◎はじめに | |
近年、社会問題化している廃棄物の不法投棄問題や産業廃棄物の処理の適正化等についての社会的な要請を踏まえ、廃棄物処理法はこれまで数次にわたり改正され、特に、平成12年度の改正により、排出事業者の責任が大幅に強化されたところである。 そのため、排出事業者の間において、円滑な事業運営を続けていくためには、信頼できる産業廃棄物処理業者の選定が極めて重要な要件であるという認識が高まっている。さらには、産業廃棄物処理業者の選定を行う際の判断材料としての「産業廃棄物処理事業者の評価・格付け」が強く要請されるようになってきている。 一方、産業廃棄物処理業者側においても、一部の不心得者による不法投棄等が大きく報道されるにつけ、処理業界全体が社会的に厳しい見方をされるという状況におかれることを懸念し、自らの適正かつ確実な処理を行う能力に対する客観的評価・格付けに向けての取組みは、産業廃棄物処理業界における情報開示の一つの試みとして、その透明性の向上に寄与するものであり、結果的に優良な処理業者の育成につながるとの意識変化がみられるようになってきている。 また、こうした一連の試みによって、排出事業者が容易に優良な処理業者を委託先として選定できるようになり、両者の利益に適うのみならず、産業廃棄物処理を中心とする、いわゆる静脈産業全般に対する社会的な信頼性を向上させることにもなると見込まれる。 このような状況を踏まえ、こうした産業廃棄物処理に対する社会的要請に応えるため、本検討調査は、産業廃棄物処理業者の格付けのためのモデル的な手法をとりまとめ提案し、もって格付けを行おうとする機関等が、その役割を果たすことのきっかけとなることを期待するものである。 |
目 次
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