環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会

産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会(第2回)

 
日時:
平成15年3月13日(木)14:00~16:00
於:
環境省第1会議室
中央合同庁舎5号館22階

産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会(第2回)
議事次第
(1) 三重県における取組について
(2) その他


午後 2時00分開会

○産業廃棄物課長 定刻になりましたので、ただいまから第2回の産業廃棄物行政と政策手段としての税の在り方に関する検討会を開催いたしたいと思います。
 委員の皆様方、それと関係者の方々、ご多忙にもかかわらずお集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 まず、お手元の配布資料をご確認願いたいと思います。資料の一覧が議事次第の下のところに書かれておりますが、ここでは4点書いてございますが、お手元の方にある右肩の方に1、2、3、4とありますけれども、追加ということで、「産業廃棄物税のあらまし」ということで三重県からご提供いただいた資料が途中に入っているかと思います。そして、資料の4は一、二ページが英文ですが、その後に日本語がついてございます。
 以上申し上げましたが、よろしいでしょうか。
 それでは、これ以降の進行を小早川座長、よろしくお願いいたします。

○小早川座長 それでは、皆様ご苦労さまです。よろしくお願いします。
 では、議事に入ります。
 本日は、三重県からのヒアリングを実施するということになっております。ヒアリングの進め方としましては、時間に限りがございますが40分程度ご意見をお述べいただきまして、その後40分程度質疑ないし意見交換を行わせていただくということを予定しております。ということで、長谷川委員、よろしくお願いいたします。

