報道発表資料概要

化学物質アドバイザーの派遣について
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  1. 目的

     化学物質やそれらを含む製品は私たちの日常生活に非常に身近なものになっていますが、その影響やその仕組みは多くの人々にとって極めて難解です。化学物質に関する情報をすべての関係者の間で共有するとともに、相互の意思疎通(リスクコミュニケーション)を図るため、化学物質の有害性やリスクに関する正確な情報を関係者に分かりやすく公開していくことは重要な課題です。
     このため、環境基本計画ではリスクコミュニケーションの推進のための化学物質関連情報の提供や人材の育成が重点的取組事項として掲げられています。PRTR制度により、身の回りの化学物質の環境中への排出量・移動量が分かるようになると、リスクコミュニケーションの重要性は一層大きくなるものと考えられます。
     以上のことから、環境省ではこれまで、リスクコミュニケーションに資する人材育成について検討を進めてきましたが、今般、化学物質に関する正確な情報を分かりやすく伝えることにより対話の推進に役立つことのできる人材(化学物質アドバイザー)の育成・活用に着手することとし、その一環として、化学物質アドバイザーのニーズや求められる能力・業務等を把握することを目的に、研修・登録・派遣を行うパイロット事業を開始します。
      
     ※  本パイロット事業は、化学物質アドバイザーのあり方、研修方法等につき、得られる情報等をもとにさらに詳細な検討を行うためのものです。従って、よりよい制度の構築のため、予告なく本制度を変更・中止する場合があります。
     「化学物質アドバイザー」は仮称です。パイロット事業期間中は、仮称であることの断りなくこの名称を用います。
     
      
  2. 化学物質アドバイザー(仮称)とは
      
     化学物質アドバイザーは、市民、産業、行政からの要請に応じて、化学物質や化学物質による環境リスク、PRTR制度の仕組みなどに関する疑問に答えたり、関連する情報を提供することにより、化学物質に関するリスクコミュニケーションの推進をお手伝いします。
     化学物質アドバイザーの役目は、以下のようなことです。
      
    ─市民からの要請─
    •  市民グループで「化学物質とその管理」をテーマに勉強会を開催したいので、講師をしてほしい。
    •  PRTRという制度が始まったようだが、どのような制度かよく分からないので勉強会の講師をしてほしい。
    •  近隣の工場でどんな化学物質を扱っているのか分からず不安である。でも、どのような情報を集め、どのような質問したらよいのか分からないのでアドバイスしてほしい。
    •  近隣の工場で「取り扱っている化学物質についての説明会」があるので、一緒に聞いてもらい、我々の疑問に答えてほしい。
    •  近隣の工場で「取り扱っている化学物質の排出量削減計画」について話し合うことになっているので、同席して科学的によく分からない説明があったら教えてほしい。
      
    ─企業からの要請─
    •  企業で社員向けに「化学物質についての勉強会」を開きたいので講師をしてほしい。
    •  PRTRという制度が始まったようだが、どのような制度かよく分からないので勉強会の講師をしてほしい。
    •  今度、自社工場周辺の住民に「化学物質の管理」について説明会を開くことになっているが科学的に誤ったことを言っていないか事前に確認してほしい。
      
    ─行政からの要請─
    •  市(県)主催で「化学物質講座」を開設したいので講師をしてほしい。
    •  PRTR対象事業者向けの説明会でPRTR制度の説明をしてほしい。
      
     ※  その他、市民や企業、行政からの化学物質に関する諸々の環境関連の疑問に答えたり、必要に応じて専門家の紹介をします。
      
      
  3. 化学物質アドバイザー(仮称)派遣依頼手順
      
     派遣の手順の概要は以下の通りです。詳しくは、派遣要綱(別紙参照注1)をお読みください。
      
    (1) 知りたいこと、依頼したいことの確認
       申し込む前に、「ある化学物質について知りたい」、「PRTRという制度のことが知りたい」、「勉強会の講師をしてほしい」など、化学物質アドバイザーに何を依頼したいのかまとめてみて下さい。知りたい内容、依頼内容によって、依頼する化学物質アドバイザーが異なってくる場合もあります。
      
    (2) 会合の参加者や主催者の了解を得る
       グループ代表者の個人的判断や、グループ内の限られたメンバーだけの判断で依頼することは避け、広く合意を得て下さい。また、依頼者が会合の主催者でない場合は、主催者に「化学物質アドバイザーが同席すること」の了解を得て下さい。
      
    (3) 事務局に連絡
       下記の化学物質アドバイザーパイロット事業事務局に、依頼内容、来てほしい場所、希望する回数等を、分かる範囲でご連絡下さい。相談用のフォームを用意していますので、それをご利用いただくこともできます。
      
    (4) 化学物質アドバイザーを選び、申請書を提出
       依頼内容をもとに、事務局から候補となる化学物質アドバイザーが紹介されます。複数紹介された場合は、その中から一人を選んで下さい。
     その後、化学物質アドバイザー本人から連絡がありますので、本人と依頼内容や条件を確認して下さい。化学物質アドバイザーに依頼することが決まったら、「化学物質アドバイザー派遣に関する申請書」を事務局へ提出して下さい。
     この手続きが終わると化学物質アドバイザーの派遣がはじまります。
      
    (5) 派遣終了
       化学物質アドバイザーの活動が終了したら、化学物質アドバイザーから渡される「化学物質アドバイザー結果報告書(依頼者用)」に必要事項をご記入の上、事務局に提出して下さい。
      
    (6) 派遣要綱請求先及び派遣依頼先
       
    ─化学物質アドバイザーパイロット事業事務局─
     (社)環境情報科学センター
     〒102-0074 東京都千代田区九段南4-7-24
     電話:03-3265-3955       FAX:03-3234-5407
     E-mail:adviser@ceis.or.jp  Homepage:http://www.ceis3.jp/adviser/index.html
      
     ※  派遣に係る相談用のフォームや申請書の様式はホームページから取り出せますので、上記のホームページアドレスをご覧ください。(返信用封筒(角形2号・A4サイズが入る大きさに200円分の切手を貼り、送付宛名先を明記)を沿えて、上記まで郵便で申し込むこともできます。)

     



 注1:環境省ホームページには未掲載。化学物質アドバイザーのホームページを参照してください。

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