報道発表資料本文

「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価) 報告書(その3)」に対する環境大臣の助言について



 2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価については、平成14年5月に「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書(案)」に対する環境大臣意見(以下「平成14年環境大臣意見」という。)、並びに「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その1)」、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その2)」及び「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(モニタリング調査)報告書(平成14年度)」に対する環境大臣助言を述べたところであり、これらについては引き続き適切に対処される必要がある。この意見、助言に加え、今般、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その3)」(以下「追跡調査報告書」という。)が送付されたことから、環境保全上必要な助言を下記のとおり述べるものである。

(1)  名古屋空港駐車場に係る浮遊粒子状物質及び騒音についての検討及び保全対策 名古屋空港駐車場に係る浮遊粒子状物質及び騒音については、追跡調査報告書において、現空港機能移転前と比較してそれらの程度が小さくなることをもって環境影響は小さいと判断しているが、供用時の駐車場及びその周辺の沿道における浮遊粒子状物質並びに駐車場における騒音に係る環境影響がなお懸念されるため、その影響を定量的に検討するとともに、必要に応じ環境保全対策を実施すること。また、その検討結果については供用時までに公表すること。

(2)  駐車場に係る浮遊粒子状物質及び騒音についての保全対策 追跡調査報告書において、駐車場及びその周辺の沿道における浮遊粒子状物質並びに駐車場周辺の沿道における騒音が、工事中及び供用時に環境基準値を超過する等の高い水準にあることから、これらの環境影響を可能な限り軽減するため、次のような措置を実施する必要がある。
[1]  「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価書」、「2005年日本国際博覧会に係る環境影響評価追跡調査(予測・評価)報告書(その1)」及び追跡調査報告書に記載されている環境保全対策の実施にあたっては、工事の平準化や資材等の搬出ルート・時期の分散化の徹底、鉄道等の公共交通機関へ来場者の積極的な誘導の徹底、アイドリングストップの励行の強化、シャトルバスへの低公害車の積極的な導入、駐車場周辺の渋滞対策の強化等について、最大限の効果が得られるよう具体的な内容を十分検討し、その結果に基づき強力に推進すること。
[2]  工事中及び供用時における円滑な交通の確保や自動車交通の抑制のための対策について、関係機関と連携して検討し、実施されるよう措置すること。

(3) ダルマガエル等の貴重な動物についての保全対策
[1]  ダルマガエルについては、尾張旭駐車場予定地内を中心として生息しており、周辺の生息地も含め事業による影響を受ける範囲が広いと考えられることから、改変が可能な限り少なくなるよう、工事計画をさらに検討すること。
 また、移動を行う場合には、専門家の意見を聞き、ダルマガエルの生息に適した環境を確保した上で行うこと。
[2]  一部の駐車場内及びその周辺では、ツマグロキチョウ等の貴重な動物が生息することから、平成14年環境大臣意見の中「4 具体的な環境モニタリング計画の策定及びそれに基づく対応」に基づき、工事中及び供用時において適切な措置を実施すること。




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