○三重県松林総括マネージャー 三重県環境部の松林でございます。隣が長崎でございます。2人で説明をさせていただきます。
 本日は、都道府県レベルでは全国初の法定外目的税ということで、三重県産業廃棄物税についての説明の機会をいただきありがとうございます。早速座らせていただいて説明させていただきます。
 資料につきましては、資料1から3と、それからリーフレットに基づきご説明させていただきたいと思います。
 まず、産業廃棄物税条例の説明に入る前に、税制定の背景として地域の事情を知っていただくということで、三重県の産業廃棄物の排出状況等の概要を説明させていただきたいと思います。資料No.2をお願いします。
 1ページをごらんください。
 1ページでは、三重県内で発生した産業廃棄物の資源化量や最終処分量等の推移を平成3年度、8年度、12年度のデータをもとに示しております。発生量、排出量、最終処分量は減少傾向にあり、資源化量は増加傾向にあります。特に最終処分量は、平成12年度は平成3年度比で約3分の1程度となっております。
 2ページをごらんください。
 平成12年度の三重県内で発生した産業廃棄物の発生及び処理の状況でございます。発生量は約362万トン、このうち金属くず等の有償物量を除いた排出量が約327万トンでございます。企業内において行った焼却や脱水等での減量化や自社で再生利用した量を除いた企業からの搬出量が約167万トンとなっておりまして、このうち再生利用されたものが約113万トン、最終処分されたものが34万 5,000トンとなっております。
 3ページをごらんください。
 業種別排出量と種類別排出量でございます。業種別排出量は製造業が約54%、建設業が約32%と、この2つで86%を占めております。また、種類別排出量では、建設汚泥や下水汚泥などの汚泥が52%、主に工作物の解体等から出るがれき類が27%と、この2つで8割弱を占めております。
 4ページをごらんください。
 資源化量と最終処分量でございます。資源化量は全体で148万トンでございますが、がれき類が58%、金属くずが19%と、この2つで8割弱を占めております。また、最終処分量は、汚泥が約15万トンで全体の43%を占めております。この汚泥のうちチタンを製造する工場から出る無機性汚泥が、この表には出ておりませんけれども約6万トンと汚泥の3分の1強を占めております。次いでがれき類が13%、廃プラスチック類の12%、鋳物砂等の鉱さい、ガラスくず等の10%が続いております。
 続きまして、5ページをごらんいただきたいと思います。
 全国との比較ということで、再生利用量や最終処分量との割合について三重県と全国との比較を行っております。再生利用について見ますと、がれき類の95%や金属くずの92%と全国平均に比較して高いものがある反面、廃プラスチック類は全国平均よりも低くなっております。
 6ページをごらんください。
 三重県内への産業廃棄物の搬入と県外への搬出状況でございます。平成12年度におきまして、県内で発生した産業廃棄物のうち県外へ搬出された量は35万3,000トンであるのに対して、逆に県外で発生した産業廃棄物で県内に搬入された量は69万2,000トンと2倍の搬入量となっております。県内から県外への搬出については、種類別では汚泥が24%、廃プラスチックが19%を占めております。都道府県別では隣接の愛知県が45%と最も多く、次いで大規模な中間処理施設等のございます岡山県へ20%が排出されております。処理別では、中間処理が72%と最も多くなっております。
 今度は、逆に県外から県内への搬入でございますけれども、種類別では汚泥が38%、ばいじんが29%を占めております。都道府県別では隣接の愛知県が53%と最も多く、次いで同じく隣接の岐阜県から18%を搬入されております。処理別では再生利用が70%と最も多くなっておりますが、これの約80%強はセメント工場での原料として使われております。次いで中間処理が19%、最終処分が11%と続いております。
 7ページをごらんください。
 三重県内の産業廃棄物処理施設の設置状況でございます。中間処理施設につきましては527施設あり、排水処理施設等に附属する脱水施設が全体の48%の255施設、がれき類等の再生施設である破砕施設が108施設となっております。焼却施設は92施設となっておりますが、ダイオキシン規制の強化等により現在はさらに大幅に減少している状況にございます。
 最終処分場は26施設ございますが、うち産業活動にとって特に重要な管理型最終処分場は10施設あります。しかしながら、大部分がほとんど残余容量がなく、主な3施設で最終処分量の約8割強を占めております。
 8ページをごらんいただきたいと思います。
 最終処分量の残余容量の推移を示しております。平成10年度以降は新規許可はなく、残余容量は減少傾向にございます。特に9年度から10年度にかけて大幅に残余容量が減少しておりますけれども、特にこの時点で監視指導の強化ということで監視人員等をふやして不適正な許可業者等の許可の取り消し等かなり施設の整理を行っておりますので、10年度については大幅に残余容量が減少しております。
 以上が三重県の産業廃棄物の排出状況や処理処分状況でございました。
 続きまして、産業廃棄物税条例についてのご説明をさせていただきたいと思います。資料1をごらんいただきたいと思います。
 1ページをごらんいただけますでしょうか。
 創設の背景ということで、産業廃棄物を取り巻く状況について当時の三重県の状況が示してございます。これは全国的に共通な悩みとは思われますが、三重県も同じような状況でございました。
 まず、最終処分場の残余容量の逼迫ということで、管理型処分場につきましては制度創設の検討時、平成10年、11年ごろでございますけれども約2年半程度となっておりました。この2ページの下をちょっとごらんいただきたいと思います。ここに平成13年6月に作成ということで、管理型処分場の埋立残余年数約2年6カ月ということで示してございます。当時、現在もそうですけれども、計画中の管理型処分場、公共関与の処分場はございますけれども、これについて処分場を進めたとしても非常に厳しい状況だという状況がございました。
 1ページに戻っていただきたいと思います。
 処分場のこういうような不足から、処分料金が非常に高騰してきておりました。当時、事業者からの聞き取りによりますと、平成12年から13年にかけて三十数%料金がアップした例もございます。それで、この料金の高騰が不法投棄や不適正処理、こういうような発生の要因の一つにもなってまいりました。これがさらに、この不法投棄と不適正処理によって産業廃棄物処理そのものに対して住民の不信感や不安感の増大につながっておりました。それで、企業活動を行う上で産業廃棄物の発生はやむを得ないものでございますけれども、適正に処理されている産業廃棄物までもひとくくりにこのイメージを持たれるという現象がございました。こういうようなことから、新たな産業廃棄物処理施設設置が非常に困難になったと。特に地域住民の理解が得られず非常に困難になってきたという状況がございました。
 ということで、三重県では平成10年度以降に新たな最終処分場の設置がなく、残余容量の逼迫につながっていたというのでこういう悪循環がございました。
 1ページの下の方をごらんいただきたいと思います。
 創設の背景として、三重県の産業廃棄物行政の実態という欄がございます。三重県ではこのような悪循環に対しいきなり産廃税を導入したわけではなく、1つは財源問題がございます。許可手数料とか地方交付税で措置される額が、12年度当初予算ベースで約1億2000万円でございました。これに対して約4億円の事業を実施しておりました。具体的には、排出事業者による産業廃棄物の処理に係る自主的な情報公開制度、これも全国で初めて導入しておりますけれども、これの制度の導入、現在は約300社が対象で97%が実施していただいております。
 それから、監視指導体制でございますけれども、産廃税で20名体制としておりますけれども、導入前でも三重県は関西圏とか中京圏の大都市圏に挟まれて非常に不法投棄とかが多いということで、警察官5名を含む全国屈指の10名体制で臨んでまいりました。そのほか公共関与として、市町村の燃え殻や産業廃棄物を処理するガス化溶融炉の建設や管理型の最終処分場の整備にもかかわってまいりました。
 このように従来からも積極的な事業を展開してまいりましたが悪循環を断ち切ることができなかったため、従来の枠を越えた事業を展開をする必要があるとの考えが出てまいりました。しかし、限られた財源の中でこれ以上の事業を展開するには、福祉、教育と地方自治体としてやらなければならない仕事はたくさんございます。こういう分野の予算も削減することもできないと。このため新たな財源を確保する必要があり、産廃税を創設することといたしました。
 次の2ページをごらんいただきたいと思います。創設の背景の3つ目で、時代認識でございます。
 制度の創設の背景といたしましては、産業廃棄物の実態という直接的なものとは別に、大きな意味での時代背景もございました。1つは「環境の21世紀」の到来ということで、平成12年のいわゆる環境国会で、循環型社会形成推進基本法と環境関連の六法の法律が成立したと。もう一つは地方分権でございます。12年4月に地方分権一括法が施行され、課税自治権の尊重の観点から法定外目的税が新設されております。
 このような時代背景だけではなくて、今回の税制度に至りましたのは、そのほかにも三重県独自の地域の事情やビジョンもございました。
 環境面では、三重県では四日市公害という大きな事件がございまして、これの克服以来環境先進県の実現を県政の大きな目標として取り組んできております。その中で環境に配慮していては経済は成り立たないとする考え方を改め、環境と経済を同軸にとらえた環境経営の理念のもと、環境に配慮しない企業活動は存続し得ないとの認識を持つに至っております。
 また、地方分権についても、その進展に備えて早くから政策形成能力の向上に重点を置きまして庁内でいろいろな政策研究活動を実施しており、今回の制度も県税部門の若手グループによる環境と地方税の研究に端を発しております。
 3ページをごらんいただきたいと思います。
 県税若手グループの研究会は平成11年5月に発足し、その後環境部等もかかわり、平成12年3月、産業廃棄物埋立税構想として研究成果をまとめております。この研究成果の公表、三役、議会への報告を経て、この提案を受け、平成12年度より実際の施策として制度を構築するための検討に入っております。
 検討を始めるに当たりまして、私どもの知事から次の2点について指示を受けております。1つは、議論をオープンにしてコンセンサスを得ながら進めること、すなわち、政策形成過程の情報公開に努めること。それから、税制度、環境政策、産業政策のいずれの面からも政策的にしっかりしたものとすることという、つまり縦割りではなく各部局が連携して、総合行政の観点から制度設計することというような指示を受けました。
 続きまして、3ページの下の方をごらんいただきたいと思います。
 政策形成過程の公表ということで、制度設計を行うに当たって、政策形成過程の中において4つの異なる試案を広く県民、事業者、議会等に公表しております。
 4案でございますけれども、次ページをごらんいただきたいと思います。
 A案からA’案、B案、C案と4つの案を試案として示しました。
 A案につきましては、中間処理施設や最終処分場への搬入に対して排出事業者に直接課税する方式でございまして、三重県は最終的にこの方式を採用しております。
 その両極端としてC案というのがございます。これは最終処分業者に課税する方式でございまして、税制度としては最も簡素な方式と言われております。
 それからA’案、B案ということで、中間処理施設や最終処分場への搬入に対して課税しますが、中間処理業者や最終処分業者による特別徴収方式とするものでありまして、中国3県とか北東北3県はいずれもB方式になっております。なお、本県の若手グループの埋立税構想はB案でございました。
 続きまして、5ページをごらんいただきたいと思います。
 政策形成過程の公表ということで、4試案の発表後、県内4地域で県民懇談会を開催するとともに、産業界等とも各種団体等を通じて、あるいは個別に訪問するなど、延べ100回以上の意見交換を実施しました。このほか、神野先生に座長を務めていただいております三重県地方税財政制度あり方研究会においても熱心なご議論をいただきました。また、この時点におきまして、隣接県等にも説明に出向き、意見交換等も行っております。
 そうした場でいろいろな意見が出てまいりました。ここでちょっと論点を整理させていただきます。
 環境政策に関連しましては、目的税でやるからには税収使途について明確にすべきだとか、まず税ありきではなく、環境政策面から税制度の必要性の議論をすべきだとか、排出事業者責任を明確にすべきだとか、税の導入により広域移動への影響が出ないかとか、他県にいたずらに流出することがないかとか、一方で、税が免罪符となって逆に流入が促進されないかというような極端な両方の意見とか、不法投棄の増加が懸念されるが対応策はあるのかと、一般廃棄物も含めた廃棄物全般を課税対象とすべきという意見がございました。
 それから、5ページの下の方をごらんいただきたいと思います。
 下の方には、産業政策と税制面での論点が書いてございます。産業政策に関連いたしましては、税の創設が県内の企業活動の活性化を阻害しないかとか、課税のない他府県に立地を移すケースが出てこないかとか、地場産業を取り巻く環境が厳しい中、業界として厳しい税と認識せざるを得ないという議論がございました。
 税制に関連しましては、税制は公平・平等であるべきだとか、税の仕組みは簡素にすべきだとか、目的税であるならば5年間の時限立法とするなど、将来見直しを明確にすべきだとか、県内、県外の納税業者間に税率などで差を設けるべきではないかとか、隣県との兼ね合いに留意すべきだとか等々の意見がございました。
 続きまして、6ページをごらんください。
 最終選択でございます。県民懇談会や産業界等との意見交換の結果を踏まえまして、4つの試案についてそれぞれのメリット、デメリット等を比較考量いたしました。
 A案であれば、排出事業者に対して発生抑制やリサイクルなどへの直接的な要因となるものの、すべての排出事業者を対象とすることは物理的に不可能なことから免税点を設けなければならない。
 A’案、B案の場合は、結果的にすべての事業者に課税することができるが、処理業者の事務的な負担が過重にならないか懸念されると。これは、処理業者の皆様から大きなご意見がございました。
 それから、C案の場合につきましては、税制度的には簡素で効率的ではありますが、排出事業者にインセンティブが働かないと、または、理論的には税相当分は料金に転嫁されますが、果たしてきちっと転嫁されるか心配であるとか、こういう意見がございました。
 その結果、最終的に三重県としては、産業廃棄物の排出をコントロールできる立場にある排出事業者に直接課税する方式であるA案を選択し、発生抑制やリサイクルを促進していくこととしました。
 7ページをごらんいただきたいと思います。
 制度の概要についてのご説明をさせていただきたいと思います。
 納税義務者は、三重県内の中間処理施設、または最終処分場に搬入する排出事業者で、県内、県外は問わないということでございます。したがって、14条の処理業者の施設、または15条の自社処分場の施設、ここが対象となっております。
 それから、課税標準は搬入重量とするということで、ただし、重量の把握が困難で容量の把握が可能な場合は、規則で別途換算係数を定めまして、この換算係数によって換算をしてもよいという制度も設けてございます。例えば、換算係数は鉱さいの1.9とか、一番小さいものでは繊維くずの 0.1というのがございます。それから、中間施設への搬入には、過去の県内の処理施設での実績を参考に減量化に応じた一定の係数を乗じることといたしまして、例えば焼却は0.1とか、乾燥は 0.3ということにしております。
 続きまして、産業廃棄物の再生利用を促進するという、この税制度の趣旨を踏まえまして、中間処理施設への搬入であっても高率でリサイクルが行われている施設への搬入は循環型社会の構築に資するものとしまして、特例として課税対象から除外することといたしております。具体的には、90%以上のリサイクル実績を有することを処理業者の申し出を受けて知事が認定した施設としております。
 それから、がれき類の破砕施設につきましては、既に過去の実績と今回の建設リサイクル法による義務づけもございまして、ほとんどの施設が90%以上のリサイクル実績を達成しておりますので一括して再生施設として規定しております。
 なお、90%でございますけれども、本来は税を全額免除することから全量リサイクルが理想的ではございますけれども、やはりこの技術的な面から若干の不純物は出てまいります。ということで90%を基準としております。
 続きまして、7ページの下の方をごらんいただきたいと思います。
 搬入される産業廃棄物の重量1トンにつき 1,000円を課税するということで、税率を1トン当たり1,000円というふうにしております。トン 1,000円という税率につきましては、基本的には財政需要額と課税標準量を総合的に勘案した結果でございまして、当初は1,000円から 2,000円程度と算出しておりました。この中で、この税率が企業の経営に大きな影響を及ぼさないかとか、あるいは運送コスト等でいたずらに県外へ流出しないかとかなどを検証した上で、事業者、議会等との議論を経て最終的に1,000円という数字になっております。
 排出事業者に直接課税する方式を採用しましたが、排出事業者は県内に10万社程度あると言われておりまして、全事業者からの徴収は不可能でございますので免税点を設定し、年間1,000トン未満は非課税としております。この点については、公平性の観点から1,000トンより低くすべきとの意見がある一方で、中小企業対策、地場産業対策の観点から1,000トンより高くすべきとの意見がございました。こうした意見も踏まえ、徴収コストの視点も考慮して決定をしております。
 徴収方法は、納税義務者による申告納付として、翌年度の7月末が期限ということにしております。
 続きまして、8ページをごらんいただきたいと思います。
 税収の使途でございます。税収の使途については、大きく2つに分けております。1つは、環境の21世紀に通じる産業活動への支援ということで、4つの事業を挙げております。
 1つは、産業廃棄物抑制等事業費補助金ということて、産業廃棄物の発生抑制とか再生減量化の研究技術開発、産業廃棄物を使った製品開発を行う経費の一部を助成するというような制度でございます。
 その次の産業廃棄物抑制等設備機器設備資金利子補給金でございますけれども、これは、産業廃棄物の発生抑制リサイクル等に係る設備機器を設置する場合の借入資金の利子への助成でございます。
 3つ目が、企業環境ネットワーク支援事業費ということで、業種の枠を越えた企業間の産業廃棄物に係る情報交換を行うためのネットワークシステムの構築と企業が連携することにより、今まで再資源化が難しかったものを、それを進めると、そういうようなもののためのシステムの構築のための経費でございます。
 4つ目が、産業廃棄物リサイクル技術研究開発費ということで、建設資材廃棄物とコンクリート廃材や、木質建設廃材のリサイクルを図るための研究開発を行う経費となっております。
 この下が産業廃棄物による新たな環境への負荷ということで、県民の産業廃棄物の処理についての信頼を回復し、最終処分場の円滑な確保を図るという目的でこの事業を設定しております。
 1つは、不適正処理の徹底的な未然防止を図る目的として監視指導体制の強化、もう一つは、最終処分場が周辺地域に与える負のイメージを払拭し、周辺地域を環境面でも十分配慮された地域とするための事業でございます。
 このほか、県内には過去に不法投棄と不適正処理されたものがたくさん残っております。こういうものについての撤去の費用についても提案を行いましたが、適正処分した業者からいただいた税金を不適正処理されたものの措置のために充てるのはいかがなものかという意見もたくさんございまして、これは断念はしております。
 なお、条例は、14年4月に施行を開始しております。実際の税収は15年度、この4月以降でないと入りませんけれども、しかし、産業廃棄物を取り巻く情勢は厳しく、その対策は喫緊の課題であるとの判断のもと、税収を充てる事業についてはいずれも一たん財政調整基金から前借りする形で、13年度から先行実施しております。
 続きまして、9ページをごらんいただきたいと思います。
 制度導入の効果でございます。税収を充当する事業のうち産業廃棄物の減量化に関する取組への助成については、予想を上回る多数の応募がございました。採択された企業では、従来までは資金面などの理由により躊躇していました研究開発や設備機器の整備が実現できました結果、産業廃棄物が半減あるいはほぼ全量削減されるなど、確実な効果を上げております。ちなみに、13年度分の補助金で研究あるいは機器の改善をした事業者は、約1万6,000トンの廃棄物の減量化をしております。14年度分については5,700トンという減量化をしております。
 また、これらの税収使途によります直接的な効果とは別に、さまざまな媒体を通じたアナウンス効果も出てきております。産業廃棄物を取り巻く厳しい社会経済状況を踏まえまして、近年特に排出事業者みずからが産業廃棄物の減量化に向けた積極的な取組を進めてきていただいておりますが、今回の税制度の創設はこれらの動きにさらに拍車をかけることとなり、条例の施行前から県内の多くの事業者でこれらの取組が一層積極的に進められております。
 このほか、再生施設数も当初の見込みを上回っております。副次的な減少でございますが、再生施設という県のこれの認証という、このお墨付きを求めてくる事業者もございまして、直接課税に影響のない施設の申し出も数多くございます。
 制度導入の効果の2として、9ページの下の方をごらんいただきたいと思います。
 制度導入の効果は、県内における最終処分量の減少にあわられてきております。制度の創設につきましては、議論が始まった時点での最新データでございました10年度実績では、最終処分量は70万トンでございました。その後、12年度実績が37万トンになり、直近の13年度実績では28万トンにまで減少してきております。このため、あと2年半程度にまで逼迫していた管理型最終処分場の残余容量は6年程度まで伸びてきている状況でございます。
 この減少のペースでございますけれども、確かに県下の最終処分量は平成3年、先ほど冒頭に県下の実情を説明させていただきましたけれども、3年、8年、12年と減少傾向にはございました。例えば、3年から10年は、この7年間で最終処分量が約4割減少しております。これが10年から13年の3年間で6割と、約半分の期間でそれを上回るペースで廃棄物の最終処分量が減少しております。
 続きまして、10ページをごらんいただきたいと思います。
 税収の見込みでございます。制度創設当初、10年度の処理実績に基づき、年間約4億円と見込んでいた税収は12年度の処理実績に基づくと約3億円となり、さらに13年度の処理実績によりますと約1億8,000万円まで減少しております。実際の税収、初年度に反映する14年度の処理状況に関しましては、主な事業者に聞き取りを行いましたところ、13年度実績に比べてさらに減少する見込みであると。このため、15年度当初予算では税収として1億3,000万円を計上しております。
 10ページの下の方をごらんいただきたいと思います。
 税収見込みでございます。税収減少の要因として幾つか挙げてございます。
 税制度の導入によりまして、事業者自身による発生抑制や再生利用等への取組が一層促進されたこととか、県においても税収を充当する事業を先行して実施しているほか、産業廃棄物の資源化等の改善状況を企業が自主的に公開するシステムなどの施策を継続的に実施してきたこと、そのほか三重県のISOの取得はかなり全国に比べても進んでおりますけれども、こういうようなことで環境経営の理念を持つ企業が出てきたこと、それから、最終処分場の不足により処分場の高騰と、それに伴うリサイクル費用が相対的に低下してきたこと、あるいは、公共工事によるリサイクル材の利用が進んでいること、あるいは、近年の厳しい経済情勢により産業廃棄物の発生が減少しているケース等がございます。個々には定量的には示せませんが、これらが相乗的に働いて税収見込みの減少につながっていったのではないかと考えております。
 法定外目的税として財源確保手段であるとともに、環境政策の一面を持ち合わせておりますこの税の特性からすれば、税収の減少イコール廃棄物の減量となりまして、望ましい方向に向かっているには違いなく喜ばしいことと考えております。
 11ページをごらんいただきたいと思います。
 他の自治体の動向ということで、産業廃棄物に係る税は本県以外の自治体でも検討が進んでおりまして、ご承知のように、岡山県、広島県、鳥取県の3県が15年4月から、北九州市が15年中の施行をそれぞれ予定されております。また、青森県、秋田県、岩手県の北東北3県が16年1月から共同導入する予定であるとも聞いております。本県の近県では、滋賀県、奈良県が現在条例案を議会に上程中とも聞いております。
 それぞれの地域におきまして、地域の実情に応じてさまざまな制度が検討されております。本県としても、産業廃棄物の減量化の促進という本県の制度の趣旨に合致する形で全国的に導入が進めば、本県の目指す意図がより実現されることが期待できますので望ましいことと考えております。
 11ページの下の方をごらんいただきたいと思います。
 今後の課題と。全国的に導入が進むことで、地域間調整という新たな課題が生じております。税法上の問題といたしましては、産業廃棄物が都道府県域を越えて広域的に移動して処理されている実態を踏まえますと、二重課税、二重負担の問題がございます。税法上の二重課税になるかどうかは別にいたしまして、納税者に過重な負担をかけることは避けなければならないというふうに認識しております。このほか、地域間調整をすることで制度が複雑化し、かえって事業者の負担を増加させないかなどの懸念もされております。
 このほか、流入抑制、追い出し効果などの広域移動への影響がないのかとの指摘も受けております。本県の場合、条例施行後の14年度実績はまだ不明でございますが、制度創設の議論が始まって以来、二、三年の実績では県内搬入、県外搬入への影響は出ていないよでございます。ただし、今後も注意しながら見ていきたいと考えております。
 なお、不法投棄につきましては、年間 1,000トンという免税点を設定しておりますことから納税義務者が大企業を中心になっておりまして、これらの事業者が社会的信用のリスクを犯してまで不法投棄を行うことはございませんで、この税によって不法投棄が誘発されることは現在のところはないと考えております。
 続きまして、12ページをごらんいただきたいと思います。
 今回の制度につきましては、全国初の制度でもございまして、多様な媒体で取り上げられて広く知られるところとなっております。産業廃棄物行政の立場からすれば、循環型の社会の実現に向けましたあくまでも一つの手段であると認識しておりまして、許認可や監視指導に代表される規制的手法、事業者による自主情報公開といった社会的手法、今回の産業廃棄物税という経済的手法を最適に組み合わせて相乗的な効果を追求していくことが肝要であると考えております。このため、廃棄物処理法の厳格な運用や自主情報公開制度のバージョンアップ、あるいはISO認証取得の促進や三重県で今現在やっております環境経営大賞の創設などの環境経営への取組、さらに、LCA手法の活用なども進めていく必要があるのではないかと考えております。
 今後も、社会経済情勢が厳しく変化することが予想される中、広域的な取組や産業界との共同による取組など、必要であればこの税制度の見直しも含めてより効果的な方策を常に探り続けていきたいと考えております。
 つたない説明でございましたが、以上で説明を終わらせていただきます。本県の産廃税に関する取組が、本委員会の議論の参考としていただけば幸いと考えております。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
 大変詳しく、かついろいろなご説明をいただきました。資料は、今お話のありましたものと、それから資料No.3が産廃条例規則が定められていますね。それから、パンフレット「産業廃棄物税のあらまし」というのがございますが、これはそれぞれごらんいただきたいということだろうと思います。
 それでは、ただいまのご説明につきまして質問、それから意見交換ということにしたいと思いますが、どうぞどなたからでもお願いいたします。はい、細田委員。

