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5.1 参考1 環境報告に関するガイドライン等の概要(環境庁、GRI、WICEの比較)

5.1.1 全体的な構造

項目 環境庁・環境報告書作成ガイドライン GRI・持続可能性報告ガイドライン WICE・環境に関する経営のための指針
作成者 環境庁の委託により研究機関が作成、環境監査研究会が協力 CERESが中心となり、企業、NGO等が世界各国より参加 ICCによって設立されたグローバルな企業連合組織
対象 企業等の環境報告書
企業等の環境的側面、社会的側面及び経済的側面に関する持続可能性報告書 企業等の環境報告書
全体構成 第1章環境報告書とは何か
第2章ガイドライン
参考資料
前文
ガイドライン
参考資料
第1章はじめに第5章内容
第2章報告書の必要性第6章マトリツクス
第3章考慮ポイント第7章フィードバック
第4章報告対象者参考資料
ガイドラインの構成 (1)基本的事項
(2)環境マネジメントに係わる内容
(3)環境負荷の低減に向けた取組の内容
(1)最高経営責任者の緒言
(2)主要指標
(3)報告主体の概要
(4)方針、組織、経営体制
(5)利害関係者との関係
(6)マネジメント・パフォーマンス
(7)オペレーショナル・パフォーマンス
(8)製品パフォーマンス
(9)持続可能性の概要
(1)定性的情報
(2)管理情報
(3)定数的情報
(4)製品情報
その他
  • 環境庁の関連施策を紹介
  • 各社の環境報告書の具体的内容の事例を多数掲載、連絡先も明記
  • 報告に当たっての全般的原則を資料として添付
  • 社会的及び経済的側面についてのガイダンスを添付
  • オペレーショナル及び製品パフォーマンスについてのガイダンスを添付
  • 持続可能性の概要についてのガイダンスを添付

 

5.1.2 具体的な内容

項目 環境庁・環境報告書作成ガイドライン GRI・持続可能性報告ガイドライン WICE・環境に関する経営のための指針
基本的事項 (1)経営責任者の緒言、挨拶、総括、経営理念(2)会社概要
(3)作成部署及び連絡先
(4)他の公表資料
(5)対象期間、次回発行予定

(1)最高経営責任者の緒言

  • GRIガイドライン適用を決断したことの明示
  • 報告書の内容及び目標へのコミットメントの要点
  • 成功及び失敗に関する認識
  • 例年及び業界標準との比較でのパフォーマンス
  • 企業及びその業界全体における持続可能性の主要課題

(2)主要指標(報告主体の持つ各側面や指標の概要を表すもの-13項目)

  • 業務や製品、サービスに伴う環境、社会及び経済面での主な問題点と影響
  • 主要な利害関係団体
  • 土壌、大気および水への事故による排出の数量及び性質
  • 職業病や労働災害に関する指標値
  • エネルギー総使用量
  • 燃料以外の原料の総使用量
  • リサイクルや再利用によって工程や市場に戻された、製品以外産出(NPO)の量
  • 土地に対するNPO量(物性及び処理方法のタイプ別)
  • 大気汚染物質排出量
  • 水質汚濁物質排出量
  • オペレーショナル・パフォーマンスの社会的及び経済的側面の指標値
  • 製品及びサービスがライフサイクルにわたって及ぼす環境、社会、経済面での主要な影響

(3)報告主体の概要(報告主体及び報告書の範囲についての概説-15項目)
通常の会社概要に加え、以下を含む

  • 報告についての連絡先
  • 主要な環境、社会、経済面の問題及び影響
  • 報告の中での絶対量の標準化に使われた情報を含む、企業活動の情報
  • 報告の範囲(国、製品/サービス、部門/施設/ジョイントベンチャー/子会社)
  • 報告期間
  • 関連する情報の入手可能性
定性的情報
(1)緒言
(2)企業概要
(3)環境方針
(4)環境目標と目的
(5)環境問題についての見解
(6)地域社会との関係
環境マネジメントに係わる内容 (1)経営方針、基本理念
(2)EMSの全体像
(3)EMSの組織体制
(4)環境監査の有無とその方法
(5)関連企業、取引先への対応
(6)重大な影響の恐れのある緊急時の対応
(7)従業員教育の現状と計画
(8)法的問題
(9)環境への取組に関するコスト
⑩ボランタリー活動への支援や社会貢献等

(1)方針、組織、経営体制(6項目)

  • 経済的、社会的及び環境的方針に関する声明
  • 憲章、規則等への参加状況
  • 方針を監督し実施するための組織体制及び責任
  • 社会的および環境的パフォーマンスに関する経営体制
  • 外部機関による認証状況
  • 取引先及び納入業者との関係

(2)利害関係者との関係(各利害関係者との協議手段など5項目)

