環境基本計画

第4部 目次

(第1部 計画策定の背景と意義)

(第2部 環境政策の基本方針)

(第3部 施策の展開)

第4部 計画の効果的実施

第1節 実施体制と各主体の連携

第2節 目標の設定

第3節 財政措置等

第4節 各種計画との連携

第5節 計画の進捗状況の点検及び計画の見直し


第4部 計画の効果的実施

第1節 実施体制と各主体の連携

 環境基本計画の決定後は、これをよりどころとして、社会の構成員であるすべての主体が共通の認識の下に、それぞれ協力して環境の保全に向け実際に行動していくことが肝要である。政府は、閣議のほか関連する閣僚会議や関係省庁連絡会議等の場を通じて緊密な連携を図り、環境基本計画に掲げられた環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に実施する。地方公共団体には、環境基本計画に示された方向に沿いつつ、地域の自然的社会的条件に応じて、国に準じた施策やその他の独自の環境の保全に関する施策について、環境の保全に関する総合的な計画の策定等により、これを総合的かつ計画的に進めることが期待される。

 環境基本計画に基づいて、国、地方公共団体、事業者、国民及び民間団体それぞれが公平な役割分担の下に、様々な施策・取組を自主的かつ積極的に推進するために、連携・協力を密にすることが必要である。国及び地方公共団体は、環境基本計画に掲げられた各種の施策を効果的に実施するため、協調連携を強化する。

 国は、環境基本計画に基づく施策・取組の実施状況を把握し、評価し、自ら活用するほか、環境への取組を進める他の主体に対し環境白書をはじめ様々な手段を通じて情報提供するため、環境情報の体系的な収集・蓄積・利用を進める。環境基本計画に掲げられた施策や取組を進めるための地域レベルの行政、事業者、住民等から構成される組織の活動を支援するため、全国的な情報交流を進める。

第2節 目標の設定

 環境基本計画に掲げられた施策を全体として効果的に実施するため、第2部に掲げた長期的な目標に関する総合的な指標あるいは指標群の開発を早急に進める。また、個別の施策については、各種の具体的目標が設定されているものがあるが、環境基本計画の基本的な方向に沿い、総合的な見地からの所要の検討を行いつつ、必要に応じ具体的目標の見直しを行い、施策の効果的な実施を図る。また、必要な分野については、具体的目標を設定し、個別の計画を策定する。

第3節 財政措置等

 国は、環境基本計画に掲げられた各種施策を実施するため、必要な財政上の措置その他の措置を講ずる。その際、本計画の進捗状況、環境の状況等を勘案するとともに、環境保全経費の見積り方針等を踏まえ、各種事業が総合的に推進されるよう適切に対処する。

 国は、地方公共団体が地域の実情に応じて自主的積極的に実施する環境の保全に関する施策のための費用について、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努める。

第4節 各種計画との連携

 環境基本計画は、環境の保全に関する国の基本的な計画であり、環境基本計画と国の他の計画との間では、環境の保全に関しては、環境基本計画との調和が保たれたものであることが重要である。

 国の他の計画のうち、専ら環境の保全を目的とするものは、環境基本計画の基本的な方向に沿って策定、推進する。

 また、国のその他の計画であって環境の保全に関する事項を定めるものについては、環境の保全に関しては、環境基本計画の基本的な方向に沿ったものとなるものであり、このため、これらの計画と環境基本計画との相互の連携を図る。

第5節 計画の進捗状況の点検及び計画の見直し

 環境基本計画の着実な実行を確保するため、毎年、中央環境審議会は、国民各界各層の意見も聴きつつ、環境基本計画に基づく施策の進捗状況等を点検し、必要に応じ、その後の政策の方向につき政府に報告する。

 内外の経済社会の変化に柔軟かつ適切に対応して、環境基本計画の見直しを行うこととし、見直しの時期は、5年後程度を目途とする。