○細田委員 幾つかわからない点がございますので教えていただきたいのですが、税をかけて排出抑制をするということなんですが、お伺いしてみると管理型が60万立米ぐらいしかなくて、あと残りの50万立米が安定型ということで、これはいずれは枯渇してしまって新設が不可能となると、当然これ埋立料金そのものが上がらざるを得なくて、その影響があって恐らく平成3年からずっと埋立量が下がっていると思うんですが、そうすると市場に任せておいても当然その埋立料金は上昇するわけで、ここにキロ1円の料金を課すことの排出抑制の意味が私にはちょっとわからないんですね。そこをとってリサイクルとかそういうところに回す、その税収目的ということならある程度意味がわかるんですが、これでその排出抑制になるのかどうなのか、特に最終処分量の内訳で汚泥が多いですよね。この汚泥の処理というものは、今国土交通省も苦労しておりますけれども恐らく800万立米ぐらい今汚泥が全国で出ていてその処理は大変困っている、リサイクルも非常に限られているということで、その価格弾力性は非常に汚泥の場合小さいと思うんですね。1円をかけてどれぐらい減るかと。なおさらこの内訳を見たときに、このトン当たり1,000円の排出抑制効果をどれぐらい実行力というのか、お考えになっているのかというのをまず第1点お伺いしたいと思います。

○小早川座長 はい、どうぞお願いいたします。

○三重県松林総括マネージャー この税そのものは、確かに排出抑制という副次的効果は期待できるんですけれども、基本的には産業廃棄物行政を進めるための財源確保という目的がございますので、その中で確かに3,000円、 4,000円という議論もございましたけれども、やはりいきなり税をかけていくのに当たってやはり中小企業、零細企業の問題もございます。そういう議論の中で1,000円というものが生まれてきております。

○細田委員 そうしますと、私はその税というのは本当に1つの限られた、非常に限られた手段でしかないと思っているんですけれども、そうすると、もう少し包括的な三重県の産廃に対する施策ということが、今税収をどうするかその産廃の処理の政策のために使うと、財源でというふうにおっしゃったんですけれども、恐らくその背後に包括的な産廃政策というものが、今ちょっとご説明あったと思いますけれども、一応このプレゼンテーションが税を中心にしたものなんで税を中心にお話がありましたけれども、例えば、すぐ思い浮かぶのが近県の協力で発生抑制をどうするかとか、その発生抑制の場合、その企業とコンビネーションを組むようなプライベートパブリックパートナーシップでもないですけれども、その包括的な政策があってその一環としてこの税が出てきたと、そういう位置づけなら私は非常に頭の中でクリアに結びつくんですけれども、そういう理解でいいのかどうなのか。もしそうだとしたら、その発生抑制のための包括的な三重県独自の取組というのがもう少しあったらご説明いただければなと思います。

