罰的な課税。 1,000トン以上排出したものが悪いから課税するんだということを市民の方なりに受け止められかねない。北九州市の場合、特に素材型産業を中心に発展してきたまちですし、そういった業者の方が非常に多いので、そういった誤解を与えかねないというのはまずいのではないかということで、排出事業者を納税義務者とはしませんでした。
 もう1つ、中間処理を課税対象にしなかった理由は、繰り返しになるかもわかりませんが、まず中間処理が推進されるであろう、リサイクル・減量化の促進につながるというのが1つ。それから中間処理がそういったことで進めば、最終処分場の延命化につながるということが1点。
 それから、北九州市の場合、エコタウン等でリサイクル産業等の静脈産業の育成というのを市の積極的な実施課題としているということが1つ。
 それから中間処理業自体が、いろいろな会社が持ち込んで処理するものですから、中間処理がどれだけされたかというのを正確に把握することが困難であるという現実の問題が1つ。それから、先ほど申しましたように二重課税を回避する必要がなくなるということから、最終処分業者を納税義務者とした最終段階課税ということを選択いたしました。
 恐れ入りますが3ページに帰っていただきまして、課税標準につきましては産業廃棄物の埋立量としています。埋立量か搬入量かという問題があるんですが、基本的に北九州市におきましてはマニフェストの数値、マニフェストの中に埋め立て処分年月日というのがございますので、このときをとらえるという形にしていますけれども、基本的には搬入日とほとんど変わりはないのではないかと考えています。あくまでもマニフェストに基づいた埋め立てを課税標準にしているということです。
 課税の特例につきまして、先ほどの鳥取県と同じで法定外税なので、特に税の基本原則である公平、中立、簡素とありますが、その中でも公平性の問題というのは1番大事であろうということで、一切設けないということにしています。
 税率につきましては、トン当たり 1,000円ですが、これは先ほど申しました北九州市の処分料金の経済の優位性というのが約 3,000円ございますので、この3分の1程度の 1,000円ということにしたというのがございます。実際には北九州市が検討するときに、すでに三重県さんのほうで産業廃棄物税が決定しておりまして、その額を参考にさせていただいたというところがございます。
 この税率につきましては暫定税率ということで、今年の10月から18年度までにつきましてはトン当たり 500円としております。このトン当たり 500円とした理由は、後ろに参考資料としてつけているんですが、参考資料のところの4ページです。環境未来税に対する関係者の意見等ということがございます。環境未来税の考え方の説明を議会、それから納税義務者である最終処分業者、それから中間処理業者の方々、排出事業者の方々、北九州市としても税の転嫁というのは当然起こると考えていますので、すべての業者さん方にも説明したんですけれども、そのときに言われたことが大きく2つございまして、環境の世紀に向かって産業廃棄物の適正処理というのは大事であるということで、我々もそのことは認識していて、そういった税が仕組まれるのは時代として仕方がないという一応の認識は示していただきました。ただ、この経済状況の厳しい時期にトン当たり 1,000円というのはどうなのかということがございました。こういったご意見を踏まえまして、3年間につきましては暫定でありますが、トン当たり 500円という税率を仕組ませていただいて、導入の時期も昨年の9月に総務大臣から同意をもらいまして、1年間周知準備の期間を設けて、今年の10月から施行するということにしています。
 税収見込みですが、これは1年で3億円を予定しています。これは15年度の埋立見込み量 144万トンと見ています。これにトン当たり 500円ですので、それと北九州市の場合徴収方法は申告納付ですが、毎月申告にしております。それで、10月から2月分まで、3月分の収入というのは翌年度回しになりますので、 144万トンに 500円掛けて、それの12分の5ということで約3億というのを見込んでいます。
 税収の使途につきましては、基本的に廃棄物の適正処理、まちづくりの関係、それからリサイクル、資源化技術に対する研究開発の支援事業、新しい環境産業の創造等に使わせていただくということにしています。
 北九州市の場合、特に基金等は設けていないんですが、これは毎年の議会のときに予算の説明の中で、歳入予算、歳出予算の中できちんと説明をしていきたいと考えております。
 次の4ページ、最後なんですが、今北九州市の場合、10月1日の施行に向けましてさらにPR活動と申しますか、最終処分業者の方、排出事業者の方に向けて10月1日から導入する北九州市の未来税を十分に説明させていただいて、円滑に導入できるようにということで取り組んでいるところでございます。
 以上です。

○小早川座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまのご説明につきましてご質問等をお願いいたします。
 細田委員。

○細田委員 財源目的というのはすごくわかりやすくて、いいかどうかは別として、とてもわかりやすくて、それならそうだろうと思いますが、結果として発生抑制が出るというのは、鳥取県の場合もそうですが、よくわからなくて。というのは、先ほどの資料3-3の3ページの何が出ているかと見ますと、がれきは除いてダスト、汚泥、鉱さい、廃酸というのは、トン当たり 1,000円、キロ当たり1円を上げて、これがリサイクルに回るとはとても思われない。
 例えば最終処分料金が20円で今までやっていて、21円にしたからどっとリサイクルが回ると考えるとしたら、ずいぶん経済的に非合理的な行動を業者さんはしているなと思わざるをえないです。本当に発生抑制がキロ1円でできるのかどうなかという理論付けをぜひお聞かせいただきたいということと、鳥取県や皆さんそうなんですが、事後評価をどうなさるか。つまり、本当にキロ当たり1円上げたから下がったのかどうなのかという評価をどう見るかです。私はほとんど効果がないと見ているんです。効果があるとしたら何かというと、最終処分場が枯渇してきてやることは2つしかなくて、1つは最終処分料金を上げるかどうか、もう1つは搬入制限をするか。
 私のインタビューの限りですが、長い間の顧客関係を考えると、多くの処分場業者さんは搬入制限なさるんです、私の知るところ。搬入制限をすると持って行きどころがないから、業者さんは廃棄物の原価費用が無限大になってしまいますから、これは発生抑制をするか、それともブラックボックスに投げ込んでしまうか、どっちかしかない。そういうふうにやって、最終処分量は北九州市でも鳥取でも減っていくと思いますが、キロ当たり1円上げることで、なぜ発生抑制ができるのかという正確な理論付けをお聞かせ願いたい。あと事後評価をやるのかどうかということもお聞かせいただきたい。

○北九州市 理論的な根拠というのは持っていません。北九州市の場合は繰り返しになりますが、基本的には財源がほしいということです。
 細田先生がおっしゃるように、中間処理をやったら、簡単に考えたのは、今まで直接最終処分に埋めていたものの最終処分料金が上がれば、当然それを回避する意味で中間に回してということを考えたんですが、基本的に中間に回ったときの中間処理料というのがかかりまして、それがかなりの金額ですので、単にそういう誘因効果を高めるためにはかなり高い金額でかけないとそういったことは起こらないということはわかります。
 ただ、これは産業廃棄物税だけではないかもわからないですが、家電リサイクルとか、建設リサイクルとかいろいろなエコックがあると思いますが、それによって北九州市の場合でも現実的に12年度、13年度は有効利用量というのは格段に増えています。その中に北九州市が環境未来税を入れたというのが、どの程度効果があったのか、全然理論的なことはできないのですが、若干の効果はあるのではないかという期待みたいなもので、副次的な効果があるのではないかという程度です。 
 これにつきましては、行政評価と申しますか、北九州市の場合も課税期間はもうけていないんですが、大体5年を目途に見直し規定を置いています。その5年間の産業廃棄物の推移、どういった動きをして、どういうふうになったのかは当然十分に勘案させていただいて、そのときにその後の環境未来税のあり方というのを十分検討したいと思っています。○北九州市 先生、若干補足させていただきます。これも理論的ではないかもわかりませんが、いわゆる産廃の関係で分別が非常に進む。例えばがれきと土砂というのがあるんですが、従来、私のほうは処分料が全く同じなんです、埋め立て料金が。ところが、土砂は産廃になりませんので、今度は産廃に税金がかかります。だとすると土砂は土砂できちんと分けて、土砂として搬入する。がれきは産廃として搬入する。こういったことが、かなり進んでいるというのが我々実態から見たところの感じがある。
 そういったことで、業者さんにはある程度そういった分別なり有効利用といったことをしなければならない、するほうがいいという考えがあるのではないかと思っています。

○細田委員 それはいろいろ解釈のしようがあるのではないかと思いますが、私は北九州市の場合はむしろ総合的な政策効果のほうがすごく大きいと思うんです。環境先進都市として排出抑制、発生抑制に昔から努力されていて、コンセプトがものすごく今浸透していますよね。総合的なものについて、あと税金のアナウンスメント効果もあるでしょうし、それが全体となって、私は排出抑制が進んでいるのではないかと理解していますので、総合的政策の中の1つとしてとらえられるとそれなりに意味があるのかなとは思っております。
 以上です。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。碓井委員。

○碓井委員 先ほどのご説明で、なぜ税という形で負担を求めるかというときに、埋め立てに担税力が認められるんだ。しかも、それが公共関与のもので、他と比較した場合に北九州市の場合には処分料金が低くて有利になっている。そういうご説明があったかと思いますが、質問は2つです。
 1つは、なぜ北九州の公共関与のものが相対的に低くくなっているのだろうかという、その背景がわかればご説明いただきたいということ。
 それから、今後の見通しの問題として、ひょっとして優位性が失われるような事態になったときには、課税の根拠が失われたものとして、まさに見直しのところですが、税そのものの縮小とか、あるいは廃止とか、そういうことも当然検討対象になるのだろうかという素朴な疑問を持ちました。お願いします。

