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0. はじめに

 環境への負荷の低減を進め、持続可能な経済社会の構築を目指す上で、規制的な措置のみならず、事業者等の自主的な環境保全の取組が重要となっている。
 事業者等の環境保全の取組のための重要な手法として、環境報告書に代表されるように、環境への負荷や取組の状況等に関する情報をとりまとめて公表する環境報告の取組が注目を集めている。環境報告は1990年代前半頃から始まってきたが、特にここ数年急速に発展しつつあり、環境保全の取組の重要なツールとしての地位を確立しつつある。
 平成11年版環境白書(平成11年5月閣議決定)においても、経済活動の中に環境保全を組み込んでいくためのの重要な取組として環境報告書が位置づけられている。
 本検討会では、こうした背景を踏まえて、環境報告の一層の発展を図るための方策について検討を行った。まず環境報告の意義等について整理を行った上で、一層の発展のための促進方策について検討を行った。その中で、信頼性確保のための方策については、最近注目を集めていることなどから、特に重点的に検討を行った。

* 「環境報告」(Environmental Reporting)及び「環境報告書」(Environmental Report)については、これまで厳密な定義はなされていない。これらをほぼ同じ意味で使う場合もあれば、「環境報告」を多様な環境コミュニケーションを含むより幅広い概念として捉える考え方もある。
 本検討会報告書においては、事業者等の組織について環境への負荷や対策の状況、対策の目標等の情報を体系的に取りまとめて定期的に公表する取組を「環境報告」と呼び、その取りまとめられたもの(冊子のほかインターネットへの掲載等を含む。)を「環境報告書」と呼ぶこととする。
 環境報告の手段としては、環境報告書のほか、有価証券報告書や営業報告書への掲載等が考えられが、本検討会報告書では、主として環境報告書を念頭において検討を行っている。


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