○三重県松林総括マネージャー 三重県ではこの産廃税の議論の前から、例えば産業廃棄物の自主情報公開システムというようなのを構築しておりまして、これを三重県がつくった後国の法律の法令の中でも入ってまいりましたけれども、各企業に適正管理計画をつくっていただきまして、そこの中で廃棄物の抑制をそれぞれ進めていくと。そのほか環境技術専門員という、元企業にいた方たちを専門員になっていただいて、各企業への排出抑制とか適正処分を指導していただくと、こういうシステムを構築しておりました。
 そのほかISOの認証取得の支援とか、そういうこともしておりまして、そういうものをずっと続けた中でさらにそれでも最終処分場の不足というか、処分場の残余量がどんどん減るのに比較して廃棄物の減量がまだ追いつかないと、そういう中である企業に対するそういう産業廃棄物の減量化の補助金とか、あるいは個々のちょっとずつではリサイクルにはならないけれども集めたらリサイクルになるということで、企業環境ネットワークを使ってそういうリサイクルシステムを進めるとか、あるいは研究開発をやるとか、そういうことで新たな施策を組みたいということでこういう税を設けております。
 もう1つは、産業廃棄物の処分場そのものが不足するというか、できないのはやはり住民の方たちが過去の不法投棄とか不適正処理に対する、非常に産業廃棄物に対する不信感を持っております。そういうことで、徹底的にしてそういう不適正処理をなくすということで監視体制の強化とか、あるいは処分場周辺の環境整備とか、こういうものについても新たな県の施策としてそういうような財源が欲しいということでこういうものを構築してきております。

○小早川座長 はい、どうぞ。

○細田委員 今この一連の質問としては最後なんですけれども、管理型処分場トン当たりいくらぐらいなのか、直近でいいです。それからもう1点は、どうしても気になるのが、汚泥の流出、汚泥の流入がありますよね。その汚泥に対する何か根本的な対策をなさっているのかどうかを、ちょっとこの2点をお願いいたします。

○三重県松林総括マネージャー 処分料金でございますけれども、民間の処分料金で、先ほど12年度か13年度非常に値上がりしたという話をしましたけれども、3万3,000円から4万 5,000円ぐらいの値上がり、ただ、私どもは公共関与の処分場も持ってございまして、ここは大体最高で1万円ぐらいの値段でございます。
 それから、先ほど先生から建設汚泥の話がございました。確かに全国的には建設汚泥のいろいろな問題が出ているという話は聞いておりますけれども、三重県の場合、幸いというか、そういう建設汚泥のリサイクル施設が幾つかございまして、そこで一応リサイクルは、県としては規模が小さいもので、一応まだ今のところはある程度そのリサイクルが進んでいくという方向で進んでおります。あと、もう1つはその汚泥の問題で、無機性汚泥である企業が非常に県内の処分量の大体4分の1から5分の1を占めておるんですけれども、その企業もかなりだいぶ処分量の高騰の中でかなり努力されて、当初よりも平成3年等に比べれば本当に10分の1から5分の1ぐらいの量まで減らせてきていただいております。

○細田委員 ありがとうございました。

○小早川座長 ほかにございますでしょうか。
 はい、森口委員。

○森口委員 国立環境研究所の森口でございます。前回欠席いたしまして失礼いたしました。
 今の細田先生のご質問にも少しかかわりがあることになるんですけれども、理解が間違っておればちょっと教えていただきたいんですけれども、この税の中では基本的に県外に搬出されたもの、県外で中間処理したものに対してはかからない制度になっているということでよろしいですか。

○三重県松林総括マネージャー はい。

○森口委員 それだとしますと、先ほどの発生抑制という観点ですとか、あるいは4案のご説明いただいたんですが、これは全部取り方にもよると思うんですが、最終的にその採用されたA案というものの中で県外に搬出されるものに対して、つまり県外への中間処理施設なんかに回るものに対して課税をされないということの理由はどこにあるでしょうか。つまり、その発生抑制という観点であればそこに関して課税をしないという理由は恐らくないんだろうと。そうではなくて、その県内で営まれる中間処理なり最終処分なり、そういう産業廃棄物処理処分という事業を県の行政として適正に監視をしていかなければいけない、その財源にするということであれはそのご説明は理解できるんですけれども、発生抑制という観点からは、その県外への流出というものに対して課税をしないというその根拠がどういったところにあるのか、そのあたりのお考えを教えていただきたいんですけれども。

○三重県松林総括マネージャー 基本的には、県外へ出ていくものについては非課税でございます。それで、県外でこの税をかけることによってどんどん出ていくのではないかという議論はございました。そういう中で、先ほどのトン1,000円と言われるものに結びついてくるのですけれども、その運搬の費用と、それからその税の料金、これの比較考量の中で大体20キロから30キロメートルぐらいの県境からは影響を及ぶであろうということで、そこら辺にある処分場や中間処理施設のシミュレーションもやりましたけれどもほとんどそういう施設もないと。だから、トン1,000円ではその県外への影響は出ないであろうということで考えております。

○森口委員 もちろんそのことは理解できるんですが、といいますか、その1,000円という水準がその広域移動を余り促進し過ぎないようにという水準で設定されているのはわかりますし、それでもって広域移動、つまり悪影響は起きないというご説明は十分にわかるんですけれども、お伺いしたかったのはそうではなくて、仮にそうであるとしても、なぜその県外に流出するものに対して発生抑制という観点から課税をされないのかというところの、そこの根拠ですね。つまり広域移動が起きないからいいではないかということでなくて、発生抑制ということであれば、それを積極的にそこに対して課税しないということのそのお考えがどこにあったのかということをお尋ねしたいのですけれども。

○小早川座長 それじゃあ、神野委員。

○神野委員 税金の方のかける原則から言うと、どういう税金を国税に持っていくのか、どういう税金を地方税に持っていくのかというその課税のインパクトの問題があるんです。普通はグッズ、いいものの場合には、製造段階で課税するものは国税に、それから消費段階、最終段階で課税する税金は地方税に、特に市町村のような基礎的な自治体にというのが原則です。
 これは、例えばお酒の税金で言いますと、シャウプ勧告まで残っていたのですけれども酒消費税、消費段階で課税しますよという税金だったら地方税になじみます。しかし、酒の製造段階で課税する、今のような製造課税をすると国にしていかないと、例えば兵庫県に20%税収が入ってしまうとか、そういう非常に偏在がおきます。先生がおっしゃっているのは、国税として課税して全部の発生段階に課税するということであれば、これは税として課税できるわけですけれども、この税金は、つまり都道府県で課税する場合には通常中間の取引段階で課税するというのが原則なんです。ですから、軽油で言うと軽油引取税と言いまして、軽油を引き取った段階で課税するわけですね。だから、この発想方法で言うと、実は中間処理業者が引き取った段階で課税するということをやらなければならないので、A案というのはその税の考え方から言うとややぎりぎりなんですね。
 つまり、それで言うと、発生段階で抑えるということが中間処理業者というか、中間段階でバッズが中間で動く段階で課税するということでないと、他の住民なり何かを課税するということはできませんので、課税客体といって課税をすることのできる事実がその県内にないとだめなわけですよね。その県内になるということは、その発生したという段階では課税できません。というのは、発生させたという段階で課税するとほかの県で発生したものについて課税できないわけですから、発生したものを搬入したという段階でどうしても課税せざるを得ないわけですよね。だけれども、できるだけ環境政策で抑制するということを考えると、発生した段階で近い段階で課税したいということで税をかけておりますので、形としては搬入した段階で課税する、搬入した事実が三重県にあるので課税すると。しかし、それだと抑制効果が弱くなるので前に持っていっていると。
 したがって、これちょっとかなり税法上いろいろ議論のあるところで、ぎりぎりの線でやっているということで、言いかえれば排出事業者を全部課税しようとすれば県であろうと県外であろうと課税しなければならないわけですけれども、それは一網打尽は不可能ですから、事実上県に搬入したという事実をもって課税するということですので、発生したという事実に課税しているわけではないということですね。よろしいでしょうか。

○小早川座長 というご説明なんですけれども、三重県の方はよろしいですか。

○三重県松林総括マネージャー ありがとうございます。それで、これはやはり、先ほど来申し上げましたが、排出抑制が根本の目的とは違いまして、やはり法定外目的税としてその受益者ですね、この財源を使って受益者をいただく方から税金をいただきますので、あるいは最終処分場の確保とか、リサイクルの促進する方から受益者としてもらいますので、そういう面で県外の搬出というのは、もちろん先ほどの税議論がもっとあったんですけれども、私ちょっと詳しくわからなくて申しわけございませんけれども、そういうところもございました。

○小早川座長 よろしゅうございますか。今の話はおもしろいし、難しいところもあると思うのですけれども、ちょっと口出ししますが、森口委員のご指摘の中には、ひょっとしてその排出事業者は三重県内で排出しているので、かつこの目的税の、使用目的のその県内の排出抑制ということは視野に入れているわけですよね。そこが、そういう県内の処分だけに着目するのではなくて、県の廃棄物行政全体ということで見ればその県内で排出するということもこの制度の視野に入るのでないかという、そういう問題視もあり得ると思うんですが、それはどうなんでしょうか。

○神野委員 私が答えてよろしいですか。
 先ほどもご説明ありましたように、排出を抑制したいということと、それから、できるだけ県内に搬入するものが少ないということと、それから、県の行政として県の業者の排出量を少なくする政策を打ちたい、その財源として使いたいという目的があるわけですね。そうすると、県内の業者の排出を抑制するという政策を打つ財源として、他県の人が納めた税金をも使ってしまって目的税としてセッティングするということはいかがなものかと、こういう多分議論になる得るだろううということだろうと思いますが、その議論は大分したのですけれども、通常目的税というのは税の考え方から言うと本来税ではない、つまり、税金というのは本来強制的に無償で収入を目的にするという3つの条件がそろわないと税とは言いません。したがって、ここでも税収が減る方がいい、好ましいのだというと普通課徴金とか罰金とかというので税とは本来言わないはずなんですね。それから、目的税というのも本来は強制的に無償でということですから、目的というのは何かの対価を要求するような場合もあり得るので、その場合に税金と言うかどうかというのは微妙なところなのですけれども、諸外国の例などを見ても、必ずしも目的税を設定する場合に税収の根拠と、それから使い道の根拠とが因果関連が薄くても構わない、どういう形で負担し合うのかということがその住民の意思で決定できていればいいと。
 例えば、ストラスブールでつくっております環境をよくするためにLRTを敷設する交通機関税という目的税がありますけれども、これは企業の支払い賃金に課税しているんですね。企業の支払い賃金に課税して交通の目的にするのはいかがなものかという議論も成り立つかと思いますけれども、一応その目的税化するというときには、必ずしも立法者がいいということであれば、どういう形でもって負担して合っていくのかということが構わない、もうじき立法化されるだろうと思いますが、高知県でやっている名前は水資源税じゃなくする、森林環境税にしますか、これも森をそれぞれ守っていくという目的のために多くの県民が少しずつ出し合って、あれも目的税にしてあると思いますが、少しずつ出し合って、ちょっと最後の立法のところはどうなったのかチェックしていないのですけれども、私の理解では目的税にしていると思いますが……

○長谷川委員 目的税はなくなりますね。

○神野委員 目的税でなくなりました?