○北九州市 北九州市の公共関与の処分場というのは安いというのは、はっきりした理由はつかんではいないんですが、基本的には海面埋め立てなんです。そこの土地についても、完全に埋め戻したあとについては、土地として有効利用できる可能性があるということがございます。土砂なんかも入れたりしていますので、そういった意味で埋め立ててそれで終わりということではなくて、有効利用をできるのを前提にした料金設定がされているのではないかというのがございます。
 もう1つ、ほかの団体がみんな産業廃棄物税を導入して、北九州市の優位性が失われたということがあれば、それは当然見直しの対象になりますが、先ほどもご説明させていただきましたように、今北九州市が税を課税してもまだ安いんです。これ以上安い料金を、今後どこかが設定するというのはかなり難しいのではないかと思いますので、もしそういうことがあれば、当然検討したいと思います。

○小早川座長 ほかにいかがでしょう。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 まず第1点といたしまして、先ほど大量排出事業者に課税すると懲罰的な方向に行ってしまうという発言がございました。もともと、ほとんど法定外税の場合には遊漁税だとか、ごく一部の地域に東京都は宿泊税ですか。なのに、産業廃棄物だけがぞろぞろ出てきてしまった。これ自体が全体から見ると市民に対して評判が悪い。したがって、かつての東京の銀行税みたいなもので、市民から賛成を得られるだろうから、これをやってしまえという部分があったのではないか。使途とどういう方向に使うかというのは後に出てきたのではないかという気が私どもはしてしようがないんです。そこは正直にお答えいただけない部分ではあろうと思いますが、私は率直にそういう印象を持っています。
 それから、先ほどありました処分料金が優位に立っているというのは、見方を変えますと適正な処分料金で市場が成り立っているのかどうかということを非常に。この 3,800円という値段を見ますと、海面埋め立てだけだったらいいんですが、先ほどの資料3-3の8ページを見ますと、最終処分場の数として安定型が6個、管理型が3というので、市の中では結構処分場をお持ちなんですが、これがすべて海面埋め立てとは思いませんので、それが 3,800円でやっていけるというのは、私どもから見ると信じられない値段なんです。
 そういったところからはたして適正な利益で、適正な企業として推進できるのかなというところがあります。そういった非常に最終処分料が安いところへさらに課税をかけてしまうと、逆な方向で見ますと余計に処分業者を痛めつけてしまうのではないかという気がいたします。そういう部分の検討をなされたのかどうか。
 どちらにしましても、この最終処分料というのは異様な、普通我々が聞いている処分料金からいきますと相当下回っておりますので、これが優位性という表現をされること自体が私にとりまして意外なんです。むしろ適正な料金の方向へ誘導していただきたいなという、逆のお願いが。これは関係ないんですが。
 まず第1点で申し上げました財源不足というのは、福祉だとかいろいろなところでいっぱい足りない部分があると思いますが、そこの中でなぜ産業廃棄物だけにめがけて来られたのかということの合理的な理由をお聞かせ願いたい。
 それから、よその地区がやはり排出事業者責任のもとで、排出事業者に課税をするというところが圧倒的に多いというよりも、北九州市さん以外はほとんどがそういう建前でやっておられる。そこへ最終処分業者という形で持って行かれたのには、それなりの相当な理由が。今の理由もわからないことはないですが、特に前、福岡県が排出事業者責任の名のもとで課税をするかどうかということを検討されたときに、福岡県の中の市としての位置づけの中の北九州市さんが別の方向へ行ってしまったということに対して、我々は意外に思っていました。その辺を含めまして、お願いします。

○北九州市 1点目の大塚先生の質問ですが、これはやはり私としては先ほどと同じ形で北九州市は環境施策をずっとやってきていたから、そのための財源として。一般廃棄物もなぜ課税していなくて、産業廃棄物だけなのかという話があると思いますが、一般廃棄物は基本的に廃棄物処理法の中で市の責務としてやらなければいけないという位置付けにされています。北九州市の場合は、指定袋の有料制ということで一定のご負担をいただいているという状況もございます。その中で産業廃棄物を選んだということです。
 これは産業廃棄物だけではなくて、なぜ法人なんだというのがよく出ます。選挙権のない法人を対象にするのはおかしいというのがございますが、北九州市の場合は第1弾としては環境未来都市である市としては廃棄物に着目した税というのが、まず北九州市として望ましいのではないかという研究会の提言もいただいてこういった仕組みを構成したということでございます。
 2点目の料金のことなんですが、先ほど海面埋め立ての話をさせていただきましたが、あとは安定処分場のほうも、ほかの自治体を全部調べたわけではないんですが、北九州市は採石業者なんです、最終処分業者が。山を基本的に石灰が中心になるんですが、それを掘った跡地ができる。その跡地を埋め戻すのを産廃でやっているんです。だから、そういった意味で新たに処分場をつくるわけではなく、もともと採石業として使ったところを、変な言い方ですが跡地利用として最終処分場として活用しているといったようなこともあって、ほかの安定処分場、新たにつくるものよりも安く設定できるのではないかという点。
 もう1つは、やはり公共関与の最終処分場というのがプライスリーダーになっていまして、非常にシェアが大きいんです、北九州市内全体の。そこに引きずられて、そこよりもあまり高い値段には設定できないというのもあると思います。そういったことで、そういった料金になっているというのが実情でございます。

○大塚委員 引きずられないように、よろしくお願いします。

○小早川座長 どうぞ。

○細田委員 この税を導入するときに、例えば資料の3-3の3ページ。産廃の種類別発生量が出ていますが、例えばダストと汚泥ではかさ比重が全然違いますよね。最終処分場に出すインパクトもたぶん違うと思います。ダストと同じ1トンでも3立米ぐらいになってしまいますし、汚泥だともっと小さくなってしまう。
 そのときに、確かにトンでしかやりようがないというのもそうなんでしょうが、何かボリュームによる違いというのが今まで議論にならなかったんでしょうか。どうでしょう。

○北九州市 確かに先生のおっしゃる通り議論になりました。種類によって、環境に対する負荷の度合いであるとか、処理の困難性であるとか、そこに着目した税というのがどうなのかというのは確かに研究会の中でも議論としては出ました。ただ、実態的にそれに応じた税率を仕組むのは、技術的に対応できないということで、簡素にトン当たりということにしました。

○小早川座長 ほかにいかがでしょう。
 高橋委員。

○高橋委員 資料3-1の4ページを見ていると、排出事業者はいっぱい優秀な企業がいらっしゃるのでなかなか課税できない。中間処理業者は応援しているので課税できないということで、何か押されて埋立量になったというような感じがしないでもないんですが、聞いていると目的は税収確保にあったということで、やはりこれは第二法人税というか、別に埋立量にかけなくてもよかったのではないかという気もするんですが。課税標準をここにしなければいけないという議論は行われたんですか。

○北九州市 課税標準というか、納税義務者をだれにするかという話なんですが、これは三重県さんでも鳥取県さんでもそうだと思いますが、パターンは4つぐらいしかないんです。排出事業者に直接課税するか、中間処理業者、最終処分業者を直接納税義務者にするか、排出事業者を納税義務者としながら中間処理業者を特別徴収義務者にするのか、最終処分業者を特別徴収義務者にするのか、両方を特別徴収義務者にするのか。その中のどれを選ぶかという話になって、どれをとってもやはり全部を説明するのは非常に難しいと思いまして、北九州市の場合は最終処分業者を直接納税義務者にするのがわかりやすいというか、説明しやすいと思って選んだわけですが、まず排出事業者を全部納税義務者にして申告納付させようとすると、先ほども申しましたけれども絶対に全部をつかんで課税するというのは、課税技術上非常に難しい話なんです。何万社という納税者が出るわけですから。どれだけ埋めたかというのをつかむのも非常に検証が複雑になってきますので、それは無理であろう。
 そうすると特別徴収義務にするか納税義務者にするかということですけれども、そのときに排出事業者を納税義務者にするということは、排出責任を取って納税義務者にするわけなんですけれども、そうすると特別徴収義務者にするのは中間処理業者と最終処理業者、両方を特別徴収義務者にしないと、最終処分業者だけを特別徴収義務者にしてしまうと、中間処理業者が何で納税義務者なのかという意見が多分出てくると思いました。
 ちょうど我々が検討していましたときに、鳥取県さんがやはりこの案で最初お出しになったときに、新聞情報とかそういうものでしか知らないですが、中間処理業者の方からかなり何故自分たちが納税義務者なのかという話があったと。確かにそれはそうだろうなというときに、最終処分業者だけを特別徴収義務者にして、中間処理業者を納税義務者とする理由を構築するよりも、最終処分業者を納税義務者としてもらって、あとは市場の経済原理によって価格の転嫁というのは当然起きますよと持って行って、市としても最終処分業者に対してその仕組みについて十分に説明するほうが。どちらが北九州市として同意が円滑にいくだろうかといったことも含めて検討した結果で、最終処分業者を納税義務者にしたというのが実情です。

○三本委員 今の件なんですが、例えば排出事業者と処理業者の力関係のことをご検討されましたでしょうか。例えば、さっき言った価格については転嫁すればいいという話ですが、それができなくて業界がなかなか正常化に向けて進んでいないという現状があるわけです。ある意味で脆弱な処理業界の育成がなかなか進まないということにもつながっているわけなんですが、そこが1番問題であって、実際に発生抑制という観点からすれば、自ずからやはり排出者にかけるべきであって、そこにかけて初めてそれがかなうわけです。なぜそこに考え方が行かないのか、私には全然理解できないと思います。

○北九州市 力関係という話は当然北九州市の場合も出ました。どういうふうになるんだということで、北九州市の場合は納税義務者である最終処分業者だけではなく、中間処理業者の方々であるとか、排出事業者の方々であるとか、導入の経過ということで資料の2ページにも書かせていただいていますけれども、直接回っていろいろご意見をお聞きしました。
 そのときに、この税は仕組みとして間違っているというご意見が強くあれば我々も考えたと思いますが、基本的には北九州市の場合は我々の考え方について、すべての段階の方に一応納得していただいたととらえています。今後も引き続きできるだけ周知は重ねてまいろうと思いますけれども、とりあえずそういうことを踏まえて北九州市としてはこういった仕組みを考えたということです。

