浄化槽フォーラム in 江南(平成27年11月21日開催)
「浄化槽フォーラム in 江南」が愛知県江南市において開催されました。
「浄化槽フォーラム」は、浄化槽の普及促進を通じて水に関する環境保全を図るとともに、NPO等関係者の全国的なネットワーク作りによって保全活動を活性化させることを目的としています。
広大な濃尾平野を背景に構える愛知県は、木曽川ほか多くの河川が流れ込む閉鎖性内湾とラムサール条約にも登録された藤前干潟を有しており、それらの水環境保全、生物の多様性等を維持していくためには、官民一体となった水質保全活動が不可欠です。
今回のフォーラムでは、「浄化槽を通じた水環境の保全の環(わ)を広げよう!」をテーマに、愛知県の水環境保全と生活排水処理施設の整備についてどうあるべきか等、様々な視点からの意見交換が行われました。
環境省と浄化槽フォーラムの共催で実施された平成27年度「浄化槽フォーラム in 江南」について紹介します。
開催概要
日時
平成27年11月21日(日)13時00分~17時00分
会場
江南市民文化会館
主催
環境省、浄化槽フォーラム
協力
愛知県、江南市、(一社)愛知県浄化槽協会、(一社)浄化槽システム協会、 愛知県合併処理浄化槽普及促進協議会、全国浄化槽推進市町村協議会、 NPO法人エコネットくまがや、NPO法人藤前干潟を守る会、 NPO法人トンボと水辺環境研究所、(公財)日本環境整備教育センター
プログラム
開会(13時00分~)
主催者挨拶
- 浄化槽フォーラム代表理事
- 北尾高嶺(豊橋技術科学大学名誉教授)
- 環境省大臣官房廃棄物リサイクル対策部浄化槽企画官
- 吉川圭子
来賓挨拶
- 江南市長
- 澤田和延
基調講演(13時15分~)
- 小川浩
- (常葉大学社会環境学部教授)
人口が減少し、存続すら危ぶまれる自治体もあるなか、生活排水処理事業は今後どのように展開してゆくべきか。将来に渡る安定した展開のために、生活排水行政の実例紹介や、下水道か浄化槽かという区別を超えた管理の在り方等を講演。
事例発表(14時00分~)
愛知県における浄化槽の現状について(愛知県)
愛知県の公共用水域の水質の現状や浄化槽の設置状況について。また浄化槽設置費補助金について等、県における具体的なデータを示しながら浄化槽をとりまく環境を解説。
「補助金でますか?」浄化槽整備事業のお話し(全国浄化槽推進市町村協議会)
合併処理浄化槽を推進する全国47都道府県・1354団体が結集した「全国浄化槽推進市町村協議会」の事務局より、単独処理型から合併処理型への進化と、合併処理浄化槽設置のための補助金について等を解り易く紹介。
浄化槽の開発動向と歴史((一社)浄化槽システム協会)
浄化槽メーカーの団体である「浄化槽システム協会」として、浄化槽の開発のポイントと歴史、最新型浄化槽のコンパクト化・高機能の秘訣等を解説。
パネルディスカッション・質疑応答(15時15分~)
パネリスト
- 山田胤雄
- (NPO法人エコネットくまがや 副代表理事)
- 亀井浩次
- (NPO法人藤前干潟を守る会 理事長)
- 赤星たみこ
- (漫画家、エッセイスト)
- 川口邦彦
- (NPO法人トンボと水辺環境研究所 理事長)
コーディネーター
- 小川浩
- (常葉大学社会環境学部教授)
「浄化槽を通じた水環境の保全の環(わ)を広げよう!」をテーマに、アクティブな活動を展開する4名の活動を紹介し、意見交換をおこなった。
- NPO法人エコネットくまがや
- 20年以上浄化槽の研究を続け、水環境保全活動を続ける山田氏を中心に設立されたNPOが行う「出前環境講座」の実演紹介。埼玉県内の大人も子供も参加する啓発活動で成果をあげている。
- NPO法人藤前干潟を守る会
- ゴミ処分場不足から埋め立てを計画されていた藤前干潟。綿密な調査と明解な分析を示すことで干潟を守り、干潟のラムサール条約登録に貢献。これまでの活動報告とこれからの展望。
- 漫画家、エッセイスト赤星たみこ氏
- 浄化槽ユーザーとして、合併処理浄化槽の魅力を発信し続ける赤星たみこさんの啓発講演。
- NPO法人トンボと水辺環境研究所
- ビオトープ管理士達が中心となって活動するNPOが、コンクリート護岸によって生き物の棲みづらい川となった五条川の再生に立ち上がった。環境教育も兼ねた活動報告。
閉会(17時00分)
閉会挨拶
- 浄化槽フォーラム副代表理事
- 竺 文彦(龍谷大学理工学部教授)