3 空き缶問題の現状と対策

　缶飲料の生産量は急速に増大し、45年には8億缶程度であったものが、60年には104億缶を超える状況にある。これら缶飲料の空き缶の一部が道路、公園、河川等に散乱し環境美化の観点から問題となっている。
　環境庁が61年度に全国の1,130市町村について実施したアンケート調査の結果によると、一部地域では問題が残されているものの全体的傾向としては徐々に改善されてきている。(第5-2-7図)。
　空き缶散乱防止対策としては、それぞれの立場から様々な取組が行われいる。地方公共団体においては、それぞれの地域に応じた各種の対策を講じており、空き缶散乱防止に関する条例や要綱の制定、投げ捨て防止のキャンペーン、清掃の強化等のほか、一部の地方公共団体等においては実験的に、公園等の区域を対象とした預り金方式(デポジット)などによる空き缶回収等が行われている。
　国においては、関係11省庁からなる「空き缶問題連絡協議会」における申し合わせに基づき、普及啓発活動の充実を図っているほか、環境庁及び厚生省は「環境美化行動の日」の設定を地方公共団体に呼びかけ、空き缶散乱防止を含め、広く環境美化のための国民各層の積極的行動の推進を図っている。
　事業者においては、普及啓もう活動を全国的に行うとともに、美化キャンペーンとしてごみ持ち帰り袋の配布、くずカゴの配布、全国各地で空き缶回収活動の推進及び自動販売機への回収容器の設置の促進等を行っている。
　住民等においては、空き缶持ち帰り運動やごみの分別収集に協力するとともに、全国各地で散乱空き缶の回収、資源化等でユニークな活動を行っている。