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(旧厚生省情報)


平成11年6月21日
<照会先>
厚生省生活衛生局企画課
 室  長   平山一男(内線2421)
 課長補佐  阿部重一(内線2415)
 課長補佐  高橋俊之(内線2420)
 室長補佐  山本 史(内線2423)
環境庁企画調整局環境安全課環境リスク評価室
 室  長   上田博三(内線6340)
 室長補佐  牧谷邦昭(内線6341)

ダイオキシンの耐容一日摂取量(TDI)について

1.概要

 ダイオキシンの耐容一日摂取量(TDI)について、環境庁の中央環境審議会並びに厚生省の生活環境審議会及び食品衛生調査会において合同で検討が行われてきたが、6月21日(月)に報告書がとりまとめられる。

2.報告書の結論

○当面のTDIを4pg/kg/日とする。

・TDIの算定の基本的考え方は、WHO専門家会合と同じものを採用。

・各種動物試験の結果を総合判断し、86ng/kgをTDIの根拠とする体内負荷量とし、この値から人の一日摂取量を求め、不確実係数10を適用して算出。

・WHOでは、当面、現在の先進諸国での暴露量が耐容しうると考えられることから、4pg/kg/日を最大の耐容摂取量とし、究極的には1pg/kg/日未満に低減することを目標としており、我が国でも現在の暴露量は耐容しうると考えられる。

・なお、いくつかの動物実験では、体内負荷量86ng/kg以下の水準でも微細な影響が認められており、今後とも調査研究が必要。


(参考)

○耐容一日摂取量(TDI:Tolerable Daily Intake)は、人が一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと判断される体重 1kg当たりの1日当たり摂取量。

○ダイオキシンのTDIは、平成2年のWHO専門家会合で10pg/kg/日とされ、我が国でも、平成8年に厚生省の研究班が10pg/kg/日とした。環境庁の検討会は、平成9年に健康リスク評価指針値として5pg/kg/日を示した。

○平成10年5月のWHO専門家会合では、「TDIは1~4pg/kg/日とし、4pg/kg/日を当面の最大耐容摂取量、究極的な目標としては摂取量を1pg/kg/日未満に削減が適当」とした。

○これを踏まえ、我が国でも、環境庁と厚生省が共同で見直し作業を行ってきた。

*10年6月 厚生省は、生活環境審議会及び食品衛生調査会の下に「ダイオキシン類 健康影響評価特別部会」を設置
11年1月 環境庁と厚生省で共同で検討するため、上記特別部会と「中央環境審議会環境保健部会ダイオキシンリスク評価小委員会」との合同会合を開催
3月 ダイオキシン対策推進基本指針で、3か月以内にTDIを見直すとした
6月 3回の合同会合と、7回のワーキンググループ会合を経て、結論に至る



ダイオキシンの耐容一日摂取量(TDI)について