自然公園制度の概要

• 自然公園
  　我が国のすぐれた自然風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、国民の保健休養及び教化に資することを目的に、自然公園法に基づき指定される公園で、以下の３つに区分される。
  
  [1]国立公園
  　我が国を代表するすぐれた自然の風景地で、国が管理。面積は原則として30,000ha（海岸を主とする公園にあっては10,000ha）以上。2002年3月31日現在28公園、206万ha（国土面積の5.4％）が指定されている。
  [2]国定公園
  
  　国立公園に準ずる自然の風景地で、都道府県が管理。面積は原則として10,000ha（海岸を主とする公園にあっては3,000ha）以上。2002年3月31日現在55公園、134万ha（国土面積の3.6％）が指定されている。
  
  [3]都道府県立自然公園
  　国立、国定公園に次ぐ自然の風景地で、都道府県が条例によって指定、、自ら管理。2002年3月31日現在308公園、196万ha（国土面積の5.2％）が指定されている。
  
  　
• 公園計画
  　自然公園では、公園ごとに自然風景の保護と適正な利用の促進を図るための公園計画が定められ、行為の規制や、利用のための施設整備が行われている。
  
  

  公園計画	─	┬	保護規制計画	┬	特別地域──	┬	特別保護地区		特にすぐれた自然景観、現市場帯を保持している地区
  		│		│		├	第１種特別地域		現在の景観を極力保護することが必要な地域
  		│		│		├	第２種特別地域		農林漁業活動についてつとめて調整を図ることが必要な地域
  		│		│		└	第３種特別地域		通常の農林漁業については許容する地域
  		│		├	普通地域				特別地域に含まれない地域で風景の保護と図る地域
  		│		└	海中公園地区				熱帯魚、サンゴその他の生物や海底地形が特にすぐれている地域
  		├	保護施設計画						植生復元、動物繁殖等の施設
  		├	利用規制計画						マイカー規制計画等
  		└	利用施設計画	┬	集団施設地区				公園の利用及び管理のための施設を総合的に整備する地区
  				└	利用施設				園地、休憩所、車道、歩道、ロープウェイ、ビジターセンター等

  
  
• 「地域制」
  　わが国の自然公園は設定者が土地の管理権を有することなく指定し、一定の公用制限のもとで風景の保護を図るという「地域制」の公園である。この制度は、日本のように既に高密度な土地利用が行われている国土における自然公園の指定や、原生的な自然のみならず人文景観や人々の営みによって形作られた二次的自然景観の保全に有効な制度である。
  　一方、その管理にあたっては公園内にある国民の財産権及び種々の産業との調整が重要であり、地域とのパートナーシップが求められる。