報道発表資料本文

別添

【環境省見解】

関西国際空港2期事業に伴う環境影響検討調査報告書に対する環境省の見解について


 平成11年7月、環境庁長官(当時)は、関西国際空港2期事業に係る公有水面埋立免許の認可に際して、工事途中及び埋立地供用後における環境影響等の検討結果のレビュー等を求める意見を運輸大臣(当時)及び建設大臣(当時)に提出した。
 今般、貴職より、本年7月7日付で、工事途中におけるレビューとして、事業者により作成された関西国際空港2期事業に伴う環境影響検討調査報告書の提出があったところである。
 これに対して、下記のとおり見解を述べるので、関西国際空港2期事業の今後の工事及びその後の供用に際して、関西国際空港株式会社、関西国際空港用地造成株式会社をはじめとする関係機関と十分な連携を図りつつ、特段の配慮をお願いしたい。

  1. 底質の環境監視結果について
     空港島周辺の底質の全硫化物の観測値は、着工前の出現範囲を超える高い値を示す環境監視点も見られることから、引き続き監視を継続し、底質の嫌気化等に注意する必要がある。
     
  2. 海水の流れの調査について
     埋立事業に関して、海水の流れの変化は、水質、底質、海域生物等に影響を与える重要な環境要因であることから、海水の流れの変化を把握していくことが重要である。
     このため、護岸の開口部を閉鎖した段階で、海水の流れの調査を行い、空港の存在に伴う海水の流れ等について速やかにレビューを行う必要がある。
     
  3. 今後のレビューについて
     今後、環境監視結果を踏まえ、2期アセスで示された空港の存在、運用等が環境に及ぼす影響に関する予測結果についてレビューを行うこととなるが、この中で、空港の存在に伴う海水の流れ等への影響、並びに空港の存在及び空港の運用に伴う空港島周辺海域における水質、底質、海域生物等への影響については、それらの相互の関連も勘案して、レビューを行う必要がある。
     なお、レビューの方法、時期等の検討に当たっては、レビューが、単に予測結果を事後的に確認するものではなく、事業の前提となる条件や環境の変化を勘案し、必要に応じアセスにおける予測対象時期に達する以前に影響の再予測を行い、その結果を環境保全措置に反映させていくことをねらいとするものであることを踏まえて行う必要がある。




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