報道発表資料概要


「IT技術利用エコドライブ診断モデル事業」について 〜事業実施結果〜
本文


  1. 「IT技術利用エコドライブ診断モデル事業」の内容
      
      本モデル事業は、エコドライブの普及のため、乗用車を保有している一般家庭(地域協議会が選定)を対象にIT技術を活用したエコドライブ診断を行ったもの。
      診断は、対象とする自動車に燃料噴射量、エンジン回転数、走行速度などの運転情報を自動的に収集するための車載機を設置し、その情報を無線パケット通信網を利用してセンターに集約して、モニター車両の運転状況や燃費、CO2排出量などの解析を行ったもの。運転者に対して、エコドライブを促すための具体的でわかりやすいアドバイスを含む診断結果情報と、燃費やCO2排出量等の走行履歴情報を、電子メールやホームページを通じて提供した。
    別紙:全体イメージ図、電子メールによる診断結果情報の提供画面
     
     
  2. 事業実施地域等
      
    (1)事業実施地域協議会及び車両台数:全国5ヶ所(車両 全111台)
    地球温暖化対策地域協議会名 参加車両台数 担当窓口
    環境の保全と創造に関する旭川地域協議会 18 北海道地球温暖化防止活動推進センター(財団法人北海道環境財団)
    さっぽろ地球温暖化対策地域協議会 19 北海道地球温暖化防止活動推進センター(財団法人北海道環境財団)
    宮城県地球温暖化対策地域協議会準備会議 32 ストップ温暖化センターみやぎ(財団法人みやぎ・環境とくらし・ネットワーク)
    上越市地球温暖化対策地域協議会 17 上越市産業環境部環境企画課
    東大阪地球温暖化対策地域協議会 25 東大阪市保健衛生部環境保全室
    合計 111  
      
    (2)事業実施期間:平成15年2月(1ヶ月間)

    期間の分類 期間 内容
    情報提供前 2/1〜2/9 エコドライブに関する参加者への情報提供は行わない。モニター車両からの走行データのみを計測・収集。
    情報提供後 2/10〜2/28 CO2排出量、燃料消費量等の走行履歴、及び診断結果を参加者に電子メールやホームページにて情報提供。
     
      

  3. モデル事業の実施結果
      
     エコドライブ診断情報の提供前後での平均CO2排出量の推移を表1及び図1に示す。
     ※ なおCO2削減効果の比較には車両一台10km走行時のCO2排出量(kg-CO2/10km)を用いる。
      

    表1 地域別平均CO2排出量(10km走行時)の推移

    項目 旭川 札幌 仙台 上越 東大阪 全体
    情報提供前(2/1〜2/9) 2.66 2.55 2.27 2.29 2.95 2.49
    情報提供後(2/10〜2/28) 2.61 2.48 2.16 2.04 2.52 2.35
    削減量 0.05 0.07 0.11 0.25 0.43 0.14
    削減割合 1.85% 2.60% 4.79% 11.11% 14.67% 5.81%
      
    図1 地域別平均CO2排出量(10km走行時)の推移
    図1 グラフ
      
      エコドライブ診断モデル事業実施の結果、今回実施したすべての地域でCO2排出量が削減され、全地域協議会の平均では5.8%のCO2排出量の削減(車両一台10km走行当たり0.14kg-CO2の削減)効果が得られた。
      また、車両挙動(車両の運転状況)別のCO2排出割合では、診断情報の提供後にはエコドライブに好ましい「等速走行」に若干の増加が認められ、エコドライブに好ましくない「アイドリング」、「通常走行」及び「空ぶかし」については減少が認められた。CO2削減効果を比較すると、アイドリングにおけるCO2削減割合が13.2%と最も高く、次いで空ぶかしの7.0%であった。このことから、アイドリングストップのCO2削減効果が大きいことがわかる。(表2及び表3参照)
      このほか、年齢層別では高齢であるほどCO2削減割合が大きい傾向が見られ、20代のCO2削減割合が4.7%であったのに対し、50代では8.5%であった。
      

    表2 車両挙動別 平均CO2排出量(10km走行時)割合の推移

    項目 アイドリング 等速走行 通常走行 空ぶかし 急加速
    情報提供前(2/1〜2/9) 12.64% 36.61% 48.15% 2.08% 0.52%
    情報提供後(2/10〜2/28) 11.62% 37.70% 48.08% 2.05% 0.56%
      

    表3 車両挙動別 平均CO2排出量(10km走行時)絶対値の推移

    項目 アイドリング 等速走行 通常走行 空ぶかし 急加速
    情報提供前(2/1〜2/9) 0.3146 0.9115 1.1990 0.0518 0.0130
    情報提供後(2/10〜2/28) 0.2731 0.8859 1.1298 0.0482 0.0131
    削減量 0.0416 0.0256 0.0693 0.0036 -0.0001
    削減割合 13.21% 2.81% 5.78% 7.03% -0.57%
     ※ CO2排出量の単位は(kg−CO2/10km)
     
     
  4. 今後の予定
     
     今回のモデル事業により、エコドライブはCO2削減に相当程度効果があることが確認されたが、事業実施期間が積雪時期であったこともあり、北海道地区の削減割合についてはさらに検証を要すると思われるため、今後夏期において同様のモデル事業を実施(予定)するとともに、これらの結果を活用してさらにエコドライブの普及促進を図っていく方針。
     



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