報道発表資料本文


資料3
「物品等の環境負荷の少ない仕様、材質等に関する推奨リスト」
       −分野別ガイドライン−OA機器(コピー機)−

1 目的

 本ガイドラインは、国の各行政機関が調達するコピー機について、環境への配慮の方針を示すことにより、個別製品リストにおいて示すべき環境配慮情報の内容を規定するものである。

2 対象製品の範囲

  本ガイドラインでいうコピー機とは、カラー複写機、複合機器(拡張性のあるデジタル機器を含む。)を除く一般の行政事務の用に供する乾式間接静電式の普通紙複写機とする。

3 個別製品リストに記載すべき環境配慮情報

(1)

個別製品リストへの掲載条件となる環境配慮情報の内容
 コピー機のコピー速度毎に、表1に示された基準を満足すること、かつ、再生紙に対応可能であること。
 なお、表1の基準に関しては、平成11年5月1日までの間は表2に示された基準を満足することをもって足りる。

表1 コピー機に係る基準(1)

コピー速度
(CPM:1分当たりのコピー枚数)
低電力モード
消費電力
低電力モードからの復帰時間 オフモード消費電力 オフモードへの移行時間 両面コピー機能
0<CPM≦20
20<CPM≦44
44<CPM

<3.85×CPM+5W
<3.85×CPM+5W

≦30秒
≦30秒(推奨)
<5W
<15W
<20W
≦30分
≦60分
≦90分

推奨
必須
必須

表2 コピー機に係る基準(2)

コピー速度CPM:1分当たりのコピー枚数) オフ モード費電力 オフモードへの
移行時間
両面コピー機能
0<CPM≦20
20<CPM≦44
44<CPM
<5W
<15W
<20W
≦30分
≦60分
≦90分

推奨
必須
必須

 

(2)

その他の環境配慮情報

  1. 生産・流通段階
    再使用された部品やリサイクルされた素材の使用状況
    感光体ドラムへのセレンの使用の有無
      
  2. 使用段階
    使用時の消費電力(最大消費電力・スタンバイモード消費電力)
    エネルギー消費効率
    使用時に発生するオゾン濃度
    長期使用の可能性(補修用部品保有期間、ドラムの耐久性)

  3. リサイクル・廃棄段階
    製品に使用される多くの部品や素材についての再使用又はリサイクル若しくはその仕組みの有無
    リサイクルしやすい設計かどうか
    使用済みトナーカートリッジの回収、再使用又はリサイクルされているかどうか

    感光体ドラムにセレンを使用している場合の廃棄時の回収の有無

4 解説

(1)

個別製品リストへの掲載条件となる環境配慮情報の内容

  1. 待機時消費電力等
     コピー機は、待機時に消費する電力が大きな部分を占めていることから、これを抑制することが環境負荷の低減の観点から必要である。(一般的なオフィスの場合、待機時消費電力が80〜90%程度を占めるとのデータもある。)
     このため、コピー速度の能力(1分当たりのコピー枚数:CPM)毎に、低電力モード時の消費電力、低電力モードからの復帰時間、オフモード時の消費電力、オフモードへの移行時間は、表の基準を満足することを条件とする。
  2. 両面コピー機能
     両面コピー機能は、紙の使用量削減の観点から不可欠であることから、中速コピー機(20<CPM≦44)及び高速コピー機(44<CPM)については、両面コピー機能を搭載していること(オプションとして搭載できることを含む。)を条件とする。また、低速コピー機(0<CPM≦20)についても両面コピー機能を搭載していることが望ましい。
     また、両面コピーモードが基本設定となっていることが望ましい。
  3. 再生紙対応
     古紙利用促進等の観点から再生紙を使用できることが不可欠であることから、再生紙に対応可能であることを条件とする。
(2)

その他の環境配慮情報

  1. 生産段階
    リサイクルの促進等の観点から、再使用された部品やリサイクルされた素材が使用されることが望ましい。
    セレンが感光体ドラムに使用される場合、廃棄段階での有害性が指摘されている。
     このため、感光体ドラムにセレンを使用していないか、使用している場合には、廃棄時においてセレンを回収し、再使用するか、セレンを取り出してリサイクルする等、適切な管理が行われていることが望ましい。

  2. 使用段階
    使用時における消費電力が少ないことが望ましい。
    コピー機が頻繁に利用される場合には、オフモード等に移行する前に、次のコピー作業が行われるため、常時スタンバイモードになっていることが多い。そのため、スタンバイモードにおける消費電力が少ないことが望ましい。
    コピー機については、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」により「エネルギー消費効率」が定められており、できるだけエネルギー消費効率が良いことが望ましい。
    コピー機の使用時に排出され、人体に対して有害性が指摘されている環境汚染物質として、オゾン、ダスト、スチレンなどがある。ダスト及びスチレンに関しては、現在流通している製品のほとんどの機種が問題の生じない範囲であると考えられるが、こうした環境汚染物質の排出量が極力低減されていることが望ましい。
     なお、オゾンについては、国外の環境ラベル等の基準では、使用時に発生するオゾンに関してその濃度の基準を定めている例があり、その具体的な基準に関しては、0.02〜0.04mg/m3となっている例がある。
    製品の長期使用が可能なように、修理等のアフターサービスに配慮していることが必要であり、製造打切後も補修用性能部品を可能な限り保有していることが望ましい。
    また、使用済み部品(消耗部品)の削減を図るためにも、感光体ドラム等の摩耗が避けられない部品の耐久性が高いことが望ましい。