○長谷川委員 はい、超過課税になります。

○神野委員 超過課税にしました?

○長谷川委員  500円。

○神野委員  500円てそれ超過課税じゃないんじゃないの。新しい税金としていない?
全く超過課税……、ちょっといずれにしてもそこはもう1回、いずれにしても財源を目的にしているはずなんですね、そこの超過部分は。住民税の均等割部分を値上げをして、そこの部分で目的税、目的税というか、いずれにしても税源とはほかの人はリンクされているはずです。目的税にしなくて超過課税としたとしても特定財源化するということは決まっているはずですので、そういう形で特定財源化するということも構わない。
 それから、環境関係でいきますと、アメリカでやっている産業廃棄物を処理するスーパーファンド税というのも、あれは各企業が購入した石油の量に課税しているかと思いますので、それは直接の因果関連はなくても構わないのではないかといって割り切ったんですね。ということです。これは割り切ったのはまずかったのかもしれませんが、いずれにしても私としてはそういうことで割り切ったと。

○小早川座長 いかがでしょうか。今の関連でもその他でも結構ですが。
 はい、碓井委員。

○碓井委員 今、神野委員がその検討の過程で税法上ぎりぎりというようなお話がありましたが、それに関連してちょっとお尋ねしたいのですが、納税義務者は排出事業者であると、しかし課税をとらえるのはその搬入だということで、それをリンクしているものが何なのかなということでお尋ねしたいのですが、私はこの廃棄物処理法は正確な内容はわからないのですが、さっと私の記憶にあるところでは、この産業廃棄物の排出事業者というのは運搬、それから処分に当たって最後まで責任を負うという、こういう立場になっております。その法制度の仕組みがこの三重県の産業廃棄物税の今のような仕組みを成り立たせていることになるのか、あるいはそのことは無視しても大丈夫だったのかという点をちょっと、これは神野委員も含めてですがお尋ねしたいと思います。

○三重県松林総括マネージャー 確かに廃棄物処理法では排出事業者責任ということで、すべて排出事業者に責任が付与されております。確かに税の議論の過程で収集運搬業者さんをどうするのかとか、このごみの場合は排出事業者がおって収集運搬する人がおって、最終的に中間処理、最終処分に行きますけれども、最終的には収集運搬業者の役割はどうかとかいろいろございましたけれども、やはり排出事業者責任の観点から排出事業者を出して、それから中間処理、最終処分への搬入の過程で処理するというふうに整理をしてきております。

○小早川座長 よろしいですか。
 はい、細田委員。

○細田委員 ちょっと違ってもいいですか。個別リサイクル法との接点でちょっとご質問したんですけれども、私このことがよくわからないんでご質問するんですが、例えば2年後から始まるELV、自動車のリサイクル、あれもシュレッダー屋さんが恐らく中間処理プラントで位置づけられるとは思うんですけれども、1つの法体系でとじられている、あるいは家電リサイクル法もそうですよね、それに対してこの税はどうかかわってくるのでしょうか。

○三重県松林総括マネージャー 家電リサイクル法はその別のルートで持っておりますので、自動車リサイクル法も、これはリサイクルというか、シュレッダー屋さんがリサイクル業者になっていくと思いますので、この税とは直接課税になるような話にはならないと思います。

○細田委員 それほど簡単じゃないと思います。例えば、家電リサイクル法は一いっぱいシュレッダーダスト出ますよね。シュレッダーダストは、あれは産廃扱いですよね、最後は。家電リサイクル法はとてもおもしろい法律で、初めの指定した場所に行くまで使用済み家電は一廃または産廃で、処理プラントは一廃かつ産廃で、出たものは産廃になるという非常に不思議な七変化する、三変化ぐらいするものです。やっぱりそれは産廃として出るもんですよね。それは、じゃあ最後のシュレッダーの埋め立ては税金かかるのか、控除するのかとか、それからもう1つは、ELVの話は、あれは最後のASRはメーカーが負担するわけですね。買い取って、エアーを変えるというか、当然指定法人に含まれますからそれを引き出して払うんですけれども、それに対して三重県のこの処理場に行ったときに税金はどうなるのかということはかかわってくるんじゃないでしょうか。

○三重県松林総括マネージャー 産業廃棄物になった時点でその家電あるいは自動車のシュレッダーにして、いわゆる製造工場がございますね、そこから出る段階で県外にあろうが県内にあろうが三重県の処分場に入られるのならば、それは課税の対象になると。

○小早川座長 はい、高橋委員。

○高橋委員(代理:青山氏) すみません、代理で恐縮です。経団連の青山と申します。
 1つ、税の効果とか目的税の入口のところの議論が今続いているのですが、出口のところで1つお伺いしたんです。目的税ですので、ある一定の目的で集めたところの使い途というところで、資料のNo.1の8ページにも税収使途ということが書いてあります。こうした項目が使われるところは議会等でも議論されたと思うんですけれども、問題はこうした費目に対してどうやって公平的かつ効率的に一番いい使われ方をするのかというのが、多分納税者タックスペイヤーとって重要な視点かと思うんですが、すみません、この誰がどうやってこの補助金などの使い方が公平かつ効率的に使われているのか、担保しておられるのか、例えば、こうやって補助金をすべての税の出口の議論につながるかもしれませんけれども、補助金が有効に使われているのかといったことをどうやって評価され担保されているのかおられるのかちょっとお伺いしたいと思います。

○小早川座長 はい、お願いします。

○三重県長崎主査 今申し上げた中のその補助金の関係につきましては、学識経験者あるいは専門家の方々で編成する委員会、選定委員会というのを立ち上げておりまして、その中でいろいろな事業者からのコンペ方式でいろいろ説明を受けて、評価点をつけた上で厳しい選定をしていきたいと。ですから、先ほど実績でも1万6,000トンなり 5,000トンの実績を対象とさせていただきましたけれども、1年目で28件ほどの申請があったんですけれども、かなり厳しいチェックをさせていただいて採択をさせていただいているのが9件という、そういう感じて選定されております。
 それから、後の補助金以外が県でも直接行われている事業もございますので、そのあたりは当然県の予算議論の中で厳しくというか、調整していく過程で厳しく検査させていただいておりますし、当然自己評価というか、私どもの事業も産廃税を財源としたものに限りませんけれども、評価システムを受けるような方式になっておりますので、そのあたりで十分なチェックをさせていただいているところでございます。

○小早川座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
 では、大塚委員。

○大塚委員 全国産業廃棄物連合会の大塚でございます。
 最初に、法定外目的税は3つの同意を得ないと総務大臣の方が許可をおろさないと、認めないというところの中の1点として、地方公共団体における物の流通に重要な支障を与えないことというのが要件に入っていると思うんですけれども、これとよく問題になっております流入抑制、それから追い出し効果ですね、そういったものとの関係で総務省に対してどういう形でこの辺のところをクリアされたのかちょっとお伺いしたいのが第1点です。
 それから第2点目としましては、細田先生の議論と先ほどの議論に重複するんですが、税収の使途の中で廃棄物処理センター適正処理支援等事業費というところがありますが、三重県の税制のホームページ等を拝見いたしましてもかなりの分野で将来最終処分場が枯渇化すると、それを何とかしなくてはいけないということがかなり大きなテーマになっておるんですが、税収の使途を拝見いたしますと、処分場の整備の問題でいきますと廃棄物処理センターというところだけが具体的になっておりまして、多分ここの中の支援等の中に民間も入るかなというのを薄々期待は申し上げるのですが、これは公共の施設だけでなくて、民間も含めて両方とも設備促進しないととてもじゃないが乗り切っていけないというのが明らかでございますが、こういった民間の処分場に対してはどういうような形で支援されるのか、もしその辺が全くなければ後に書いてあります産業廃棄物監視強化対策事業費ということがありまして、ここの監視体制の中に入り込むだけであって、おっしゃっておられた最終処分場の確保という広い意味での促進にはつながらないのではないかなという気がいたします。
 それから、いろいろ申し上げて申しわけないのですが、もう1点、ちょっとさっき気になりましたのが、税収見込みが最初のころは4億円ぐらい入られるという話でしたが、今お聞きますと、景気の悪さも影響されて1億3,000万ぐらいしか見込みがないと。そして徴収に係る費用、コストとしては3,800万ぐらいかかりますということが前の資料の中に出ておりましたんですが、そうしますと1億円弱の実収しか返ってきませんが、それでこれだけの税収の使途をいろんな方面にやっておられるのですが、それが本当にいけるのかどうか、コスト的にいきましたら、もう逆に言ったら税制の目的からかなりずれ込んだような形でたかだか1億円弱の金しか入ってこない、さらにそれが年度たつごとに減ってくる可能性があります。ゼロが一番いいんだということをお書きになっておられますが、それにしても使途の多様さと、それから実際の実収との間にちょっとかけ離れたととこがあって目的を達するのかなという気がいたしますが、多岐にわたってご質問して申しわけないんですが、まずとりあえずこの3点をちょっとお願いしたいと思います。