○三本委員 先ほど徴収に対して大変困難になるというお話なのですが、逆に言わせれば廃棄物が発生した時点で委託業務の関係上、契約ないしはマニフェストが発行されるわけです。そのマニフェスト伝票の管理だけ十分に管理していけるということもありますので、やはり公平性を保つのであれば自ずから出した時点でかける必要性があると思います。

○小早川座長 何かございますか。
 そういうご意見が当然一方ではあるわけなんで、これ以上やっても議論になるばかりかなという気もしますが。

○大塚委員 誠に素朴なんですが、まだ私は理解できていない部分がありまして、先ほどのご説明の中で最終処分場の確保のための制度であると。しかし、納税するのは最終処分業者だと。最終処分業者に納税させておいて、なぜ最終処分場の確保になるのか。この辺が私はもうひとつよく納得できないので、ご説明いただければと思います。

○北九州市 納税義務者は最終処分業者なんですが、実態問題といして当然税の転嫁というのが起こりますので、排出事業者なり、中間処理業者の方なり。というのは実質的な税負担は皆さんで行うという前提に立って考えているからでございます。

○大塚委員 意見を求める気はないんですが、盛んに中央環境審議会が言っているように、そういった転嫁ができるような時代を目指して今努力している最中でございますので、これを今すぐそういう方向に行けると思われているのと審議会の答申との間にちょっと距離があるなという気はいたしております。

○小早川座長 実質論ではなくて、事実だけもう1度確認させていただきたいんですが、3-1の2ページのこの図。これは先ほどのご説明ですと、公共関与の場合の料金でもって見るとまだまだ余力があるというご説明だったと思うんですが、民間の最終処分場の関係者からはこの税についてはどういう意見があったのか。

○北九州市 特にご意見はありません、反対の民間の処分場としては困るという。新しい税なので基本は反対なんですけれども。基本的には新たな税負担はできるだけないほうがいいと思っていらっしゃるのは当然の前提とした上で、北九州市がこういった税を仕組むというときに断固反対というところまでの反対ではない。

○小早川座長 このシステムが極めて不合理であって、もっといい案があるはずだというようなご意見ではなかったということですね。
 いろいろご意見があるかと思いますが、時間も回っていますので、この程度で北九州市からのご説明は終わりにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、大変ありがとうございました。
 続きまして、岩手県からのご説明をお願いしたいと存じます。本日は環境生活部の簗田次長さんにお越しいただいています。それでは、やはり20分程度でご説明いただければと思います。