管理的情報
(1)環境管理制度
(2)環境リスクの管理
(3)オフィスと事業所での実施状況
環境負荷低減に向けた取組の内容

全体的取組とオフィスでの取組に分けて事例を列挙

製造業に関する例示

(1)環境保全のための取組の内容

  • R&D段階での取組
  • 原材料、部品等の調達における環境負荷低減のための取組
  • 製品等の製造における環境負荷低減のための取組
  • 製品等の輸送、包装における環境負荷低減のための取組
  • 製品等の販売における環境負荷低減のための取組
  • 製品等が使用済みになった場合における環境負荷低減のための取組
  • 製品そのものにおける環境負荷低減のための取組
  • 事務部門における環境負荷低減のための取組

(2)環境負荷量

  • 大気汚染物質排出量
  • 水質汚濁物質排出量
  • 二酸化炭素排出量
  • 廃棄物排出量
  • 資源使用量(原材料・燃料・水・紙類等)
  • 有害化学物質排出量

(3)環境目標値

  • 上記(2)の各項目における環境目標値

非製造業に関する例示

(1)環境保全のための取組の内容・製品仕入れ等(仕様を含む)における環境負荷低減のための取組

  • 店舗等における環境負荷低減のための取組
  • 輸送、包装における環境負荷低減のための取組
  • 製品等が使用済みになった場合における環境負荷低減のための取組
  • 製品、サービスにおける環境負荷低減のための取組・事務部門における環境負荷低減のための取組

(2)環境負荷量

  • 大気汚染物質排出量
  • 水質汚濁物質排出量
  • 二酸化炭素排出量
  • 廃棄物排出量
  • 資源使用量(特に紙類)
  • 流通業では包装使用量

(3)環境目標値

  • 上記(2)の各項目における環境目標値

(1)マネジメント・パフォーマンス
-法律、条例等(6項目)

  • 環境、職場、地域社会等の問題に関する国際宣言、条約び国や地域の規制に関する違反の程度
  • 土壌、大気及び水への事故による排出の数量及び性質
  • 上記に係るパフォーマンスの改善へ向けての経営
    陣の対応
  • 環境に適合するためにかかるコスト(運営及び投資コスト)
  • 該当する法律や規制のもとでの環境上の責任該当する法律や規制のもとでのサイト浄化コスト

-自主基準に関するパフォーマンス及び経営陣の対応

  • 表彰等
  • 取引先への対応

(2)オペレーショナル・パフォーマンス

  • 労働安全
  • 環境パフォーマンス

    -エネルギー

    • エネルギー総使用量
    • 電気総使用量
    • 燃料総使用量
    • その他のエネルギー使用量
    • エネルギー使用に係る目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況

-原料

    • 燃料以外の原料総使用量
    • 原料使用量に係るその目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況
    • 一次原料および再生原料の調達や使用に係る目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況

-水

    • 水の総使用量。
    • 水使用に係る目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況

-土地

    • 生息環境の改善及び破壊

-NPO

    • リサイクルやリユースによって工程や市場に戻されたNPO量
    • 上記NPOに係る目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況

-土地に対するNPO

    • 土地に対するNPO量(物性及び処理方法のタイプ別)
    • 土地に対するNPOに係る目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況

-大気に関するNPO

    • 大気汚染物質排出量
    • 大気汚染物質排出量に係る目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況。

-水に関するNPO

    • 水質汚濁物質排出量
    • 水質汚濁物質排出量に係る目的、計画及び目標値、これらに対する達成状況

-社会的及び経済的指標

    • 企業、従業員、地域コミュニティ、顧客等に関する指標値

(3)製品パフォーマンス(5項目)

  • 製品およびサービスがライフサイクルを通して及ぼす環境、社会、経済面での主要な影響
  • 製品/サービスがライフサイクルを通して及ぼす影響を評価することのの誓約及びこれを監視する手続き
  • 製品やサービスが与える可能性のある影響を防止するための計画または手続き
  • 製品/サービスのライフサイクルによる影響が少なくなるよう設計者を支援する手続き

(4)持続可能性の概要

定量的情報

(1)環境指標と目標値
(2)エネルギーと天然資源の利用
(3)規制順守と許認可
(4)財務指標

製品情報

(1)製品製造工程とサービス
(2)その他の提供情報

 

注)環境庁「環境報告書作成ガイドライン」の入手方法

連絡先:(社)全国環境保全推進連合会

      〒113-0033東京都文京区本郷3-14-10泰生ビル2F

      TEL:03-5684-5730
      FAX:03-5684-5739

    *「環境報告書作成ガイドライン」の送付を希望する旨明記し、送付先を明記した返信用封筒(A4が入るもの)及び300円分の切手を同封して郵便にて請求すれば、送付しています

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