○三重県松林総括マネージャー 確かに総務省の法定外目的税の同意条件に3原則がございまして、1つは物の流通というのがございます。議論の中では、廃棄物が果たして物というか、価値あるものかという議論がございました。1つ我々としては、そういう実際に消費とかああいうのは違いますので違うんではないかというのもあったんですが、そこら辺の以前に、やはり流入抑制、追い出し効果、先ほど言いましたけれどもトン1,000円というのがキーポイントになってまいりまして、これならばよその県へこの税によって出てくることはないだろうというようなことで、あるいは搬入の料金の中でも1,000円ならば搬入を抑制することにならないだろうと、そういうぎりぎりの線の中でこの1,000円というのを決めてきておりますので、そういう面でご了解いただんではないかなというふうには考えております。
 2点目の廃棄物処理センター適正処理支援等事業で民間への支援ということでございますけれども、1つは公共関与の周辺環境整備ということで県直営でやっておりますけれども、そのほか管理型処分場を抱える市町村の周辺環境整備、公園をつくるとか、そういうのは補助金という形でもやっております。
 それから、3つ目は税収見込みが非常に減ってきております。こういう中で、確かに我々もやりたい事業がやれないと、そういうことがございますけれども、1つは一般財源化したりとか、もう一度事業の精査をやったりとかということで、今15年度予算はそれで今組んでおります。

○小早川座長 よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

○大塚委員 やはり税収制度を立ち上げた割に実際の収入が1億円を割ってくるという状況になりますと、果たして目的を達するだけの効果が、全国的に各県がやろうとしていますのでこういう影響というのはかなり考えるべき問題ではないかなという気がいたします。
 それから、ちょっとくどいようですか、廃棄物処理センター等に対する支援等というのが入っておりますが、中央環境審議会の答申の中にも、将来は優良な処理業者及び環境ビジネスの育成が一つの大きな柱になっております。そこの中で公平な競争ということが市場形成のためには重要な課題になっておるんですが、先ほどお聞きしましたら、管理型で民間の場合は大体2万5,000円から、高いところで4万円、特に三重県の場合は相当高騰しております。それは知っておりますが、それに比べますと公共の関与の処分場が1万円とう全くかけ離れたコストになっておりまして、これでは公平な競争ということは全くできない状態でございます。
 そこの中に、さらにそうして廃棄物処理センターの場合は国からかなりの支援措置が出ているはずです。そして、なおかつこの廃棄物税でさらにここで再度支援をすると。そして、民間に対してはそれほどのことがないということになりますとこの競争原理が崩れてきまして、静脈産業の健全な市場の健全化ということに対して一つの阻害要因になるんではないかということを恐れておりますが、その辺はいかにお考えでしょうか。

○三重県松林総括マネージャー すみません、私の説明がちょっと不十分で申しわけなかったんですけれども、公共関与と言いながら現在ある処分場につきましては第三セクターの事業団というのが、三重県環境事業団がやっているんですけれども、あくまでも独立採算でやっておりまして現在の処分場に対する費用等は出しておりませんもので、今後廃棄物処理センター等で、また処分場の整備等は考えておりますけれども、これも現在の産廃税で使った周辺環境整備とか、そこら辺でのことを考えるところでございます。
 ただ、料金がどうなるかというのはちょっと先の話でございますのでちょっとわかりません。

○小早川座長 今の大塚委員の最初に言われた総務省との協議、そのときになさった説明について今伺ったんですけれども、それは何か文書か何かに、もしそういうものがあれば……。

○三重県長崎主査 ちょっと総務省との正式な協議は、確かにその条例が議決されてから入らせていただいたんですけれども、かなり前の段階から議論をオープンにしていた過程の中で相当総務省さんと意見交換をしておりまして、その点からも、基本的にはちょっと私どもではなくて税部門の方が参考資料なり出しておりまして、それをまとめた資料というのはちょっとないと、あと総務省さんにお出しさせていただいている資料がどういった形になっているかはちょっとわからないんですけれども、基本的には幾つかの資料は出させてもらっております。それから、先ほどの関係でいくと広域移動の現状でしたけれども、そういった資料は出させていただいております。

○小早川座長 そういうスタイルでやるということであれば、口頭でご説明のあったとおりだと。先ほど碓井委員が……、じゃあ碓井委員。

○碓井委員 私ちょっとテクニカルな質問で申しわけないですが、免税点制度を設けることによって実際には優良な排出事業者が多分納税義務者になるだろうと。実際の申告納付はこれから算定ということでございますが、一般論として考えますと、産業廃棄物行政を行っている県が集めた情報が課税を行う部門にも出されて、それによって課税の適正化も行われるであろうということが期待されるわけですが、法律問題としてそういう産業廃棄物行政部門の情報を税務部門に横流しすることができるのかどうか、もし横流しできないとすれば課税部門は独自に集めなければならないということになります。これは私ども法律学者の研究課題でもあるんですが、これは議論されたことがあればお話伺って、もしそれで特に何もなければ、もちろん環境省が方が産業廃棄物行政を行う県はどういう立場に置かれているかということについてご説明願えると非常に今後の参考になると。

○三重県松林総括マネージャー 確かに議論もございまして、突き進めていくと確かに法律で違うことから徴収するデータですからそれは使えないという建前論になると思うんですけれども、そこらは県と行政の中で、弾力的にはっきりは言えませんけれどもきちっとやっていきたいと思っております。

○三重県長崎主査 その議論の過程で、そういった議論を踏まえてなんですけれども、一応この税条例の方で帳簿の記載義務というのが排出事業者にあって、そういう条項を一つ入れさせていただいておりまして、罰則付きの条項でないんですけれども、そういった部分で、基本的には課税の判断というのはその帳簿記載の義務でもって判断をして、それに対して補足する意味でマニフェストなどこの環境サイドが持っているデータを補足的に使うとか、そういった意味から基本的には帳簿記載義務を第一にしていると。

○小早川座長 今の財務省は、碓井委員がどんどん論文でも書いて、今後の方針を示すということじゃないですけれども、確かに大事な問題だと思います。
 飯野委員、どうぞ。

○飯野委員 1つは三重県の方に、1つは神野さんにちょっとお伺いしたいんですけれども、1つは、税法学者が常に言うのは、税金というものは罰金であってはいけないんだと、税収目的ではいけないんだと言うわけで、多分環境目的という目的をつけられたんだと思います。
 ただ、副次的な目標として、枯渇するかあんまり出さないようにという罰金的な意味もあるという意味で税収目的を出されたんではないかと思うんですけれども、その議論と、それから最初に税ありきの議論はけしからんという経団連の議論とが、私はなかなかクリアしづらい問題だと思うんですけれども、それはどのように、だってもともと税収目的で税金かけるんだったら税ありきの議論がそのまま出てくるはずなのに、税ありきではいけないという議論の中でその税収目的の税をうまくどう書かれたかということをちょっとお伺いしたいというのが1つで、もう1つ神野さんにお伺いしたいのは、確かに神野さんはいろんなところでその新しい税金を考えておられるのは結構なんですけれども、私は同じ財政屋として甚だ、財政学を学ぶ者としてではなくて住民として非常に不愉快に思うのは、我々は、私どもは住民税を払っているにもかかわらず場所によってはいっぱいの料金を払え、あるいは、そのうちにきれいな水を飲んでいるのだから水源税を払え、そういう論理で新しい税金をつくっていけば、公園をつくったからあなたは公園負担税を払えとか、非常に抵抗できなくなるような形で新しい税金が次々とつくられていくということに私は非常に不信感というか不安を、将来もう限りなく住民税のほかに税金をとられるんではないかと。
 つまり、住民税というのは一体どこまでカバーして、地方についても、例えば処理業者にしても多分地方法人税だとかいろいろ払っているはずなんですね。それを払っているにもかからずまた別にそういうものをとられるという、その根拠を示していただきたいというか、どこまで我々は負担しなきゃ、普通のいわゆる一般税のほかにこういう目的税を負担しなきゃいけなくなるのかという点についてちょっと歯どめをお伺いしたいと思います。

○小早川座長 三重県からお答えいただきますが、神野先生、あまり時間も限られているんですけれども。どちらでも、じゃあ三重県の方から、今の税ありきでいいのか、いけなのいのかというその議論、どういう議論が出たかという……

○三重県松林総括マネージャー 確かに税ありきの議論は、その産廃税をつくるという目的だけでこれをつくるとしたら税ありきで問題でしょうけれども、やはりその税を使って財源、例えば管理型処分場が不足しているからこれをどうするんだとか、これはその企業がすぐメリットがある話でございますし、そういう中での議論の中で必ずしも我々税ありきじゃないよと、企業の皆さんにメリットになるよと、そういうような話の中で議論は進めさせてはいただいております。
 それから、廃棄物、逆に言えば副次的効果で廃棄物は減っていきますけれども、逆に減れば処理料金を払う、企業としても処理料金の分を選択できるんですからそれもプラスになると思いますし、そういう面で税ありきということではなくて、企業の方々に理解はしていただいたというふうに考えておりますけれども。

○飯野委員 もう1つ、今税法学者の議論に悩まされているんですけれども、その罰金的な税金は税金じゃないんだ、税収目的でなければいけないんだというふうに言われたところはどう克服されましたか。

○三重県松林総括マネージャー だから、先ほどのような先生方のチームにそういう意見も聞いたことはございますけれども、罰金的な話だとか環境税とか、だけどそのさっきのやはり税の目的といったもので罰金じゃないよと。だけど一番メリットを受ける企業ですね、例えば管理型処分場でしたら一番よくごみを出して埋めるところが一番税金を払うんですよね。そこが一番処分場がなければ困るわけですから、そういう面で税を納める人が一番メリットがあると、これを一般の家庭からとったらやはりそれは変じゃないですかと、そういう議論はやりましたけれども。

○飯野委員 そうすると、それは税でなきゃいけないという理由はあるんですか、すみません。

○三重県松林総括マネージャー 税でなければ……

○飯野委員 料金で、持ち込み料金という、それは検討なさいましたか。

○三重県松林総括マネージャー 確かに料金ですべきではないかという議論もございましたけれども、料金は後から入ってくるんですね。先行して実施して処分場をつくりやすいようにするとか、そういう部分についてはその料金からは先にとれませんので、例えば処分場をこれから整備するんだったら周辺のいろんなところを整備しようとか、そういうことについてこの税金、先に税をいただいて活用すると。それで、処分料金はあくまでも自分がごみを放ってそれを水処理したりとか、その原則として進行過程の中でやっていきますので、そういう面ではちょっと違うんではないですかというお話はさせていただきました。