  3. リサイクル・廃棄段階
    廃棄物削減の観点からも、製品に使用される部品や素材の再使用・リサイクルが行われることが望ましい。
    新製品の場合は、今後、製品が使用済みになった時点でリサイクルシステムに投入されることから、使用済み製品についての回収・リサイクルの仕組み(リサイクルルート等)があることが望ましい。
    使用済み製品の再使用・リサイクルを推進する場合、特に解体・分離・分別や部品の再使用が容易なように、設計段階からの配慮がなされていることが望ましい。
    交換が必要となるトナーカートリッジは、そのまま廃棄されると廃棄物の増加につながる。国内外の環境ラベル等のほとんどが引き取り再使用サービスを実施している業者のトナーカートリッジの利用を推奨しており、使用済みトナーカートリッジの回収及び再使用・リサイクルが望ましい。

5 用語の定義等

低電力モード コピー作業終了後、一定時間操作が行われなかった後、自動的に切り替えられ実現される低電力状態。
オフモード 一定時間が経過した後、自動オフ機能によって電源がオフになった状態。
スタンバイモード コピー機がコピー作業を行っていない時点で、すぐに稼働できる状態にあり、低電力モード、オフモードには未だ入ってない状態。
トナーカートリッジ 感光体ドラム、トナー容器、スリーブ、帯電器、クリーニングブレード等(その全部又は一部)を一体化し、トナー補給等に伴い交換するユニットを指す。
再使用 そのままの形状で同じ用途に使用すること。
リサイクル 原料として再生すること。

コピー機に関する個別製品リストの掲載項目

項    目
掲  載  情  報  内  容
製造事業者名 ○○○○○
製品名 △△△△△
コピー速度 ○○(枚/分:CPM)
環境配慮情報
低電力モード消費電力※ ○○(W)
低電力モードからの復帰時間※ ○○(秒)
オフモード消費電力※ ○○(W)
オフモードへの移行時間※ ○○(分)
両面コピー機能 有/オプション/無
再使用された部品やリサイクルされた素材の使用状況 (使用部位等について記述)
感光体ドラムへのセレンの使用の有無 未使用/使 用
最大消費電力※ ○○(W)
スタンバイモード消費電力※ ○○(W)
エネルギー消費効率※ ○○(Wh)・対象外
使用時に発生するオゾン濃度 0.04mg/m3以下/0.04mg/m3超過
補修用部品保有期間※ 製造打切後最低○○年
ドラムの耐久性※ ○○(枚)
製品に使用される部品や素材の再使用又はリサイクル若しくはその仕組みの有無 (製品の回収・リサイクルシステムの現状や予定について具体的に記述)
リサイクルしやすい設計かどうか 実施/未実施(他にリサイクル設計の指針や内容について記述)
使用済みトナーカートリッジの回収、再使用又はリサイクルされているかどうか
トナーカートリッジ方式 該 当/非該当
トナーカートリッジの回収 実 施/未実施
再使用又はリサイクル 実 施/未実施
感光体ドラムにセレンを使用している場合の廃棄時の回収の有無 有 / 無
その他環境配慮特記事項 (特記したい環境配慮事項について記述)
価格 □□□□円
発売開始時期 ○○年◎◎月
問合先 ◎◎株式会社(TEL      )
その他 ×××××

 注)※印は具体的な数値を掲載

【備考】

  1. コピー速度
      A4版普通紙への連続複写を行った場合の1分当たりの複写枚数。

  2. オプション 
     両面コピー機能をオプションとして付けられる製品。

  3. 再使用された部品やリサイクルされた素材の使用状況 
     再使用された部品及びリサイクルされた素材が製品の部位に使用されているかについて代表的なものを記入。

  4. エネルギー消費効率 
     「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に定められた方法により測定した1時間当たりの消費電力。
     ただし、A2版以上の用紙に複写可能な製品及びCPM>86の製品については対象外とする。

  5. リサイクルしやすい設計かどうか

    実 施

    何らかの指針等に基づきリサイクルに配慮した設計を行っている場合。
    未実施 そのような設計を行っていない場合。

  6. 特記したい環境配慮事項 
     国内外の環境ラベルの取得、国際エネルギースターロゴの取得、ISO14001の認証取得など上記環境配慮情報以外に特記したい事項を記入。

  7. 価格
     標準的な小売価格とするが、販売店等によって異なる場合がある。




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