○岩手県 岩手県の簗田でございます。よろしくお願いいたします。
 資料4-1と2と3を用意してございます。主に資料の4-1に基づきまして、3のほうを参照しながらご説明申し上げたいと思います。
 本県における産業廃棄物税および産業廃棄物対策についてということで、説明の内容としましては、本県では去る12月にこの産業廃棄物対策3条例を制定しております。その内訳と、なぜ今条例なのかということ以下、8番目のスケジュールまでについてご説明申し上げたいと思います。
 3ページでございます。産業廃棄物対策3条例の内訳としまして、1つは税条例。2つ目には循環型地域社会の形成に関する条例ということで、これは本県が独自に制定したものでございます。3番目の県外産業廃棄物の搬入に係る事前協議等に関する条例。これと1の税条例は青森、秋田、3県で同時に制定したものでございます。
 4ページにまいりまして、なぜ、今条例かという背景でございます。まず1点目は「いわて資源循環型廃棄物処理構想」の目指す循環型地域社会の実現に向けて、制度的整備が必要であるということ。
 2点目は、現在青森県境において不法投棄事件が起こっているわけですが、これを教訓にした不法投棄の未然防止のための法制度整備が必要であるということ。
 3点目は産業廃棄物対策を総合的に進めるという中で、やはり一つの経済的な手法としての税というものを考える必要があるということでございます。
 4点目は北東北3県、地域サミットが行われていますが、そこでの合意事項といいますか、連携した広域産廃対策が必要である。このような背景から今回の条例ということになったわけでございます。
 5ページにまいりまして、ここに1点目の循環型地域社会の形成ということで、「いわて資源循環型廃棄物処理構想」というものを策定しております。11年に本県では総合計画をつくっております。その中で環境首都いわてというものを標榜しております。これを目指すビジョンとして13年3月に策定したのがこの「いわて資源循環型廃棄物処理構想」というものです。
 基本的なコンセプトとしてそこに絵を描いておりますけれども、まず廃棄物の自県内処理である。そこには県、プリフェクチャーとしてありますけれども、青森、秋田を含んでの圏域の圏を入れております。
 それから一般、産廃の縦割りの撤廃ということで、同じような性状である紙とか木屑、あるいは動植物性残さ、いろいろありますけれども、こういったものについては効率よく一緒に処理すべきではないかということ。
 右側のほうにまいりまして、クリーンセンターの成果の県内波及ということです。公共関与施設として、平成7年から稼働している中間処理、焼却と、それから最終処分場がございます。これは国の法による廃棄物処理センター、5年の1月に大臣指定を受けていますが、この施設を県内の南側に位置しているものですから、もう少しバランスよく北のほうにも次の公共関与施設を設置できないかということ。
 何よりも産業廃棄物については優良な処理業者を育成して、そこで機能分担しながらやっていくということで、このゼロエミッション社会いわてをつくっていこうという構想でございます。
 これを実現するためには3つほどの実行プランといいますか、戦略を設けております。1つは、まず地域の実情にあった制度的整備。いわゆる条例が必要であるということ。それから、やはり地域の産廃に対応した公共関与である処理施設が受け皿として必要であるということ。3点目は循環型社会を推進するための環境産業というものを育成していく必要がある。こういう3つの戦略といいますか、実行プランでこのゼロエミッション社会を形成していこうとしているものでございます。
 2点目の、今、青森県境での不法投棄事件が起きているわけですが、この6ページの絵にあります通りでございまして、青森県側が上、西側になります。そして右側のほうが岩手県。岩手県が16ヘクタールで、青森県側が11ヘクタール、合わせて27ヘクタール。これは標高で言いますと 800メートルぐらいの非常にのどかな高原丘陵地帯であります。周りには牛がのんびりと草を食べながら寝そべっているという牧歌的な風景の真ん中に、こういう荒涼とした不法投棄現場があります。
 首都圏中心に24都県地から、1万社を超える企業から委託処理されたものがここに持ち込まれた。ありとあらゆる産廃がここに埋まっているということで、事件としては堆肥をつくるというようなリサイクルの許可を取ってやった行為、あるいはRDFを有価物として扱うというふうに偽装されたものでここに持ち込まれた。
 廃油とか廃食品、燃え殻、いろいろなものが出ると思いますが、16ヘクタールの岩手県側を全部掘削しております。10メートル間隔に全部掘削したために、どこにどういったものがどういった形で捨てられているかということが解明されたという事件でございます。
 次の絵はたまたま試掘したときに出てきた廃食品の山です。7、8メートルの深さにこういった期限切れの廃食品。バーコードが全部つていますから、製造番号がありますのでどこから持ち込まれたかというのは廃食品の場合については判明しているものでございます。
 8ページの次の絵なんですが、これはドラム缶が1箇所に 218本埋められていたということで、主にトリクロルエチレンとかテトラクロルエチレン、ジクロロメタンといったVOCが入ったままで捨てられていたということです。これも全部掘り上げて処理処分していくという事件で、これからの教訓というのはいろいろございます。
 まず1つには、地域で出たゴミはやはりその地域で処理すべきであろう。長い距離を移動する間に、さまざまな処理業者が介在しまして、なかなか責任追及というのが難しくなっております。排出者の目の届く範囲で適正に処理される体制を整えていく必要があるということ。
 それから、廃棄物が多いためにこういった事件が起こるということで、無駄な廃棄物を出さない。いわゆる発生抑制をを進める仕組みが必要であるということ。
 それから、これはいずれも確信犯的にやられた事件でありまして、確信犯的にやられると、なかなか行政の監視指導というものにも限界が出てくるということで、悪質な業者というものを淘汰する仕組み、いわゆる優良な処理業者を育成していく必要があるということ。
 豊島の事件もそうなんですが、多くの事件が有価物リサイクルというものが偽装された不法投棄ということがございますので、それへの対応も必要であるということ。さらには原状回復に公金、これをできるだけ極力投入しないような仕組みということも必要である。こういった教訓から、やはり制度的な整備はもちろんでございますし、例えば県が関与するようなきちんとした受け皿も必要であるということ。そのつなぎのソフト施策ということも十分にやっていかなければならないということで、総合的な産業廃棄対策ということを進める上で欠くことができないというのが廃棄物への課税を含めた経済的な手法ということです。さらにリサイクル市場の活性化を図ることによって、無駄な廃棄物を発生させない仕組みという制度が必要であるということであります。
 4点目、10ページに絵がございます。これは北東北3県、途中から北海道の知事さんも加わったサミットでございます。平成9年度から観光とか文化を中心にやよれているものでございますが、12年の第4回サミットから首都圏の産廃に対して同じような悩みを抱えているという青森、秋田、3県が同じ思いということで広域産廃対策が進められてきたわけであります。
 次の11ページでございます。秋田、青森両県共同歩調による広域産廃対策として、知事サミットの合意を受けて県外産廃事前協議制の義務化。それから県外産廃に対する協力金。これは以前は協力金はなかったですが、事前協議というのは3県ともに要綱で行われていた。この部分を根拠あるものにしようということと、産業廃棄物税というものを3県でいずれも14年12月議会で制定されたということでございます。ここまで背景でございます。
 次からが産業廃棄物税条例の内容ということで、4-3の資料を脇に置きながらご覧いただきたいと思います。
 産業廃棄物の発生抑制、再使用、そして再生利用、その他適正な処分に係る施策に要する費用に当てるために導入する法定外目的税ということでございます。課税客体は排出事業者から最終処分場への搬入ということになっております。処分場への搬入量を減量化しようとするインセンティブ効果。それによって再生利用のほうにシフトされるということを期待しているものでございます。
 13ページにまいりまして、仕組みと効果とあります。同じようなことが記載されております。排出事業者の発生抑制が図られまして、直接埋立の減量化、焼却等の減量化によって、埋め立ての減量化が図られてリサイクルの推進というのが狙いとしているところでございます。
 次の14ページの効果イメージ。これも同じようなことを絵にしたものでございます。まず産廃税による排出抑制効果。さらには右側になりますが、税収等を活用した補助事業化。これは4-3の資料の2ページをご参照いただきたいと思います。ここに税の使途としてございます。環境産業を育成するための施策。例えば企業内のゼロエミッションとか、あるいは企業間のゼロエミッション、団地間あるいは団地の周辺を含めてのゼロエミッションといったための施策補助。
 それとか産廃処理施設の整備、処理技術開発研究ということ、あるいは優良業者育成の施策、循環型形成のための基礎的な施策。例えば不適正な処理を監視、指導するといったものに充てようとするものでございます。
 15ページにまいりまして、課税標準及び税率等でございます。課税標準は産業廃棄物の重量。これは同じでございます。税率はトン当たり 1,000円。税率の算定根拠につきましては、別資料4-3の3ページ、別紙2のほうに記載しております。ご覧いただきたいと思いますが、基本的には税導入前は減量化せずに搬入する場合の総コストよりも、減量化対策を講じて搬入するほうの総コストのほうが一般的に高いということで、税導入後には減量化せずに搬入するほうが高くなるように設定するということが1つございます。
 2点目は、ほかの県さんも同じだと思いますが、中間処理料金と最終処分料金との差額の均衡化をできるだけ図っていこうということ。
 3点目につきましては、他県との均衡ということで、トン当たり 1,000円と設定させていただいたことでございます。
 次の16ページにまいります。ここには税フロー図でございます。委託処理が左側、自社処理を右側に記載しております。納税義務者は排出事業者ということと、中間処理業者も納税義務者。最終処分場に持ち込まれるもの、徴収方法としましては特別徴収で最終処分業者が特別徴収義務者ということになります。自社処理の場合については、同じように最終処分場に自社であっても持ち込む場合については申告納付していただくということにしております。
 次の17ページは、このフロー図を表にしたものでございます。左の委託処理については上のほうに委託処分、自社処分という形で、徴収の方法として特別徴収、申告納付としております。ここまでが産業廃棄物税についての内容についてでございます。
 このあと、18ページ以降については本県独自に制定しました循環型地域社会形成に関する条例の内訳について、ごく簡単にご説明したいと思います。
 まず内容が、1の総則から自県内処理の原則。これは基本的なコンセプトということです。3つ目には再生利用の促進ということで、これはリサイクル認定製品、リサイクル品を認定する制度でございます。4点目は優良な産業廃棄物処理業者の育成ということで、民法第34条法人、これを県が育成センターということで育成する。そこに格付け制度あるいは保証金というものを集めて、そういう方々が事件、違法な行為をやった場合の現状回復費用に当てようとするものでございます。
 5番目の許可の取消し等の基準というのは、まず違法な行為を点数化しまして、それでもってある一定点数になったときに業務停止命令とか、あるいは取消処分をするというふうに、この辺はだれが見てもわかりやすいというか、明確化していこうという点数化制度でございます。
 廃棄物等の適正処理の推進ということで、この「等」というのはいわゆる不法投棄事件とか有価物とか、リサイクル偽装事件が非常に多いということで、そういった廃棄物まがいのものへの立ち入り調査とか、あるいは掘削等の調査を命令するといったようなことをここでは受けております。
 それから、原状回復の確保。排出者責任を明確にするということとか、あるいは不適正処理関与者の責任。例えば悪意をもってチュウシュンカンとか、あるいは土地を提供していたという不適正な行為、あるいは不法投棄に関与している方にも原状回復の責任追及をしていこうというものです。
 8番目が処理施設等の設置等となっております。
 次に19ページにまいりまして、県外産廃の搬入に係る事前協議等に関する条例ということで、これは青森、秋田と同じスキームで、従来、要綱でやっていたものを条例化したものということで、内容は県外産業廃棄物の搬入の事前協議ということ。それから環境保全協力金の契約ということで、これは県内にいろいろな環境負荷を及ぼすということで、県外から持ち込まれる産業廃棄物に対して、県外の排出事業者の方と知事が環境保全協力金ということで納入契約をしていただく。これは任意の協力金という形にしておりまして、これが次のページの絵に記してありますが、目的が県外廃棄物による不適正処理の防止ということでございます。
 本県では不幸にしまして、首都圏から持ち込まれた産廃等の不法投棄15万立方メートルとか、あるいはフィリピンに持ち出されようとしましたニッソーの産廃が3万立方メートルとか、いろいろ持ち込まれております。こういった県外から持ち込まれたものによる不法投棄、あるいは不適正な事件が多いということから、できるだけそういったものを持ち込まれないような形をつくっていこうということで、事前に協議していただいて、持ち込まれるものについては協力金をいただこうというものであります。
 次の21ページには、税と環境保全協力金との関係を示しております。中が県内の部分で、県外から持ち込まれる産業廃棄物、最終処分場に持ち込まれる場合については、税については同じようにトン 1,000円。協力金が最終処分場についてはトン 500円ということになりますし、中間処理の場合についてはこれは税がかかりませんので、協力金 200円。リサイクルの部分については、リサイクル関連施設に持ち込まれる場合についてトン50円の協力金をいただくというような、これは3県での責任でございます。
 次の22ページにまいります。これは産廃税と環境保全協力金の使途について、そこに提示しております。産廃税については先ほど申し述べた通りでございまして、協力金、左側のほうにまいりますが、年間 2,000万ほど見込んでおります。これは現在、県外から持ち込まれるのが40万トンほどございまして、県から県外に出ているのが4万から5万トンですが、その10倍ぐらいが県外から持ち込まれているという実態がございます。それに対してリサイクル協力金50円をいただきますと、今、約 2,000万計上させていただいております。
 産業廃棄物税については、先ほどの資料4-3の4ページに示しておりますが、収入見込額、徴税費用見込額ということで、平成15年は、これは15年度でございますけれども、施行を予定していますのは16年1月からということで、2月、3月分だけの 6,000万ほどを計上しておりますが、16年度は3億 2,000万というような、一応の収入見込額を計上させていただいております。
 これでいきますと、年間約3億円の収入見込みがあるということで、このうちの2億と、協力金の 2,000万は先ほどの環境産業育成のための補助等に使うということと、残りの1億については公共関与施設整理準備資金として、できれば毎年1億ずつ積み立てていきたい。
 これは実際に施行される予定は16年1月にしておりますので、15年度は先行してこれを予算化したい。6月補正で予算化したいと考えているわけでございます。
 最後はスケジュールということです。税と協力金以外については、この4月から施行しております。税については、現在総務省と協議中。できれば16年1月から施行予定ということでございます。
 話が長くなって恐縮でございますが、もう1つ資料として4-2、産業廃棄物処理の現状という資料をご覧いただきたいと思います。本県の特徴の部分だけ申し上げますと、1ページの1番下の欄でございますが、家畜ふん尿 423万トンということです。これを合わせて合計で 645万トンほどです。ですから、平成11年度の数字からしますと家畜ふん尿以外では 225万トンということになります。
 種類別の排出量が2ページにございますし、3ページには処理フローということで畜産関係、家畜ふん尿を除いた 222万トンの内訳をそこに示しております。
 4ページには管理型最終処分場、安定型最終処分場がこのぐらいあるということでございますし、5ページ目は処理施設の推移。焼却施設、埋め立て処分。
 大変恐縮ではございますが、この安定型最終処分場の下の管理型最終処分場がございますが、施設数8のところが7箇所でございますので、ご訂正お願いしたいと思います。
 それから残余年数としましては、それぞれ安定型が13年とか、管理型が8年となっております。
 6ページは処理業者の状況。7 ページ、最後になりますが広域移動。年間どれぐらい入ってきて、どれぐらい出ていくかということで、本県では自県内処理98%ぐらい行われておりますし、北東北3県では99.3%ほど3県で処理が行われているという実態になります。以上でございます。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明につきましてご質問等ありましたらお願いします。

○碓井委員 冒頭で不法投棄との関係がかなり強調されたように思いますが、それでご質問なのですが、こういう税を課することによって税収を上げ、それを例えば監視の強化に充てることができれば不法投棄も抑制されるという効果があるとは思いますが、しかしその点を抜きにして考えると、これも最終処分場というときに不法投棄の場所を最終処分場とみなすとか、そういう条例の規定は多分ないでしょうから、そうするとこれは優良な人だけが税負担を負う。それから協力金も契約の形ですから、それに乗らない人については、手続きを怠ったときの過ち料があるかもしれませんが、要するに私のこれから受けた印象では優良な業者は税負担を負うけれども、不法で持込む人はおとがめなしだ。
 それでお伺いしたいのは、別にそういうことを責めるとかとやかく言うつもりはなくて、ご検討の過程でそういう不法投棄者にも税負担を求めるシステムというのを一応は検討なされたのかどうか。先ほど私はみなし刑と申しましたが、それこそ懲罰的な課税をするぐらいのことも本当はあったほうがいいのではないか。動機がもし不法投棄にかなりウエイトがあるとすればということで、ちょっとお尋ねしたい。

