3 海洋汚染の監視、取締り状況
(1) 監視取締りの現状
海上保安庁は、我が国周辺海域における油、有害液体物質及び廃棄物の違法排出、臨海工場からの汚水の違法排出等について監視取締りを行っている。特に東京湾、伊勢湾、大阪湾を含む瀬戸内海及びこれらに隣接する海域、本州南岸から南西諸島に至るタンカールート海域等汚染発生のがい然性の高い海域には、航空機及びヘリコプター搭載型巡視船等を重点的に配備し、監視取締りを実施した。
また、海洋汚染事犯の一掃を図るため、期間を定めて集中的な全国一斉の取締りを実施した。
さらに、海上公害関係の要員の充実、分析資器材の整備等により監視取締体制の強化を図った。
(2) 海上公害事犯の送致状況
海上保安庁が送致した最近3ヶ年の海上公害関係法令違反送致件数は第3-5-2表のとおりで、62年に送致した1,561件のうち、海洋汚染に直接結びつく油、有害液体物質及び廃棄物の排出等の実質犯は、1,491件と全体の約96%を占めている。