報道発表資料概要


「温暖化対策診断モデル事業」について
~平成14年度の診断結果のとりまとめ~
本文




  1. 「温暖化対策診断モデル事業」の内容
     
      本モデル事業は、温暖化対策診断を一般世帯において実施し、併せて民生部門における温室効果ガス排出実態を把握するもの。
      本診断は一般世帯における温室効果ガスの排出実態を把握し適切な助言を行うため、地域協議会が選定する地球温暖化防止活動推進員等の診断員が一般住宅における家屋構造、屋内施設・機器、これらの使用方法(ライフスタイル)等について調査(アンケート+訪問調査)を行い、その結果に基づき、可能な事項については訪問時に助言するとともに、その他詳細な事項については、データ解析等の後に各世帯の実態に即した温暖化対策について詳細な助言を行い、家庭における地球温暖化対策への取組を促進する。
     
      
  2. 「温暖化対策診断モデル事業」の特徴
     
    診断員が対象世帯を直接訪問しての調査
        これまでインターネット等を通じ類似した診断を行うことはできたが、診断員が各世帯を直接訪問することにより、より実態に即した診断が可能となった。
    1地域200世帯以上の診断
      地域協議会を通じ、地域で200世帯以上を調査することにより、同一地域内の世帯・住宅状況が類似した家庭との比較が可能になり、家庭のライフスタイルの違いによる二酸化炭素排出量の違いを示すことができるようになった。
    全参加世帯に個別の温暖化対策診断書を配付
      温暖化対策診断書を全参加世帯に配付することで、積極的に排出量削減に対して行動する家庭のみならず、これまで積極的に行動していない家庭に対して、排出量を減らすための正確な情報ときっかけを与えることができるようになった。
      
      
  3. 事業実施地域協議会及び世帯数:全国5ヶ所(全1,279世帯)
      
    温暖化対策診断モデル事業実施
    地球温暖化対策地域協議会名
    参加
    世帯数
    担当窓口
    環境の保全と創造に関する
    旭川地域協議会
    201 北海道地球温暖化防止活動推進センター
    (財団法人北海道環境財団)
    さっぽろ地球温暖化対策
    地域協議会
    202 北海道地球温暖化防止活動推進センター
    (財団法人北海道環境財団)
    そでがうら地球温暖化対策
    地域協議会
    227 特定非営利活動法人
    サポート技術士センター
    岸和田市地球温暖化防止
    市民協議会
    402 岸和田市環境部環境保全課
    大和町地球温暖化対策
    地域協議会
    247 広島県地球温暖化防止活動推進センター
    (財団法人広島県環境保健協会)
    合計 1,279    
     
      
  4. 調査結果の概要
      
    (1) 温室効果ガス削減対策診断結果
     全般的事項
       90%を超える家庭で待機電力対策が必要
       調査により、例えば、91%の家庭でテレビ、89%の家庭でVTRから待機電力が発生していることが明らかになった。また、パソコンを所有している家庭のうち60%においてパソコンのコンセントが入れられたままであり、仮にパソコンの電源をオフにしていてもACアダプターで電力が消費されており、この点でも待機電力対策が必要であることが分かった。
     冷房・暖房
       80%を超える家庭でエアコンフィルターのつまりによる電力使用量増加の可能性
       エアコンを所有する家庭のうち19%のみが2週間に1回以上フィルターを掃除しており、その他のほとんどの家庭では年に数回しか掃除が行われていないことが分かった。1日8~10時間運転すると2週間で風量が5%ほど低下すると試算されている*
       *出典:社団法人 環境情報科学センター http://www.ceis.or.jp/ecolife/eco1.html
     給湯
       50%の家庭で入浴時間がバラバラになり給湯エネルギー消費からの二酸化炭素排出量が増加
       一年中風呂を沸かす家庭のうち50%において家族の入浴時刻がバラバラでよく追焚きや差し湯を行っていることが分かった。また、25%の家庭においてシャワーを出しっ放しで使用していることが分かった。
     その他
       各世帯の調査結果に基づいて、37項目(冷房5、暖房7、給湯・厨房4、照明・コンセント14、住宅7)の温暖化対策から、特にその世帯が取り組む必要のある対策を診断書に記載した。5地域協議会を通して上位にあがったのは、「待機電力を減らしましょう。」や「白熱灯はなるべく電球型蛍光ランプに切り替えましょう。」といった電力消費に関する対策だった。
      
    (2) 平均年間二酸化炭素炭素排出量
     5地域協議会の平均二酸化炭素排出量は4,806kg-CO2/年・世帯
       5地域協議会の1世帯あたりの1年間(平成13年10月~平成14年9月)の平均二酸化炭素排出量は4,806kg-CO2/年・世帯であった(各地域協議会の二酸化炭素排出量は表1参照)。ただし、地域、家庭のライフスタイルの違いにより排出量は大きく異なり、最大排出量は17,113kg-CO2/年・世帯、最小排出量は831kg-CO2/年・世帯、差は16,282kg-CO2/年・世帯であった。

    各地域協議会の平均年間二酸化炭素排出量  (単位;kg-CO2/年・世帯)
       電気 ガス 灯油 その他 合計
    旭川地域協議会 2,052 259 4,913 0 7,224
    さっぽろ地域協議会 1,625 507 3,534 0 5,666
    そでがうら地域協議会 1,854 1,116 574 0 3,543
    岸和田地域協議会 2,262 1,143 447 2 3,853
    大和町地域協議会 2,275 319 1,617 11 4,222
    5地域協議会平均 2,032 699 2,072 3 4,806
     
      
  5. 今後の予定
      
      平成15年度には、各地域協議会において各世帯のフォローアップ調査を行い、平成14年度と平成15年度の二酸化炭素排出量の変化を比較し、各世帯において今回の診断及び助言等を受けて二酸化炭素排出量削減のための行動にどのように反映されたかを確認し、本温暖化対策診断による二酸化炭素排出量削減効果を検証する予定。
     



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