○岩手県 検討課題の中では不法投棄者への税負担という議論はなかったと思います。不法投棄者の未然防止というところでの議論はかなりありましたが、そこでの議論はあまりありませんでした。

○小早川座長 今のは産業廃棄物に関する税の検討を環境省でも以前からやっていて、その中での意識としてはあった話ですよね。

○碓井委員 結局、現状では廃掃法の罰則規定だけで、それはおそらく不法投棄した人にとっては、大体見つかったときは破産状態かもしれませんし、それほど痛くもかゆくもないということで多いのではないかと推測しております。

○小早川座長 だから理屈の世界の話かもしれませんが、悪いやつが何もかかっていけないというのは、どこか筋がおかしくないかという、そういう話ですね。 
 ほかにいかがでしょう。

○細田委員 また、先ほどの北九州市と同じ質問なんですが、資料4-3の産廃の税率の理屈付けです。1番に税導入前には減量化しないほうが得だったけれども、税導入後には減量化したほうが得であるのがキロ1円だということなんですが、そうすると減量化するかしないかという損益分岐点が、たったキロ1円だったというご判断されたということですよね。それはものによってかなり違うと思うんです。岩手県さんの場合はふん尿とかそういうものが多いので、そこを基準になされたのかとふと思ったんですが、これはいかがでしょうか。

○岩手県 先ほどの鳥取県さんと同じように、産業廃棄物処理によってかなり処理価格が違います。やはり当県でも 5,000円から2万幾らというものでございます。うちの公共関与の施設がありまして、そこが本県の廃棄物処理料金の標準価格といいますか、スタンダード的なものとして見られておりまして、業者はそれを上限として、それ以下に全部設定しております。
 そこの県の公共関与施設で標準的といいますか、汚泥の処理価格にしますと焼却した場合について約2万 1,000円から2万 2,000円程度。埋め立てした場合には2万円程度ということで、開きが 1,000円ちょっとぐらいあります。その辺が大体目安として出てきた数字であります。

○細田委員 汚泥の焼却とおっしゃっているのは有機汚泥ですよね。

○岩手県 有機汚泥です。

○細田委員 有機汚泥を中心にされたということですね。わかりました。

○小早川座長 ほかに。

○高橋委員 税ではなくて事前協議ということなんですが、協力金との関係で、要はお金さえ払えば入るんですか。それとも何を協議されて、その結果、どうしてお金が必要になるのか。適正に入るのであれば、お金はいらないのではないかという気もしますが、そこはどういう議論をされているんですか。

○岩手県 これは北東北3県議論した中では、ここがやはりなかなか協力金の設定価格が難しいところでございます。処分場には各県限りがある。特に青森県は処分場が少ない県でございまして、ない処分場を延命したいといいますか、長持ちさせたいという部分があります。そこにできるだけ負荷をかけないといいますか、環境への負荷ももちろんございますが、容量的にも延命化したいという部分があって、他県からの搬入を何とか抑制したいという部分があります。
 これに対して、各県、廃棄物処理計画を策定していて、そういう中で適正処理の受け皿をどの程度、どのように将来整備していくかということも含めて、やはりそういう環境政策全般に対しての協力金というものをもらうべきではないか。最終的には3県、そういう環境負荷と処分場整備ということで、やはり他県から入ってくるものについても環境施策に対する、うちですとゼロエミッションと言っていますが、そういったものに対しての協力を理解していただいてお願いするという形になりました。

○高橋委員 受け入れないこともあるんですか。

○岩手県 協力金契約については任意でございますから、受け入れられない場合についてはそこまでということになります。できるだけお願いするという形でございます。
 事前協議をされずに持ち込まれた場合については、当然勧告とか命令という形で公表していくということになっております。

○小早川座長 今のご質問の中には、お金と別に事前協議で断られるケースはあるかというご主旨もあったと思いますが。

○岩手県 青森、秋田、それぞれ事情がございますが、岩手県の場合を申し上げますと、事前協議制度は平成2年から行っておりまして、もう12、3年の実績がございます。ほとんど県内の業者はそれを承知しておりますし、県外の業者の方々についても持ち込まれる場合は自粛というか、お願いをしてきた経緯があります。どうしても持ち込まれる場合については、受入れ側の方とよく話し合って、一緒に来ていただきたいという形でうちのほうは対応しております。

○飯野委員 せっかく3県で同じ税をつくられたのに、県を越えただけで協力金を取られるというのは、県境に住んでいる業者にとっては非常に不本意なことだと思います。なお、青森が少ないというのであれば、青森に対する協力金を高くするのが普通我々の考えている経済的インセンティブと思うんですが、これがみんな同一というのは結局各県の事情を、あるいは各県の行政を意識したものであって、県境に住んでいる住民にとってはどこの県であろうと近いところのほうがいいわけですから、そういう意味では3県で協力していながら、結局、3県の行政が非常に優先した形になっていると思いますが、その辺はいかがということ。
 もう1つは、不法投棄という点につきましては、私、前に総務省のほうで提案したことがあるんですけれども、保険料をそういう人たちから取ったらどうか。1度、フィリピンへ不法投棄して戻ってきたケースもありましたけれども、結局、業者がつぶれていて、結局、地方政府あるいは中央政府がそれを負担しなくてはいけなくなったということを考えると、そういう可能性のある業者から保険料を取って、いざというときにはそれで埋める方法をとったらどうかと提案したことがありますが、よく考えますと地方自治体だけでそれをやるのは難しいかなと思っていますが、その辺はどうお考えでしょうか。

○岩手県 1点目の行政優先ではないかということですございますが、これは3県ともに十分に2年ぐらいかけてワーキングで議論しながら、行政だけではなしに、経済界はもちろんでございますし、市町村、住民の方にかなり時間をかけて説明し、いろいろな意見をいただいて税とか協力金ということを詰めてきたものでございます。
 もう1点、保証金、岩手県だけでということは大変ごもっともなことでございまして、うちが今やろうとしているのは、民法法人第34条と言いましたけれども、想定しておりますのは産業廃棄物協会でございます。こちらの協会の会員が中心になりまして、1社 100万ほどの業の許可に際して補償金を積み立てていただく。敷金的なものでございますので、業をやめる場合には当然お返しする。そのプールした中で、どこまで原状回復費用に当てるかということもございますけれども、せいぜい1社、未然にというのが1番大切なことですが、あまり大きくならないうちに小さいうちに目を摘み取ろう。 100万、 200万単位の原状回復を目指していくということです。もちろん、大事件ということになれば、県だけでの保証金というのはもう無理であると認識しております。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。

○飯野委員 ただ、3県のところに投棄された主たる投棄者は、東京とかこちら方面の業者だと聞いております。そういう業者に対して、結局、何もできないわけですか。負担は結構各県にもいっているはずなんですが。

○岩手県 今、まず第一義的には原因者たる不法投棄行為者ということでございますし、第二義的にはそこに委託された方が、いろいろ違法的な行為があったかどうかというのを責任追及している段階でございます。明らかなのは許可を持っていない収集運搬業者に委託して、それが中間処理なりされて持ち込まれた場合とか、あるいは許可を持っている業者であっても、許可品目にないものを委託されたというふうに、明確な場合については今責任追及の対象にしております。それ以外については、中間処理されているものから、どこにどういった形で投棄されたかという形態まで排出者責任を追及するのは、今非常に難しいと言いますか、困難を極めているという状況でございます。
 ほぼ24都県市ぐらいになりますが、首都圏がそのうちの約6割、7割という状況でございます。

○小早川座長 それでは大塚委員。それでここは締めさせていただきます。

○大塚委員 第1点は、この協力金が事実上二重課税になるかならないかということをお聞きしたいのが1点。それから協力金として差がありまして、最終処分が 500円。中間処理が 200円。50円がリサイクル。これはリサイクルの促進という方面から設けられたものかもわかりませんが、裏返ししますとリサイクルは非常に良くて、最終処分によるのはあまりいい行為ではない。したがって差を設けたのだ。被害者意識が強いからそう思うのかもわかりませんが、市民団体だとか市民の方、マスコミの方はそういう感覚がありますので、それを増長するような方向へ行くのではないかということを危惧しているんですが。
 要するに循環型社会からいったらリサイクルのほうが優位するのは確かなんですが、これからも中間処理と最終処分というのは非常に重要な施設ですので、そこに差額を設けられるというのは政策的にいかがかなという気がします。

○岩手県 ごもっともなことだと思います。
 二重課税については、いろいろな議論がありまして、徹底的に議論した最終結果として、税とは別に協力金という形で任意契約といいますか、知事と排出事業者の任意契約。あくまで、これは相手を縛るということではなくて、こちらの協力依頼に対して了解していただいた方と契約するという形にしておりまして、二重課税には当たらないとなっております。
 それから 500円、 200円、50円の議論でございますが、これはトン 1,000円というのは3県、税としては同じでございます。これは他県から取る分については半分ぐらいかという議論と、リサイクルに関してはゼロにすべきではないかという議論もかなりありました。ただ、リサイクルに回ったとしても 100%リサイクルにされるのはなかなか至難の技といいますか、どうしても残さ率が出てくるという部分で、最終的には50円となった経緯がございます。

○大塚委員 ちょと確認させていただきます。協力金はあくまでも契約だと言いますが、協力金を払わなければやはり県外からは持込みできないということにはなるわけですか。そんなことはないんですか。払わなくも入れるわけですか。

○岩手県 入れることは可能でございますし、協力金はまた別のことです。

○大塚委員 そうですか。失礼しました。

○小早川座長 いろいろまだおありかと思いますが、だいぶ時間も回っていますのでこの辺にしたいと思います。岩手県からのご説明、どうもありがとうございました。
 あと1つございますが、ちょっとだけ休憩して5分後にまた再開したいと思います。
                                    (休憩)
                                    (再開)