○小早川座長 今の点は一応そういうことで、では手短に。

○神野委員 私も飯野先生と全く同じ考え方ですので、シャウプ勧告が明確にいっているように、シャウプ勧告の前も課税自主権は非常に大きく与えていたものですから独自課税が非常に大きかったわけです。シャウプ勧告はかかる税金については、中央政府がこれを認めないというようなことはしないということを勧告するけれども、すべきではないということを勧告すべきだし勧告するけれども、地方自治体に対しては可能な限りこうした税金を削減するように忠告したいと、こういうふうに言っているわけですね。私のスタンスは同じことです。シャウプ勧告はかかる不健全で不公平な税金が多数出てきてしまう重要な原因は、地方自治体に対して、任務に対してきちっとした依存すべき税源が与えられていないからであって、このことが解決される暁には安んじて地方自治体の自主的な判断に任せておくことができるであろうと、こういうふうに言っているわけですので、税源の配分をして、配分をし直してきちっとした税源移譲をして安んじて地方自治体の判断に任せられるような状態をつくることが重要だというふうに考えています。
 したがって、ご指摘にあった幾つかの税金については私も明確には反対をしておりますので、やるべきではないと。幾つかの税金。例えば一般廃棄物の埋立税なんていうのは、私はこれは税として認められるべきかどうかということに対しては否と言っていますから、お読みになっているかと思いますけれども、そのほかの税金についてもかなりの税については否と言っていますので、不健全で不公平な税金は認めるべきではないという考え方です。

○小早川座長 大分時間も回っていますが、あとお一方。
 それでは、三本委員。

○三本委員 手短にいたします。
 私処理業界の一員でありますが、税のことは全くの知識がないものですからその議論に値いたしませんけれども、業界としてはこの産廃税について非常に困惑をしている状態でございます。特に、先ほど出ておりました不公平さについては非常に問題意識しておりまして、例えば私どもの業務の在り方につきましては、基本はやはり廃棄物の処理に関しては広域処理が前提であると。北海道から九州まで全体を網羅した形での問題解決へつなげる施策が必要であるというふうに考えております。
 そういう中で、地域地域によって私から言わせますと、地域エゴに等しい税の在り方については反対であるというように考え方を持っております。これは業界全体としても原則反対の気持ちを持っておりますが、ただ、方向性としてあらゆる面での今の議論の在り方について健全性を求めるのであれば、成熟化へ向けて必要であればそれはそれとして議論を交わして全体的にかける必要があると。それも、例えば大企業に対してとか、あるいは1,000トン以上の事業者以下だというようなことではなく、マニフェスト1枚からかける必要があるというふうに考えております。
 以上です。

○小早川座長 じゃあ、細田委員。

○細田委員 税額控除の中間処理施設はリサイクル率が90%以上とありますけれども、これは定義によって幾らでも変わっちゃいますよね。最初の認可手続きは、商品化でいうと定義に置くと物すごいこれをクリアして、これをできるのはあそこぐらいしかないと思うのですけれども、もうちょっと低くして最終処分場に入れなくていい率ということになると結構高くなることができる。この定義について簡単に教えてください。

○小早川座長 じゃあお願いします。

○三重県長崎主査 その90%につきましては、中間処理施設へ搬入された産廃がその処理の形でいろんな処理を行いますので、その中間処理施設の入口から出口の間にも若干非常に不明瞭な、客観的にちょっと欠けるところがありますので、私どもとしては出口ベースで売却されたいわゆる有価物、要は廃棄物でないものというのに限定して、売却されたものとそれ以外、いわゆる残渣で出たものの比率でもって判断しようと。ですから、その間売却でもない、残渣でもない、例えば保管状態にあるものというのは、当面その時点では計算の対象外としておりまして、毎年毎年1年ごとに常に実績を確認して認定をしていくというやり方で、そのあたりでデータを確保していきたいと考えております。

○小早川座長 それでは、まだご発言があるかと存じますが、時間も回っておりますので三重県からの議題については一応この程度にさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして産廃税の範囲について、海外の事例に関する資料というのが事務局で用意されていますので、それについてご説明をお願いします。

○松澤産業廃棄物課課長補佐 それでは、私どもの方から海外の産廃税の事例について、OECDでタックス・データベースというものをホームページなどで公開されておりますので、そういった既存の情報をもとに一覧的な簡単な資料を用意させていただいております。また、機会がございましたらご報告したいと思いますが、当課の職員もイギリスですとかフランス、ドイツ、スウェーデンと、こういったところに産業廃棄物に関する税、あるいはその周辺のことも含めて調査に行っておりますので、さらに追加できる情報があれば随時ご報告していきたいと思います。
 それでは、お手元の資料4に沿って簡単にご説明したいと思います。
 この資料4は、表題もございますように、OECDの方で公開しているOECDのメンバー国のウエストマネジメント廃棄物管理の分野での課税の例でございます。英語で全部書かれておりますけれども、これを後ろの方に日本語で、私ども事務局の方で訳をしましたものをつけてございます。
 それで、資料4を1枚めくっていただきますと「ACBE」と書かれているものがございます。これはイギリスの審議会で、イギリスで導入されているランドフィル・タックス、埋立税のことかと思いますが、それについて評価といいますか、そういう審議を行ったレポートが、これもまた公開されておりますので、ここで他国の埋立税などと比較をされておりますので、ここの情報もあわせて一番最後のページの「OECD諸国における廃棄物に係る課税の事例」という表にまとめてございます。
 これは、今のOECDの表をもとにつくってございますので、それを訳しただけでございますから、例えば納税義務者がだれであるかとか、何でその埋め立てに課税しているのかといったところは私どもも把握はしていないところでございますけれども、今そのOECDの方で公開している情報によりますと、この表にございますようにオーストリア、廃棄物埋立税とございますが、廃棄物の種類あるいは処分場の種類に応じてトン当たりの税率をこのように設定をしていると、これが1つの例でございます。
 そのほか、以下、チェコは廃棄物埋立料と。これはOECDでの情報ではfeeということが書いてございますので、税金なのか税金でないのかというところもこの情報だけからはわかりませんけれども、チェコの事例ですとか、それから以下、デンマーク、フィンランドと諸各国ございます。
 それで、日本語の訳で廃棄物埋立税と書いておりますのは、基本的にOECDでの英文での表記を見ますと、その埋立処分をされる廃棄物について課税をしていると思われるものについては廃棄物埋立税という訳を使っております。また、廃棄物処分税としておりますのは、埋立以外に焼却施設に搬入するところに課税をしているようなもの、そういうものについては処分税という形で書いてございます。
 2枚目もございますけれども、スイス、イギリスとございまして、アメリカと。アメリカの例については州の事例になってございます。それで、そのほかの国について、これは国で全体での税金なのか、それともその各国の地方自治体、中央政府で課税しているのかということで少し判然としないところがございますが、アメリカのところではインディアナ州とかニュージャージ州と書いてあるところを見ますと、可能性としては国全体としてやられているのかもしれないと。このあたり先生方の中にも外国に実地に行かれてご存じの方もいらっしゃるかと思いますので、もし説明のところで補完をしていただけれはど思います。
 それから、この表の中で税の名称と課税対象と税率の隣に埋立処分率、あるいはその埋立処分費用に占める税額というのがございます。ここの情報については、先ほどのイギリスの審議会のレポートから抜き出しをしておりまして、例えば埋立処分率48%というのはどれぐらいの廃棄物が埋立処分されているのかという、そういうものを示している数字であろうというふうに私どもとりあえず理解をしております。また、埋立処分費用に占める税額は、埋立料金とその税額との比率を示すものであろうと理解しております。
 それから、1枚戻っていただきまして、ACBEというイギリスの審議会、これは後ほどまたご紹介する価値があるものであれば少し要約をつくりましてこの検討会でもご提供したいと思いますが、この審議会ではイギリスのランドフィル・タックスについてどれぐらい意義があるかということを評価しておりまして、イギリスの税は他国と比べると税率として低いとか、そういった効果、廃棄物政策としての効果という面からもまだ十分ではないというような評価がこのレポートの中ではされておりまして、そういう趣旨で外国と比較をしているものでございます。
 以上でございます。

○小早川座長 どうもありがとうございました。
 ただいま事務局より説明がありましたが、この海外の産廃税の事例も含めまして、今後この産廃税について議論を深めていくという際にどういうふうに議論を進めていくべきかというようなことについても委員の皆様ご意見がおありかと存じますので、それも含めまして忌憚のないご意見をいただければというふうに思いますが、何かございますでしょうか。
 はい、大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 意見というよりはブラックジョークになるかもわかりませんが、ここに日本という標語を入れますと随分ページ数を使って、各県ごとにここでやるという一覧表をつけなきゃいけないと、非常にユニークな課税事例というのができ上がってしまうんじゃないかなと。よそは、アメリカを除きましては国で一括してこういう形で表が成り立っていますが、日本はそうはいかないというところに何か今の産業廃棄物の複雑さを感じてしょうがいないんですが、所感でございます。

○小早川座長 先ほどお話の中にもありましたけれども、アメリカはこれは連邦制ですから各州の単位、税制の換算というのは当然かと思いますが、その諸外国で国税、地方税の関係でどういうふうな全体的な位置づけないし相場なり、そんなものがあるのかというようなことも、もしどなたか適切な情報があればお出しいただければと思いますけれども。

○神野委員 北欧諸国は、私の理解が正しければ国税のタックスとしてはないと思いますね、こういう税金は。あります?

