報道発表資料本文

「紀伊山地の霊場と参詣道さんけいみち

  1. 遺産の概要

     日本古来の自然崇拝に基づく神道、大陸から伝わって発展した仏教及び神道、仏教、道教が融合した修験道などの霊場(「吉野・大峯」、「熊野三山」、「高野山」)と、それらを結ぶ参詣道(巡礼路)から成る。
     「高野山」は、9世紀初頭に空海が開創した真言密教の道場で、その仏教伽藍は真言寺院の規範となっている。「熊野三山」は、12世紀以来皇族、貴族の信仰を集め賑わいをみせた神道、修験道の地である。「吉野・大峯」は、古代から山岳宗教の場として修験の本山とされ、中国にも名が伝わった地である。
     霊場を結ぶ参詣道は信仰の拡大とともに順次整備され、今日においても良好な形で遺存するとともに参詣や物資の運搬の道として使われており、沿道に展開する原生林などの森林とも相まって、独特の文化的景観が形成されている。

     
  2. 構成資産の内容

     「紀伊山地の霊場と参詣道」は、修験道の拠点である「吉野・大峯」、熊野信仰の中心地である「熊野三山」、真言密教の根本道場である「高野山」の三霊場及び、それらを結ぶ「参詣道」から構成される。

    (1) 霊場「吉野よしの大峯おおみね
    吉野山よしのやま吉野水分神社よしのみくまりじんじゃ金峯神社きんぷじんじゃ金峯山寺きんぷせんじ吉水神社よしみずじんじゃ大峰山寺おおみねさんじ

    (2) 霊場「熊野三山くまのさんざん
    熊野本宮大社くまのほんぐうたいしゃ熊野速玉大社くまのはやたまたいしゃ熊野那智大社くまのなちたいしゃ青岸渡寺せいがんとじ那智大滝なちのおおたき那智原始林なちげんしりん補陀洛山寺ふだらくさんじ

    (3) 霊場「高野山こうやさん
    丹生都比売神社にうつひめじんじゃ金剛峯寺こんごうぶじ慈尊院じそんいん丹生官省符神社にゅうかんしょうふじんじゃ

    (4) 参詣道さんけいみち
    大峯奥駈道おおみねおくがけみち玉置神社たまきじんじゃを含む)、熊野参詣道くまのさんけいみち中辺路なかへち(熊野川くまのがわを含む)・小辺路こへち大辺路おおへち伊勢路いせじ(七里御浜しちりみはま花の窟はなのいわやを含む)>、高野山町石道こうやさんちょういしみち


     
  3. 保護の担保措置

    (1) 自然公園法  :吉野熊野国立公園、高野龍神国定公園
    (森林を含んだ霊場全てと参詣道の一部が自然公園と一致)

    (2) 文化財保護法:史跡・名勝・天然記念物14件
    国宝・重要文化財27棟の建造物

     



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