○小早川座長 それでは再開いたします。
 最後になりますが滋賀県からご説明をお願いしたいと存じます。本日は琵琶湖環境部上田廃棄物対策課長さんにお越しいただいております。
 それでは20分程度でよろしくお願いいたします。

○滋賀県 滋賀県でございます。よろしくお願いいたします。
 私どもは資料5-1と5-2のリーフレットを用意させていただきましたので、資料5-1に従いまして滋賀県におけます産業廃棄物の処理状況と条例につきましてご説明申し上げたいと思います。
 1ページをお開き下さい。滋賀県の産業廃棄物の状況でございます。平成12年度を起点に種々の調査、実態把握、解析をやらせていただいております。図1をご覧ください。平成12年度の滋賀県の産業廃棄物の総排出量は 384万トンでございます。年次的に見まして、近年横ばいからやや増加傾向がまだ続いております。減少の兆しは見えておりませんです。
 業種別に若干見ますと、製造業は最も多うございますが、滋賀県は第二次産業が突出して多うございます。約半分は第二次産業というような産業構造でございますので、製造業が多うございますけれども、横ばい状態。建設業は増加傾向。水道業は下水道汚泥の増加に伴いまして、今後とも増加が続くと見込んでおります。
 下のほうの表1でございます。これは種類別に見たものでございます。1番多いのは2つ目にございます汚泥、 214万 9,000トンでございますが、脱水いたしました数字が54万 8,000トン。下に書いてございますように、こういう数字になります。かなり万遍なく各業種から出てまいっております。この汚泥と、下から4つ目、5つ目のがれき類、83万 5,000 トン。これを合わせますと、二つで約80%を占めるという実態でございます。
 続きまして、2ページのほうでございます。これの処理の実態でございます。図2です。 384万トン出ましたもののほとんどが中間処理にかけられております。 367万トン中間処理にかけまして、主として脱水ですございますけれども、脱水、焼却等によります減量化量が 189万トン。したがいまして、最終的には再生利用されます量が 166万トン。全体の43%。最終処分量は28万 6,000トン、 7.4%でございます。
 少し状況を申し上げますと、下の表2にございますように、1番下にございます最終処分量は平成5年が56万トンに対しまして28万トン、約半分に半減いたしております。一方、中間処理によります減量化もこれに見合うように増加傾向が続いておりまして、平成5年と12年を比べますと41%の増加という実態でございます。
 続きまして、3ページをお開きください。産業廃棄物の種類別に見ました最終処分と資源化と減量化を比べたものでございます。見ておわかりいただけますように、網目模様が再生利用率。例えば家畜ふん尿、がれき類、鉱さい、あるいは紙くず、これらのものは再生利用率が高うございます。私どものところで問題になりますのは、主としてがれきだと思いますけれども、がれきはすでに91%が再生利用が進んでいるという実態にありますものの、例えば図4で見ますと、これだけのがれきが再生利用されながらも、ページ4によります最終処分の比率を見ますと、がれきはなお最終処分の25%を占めるという実態にあります。こういうふうに見比べていただけるのではないかと思います。
 一方、例えば図3のところで見ますと、燃え殻、あるいはゴム屑、こんなものにつきましてはほとんどが最終処分されているという実態でございます。再生利用されます構成比率は量も多うございますので、がれき類、汚泥、こういうものの再生利用の率が高うございます。
 一方、最終処分を構成比で見ますと、ページ4にございますように、汚泥、がれき、廃プラスチック、ガラス・陶磁器。特にがれき、廃プラ、ガラスは、安定型のこれら3品目で約60%を占めるという実態でございますし、汚泥を含めました4品目、これが最終処分をこれからどう減らしていくかの大きな問題のターゲットになる対象品目かなと我々として考えているところでございます。
 これら最終処分されますものが一体どうなっているかということで表4のところに、これらの種類別の最終処分の内訳を書かさせていただいておりますけれども、自社処理、委託、県内、県外という形で見ますと、最終処分にされているもののうち、安定型が17万トン、管理型が11万トン、こういう内訳になっております。県外に依存している部分がかなりあるということとか、あるいは廃プラのような可燃物がそのまま埋立処分されているという実態が推測される実態でございます。
 続きまして、5ページをお開きいただきたいと思います。このような最終処分でございますが、滋賀県内の実態でございますが、5ページの表7にございますように管理型が極めて少のうございます。安定型は約二十数社ございます。このような実態でございますが、管理型は実質的にほとんど県内で処理するのが難しいということで逼迫しているというのが滋賀県の現状でございます。
 6ページにございますように、公共関与で最終処分場を建設したいということで、県は環境事業公社、第3セクターを持っております。これは昨年、国のほうで廃棄物処理センターの指定を受けたところでございます。次期管理型処分場の建設に向けまして最終準備の段階でございますが、以前持っていました管理型処分場は平成10年に埋め立て終了しまして、それ以後施設がつくれていないというのが私どもの県の現状でございます。
 7ページをお開きください。滋賀県におけます県外との流入、流出の状況を解析したフローでございます。左側の県外、ここから51万トン入ってまいります。県外には40万 2,000トン出ていっております。ほとんど同じぐらいの量と言えるかと思いますけれども、全体量で見ますと若干流入過多という感じを持っております。近畿地方から入ってきます量が断然多うございますし、出ていっている量も近畿地方に出ていっている量が多うございますが、県外の最終処分のところではかなり分散をいたしておりまして、管理型処分場を私どもは持っていないという影響が少し出ております。県外の埋立量は最終処分量として16万 3,000トンという実態でございます。
 下のほうにございますのは、後ほどもう少し詳しく述べますが、全体の産業廃棄物ではなくて、資源化されない産業廃棄物だけ取り出しますと、滋賀県では50万トンが排出事業所から資源化されないものが出てまいっております。県外からは13万トン。これらを合わせまして、これらが対象になるわけですけれども、このうち22万トンが外へ出ていっている。そういうことになりますと、資源化されないものに関しては流出のほうが多いという状況でございます。
 そこで将来の予測と今後の対応でございますけれども、8ページにございますように、このままの推移で産業廃棄物を予測をいたしますと、なお増加傾向が続くのではなかろうか。1つは下水道汚泥の増加がなお見込まれる。それから、建設系廃棄物につきましては、今後とも解体等の建設系の廃棄物が一定あるだろうと思われるところでございます。同じような形で今後処理がされたとしても、廃棄物は増えてくる。そのような思いを持って、このまま放置しますと増えてくるという思いを持っております。
 そこで、私どもがつくりました廃棄物処理計画でございます。9ページをお開きいただきたいと思います。これは平成14年の3月に策定しました滋賀県の廃棄物処理計画の目標値の考え方でございます。繰り返しになりますけれども、概念図で説明申し上げますと、滋賀県の事業所から出ます産業廃棄物は 400万トンでございます。このうち有償物を除きますと、先ほどから言っていますように総排出量は 384万トン。汚泥が脱水を除きますと 224万トンがいわゆる処理せざるを得ない廃棄物となるかと思います。これらは 174万トンが有効利用されていると思っていますので、資源化されない廃棄物50万トン出てくる。これが中間処理による減量と最終処分されるということになるかと考えています。
 したがいまして、私どもの目標は当然のことながら最終処分量を減らしたい。この29万トンを減らしたいということで、表8の1番下の欄、最終処分量、平成9年の39万トンは22年に19万トンにしたい。最終処分量を2分の1にしたいという目標値でございます。平成12年の実績は、このスライドでいきますと目標34万トンに対しまして実績29万トンということで、実績をさらにアップするような形で最終処分量は減量が進んでいるという実態でございます。
 真ん中にございます排出量、これが資源化されない廃棄物でございます。これが平成10年に50万トン出ていったと言っていますが、平成9年に60万トンでございましたの、で資源化されない廃棄物を2分の1にしたい。60万トンを30万トンにしたい。これも大きな目標でございます。この2つを滋賀県におきます産業廃棄物の目標という形で設定させていただいております。
 資源化されない廃棄物も、現在目標、10年では50万トンに対しまして50万トンと目標通りの推移をたどっていると考えております。
 なお上の発生量、排出量はスライドさせますところ、やはりこれは減量がなお難しい。目標に対しまして、やはりかなりの部分増加がある、発生はなお多い、このように思っておりますが、資源化あるいは中間処理の減量ということによりまして、資源化されない廃棄物あるいは最終処分量2分の1に向かって幾つかの施策を講じていく。こういう形で廃棄物処理計画を定め、いろいろな施策を打っているという状況でございます。
 そこで、これらの施策の1つとして規制とか自主的な取り組みとかいろいろあるわけでございますけれども、それらの1つとして税制面からという形で産業廃棄物税が浮かび上がってきているのではなかろうかと思っております。
 本県におけます産業廃棄物税の検討経緯でございますが、皆さんからお話がございますように自主課税権の拡大があったというのが前提だと思いますけれども、もっと直接的には、当委員会の委員であります三重県のほうが12年の初めに産業廃棄物税の導入を公表されたというのがきっかけで、実は三重県を含めました4県で日本真ん中共和国という知事サミットを毎年開いております。そこで三重県からのご提案もあり、産業廃棄物につきまして共通で情報交換をやっていこうということが本県の直接的な経緯となりまして、私どもの県では環境を軸といたしました法定外目的税の検討を庁内でやっております。
 先ほどから説明していますように、12年度の実態調査の結果を踏まえまして、13年度、庁内で検討会を設置いたしました。産業廃棄物税と小型船舶の湖面利用税、この2つが直接的な検討課題になっております。私どもの課では産業廃棄物税の検討を担当させていただきました。先ほどから説明しました10年の実態を受けまして、14年3月に滋賀県廃棄物処理計画の策定をやっております。繰り返しになって恐縮ですが、私どもの目標は資源化されない廃棄物の排出量と最終処分量を2分の1にする。この設定に向かって対応していこうということでございます。
 庁内の検討結果を受けまして、これは5月に報告書をまとめ、それを受けまして7月に外部委員を加えました新税創設懇話会というのを設置させていただいております。ここでは産業廃棄物に関しましては、次の11ページ、12ページにございます庁内検討会で出しました2つのモデル案について、この懇話会で主として審議をお願いしたものでございます。
