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第5節 

1 瀬戸内海環境の現況

(1) 水質汚濁の現況
 有機汚濁の代表的指標であり、また瀬戸内海においては総量規制が実施されているCODについて、環境基準の達成状況を見ると、60年度には全体で81%となっており、全般的には相当の改善が見られるが大阪湾等一部の海域では、なお達成率は低い。また、海域の大部分を占めるA類型水域での達成率が低い状況にある(第3-5-1表)。
 さらに、瀬戸内海は、栄養塩類等の流入に伴って、藻類が大量に増殖するという富栄養化の状態を呈している。富栄養化に伴う現象の一つでもある赤潮は、なお広域的に発生しており、61年には、162件の発生が確認された(第3-5-2図)。これら赤潮の発生に伴う被害は、6月〜9月に計13件発生している。
 油による海洋汚染の発生件数は47年の874件から61年には185件と大幅に減少しているものの、なお全国の約33%を占めている。
 これらを総合すると、瀬戸内海における水質環境改善のため、今後とも施策の徹底を図っていく必要がある。


(2) 海浜地の現況
 瀬戸内海沿岸は、人口及び産業の集中に伴う開発等により、全国的に見ても海岸の人工化が進んだ地域である。残された自然海浜は、海水浴、潮干狩り等海洋性レクリエーションの場として利用されてきており、これらのうち、60年における主要海水浴場60か所の利用者数の合計は、約991万人であった。

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