○飯野委員 埋め立ての部分だけがそうで、焼却の部分は料金なんです。集める方法は料金なんです。

○神野委員 ですよね。それで、僕は全部見たわけではないのでウプサラ大学に行ったときにウプサラ市の処理場を見せていただいたんですけれども、普通の一般のごみはさまざまな形で分別してきちっと処理されますよね、ですからこれは無料で全部なるんだけれども、企業が出したもののうちつい分別できずに持ってきちゃったものについては車ごとで重さはりかますよね。車ごとで重さをはかってお金をとるというやり方をとっていたので、聞いたらばそのウプサラ市はこの方式でやっているけれども、ほかの市は別な方式でやっているという話ですから、かなりこの……

○飯野委員 ただね、その埋め立てをする廃棄物については全国一律の税金に今度変えたの。だけれども、集める方は地方自治体が勝手に料金を決めて集めているわけで、そういうのを書けば日本だけがばらばらというわけじゃなくて……

○神野委員 基金でプールになってデボジションというか、戻すわけですよね。

○飯野委員 それもあるらしいんですけれども、私ももう少し詳しく調べてみますけれども、ただ、ですからここに一覧表になっているほど外国は単純ではなくて、やっぱり外国も日本と同じように細かく調べれば結構いろいろあると私は思っています。

○小早川座長 その処分場の場合、処分場そのものの設置管理はだれがどういうシステムでやっているか、そのことが一つ前提になると思いますけれども、日本の場合ですと、先ほどもちょっとお話がありましたよね。その民間の処分施設と、それから公共関与が入ってきているという、そういうちょっと日本は微妙な段階で、そこでこの何のためにそれをどこに使うのかという先ほどの議論が出てくるわけですよね。その辺は当然絡んでくるわけですよね。

○神野委員 これは埋め立てか焼却かというのはちょっとあれですが、基本的には私も最初に持っていくところでちゃんと処理するのはコミューン、ですから市町村の仕事です。ですから、これは一般廃棄物と産業廃棄物の区分がありませんので、その処理についてはコミューンが責任を持つと。それで、このコミューンのごみ処理会社にする場合がありますけれども、この会社といっても日本の株式会社とちょっと違っていて、そこで働いている人々がかなり株主になっちゃっていて、日本でいうと独立法人の親戚みたいな形でもって株式会社にしていますので、民間で私のところは株式会社にしていますというとミュージアルカンパニーですから、ちょっと日本のイメージとは違ったことでやっているというのが私の理解です。

○飯野委員 日本の公社みたいな形だと思いますけれども、ただ、公社というのは株式会社ではないですから、それはややいろいろ形態があると思いますけれども、ですから、その経営が何とかという日本でいう民間というのはほとんどないと思います。ただ、公的といっても株式会社の公的なものもこう言うわけで、公的だと思いますけれども、もう少しちゃんと正式に答えられるように準備しておきますけれども、少なくもと北欧に関する限りはこんな1行で書けるようなものではないので、日本も我々細かいことがわかる限りに1行じゃないということがわかるわけで、細かいことがわかれば多分各国も同じで日本は必ずしも異様だとは言えないと思いますけれども。

○松澤産業廃棄物課課長補佐 今議論になっております点について私ども既存の資料がございますので、恐らく海外でどういう政策がとられているかというときに、だれがどういう役割で産業廃棄物なり家庭というようなものを処理しているかということは当然関連がありますので、ぜひ整理して、単純でないのが廃棄物の処理の主題についてもそうだと思うんですけれども、ご紹介したいと思います。
 それで、ヨーロッパの国によって若干違いますが、例えばこの産業廃棄物について見ますと、少し前はドイツは連邦制をとっておりますけれども、州なり州より少しサイズの小さい地方公共団体が関与した形で最終処分場というものをつくって、そこに産業廃棄物の排出事業者が持ってこなければいけないと、こういう義務を排出事業者にかけていて、最終処分場という部分については公的主体で管理をしてきておりまして、それで日本でいうところのいわゆる公社という方式だろうと思いますけれども、それで基本的にはそのビジョンを上げることを目的にしないで産業廃棄物の処分場を管理していくと、こういう形で行われてきておりました。
 恐らく、これはサッチャー政権でいろんな民営化というのがさまざまな公共分野で導入されたかと思うんですが、その影響もあるかと思うんですけれども、2000年になる前の段階から、そういった公社であったものが利潤目的で企業として最終処分場の運営管理をやっていくと、こういうスタイルにドイツでは転換をして、それにあわせてそういった最終処分場に持ち込まなければいけないという義務でなくて、排出事業者が我が国と同じような形で責任を処理については負うと、そういう形でこの産業廃棄物のマーケットというのが公的主体が独占して、あるいはそれに近い状態からフリーマーケットといいますか、そういうものに関連上は変わるような形で、もちろんただ処分場は元は公共主体だったところが民営化すると、そういう形になっているというのが基本的には恐らくヨーロッパ、小さな国は公共関与のままかもしれませんけれども、そういう可能性が、同じような可能性を持っているんではないかと思いますので、そのあたりの情報をちょっと次回にでも提供させていただきたいと思います。

○小早川座長 ほかにいかがでしょうか。

○細田委員 各国の事情をもちろん正確に把握することはとても重要なことでぜひやっていただきたいと思うのですが、そのときにこの表をもとに、第1ページの表を見てみると、これ、いわゆる我が国の一廃と我が国の産廃両方入っていますよね。チェコなんかは両方入っている。つまり、我が国のいわゆる私たちが慣れ親しんだ一廃、産廃の区別というのはそのままこれではコンパチブルではないわけですよね。
 特にこの4ページにあります19というか、アペンデックスでこれMunicipal Waste onlyとなっておりますから、どちらかというと市町村の我々でいうところの一般廃棄物に対応するものが多いのかもしれない。だけど、それかといってこれを一般廃棄物と言っていいのかどうかわからないので、議論するときにはやはり我々のいわゆる一廃、産廃の区別というものは恐らく各国によって相当違うようだし、この表のイーストとは大分ずれができてくるということを理解しつつ私は議論する必要があると思います。

○小早川座長 おっしゃるとおりだと思います。ほかにございますか。
 それでは、まだちょっと時間が、予定の時間までまだちょっとありますので、あるいは先ほどの三重県さんのご説明に戻って何かご発言をいただいてもいいんですが、何かございますでしょうか。
 はい、三本委員。

○三本委員 この検討会におきまして、最終的な取りまとめがされた場合に軌道修正はされるんですか。例えば、各県で今進めていらっしゃいますよね。現に実施されているところ、あるいは検討されているところもかなりの数に上がっていますけれども、最終的には、例えば標準化とかそういうもので全国的に見直しができるということなのでしょうか。

○小早川座長 どういう結論が出るかはまだわからないんですが、それによってどうなるかと、何かありますか。

○松澤産業廃棄物課課長補佐 今各県で取り組まれています税につきましては、地方税法の中で認められている仕組みで、ある意味で適法なりのやり方で公正にやられているというふうに私どもも理解しております。
 私どもの産業廃棄物行政という分野からも見ても、非常に大変なこの行政分野で、そういった行政分野の職員の方が政策目的で財源をその税に求めてよりハイレベルの政策を展開していこうというのは、トータルで見ますと産業廃棄物行政全体から見ますと非常に有益ではないかなと。行政の立場から見ますとそういうことなんですけれども、ただそこは納税者の方も当然いらっしゃいますので単純な問題ではないと思いますけれども、それで、私ども環境省は一応その全国的な視点で産業廃棄物行政をどうやっていくかと、産業廃棄物の処理をどういうふうに円滑にやっていくかということを考える役割を持っていますので、そういう立場で今地方公共団体がそれぞれ努力されていることについて、我々としてどう理解して地方公共団体をどうサポートするなり我々の考え方を示していくかということをこの検討会の委員の皆様に議論を勉強させていただいて使っていこうといいますか、展開していこうということでございますので、必ずしも地方が今おやりになっていることは、これは法律に基づいてやられていることですので、それを強制的にどうかするということではないんではないかというふうに思っております。

○小早川座長 今の論点は、1つは現行制度で言えば、この現に各地方公共団体で採用されようとしている、これを認めるか認めないかというのは、これは地方税法の仕組みの中で決まっていくような話であって、そこで認められたものをいやだめだと言う権限はほかのところにはないわけですよね。
 みずからまたそこで認められていないということならば認められないということになるわけですが、他方で、この産業廃棄物問題についての環境省の政策の方向をどうするかということがここ数年検討が進められていて、その検討の過程の中で経済的な形での何か対応を考える余地はあるだろうというようなことがこれまでの検討の中で出てきて、きょうもやっていますこの検討会というか委員会ですかね、これもそういう従来の検討を踏まえて、じゃあ産業廃棄物行政というものをどう考えればいいのかねという、そういうことだろうと。
 これは、その方向性がないわけではないと思いますが、ただ、この検討会の検討の結果、じゃあ各自治体さんに対してどういうことを、直接に何か言うということにはならないんだろうと思うんですね。その辺がちょっと微妙な、そこは我々のやっていることが最終モードでどういうところを目指しているのかということみたいな問題はあると思いますが、さらに考えていかないと行き先は見えて来ないということだと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、きょうのこの自主的なご討議はこの程度にさせていただこうかと思いますが、本日は、三重県さんのお話を初めとしまして貴重なご意見がたくさん出されましたので、これを今後の検討の中で生かさせていただきたいと思います。
 では、事務局から連絡事項がございますでしょうか。

○松澤産業廃棄物課課長補佐 次回以降の日程につきましては、お手元の日程調整表を回させていただいているかと思いますが、ご記入いただいたものを事務局の方で調整させていただきまして、座長さんともご相談して決めさせていただきたいと思います。
 今事務局の方で考えおりますのは、次回は、きょう議会の関係でお越しいただけませんが北九州市さんに、きょう三重県さんにご紹介いただきましたように北九州市の税についてご説明いただこうと思っています。それから、できましたら北東北の青森県、岩手県、秋田県、この3県で調整をして税条例をつくられていらっしゃいますので、またその周辺のことも含めまして3県の方の1県の方にお願いをしまして、あわせて説明をしていただこうと。それから、中国3県、鳥取、岡山、広島県も、これも3県で調整をして条例をつくられておりますので、このうちの1県の方にお願いをして、都合その2県1市にお話を次回はお話をしていただきたいというふうに今考えております。
 それから、第1回の議事録を各先生方から修正のご指摘をいただいて直したものをお手元にお配りしております。この議事録案を公開させていただこうと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次回、3自治体を予定しておりますので、多少時間を2時間より30分ぐらい長くさせていただくかもれません。そのあたり、場所と日程等含めましてまた次回の予定が決まり次第ご連絡をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○小早川座長 それでは、よろしゅうございましょうか。
 では、本日はこれで閉会にしたいと思います。長時間にわたり、貴重なご意見をありがとうございました。

午後3時53分閉会