 ここでの審議は短い期間でございましたが7回に及びました。各団体からの意見を聞く、あるいはホームページで民間、住民からも意見を聞くなどして、いろいろな形での意見の聴き取りを行いながら先生方にご議論なさっていただき、我々も説明を申し上げたという実態でございます。
 ここで議論になりました主な点は、税制面から環境政策に切り込むとした場合に廃棄物の発生抑制、資源化にどのように効果を出すのか。そして、その上でどのように公平性を保つのかというのが大きな議論になったところでございます。私どもの県では、繰り返しになりますが資源化されない廃棄物を2分の1にするというのを目標にいたしていますので、最終処分量だけの2分の1だけではなくて、資源化誘導も図りたいのが私どもの思いです。発生抑制と資源化推進を何とか排出者責任を明確にしながら、こういうような政策税制としての位置づけを、かなり先生方のご議論がございまして、いただきました答申は排出事業者の申告納付式が望ましいという提言をいただいたところでございます。
 これに基づきまして、私どもとしては関係ありそうな事業所に説明会を順次個別に回り、関係団体にもご説明申し上げたうえで議会に贈呈し、可決いただいた。国のほうに現在お願いを申し上げておりまして、順調にいけば平成16年1月から施行したい。このような準備をしているものでございます。
 それでは、滋賀県の産業廃棄物税制につきまして少し説明を申し上げたいと思います。リーフレットがございますので、リーフレットの後側に簡単な仕組みが載っております。併せて、見ながらになりますけれども、ごく簡単に説明申し上げたいと思います。
 産業廃棄物税で、私どもの場合は申告納付でございます。13ページの説明でございますが、課税客体は県内の中間処理施設、または最終処分場への産業廃棄物の搬入でございます。
 税収の使途は、リーフレットを1枚めくっていただきますと、そこのところに税の使途例というのが書いてあります。1から4、これはまだ例示でございますが、県の廃棄物処理計画に基づきまして、実は5つの基本方針を立てております。それに沿う形で実は税を使わせていただきたいと考えております。
 1つは循環型社会推進のための産業廃棄物減量の推進。2つ目が循環型社会推進のための資源化施設等の整備推進。3つ目が循環型社会推進のための産業廃棄物処理情報の共有化の推進。4つ目が不法投棄のない社会構築の推進。こんなものにつきまして、具体的に使わせていただきたい。目的税としてはそのような考え方を持っております。
 課税標準でございますが、皆さんのところと同じように産業廃棄物の施設への搬入重量、トンでございます。事業所から中間処理施設へ入りますときには係数をかけていただくということで、リーフレットの下にございますような処理係数をかけていただいて、最終処分量に見合う形で換算させていただく。三重県さんがとっておられるのと同じ方式を取らせていただいて重量を出していただこう。こういうもので出していただいたものに対して、事業者のほうからお金をいただこうということで、納税義務者は排出事業者でございます。県内の中間処理施設、最終処分場へ廃棄物を搬入する県内外の排出事業者。県外におきまして、県内の最終処分場へ持ち込みます県外の中間処理業者がございますが、これは中間処理業者を納税義務者としたいということで、県外の中間処理業者も含んで納税義務者と考えております。
 税率は1トンにつきまして 1,000円でございます。収入見込額は約1億円でございます。平年度 9,800万と書いてありますのは、12年度から換算いたしまして少しずつ最終処分場が減量していることからの推定値でございます。
 私どもが幾つか非課税を取りたいと考えております。そこは、次の後ろにございます、税条文のところとリンクしながら説明申し上げたいと思います。
 課税免除は税条文の第5条のところに幾つか挙げさせていただいております。第5条の(1)のところには、自らということで自社処分の自社の中間処理施設に持ち込みます場合には非課税という扱いをとらせていただこうと考えております。
 それから、先ほどからご議論が出ておりますけれども、二重負担の調整にかかりますものといたしまして、課税免除を少し用意させていただきました。まず(2)は県内中間処理施設において出てきたものをさらに持ち込む場合ということで、2回目以降の中間処理施設なり、最終処分場への持込みは課税免除。つまり、最初の持ち込みのところだけ課税するという形で、何回もの持ち込みに関しましては課税免除の扱いを明記をいたしております。
 (3)と(4)は、二重課税にかかわります都道府県との調整規定を県独自で設けたものでございます。(3)にございますのは、有り体に申しますと最終処分場に課税されます都道府県のところに持ち込みます場合には、最終処分場のほうを優先させていただく。つまり滋賀県で中間処理で課税して、その後それが例えば三重県の最終処分場に持ち込みました場合に三重県で課税になりますので、滋賀県では遠慮するということでございます。最終処分場を優先したい、二重課税を避けたい。それから最終処分場に税がない場合には(4)で最初の中間処理に持ち込んだところが課税優先できるような規定を設けたい。これが(4)でございます。これで、ほとんどの事例は二重課税の調整ができるのではなかろうか。若干問題がないとは言いませんが、原則として最終処分場課税が主流でございますので、最終処分場の方が優先的に税のほうをお取りいただく。それから中間処理のほうが原則になる場合は、最初の中間処理を優先するという形で、二重負担の調整規程を県が一方的に設けさせていただいたという規定でございます。
 第5条の(5)は再生の用に供する施設で規則で定めるものは課税免除にしたい、こういうものでございます。これは資源化を促進したいということで、ほとんどのものが資源化されるというものとして認定したところへ持ち込んだ場合には課税免除をやります。こういう規定でございます。
 その上で、私どもの場合には免税点を年間 500トンという形で規定させていただきました。これは少し戻りますが、11ページ、12ページのところでのモデル案をもう1回見ていただきたいと思います。モデル案の現在私どもが採用いたしましたのは、A案と申します排出事業者課税でございますけれども、ここの仕組みのところにございますように、排出事業者課税にいたします場合には納税義務者が、数万の事業所が滋賀県でも該当になってまいります。もちろん、あまねく負担するのが公平性からいえば原則かとは思いますが、中小企業のところがきちんと処理したとしても、どうしても出てくる廃棄物が若干ある。こういうことを考えますと、あるいは課税の徴収方法等を考えますと、免税点を設けざるをえないし、設けた方がよいのではないかという議論が、公平性と効果との議論の中で数字の検討を懇話会でしていただいたものでございます。
  1,000トンというのが全国での今の標準になりつつございますけれども、 1,000トンですと課税対象になりますのは49%でございまして、半分に満ちません。私どもが採用いたしましたのは 500トン。これで建設系も産業系も60%を超えるような状態になっておりまして、平均しまして62%。現在対象になりますのは64社の排出事業者ということでございます。あるいは 300トンにしまして、あるいは 100トンにしまして、納税義務者はかなり増えますが%としてはそれほどの増加を見ませんので、ここら辺が住民、県民、納税者も理解したうえでの公平性と効果の接点かなというのが懇話会の提言でございました。それを採用させていただき、 500トンを免税点として県で仕組みをつくったというのが現状でございます。
 戻りまして、徴収見込額は約 3,000万を用意いたしております。これで5年を目途に見直しさせていただきたいという思いを持っております。
 我々の産業廃棄物税の効果あるいは影響でございますけれども、当然のことながら排出事業者が自らの痛みとして、やはり排出者責任としてインセンティブ、自分のところはどれだけあるのだろうかときっちり把握したうえで対応していただく。こういうスタイルをとりたい。そして、それが最終処分量だけではなくて、資源化にも対応していただくインセンティブを与えたいということで、このような形をとらせていただきました。
 併せまして使途による応援ということで、アナウンス効果とかいろいろな効果を併せ持ちまして、いくつかの効果を期待したい。制度の中では自社の中間処理とか、資源化の再生施設では免税措置をとったとか、あるいは中間処理での減量につきましては係数でみた、免税店を設定していくなどで、一定の減量効果のところまではいくつかの効果を期待したい。それをもって我々の廃棄物処理計画の大きな施策の1つという位置づけをしたいと考えております。
 2つ目に県外移動の関係でございます。なるべく広域で対応するのが望ましいということで、三重県さんとは何回か協議させていただき、1番私どもに流入、流出の多い京都府とも協議をやっている段階でございます。私どもの考えといたしましては、トン 1,000円というのは、県内外の移動という意味からいきますと輸送コストに大きな影響があってはやはり問題が出てくるのではないか。流通に支障が出るのは好ましくないと考えております。 1,000円というのは、我々の試算では郵送費用で20キロの延長輸送が可能なコストアップ、コスト要因と考えていますが、私どもの県と隣接との関係を見ますと、これらの状態というのは大きな影響が出ないと考えております。周辺との実態、あるいは流入の入ってきますものを見ますと、再生利用での流入が多うございますので、今回対象になります流入廃棄物というのは流入量の10分の1程度ということから、流通に大きな影響はないのではなかろうかという状況でものを見ております。
 もう1つ、こんな場合のご指摘として懇話会で検討がございましたのは、不法投棄を誘引しないかというのが検討課題になりました。そこでの結論は排出事業者の申告方式でございますので、個々の廃棄物の移動の時点で料金転嫁がございませんので、そのものに対して不法投棄を誘発する要因にはなりえないだろう。 500トン以下の免税点を設けている関係上、該当します納税義務者というのは先ほどからいきますと六十数社でございますので、排出事業者が非常に広範囲に及んでいる。どの廃棄物も税を導入したら不法投棄を誘因しやすいという実態にないのではなかろうかということで、不法投棄はこういう実態から見るとあまり心配しなくてもよいのではないか。あるいは、使途で不法投棄の監視に対して、さらに強力な対応をするということと相まって、いろいろなアナウンス効果等を含めまして対応が可能、こういう一定の判断をしたということでございます。
 5年を目途に、我々としては同条例は見直しをやっていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
 それでは、あまりあと時間がございませんけれども、今のご説明についてご質門等ありましたら、よろしくお願いします。

