報道発表資料本文


環境庁行政情報化推進計画

平成7年3月27日環境情報管理委員会決定

平成9年6月30日改定

平成10年3月30日改定

第1 理念、計画目標等

 1 理念、計画目標

  都市・生活型公害や地球環境問題等にみられるように、今日の環境問題は、通常の国民生活や事業活動に起因するものが多く、その解決に向け、すべての国民の参加の下、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会活動パターンを見直し、 環境負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築していくことが必要となっている。
  平成4年(1992年)に開催された「環境と開発に関する国連会議(地球サミット)」 においては、すべての国民に対し、環境に関する意志決定のために必要な情報が提供されるべきであるとの指摘がなされ、平成5年に制定された「環境基本法」においても、国は、環境教育及び環境学習の振興並びに自発的な環境保全活動の促進に資するため、環境情報を適切に提供するよう努めるべきことが規定された。
  これを受けて、平成6年に同法に基づき策定された「環境基本計画」においては、環境情報の体系的な整備、環境情報提供システムの構築等環境情報の国民等への提供の推進が決定されており、今後とも、環境情報の適切な提供を推進する必要がある。
  一方、政府においては、平成7年度を初年度とする5カ年計画として「行政情報化推進基本計画」(以下「情報化基本計画」という。)が決定されていたが、平成7年 度から9年度までの3年間において、各省庁のネットワーク基盤を始めとする情報通信基盤の整備は大きく進展した。
  また、この間、インターネットの急速な普及、電子 商取引の実用化の動き、申請・届出等手続を始めとする国民負担軽減に対する要請の顕在化等を始めとして、行政の情報化をとりまく状況は大きな変化を見せてきている。
  このようなことを踏まえて、情報化基本計画はその最終年度を待たず、平成10年度からの新たな5か年計画として改定された(平成9年12月20日閣議決定)。
以上のような状況を踏まえ、環境庁においては、「環境庁行政情報化推進計画」を以下のとおり改定し、環境行政の情報化を総合的・計画的にに推進することとする。

 2 計画期間

平成10年度を初年度とする5か年計画とする。

 3 計画の対象

環境庁の行政事務・事業を対象とする。

第2 社会の情報化に対応した環境行政情報化の推進

 1 環境行政サービスの質的向上

環境行政情報の提供等
{1} 報道発表資料を始めとする各種の環境情報について、インターネット・ホームページによる提供を行うとともに、提供内容の充実、タイムリーな提供を推進するほか、 国際的な情報提供を進める。また、国民からの意見、要望、問い合わせの受付等にインターネットを活用する。
{2} インターネット・ホームページにおいて環境庁関連法令等の申請・届出等手続の案内、申請等様式の提供を行う。
{3} インターネット・ホームページの音声出力等、情報提供機能の高度化についての検討を行う。
{4} インターネット・ホームページ上の環境行政情報への電子的なアクセス手段を持たない国民の利便を図るため、FAX通信による情報提供の充実を図る。
{5} 環境白書等について、インターネット、CD−ROM等の電子的な手段・媒体による提供を行う。
{6} 大気質、水質、自然環境等に関する各種の統計情報等について、電子的な手段・媒体による提供を進める。
{7} 「国土空間データ基盤の整備及びGISの普及促進に関する長期計画」に基づき、環境庁が一体となって、地理情報システム(GIS)の効率的な整備、相互利用の促進及びその利活用分野の拡充を図る。
{8} 国民に提供可能な環境行政情報の所在案内を行う環境庁クリアリングシステムの運用を平成10年度中に開始し、逐次データ整備等の拡充を図る。
申請・届出等手続の電子化
 「電子化に対応した申請・届出等手続の見直し指針」(平成8年9月2日行政情報システム各省庁連絡会議了承、9年7月18日改定)に沿って策定した環境庁の実施 計画に基づき、平成10年度末までに実施することとしている申請・届出等手続(12法令79手続)の電子化を行う。

 2 民間部門との電子データ交換の推進

調達手続の電子化
 先行省庁におけるインターネットによる入札公告、競争参加資格審査申請に係る情報提供の取組等を参考にしつつ、調達案件等についての情報提供の電子化を進める。
歳入歳出の電子化
{1} 歳入歳出事務について、官庁会計事務データ通信システムの導入を進める。
{2} 現在紙媒体によって行われている国庫金の口座振替について、歳入金に係る口座振替に係る委託データの電子化を早急に進める。

