報道発表資料本文

(参考2)

持続可能な開発に向けた途上国の研究能力開発・向上プログラム
(CAPaBLE)



1.概要

 ヨハネスブルグサミットにおけるタイプIIパートナーシップイニシアティブのひとつとして、我が国は、「持続可能な開発に向けた途上国の研究能力開発・向上プログラム(CAPaBLE)」を提唱した。本プログラムを、政府間の地球環境研究ネットワークであるアジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)の活動の一環として実施していくことが、APN第8回政府間会合において了承された。
 本プログラムは、アジア太平洋地域の途上国が自らの知見に基づき地球温暖化の影響評価、適応策、緩和策に関する意思決定が可能となるよう、研究者の科学的能力の向上を図り、地球規模の取組への途上国の参加を促進するものである。


2.事業内容

 平成15年度から3年計画で途上国の科学的能力の向上を集中的に行うため、途上国の有力研究者による地球温暖化に関する国際共同研究プロジェクト、若手研究者に対する能力向上プロジェクトを展開し、その成果を政策決定者に提供・普及する。
(1) 途上国有力研究者による国際共同研究プロジェクト
 将来の政策決定に貢献する温暖化研究として、国際公募により採択された「気候変動が水資源・食料生産に及ぼす影響評価に関する研究」、「気候変動の緩和策及び持続可能な開発のための統合アセスメントモデルに関する研究」の2つの途上国有力研究者による研究を推進する。これらの研究は、IPCC第4次評価報告書への貢献が期待され、研究計画の策定から実施までのあらゆる過程において、途上国研究者のイニシャティブの下で実施される。
(2) 若手研究者を対象とした科学的能力向上プロジェクト
 途上国の温暖化に関する科学的能力の底上げを図るため、若手研究者を対象とした科学的能力向上を戦略的に支援する。具体的には、[1]アジア太平洋地域能力向上ワークショップの開催、[2]南北アメリカ、欧州・アフリカ等他地域のネットワークとの合同ワークショップの開催、[3]国レベルのトレーニング及び意識啓発活動等を行う。
(3) 研究成果の政策決定過程への反映
 エコアジア等の既存のフォーラムを最大限活用し、アジア太平洋地域の政策決定者や一般市民にAPNの研究成果を提供し、意思決定プロセスへの科学的成果の反映を図る。




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