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第6節 

1 地下水汚染の現況

 昭和57年度及び58年度に環境庁が実施した地下水汚染実態調査の結果、トリクロロエチレン等による汚染が各地で認められた。また、その後、地方公共団体が毎年度実施している実態調査等においてもこれらの物質による汚染事例が依然として見出された。
 昭和61年度の地方公共団体による実態調査結果を取りまとめた結果の概要は次のとおりである。
(1) 概況調査
 これまでに調査がなされていない地域における井戸の汚染実態調査は、34都道府県の303市区町村で実施された。暫定水質基準を超過した井戸の割合(超過率)は、トリクロロエチレンが最も高く5.2%、次いでテトラクロロエチレン3.9%、1,1,1-トリクロロエタン0.1%の順となっている(第3-6-1表)。


(2) 汚染井戸周辺地区調査
 概況調査で汚染のみられた井戸の周辺井戸の汚染状況調査は17都道府県の74市区町村で実施された。暫定水質基準を超えた井戸の割合(超過率)は、トリクロロエチレン10.9%、テトラクロロエチレン13.2%、1,1,1-トリクロロエタン0.8%となっている。(第3-6-2表)
 なお、本調査は、汚染のみられた井戸について、その周辺を詳細に調査したものであり、地下水汚染はある程度の広がりをもっているために、概況調査よりも超過率が高くなっている。
 昭和59年度及び60年度に地方公共団体が実施した概況調査結果と61年度の概況調査結果を比較すると、調査対象地点は異なっているものの、61年度に新たに調査された地域においてもこれまで調査された地域と同程度の超過率で汚染が見いだされている。

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