報道発表資料本文
 
(参考1)

アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)

  1. APNを取り巻く環境
      
    (1) 国際的な位置づけ
       APNは、世界を「南北アメリカ」、「欧州・アフリカ」、「アジア太平洋」の3地域に分け、各地域ごとに政府間の地球環境研究支援ネットワークを形成し、地球環境に関する国際共同研究を推進していくという考えのもと、アジア太平洋地域の地球環境研究支援ネットワークとして設立された。南北アメリカにおいては「米州地球変動研究機関(IAI)」という国際機関が、欧州・アフリカにおいてはEU内に「地球変動に関する欧州ネットワーク(ENRICH)」という組織が同様の目的で設置されている。
      
    (2) 学術サイドとの連携
       学術サイドからは地球環境保全に関する取り組みとして、国際学術連合(ICSU)のプログラムである地球圏−生物圏国際協同研究計画(IGBP)、世界気候研究計画(WCRP)、地球環境変化の人間的側面研究計画(IHDP)等の国際的な共同プログラムが推進されている。また、IGBP・IHDP・WCRPの3つの国際科学プログラムを支える組織として、「地球変動に関する分析、研究、トレーニングのためのシステム(START)」が設立され、世界十数地域に地域支部を設けて途上国における研究を指導・支援している。しかし、途上国では、政府レベルの支援がなく、また、地域内各国の研究者の地球環境研究への対処能力が不均衡のため、アジア太平洋地域においてはAPNがSTARTの4つの地域委員会(温帯東アジア、東南アジア、南アジア、オセアニア)と特に密接な連携を取りつつ、研究支援活動を進めている。
      
        
  2. APNの活動方針
      
    (1) 目的
    地球環境研究の地域的協力の推進
    地球環境研究に係るデータの標準化、収集、分析、交換
    科学的技術的対処能力の向上
    他地域のネットワークとの協力促進  等
      
    (2) APNが現在優先的に取り組んでいる地球環境研究の主な領域
    気候変化・変動
    沿岸域と内水域における変化
    陸上生態系と生物多様性の変化
    大気組成の変化
    その他の重要なトピック
      
    (3) 組織、運営等
      [1] 法的性格
         条約などに縛られることのない緩やかな恒常的政府間協議の場として、域内における地球環境に関する国際共同研究活動等を支援。
      [2] 組織
        事務局:日本(APNセンター:神戸)
        現在のAPN参加国(21カ国)
           オーストラリア、バングラデシュ、カンボジア、中国、フィジー、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、ロシア、スリランカ、タイ、米国、ベトナム
    (これまでの会議には、START及びSTART地域委員会〔温帯東アジア、東南アジア、南アジア〕、IAI、ENRICH、国連大学等も適宜参加)



 報道発表本文に戻る