○碓井委員 税収見込額 9,800万に対して、徴税費用見込額が 3,000万という、この徴税費用見込額の比率が高いのか低いのか、水準の測定はできないのですが、今日いくつかの地方公共団体からご説明をいただいて、ややそれに比べて直感的に高いのかなという気がしました。これは免税点を低くくしていることによることなのか、その辺もしお分かりになれば教えていただきたいです。

○滋賀県 実のところ徴税費用は職員の人件費プラスアルファを見込んで 3,000万としております。算定では3人を見込んだ額でございます。今後とも 3,000万かかるということではなくて、とりあえず今の状況からいくと3人ぐらいかかってやっていきたいけれども、実態に応じて当然かかります人は前後するだろうということから、今のところ徴収いたします税務課サイドとしては 3,000万ぐらい見込んでほしいというものをそのまま挙げさせていただいております。

○小早川座長 飯野委員、どうぞ。

○飯野委員 税の目的にこだわっているのですが、産業廃棄物に関する税の考え方のところで、産業廃棄物中の資源化されない廃棄物の排出抑制を特に図るため、排出事業者に納税義務を発生させ、その責任を直接問うことにしますと書いてありますが、これで税法学者の議論はクリアできたのでしょうか。法律自身を背景にしますと、そんなこと1つも書いていないので、これは県民に対する説明で使われて、実際の後ろについております税法自身はそんなこと1つも書いていないので、これなら通るかなと思いますが、わざわざ考え方のところでまるで犯罪者扱いというか、罰金的税金になっていると思いますが、その辺は全然問題にならなかったでしょうか。

○滋賀県 先生、条例本文にはそういう文章は書いてございませんが、モデル案を検討しましたときに、特に出てまいりましたのは当然のことながら税収がある一定量必要だということはさることながら、今回なぜ滋賀県が産業廃棄物税を導入するのか。導入目的が前提となる環境政策の方向性とかなりスライドさせるべきではないか。こういう議論が実は懇話会の中では強うございました。そういうお話の中で、悪者扱いさせるというよりは、一定の今後の方向として発生抑制、それから資源化、こういう方向の1つのインセンティブの手法だということをはっきり明記して、そのための税制度であるという扱いをしたほうがいいのではないかというご意見でございました。これを目の仇のようにするということでは決してございませんけれども、こういう表現で懇話会の議論はさせていただいたということでございます。

○小早川座長 よろしいですか。
 今のところは、確かに飯野委員がご指摘のようなことが書いてあるんですが、ただこれは11ページ、12ページですよね。共通、個別とあって、共通のほうはそれ程どぎついことは書いていない。むしろ個別というのは、このA案、B案、排出事業者にかけるという場合の強調点を特に書いてあるように読んだんですけれど、そういうことですよね。それにしてもどうかというご意見はもちろんあるわけでございますが。

○飯野委員 我々経済学をやっている人間から見ると、別に不思議ではないんですけれども、税法学者から見ると、税金というのは罰金ではいけないんだという論理がございますので、私どももそれで苦労していまして、こんなことを言えたらいいなあという若干の願望を加えて。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。

○滋賀県 そういうことから言いますと、税収はゼロになるほうが望ましいんだ、こういうご議論もあったので、そこら辺は税金の徴収という仕組みだけでなかなか絵が描けないんだなという。それぞれの立場がございますし、我々と税務課との考え方ではA案、B案では意見の相違があったのは事実でございます。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。
 いろいろあると思いますけれども、時間ももうあまりございませんので、今の滋賀県のご説明に限らず、今日いただいたすべてについて何かあれば、どうぞお願いします。
 川島委員。

○川島委員 確認させていただきたいんですが、また免税点の話ですが、年間 500トンというのは会社全体として 500トンということでしょうか。通常、我々は支店ごとに実績を管理しているものですから、遠距離移動して、それぞれ合算して 500トンなのか。それぞれ支店ごとに 500トンなのか。その辺を確認させてください。

○滋賀県 これは事業所ごとでございます。納税義務者が第4条にございまして、産業廃棄物税は事務所または事業所ごとにこういうことで、事務所、事業所単位で 500トンでございます。
 これは現在、廃棄物処理法などの多量排出事業所の指導なども事業所単位、こういう形で出していただいて指導をやっている。一定の単位を我々は事務所、事業所、こういう扱いで今は対応させていただいておりますので、それをそのまま今回は使わせていただくという状況でございます。

○小早川座長 飯野委員。

○飯野委員 先ほどの碓井委員の質問にもあるんですけれども、徴税費がどの県も 3,000万円ぐらいになっているんですけれども、鳥取県の税収が 700万となっていますけれども、これは徴税費用を差し引いた後の 700万ですか。それとも、そうでなければ 3,000万の徴税費がかかって 700万の税収では全然わりが合わないと思うんですけれども。

○鳥取県  700万と徴税コストを引く前、生の税収でございます。今の 3,000万の徴税コストという件と、我々は非常に低い徴税コストしか算定していないんですけれども、一つ徴収方式が特別徴収をとる場合と、申告書を受け付ける場合とでまたこれは変わってくると思います。我々は特別徴収方式を使っておりますので、年に4回、具体的には8事業者から来る申告書のチェックと、あと事後調査という形なので、それほど人手もかけないというつもりでやっております。

○小早川座長 飯島さん。

○廃棄物・リサイクル対策部長 次回以降の議論だと思うんですけれども、先ほど岩手県のご説明に対して委員の先生から不法投棄対策のお話がございました。岩手県からご説明がありましたように、環境省も一緒になって今、排出事業者の大部分を占める首都圏の都県市にも協力をいただいてやっているところです。また、いま国会に提出しております産業廃棄物の不法投棄の特別措置法におきましても、そこがこれから国会審議で大きな議論になると思います。
 基本的には最後は公費を使って後始末をしなければいけないわけですが、その前提としていかに関係者の責任を問うていくか。第一義的には岩手県からご説明がありましたように、実行者が、あるいは実行に関与した者ということなんですが、実行者が倒産してしまったり、そういう状況ですから、次に排出事業者、これが1万社以上あって、その追及を今一生懸命にやっていただいている。
 実際に違反の事例というのも幾つか出てきておりますので、それについては措置命令をかけてやっていくわけですけれども、その1万社全員に責任があるのかというとそういうわけでもないということで、一つ困っているのは、そのときに議論があるのは、結局、公費を負担すると、国も今度は2分の1とか3分の1とか地方財政措置の指定支援をしますけれども、結局、当該県の公費の負担がございますので、それは不公平ではないか。首都圏の地方公共団体に存在する排出事業者が問題になっているので、それが何とかならないかという議論はこれまでもございます。ただ、それを例えば東京都なり、神奈川県なり、埼玉県なりに求償できるかというと、地方財政法でも非常に大きな問題がございますし、常識的にはなかなか難しいということで、これはすぐには難しいと思いますけれども、この産業廃棄物の税の使途の検討に当たって、実はそういうものも検討の対象になり得るのではないかと私どもは思っています。
 大変難しい問題なので、すぐに結論が出る話ではないと思いますし、今は地方公共団体の法定外目的税の話を聞いておりますけれども、今後どういうふうに考えていったらいいかというときに、そういったこともぜひ検討の視野に入れていただければ。先の先の話かもしれませんが、今の飯野先生のご質問は多分そういうところもお考えの中にあったのではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

○小早川座長 あと一方ぐらいあれば。
 よろしゅうございますか。
 では、予定の時間も大きく回っておりますので、最後滋賀県からのご説明を伺いましたけれども、どうもありがとうございました。
 本日、4つの団体から貴重なご意見をそれぞれ頂戴しましたので、これは今後の議論にぜひ生かしていくことにさせていただきたいと存じます。
 それでは、委員の方から特にほかにご発言がなければ、事務局から次回以降についての連絡事項についてお願いいたします。

○産業廃棄物課長 すでに皆さん方のほうにお伝えできているかと思いますが、次回は5月26日月曜日の10時から。場所はこの場所でございます。同じ場所を使う予定としております。
 それから、次回は今日4団体、先の三重県を含め5つの団体から報告をいただいたところですが、それに関してのご意見を整理したペーパーを議論のポイントとして次回ご用意したいと思っております。また、海外の情報につきましては私ども入手している限りのものをまたご紹介したいと思いますが、委員の皆様方からもご提供いただければ幸いであります。
 なお、テーブルの上に前回第2回目の検討会の議事録(案)という形でつけたものをお出ししておりますが、これは委員のご指摘を踏まえて修正いたしたものでございます。特に修正意見をいただいていない委員の方もいらっしゃいますが、ご異存がなければこれを公開という形にしたいと思っておりますので、この点、特に何かございましたら至急ご連絡いただきたいと思います。
 事務局からは以上です。

○小早川座長 それでは、次回の件もタイミングよく公開しなければなりませんので、今、課長からお話があったようなことでさせていただければと存じます。
 それでは、本日はこれで閉会にしたいと存じます。長時間にわたり、どうもありがとうございました。

午後 5時05分閉会