第3 情報通信技術の活用による事務・事業の簡素化・効率化及び行政運営の高度化

個別業務のシステム化、機能の高度化及びシステム間の連携
{1} 人事、会計等の内部管理業務、省庁間における制度官庁等への各種報告業務等について、制度官庁におけるシステム化の取組等を踏まえつつ、これらの業務処理の迅速 化・高度化を推進する。
{2} 関係地方公共団体等からの報告等の定型的な業務処理に関する情報のシステム化について、当該地方公共団体等との意見調整も行いながら実施及び効率化を図る。
文書の管理・流通システム化
{1} 各省庁事務連絡会議において平成1O年度中に策定される総合的な文書管理システムの機能、構成等についての統一的な指針及び行政文書ファイル管理システムの統 一的仕様に基づき、電子文書を含む文書のライフサイクル(作成、入手、決裁等決定手続、施行、保存、利用、廃棄)を通ずる総合的な文書管理システムを平成11年度 までに整備するとともに、文書のデータベース化を推進する。
{2} 上記{1}の総合的な文書管理システムの一環として、特に、情報公開の制度化に対応 して保有文書の的確な管理、必要な情報流通を促進するため、文書ファイルの目録等をデータベース化するための行政文書ファイル管理システムを平成11年度までに整備する。
{3} 省庁間電子文書交換システムの運用に必要なシステムを平成11年度までに整備する。

情報共有の推進

{1} 各省庁の利用に供するため、環境白書等について、データベース化を進め、可能なものから霞が関WANを利用した運用を開始する。
{2} 告示、通達等のデータベース化を推進するため、行政情報システム各省庁連絡会議(以下「情報連絡会議」という。)において平成11年度までに策定するデータベ ース化に必要な統一的仕様に基づき、環境庁長官告示、環境庁法令関係通達等のデータベース化を図る。
{3} 庁内で利用価値の高い情報について、データベース化を図り、環境庁行政情報システムによる運用を進めるとともに、グループウェアの機能を最大限に活用し、紙 媒体の配布を制限する等の措置を講ずる。特に自然環境保全基礎調査の成果等生物多様性に関する情報については、環境庁行政情報システムとの連携を図りつつ、生物多 様性情報システムにおいてデータベース化を進める。また、外部データベースの活用も推進していく。
民間へのアウトソーシング等の推進
 環境庁行政情報システム及び環境情報提供システム等について、運営管理を一括して民間に委託するアウトソーシングの推進を図る。

第4 行政情報化推進のための基盤整備

 1 情報通信基盤の整備

環境庁行政情報システムの基盤拡充・改善
情報通信技術等の進展を踏まえ、環境庁内のニーズに対応し、環境庁行政情報システムの機器構成、ソフトウエア構成及び通信回線等情報通信基盤を点検・評価し、そ の機能等の高度化に向けた検討を行い、平成11年度内に環境庁行政情報システムの全面的な更改を行う。なお、その際には、省庁間電子文書交換システム、総合的な文 書管理システム、行政文書ファイル管理システム等の整備との整合性に十分配慮する。
遠隔地事務所における情報通信基盤の整備
国立公園・野生生物事務所等の遠隔地事務所においても、環境庁行政情報システムに接続可能なパソコンを、職員1人に対して各1台配置し、環境庁行政情報システム と接続するなど、情報通信基盤の整備を図る。
施設等機関との通信体制の強化
国立環境研究所及び国立水俣病総合研究センターの情報システムとの接続について、さらに相互の通信体制を強化するなど、広域ネットワークとしての整備を推進する。

 2 情報システムの高度化・効率化

安全性・信頼性対策の充実
情報システムの安全性・信頼性対策の充実について、情報連絡会議において、平成10年度に策定する行政情報システムの安全対策指針に基づき、業務形態等に対応し た安全性・信頼性対策のための的確な措置を講ずる。
個人情報保護対策の充実
総務庁が改定する「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の安全・正確性の確保の措置に関する指針」に基づき、環境庁行政情報システムで扱う個人情報 保護対策の充実について、ネットワーク化の進展等に対応した的確な措置を講ずる。
システム監査・評価の実施
行政情報化の成果を定量的に把握し評価するための指標の活用、行政情報システムの安全対策指針の活用、総務庁が実施する情報システム統一研修等の活用による要員 の養成、外部監査・評価機能の活用等を図りつつ、システム監査・評価を進める。

 3 組織的、人的基盤の整備

省庁内情報化推進体制の整備
環境情報システムの整備に関する企画、立案、調整機能の強化拡充を図るとともに、環境情報の提供に関する事務及び情報システムの運用に関する体制の拡充強化を図っ ていく。
人的基盤の強化
{1} 職員に対する情報研修の実施、総務庁の行う情報システム統一研修の活用、環境庁行政情報システムにより運用している「庁内LAN−FAQ」電子掲示板の充実等 により、職員の情報リテラシー、情報モラルの向上を図る。
{2} システム運用担当者、パソコン管理担当者等、各課室単位等に核となる人材の育成を図る。
{3} 地方公共団体に対しても、担当者会議や環境情報研修等を通じ、環境行政情報化の推 進を担う人材育成に係る積極的な支援を行う。

第5 計画の見直し等

環境情報管理委員会は、毎年度、本計画に基づく施策について、進捗状況の把握を行い、実施の推進を図るとともに、毎年度策定される行政情報化の取組方針等を踏ま え、本計画を見直す。




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